天皇誕生日はどうなる?2020年以降はいつが天皇誕生日なの?
2019年5月、新しい天皇がご即位後、天皇誕生日の祝日はいつになるのでしょうか?現在の平成の天皇誕生日はどうなるのでしょう?祝日として残されるのか、そして2020年以降の天皇誕生日の祝日とは?天皇誕生日について詳しく解説していきます!
目次
2020年以降の天皇誕生日はどうなるの?
今年2019年、新元号が発表されるのも間近となりました。今上天皇(きんじょうてんのう・在位中の天皇のこと)は生前退位され、皇太子殿下が天皇陛下に即位されることになります。
新しい天皇陛下が即位されることで、国民の祝日である天皇誕生日も変わります。2019年の天皇誕生日はどうなるのか、そして次の2020年の天皇誕生日はいつになるのかと気になっている人も多いでしょう。祝日ということで、仕事や旅行などの計画を今から立てたい人もいるはずです。
この記事では2019年の天皇誕生日と、次の2020年以降の天皇誕生日がどうなるのか、詳しく説明していきます。ぜひ参考にしてみてください!
そもそも天皇誕生日はどんな日?
そもそも天皇誕生日とは、まさに天皇がお生まれになった日のことです。元号が平成となってからの天皇誕生日がいつだったのかは、ご存知のとおり12月23日でした。12月23日は今上天皇の誕生日を祝うことを趣旨として、「天皇誕生日」として国民の祝日となりました。
元号が昭和だった時代には、天皇誕生日は4月29日でした。現在は名称が変わりましたが、4月29日はもともと「天皇誕生日」という名の祝日でした。昭和が終わり、新元号の平成になってから、4月29日は天皇誕生日ではなくなり、「みどりの日」という名前に変わりました。2007年の改正祝日法により、「みどりの日」は「昭和の日」という祝日名に改称されています。そして、「みどりの日」は5月4日に移行されたのです。
昭和以前の天皇誕生日は、明治天皇の誕生日である11月3日が「明治節」として祝日でした。これは明治天皇がご崩御されてから15年後の1927年に制定された祝日です。明治節は1948年に「文化の日」と名前が改められています。
来年以降の天皇誕生日はいつ?
今年2019年5月1日に現在の皇太子殿下が新天皇に即位されます。そうなると、次の天皇誕生日はいつになるのでしょうか?即位日がゴールデンウィークと重なることから、ゴールデンウィークの祝日も例年にない大型連休となります。カレンダー上での変化が多い2019年、次の天皇誕生日は一体いつになるのか、詳しく説明しましょう。
次の天皇誕生日は2月23日!
今上天皇の退位に向けた特例法により、2019年の皇位継承時に天皇誕生日も変わることが定められました。次の新天皇の誕生日は「2月23日」です。皇太子が天皇に即位される日は2019年5月1日であることから、2019年の天皇誕生日はなくなることになります。今後、天皇誕生日がなくなるということではなく、次の2020年から新しい天皇誕生日は2月23日になります。ただ、2020年の2月23日は日曜日のため、月曜日が振替休日となります。
尚、2019年の祝日はほかにも変更があります。2019年5月1日のご即位日は国民の祝日とされ、祝日と祝日に挟まれる4月30日と5月2日も休日と定めらました。2019年の5月5日のこどもの日は日曜日のため、5月6日の月曜日が振替休日となり、2019年のゴールデンウィークは10日連続の大型連休となります。また、即位礼正殿の儀が行われる2019年10月22日も国民の祝日となります。
次年の2020年も国民の祝日にいくつか変更点があります。東京オリンピックの影響もあるため、具体的にどうなるのか以下にまとめます。
● 2020年以降、「体育の日」は名称が「スポーツの日」となる。
● 2020年に限り、「海の日」は7月23日になる。
● 2020年に限り、「体育の日(スポーツの日)」は7月24日になる。
● 2020年に限り、10月の「スポーツの日」はなくなる。
● 2020年に限り、「山の日」は8月10日になる。
5月1日も一回限りの祝日となる
2019年5月1日は新天皇がご即位される日のため、国民の祝日となります。ただ、次の2020年以降は5月1日は祝日ではなくなるので注意しましょう。5月1日は2019年一回限りの祝日なのです。
今の天皇誕生日は平日になるの?
では、今上天皇の天皇誕生日だった12月23日はどうなるのでしょうか?昭和天皇の誕生日である4月29日は、名称は変わったものの、現在も祝日として残っています。では、12月23日も祝日となるのでしょうか?
2017年12月21日の政府の発表によると、今上天皇の退位後、つまり2019年の12月23日は祝日ではなくなると閣議決定されたとのことです。ただし、これは「当面の間」の処置であるとも述べられています。
今上天皇は譲位後、「上皇(じょうこう)」となられます。たとえばこの日を「上皇誕生日」として祝日にすると、二重権威になりかねないとの意見もあります。今後12月23日がどうなるのかについて、政府は様々な議論が必要と述べています。とりあえず2019年12月23日は平日となります。
2019年は天皇誕生日がなくなる?
先にお話ししたとおり、新天皇の天皇誕生日は2月23日です。即位日が2019年5月1日であることから、2019年の天皇誕生日はなくなることになります。天皇誕生日がない年というのは、1948年の祝日法施行以来、初めてのことです。
ひとつ祝日が減ったことを残念に思う人もいるかもしれませんが、2019年は大型連休もあり、長期の旅行の計画も可能でしょう。2020年以降は2月23日が新たな天皇誕生日として祝日になります。
【天皇誕生日だった祝日①】昭和の日
先ほども触れましたが、昭和天皇の誕生日だった「昭和の日」について、もう少し詳しくお話ししましょう。昭和天皇の天皇誕生日は4月29日でした。この天皇誕生日は、1948年までは「天長節(てんちょうせつ)」と呼ばれていました。昭和天皇の「天皇誕生日」として4月29日が祝日だったのは、1949年から1988年までとなります。平成元年となる1989年からは新天皇のご即位にともない、「天皇誕生日」としての祝日は12月23日に改められました。
ただ、4月29日はゴールデンウィークを構成する祝日で、国民の生活にも影響が大きいことから、「みどりの日」と名前を改めて祝日として残されました。その後、昭和という激動の時代を忘れないようにしたいという国民の要望もあったため、2005年の祝日法改正により、4月29日は「昭和の日」と改められました。みどりの日は5月4日に変更となり、現在も祝日として残されています。
【天皇誕生日だった祝日②】文化の日
現在の「文化の日」も、もともと明治天皇の誕生日でした。明治元年に明治天皇がご即位されたときにはまだ旧暦を用いていたため、旧暦の9月22日(新暦の11月3日)が「天長節」として祝日でした。この天長節は1873年に太陽暦が採用された後に、正式に11月3日になりました。
1912年7月30日の明治天皇のご崩御後、明治時代が終わり、大正元年となります。この年は11月3日に予定していた明治天皇誕生日を、8月31日(大正天皇誕生日)に変更する手続きが行われましたが、遅れて9月4日になり、結局、天長節が存在しない年となりました。この1912年以降、明治天皇誕生日である11月3日は平日となりましたが、1927年に「明治節」として休日に定められました。
ところが、第2次世界大戦後、GHQが天皇と国民とのつながりを排除しようとする考えから、当初11月3日の「明治節」は廃止されました。一方、1946年11月3日に日本国憲法が公布されています。政府としては「では、11月3日を憲法記念日に」という動きもありましたが、これも天皇と憲法を結びつけるものとして、GHQによって強く反対されました。
代わりに、「憲法記念日でなければ良い」という考え方から、11月3日が「文化の日」と定められたという経緯があります。尚、憲法が施行された翌1947年の5月3日が「憲法記念日」として、祝日に定められています。
大正天皇の天皇誕生日が祝日じゃないのはどうして?
では、明治と昭和の間の大正時代、天皇であった大正天皇の誕生日はいつだったのでしょうか?「大正天皇誕生日」がいつなのかご存知ですか?大正天皇の誕生日は8月31日です。でも、なぜその日は「大正天皇誕生日」ではないのでしょう?天皇誕生日でもなければ、ほかの祝日でもありません。
大正天皇の天皇誕生日は8月31日でとても暑い時期です。盛暑期には各種式典を行うことが難しいなどの理由で、大正元年(1912年)以降は10月31日を天長節(本来なら天皇誕生日とする日の意味)とし、祝日として制定されました。実際の天皇誕生日である8月31日も、天皇誕生日としての行事などは催されないものの、やはり休日でした。つまり、天皇誕生日による休日が年に2回あったわけです。
この年に2回あった天皇誕生日がいつ廃止されたかというと、大正天皇が崩御された後になります。昭和2年(1927年)から昭和天皇の天皇誕生日として、4月29日が「天長節」となりました。これが戦後の1948年に祝日法が制定されたことにより、「天皇誕生日」と名称が変更されたのです。
ここでやはり疑問として残るのが、なぜ大正天皇の天皇誕生日が祝日として残されなかったのかということです。これにはいくつかの理由があるとされています。たとえば大正天皇のご崩御後、大正天皇誕生日を残そうとする動きがなかったこと。大正時代は15年と短かったこと。この短い在位期間中、大正天皇には明治天皇や昭和天皇のように後世に伝えたい偉業がないこと。様々な考え方があるようですが、単純に祝日法で定められなかっただけという意見もあります。
尚、今上天皇は125代目の天皇です。これまでの天皇誕生日をすべて祝日として残していたら、どうなるでしょう?大変なことになると思いませんか?
大正天皇の天皇誕生日が残されなかったことが特別というより、明治天皇と昭和天皇の天皇誕生日を、名称を変えながらも残していることが特別といえるでしょう。
12月23日が祝日になるかどうかは世間次第!
明治・大正・昭和・平成の天皇誕生日、そして新天皇の天皇誕生日についても解説してきました。いよいよ今年2019年5月には、新しい天皇がご即位されます。上皇となられる今上天皇の誕生日、12月23日は2019年は祝日とはなりません。今後、なんらかの形でまた祝日として復活するのでしょうか?
現在のところ政府としては、世間の動向を見ながら判断する考えのようです。平成という時代の意義について、国民が再考する良い機会になるのかもしれません。