9月の挨拶文の書き方!季語を取り入れた書き出しや結び例144選も!
9月の挨拶文には、8月から続く「残暑」や新しい秋「立秋」の季語を取り入れましょう。もちろん、結びの言葉にも「涼風」や「豊穣」の季語を入れれば、手紙の最初から最後まで一貫した9月の季節を感じる挨拶文になります。9月の季語を始めとする144個の書き方は必見です。
目次
9月の挨拶文はどう書けばどうすればいいの?
誕生日や記念日といったプライベートな手紙でも喜寿や白寿といった特別な日となれば、特別な手紙を書こうと意識しますよね。特に、9月に贈る手紙なら挨拶文に秋を感じる文言を添える工夫が必要になります。
とはいえ、秋のシーズンを考えれば紅葉やイチョウ、栗といったイメージがすぐに浮かびますが、9月の1ヶ月だけと限定してしまうとすぐにはイメージが浮かばないこともありますよね。
そこで、今回は9月の挨拶文に使えて便利な季語や慣用句に注目しています。もちろん、9月の上旬や中旬、下旬といった時期別に用いれる挨拶文の例も紹介しています。
【9月の挨拶文の前に】手紙の基本的な書き方を紹介!
基本となる4つの構成と構成ごとのポイントをおさえれば、書きにくいのではと感じるビジネスレターも抵抗なく書けるようになります。
手紙の基本構成とは
手紙は、基本的に4つの構成からできています。
それぞれは『前文』・『主文』・『末文』・『後付け』と名前が付いています。これは、本でいう「はじめに」・「本文」・「おわりに」・「奥付」に似ている構成と考えていいでしょう。
※奥付は、本の終わりに記載されている著者名や出版年月日の部分を指します。
前文で書く内容
前文では、「ご無沙汰しています」や「元気にしていますか?」と手紙を出した相手への気遣いを示す文章を書きます。
しかし、手紙は人と会う時とは違って、相手の時間を割いてもらって読んでもらわないとなりません。ですから、手紙の冒頭には『拝啓』という言葉を使用します。拝啓には、「謹んでも申し上げます」という意味があり、読む相手の時間をいただき、「今からの時間は手紙にお付き合いください」とメッセージを込められます。
拝啓以外に用いることのできる言葉
拝呈(はいてい) | 手紙を差し出す相手を敬う際に用いる言葉 |
啓上(けいじょう) | 主に、男性に宛てる際に用いる言葉 |
一筆申し上げます | 主に、女性に宛てる際に用いる言葉 |
また、前文には手紙を出す季節や時期に合わせた時候の挨拶や日頃なかなか伝えることのできない「ありがとう」の感謝を書きます。
主文で書く内容
主文には、手紙を出した目的を書きます。
主文を書く際は、前文の内容(時候の挨拶など)から話の方向が変わりますので、「さて」や「このたびは」、「さて、このたびは」という起こし言葉・起辞から始めます。
末文で書く内容
末文には、手紙を読んでくださった相手の今後を気遣う言葉で結びます。
季節の移り変わりで体調を崩さないでほしいや今後の人生の発展を願う気持ちを書き、結びの挨拶とします。そして、挨拶のあとは結び言葉を改行して書き、「拝啓」と対応する「敬具」などの結語で締めます。敬具も拝啓と同様「謹んで申し上げます」を意味します。
敬具以外に用いることのできる言葉
敬白(けいはく) | 手紙を差し出した相手を敬う際に用いる言葉 |
拝具(はいぐ) | 主に、女性に宛てる際に用いる言葉 |
後付けで書く内容
後付けには、手紙をポストに入れる日付・書いた自分や差し出す相手の名前を書きます。
【9月の挨拶文の書き方①】9月の季語や慣用句一覧!
9月の季節にしっくりくる季語や慣用句を使って、挨拶文に秋の風を纏わせましょう。時候の挨拶を使用すれば、季節の情景や植物があなたの気持ちを代弁してくれます。
9月の季語【時候編】
残暑・新涼・立秋・白露・秋分
夏の名残を感じさせる「残暑」、名残の中にも秋らしい涼やかな風がそよぐ「新涼」や「立秋」、赤とんぼや秋晴れの空を仰ぐ「白露」、そして先祖を敬う日が連なる「秋分」といった時候の季語を用いましょう。
9月の季語【天候や空模様編】
台風・秋の雲・秋日和・秋晴れ・秋の夕焼け
9月は季節の変わり目のため、天候や空模様が変わりやすい時期ですよね。ですから、9月の挨拶文には「台風が来ましたが様子がどうでしょうか」や「澄んだ空に心が洗われるようだ」といった相手の状況を察する、自分の様子を伝えられる季語を用いましょう。
9月の季語【植物編】
コスモス・萩・金木犀・彼岸花・すすき・稲穂・早稲
9月に見られる植物を季語として挨拶文に書く場合は、「コスモスは9月に咲くだろう」と安易に考え書くのはよくありません。自分の周囲に目を配り、実際に目にしたものを挨拶文に用いる季語とするのもいいでしょう。
9月の季語【食べもの編】
秋刀魚・葡萄・松茸・松茸ご飯・栗・秋茄子
9月は、食欲の秋をイメ―ジさせる方は多いですよね。特に、脂がのって美味しい秋刀魚は挨拶文に加えることで、「食べ過ぎてお腹を壊さないように」といった気遣いを見せることができます。また、宝玉のような葡萄なら「子宝に恵まれますように」や「お子さんの健やかな成長」を願う気持ちを挨拶文に込められます。
9月の挨拶文の慣用句
涼しい秋風を感じる季節・秋めく季節の到来・秋たけなわの好季節
9月の挨拶文に用いる慣用句には、夏の熱を冷ます涼し気な風や秋の実りや咲く花々の様子が表現がおすすめです。
【9月の挨拶文の書き方②】季語を使った書き出しの例文57選!
9月の季節にしっくりくる季語を使った挨拶文から『書き出し』をチェックしましょう。9月の季語を使いこなせば、ビジネスやプライベートの挨拶文のバリエーションが増やせます。
天候や季節感を主体とした書き出し27選!
秋の風や雲、秋の味覚を表現した挨拶文に用いたい書き出しです。
9月の挨拶文の書き出し【天候編】
1.暑さの中にも涼やかな秋風が感じられる 2.金風(きんぷう)感じる 3.澄み切った青空に鰯雲が浮かぶ 4.秋晴れの空に心が弾む 5.秋天(しゅうてん)冴え渡る 6.黄昏色(たそがれいろ)に染まる |
~今日この頃。 ~好季節。 |
7.色なき風が通り過ぎる 8.黍嵐(きびあらし)吹き荒れる 9.厳しい台風が過ぎ、この頃は秋の陽気を感じる 10.うろこ雲が広がる空に秋の深まりを感じさせる 11.夏の雲から秋の雲に変わり、すっかり秋めく 12.旻天(びんてん)に秋の雲が浮かぶ |
~季節(時節)となりました。 |
13.9月になり、なおいっそうの残暑 14.9月になってなお向暑(こうしょ) 15.穏やかで過ごしやすい秋日和 |
~が続いております。 |
2の金風は秋の穏やかな風を、5の秋天と12の旻天は澄み渡る秋の空を意味します。また、8の黍嵐には秋に吹く強風の意味があります。
9月の挨拶文の書き出し【季節感編】
16.暦の上では秋となる | ~頃。 |
17.秋されの 18.めっきり秋めく 19.爽やかな風を感じる 20.秋の夜が長く感じられる 21.夜長を賑わす虫の音に、すっかりの秋を感じる 22.葡萄もたわわに実る 23.秋刀魚が美味しく感じられる 24.香り高い松茸に食欲がそそられる 25.栗や葡萄の実りに嬉しさを感じる 26.灯火親しむ |
~季節(時節)となりました。 |
27.お二人が敬老の日を迎え、 | ~嬉しく思います。 |
26の灯火親しむは、時期としては9月の中旬~下旬にかけて使用できる表現です。
9月の自然や風物を感じさせる書き出し30選!
秋の虫や花、秋の田や祭りを表現した挨拶文に用いたい書き出しです。
9月の挨拶文の書き出し【自然編】
1.夏虫から秋虫へと賑わいの移り変わりを感じる 2.彼岸花が静かに咲き誇る 3.紫苑の花がひっそりと咲く 4.淑やかに咲くリンドウに愛しさを感じる |
~今日この頃。 ~頃。 |
5.秋空に赤とんぼが映える 6.秋茜が忙しなく飛び交う 7.青の空に赤卒(せきそつ)が過ぎる 8.松虫歌う 9.こおろぎの音が似合う 10.鈴虫の音が美しく響く 11.秋を告げる虫の音が静かな夜にしっくりとくる 12.コスモスが鮮やかに咲く 13.道端に咲く秋桜(コスモス)で花めきを感じる 14.すすきの穂が風に揺れる 15.萩の花が優しく風に揺れる 16.秋の訪れとともに初見草が満開に咲き誇る 17.黄色や白の千代見草が秋の深まりを告げる 18.色とりどりの菊が咲き乱れる 19.金木犀の香りと共に秋の訪れを感じる 20.涼風と共に木犀花(もくせいか)の芳香を感じる 21.足下のどんぐりに秋の到来を感じる |
~季節・時節となりました。 |
1の秋虫は、5~11の秋の虫を総称した表現です。7の赤卒は赤とんぼの別名となるため、5や6の文章との言い換えも可能です。また、16の初見草や17の千代見草、20の木犀花はそれぞれ15の萩、18の菊、19の金木犀の別名ですので、それぞれの言い換えも可能です。
9月の挨拶文の書き出し【風物編】
22.秋の田が金色に輝く 23.金色の稲穂が秋の風に揺れる 24.豊年の願いが叶い、今年も実りが感じられる 25.豊の秋を前に収穫を待ちわびる 26.出来秋(できあき)を守る案山子が凛々しさを増す |
~今日この頃、 ~頃、 |
27.秋の田に豊作の兆しが感じられる 28.多くの案山子がいっそうの実りを守る 29.豊作を祝う秋祭で賑わいをみせる |
~季節・時節となりました。 |
30.町に飾られた盆提灯が灯りが深まる秋 | ~を感じさせます。 |
24~26は、実りの秋を言い換えた表現です。また、30の盆提灯は「盆」の文字を取ると夏の季語として8月に使用できます。
【9月の挨拶文の書き方③】ビジネス向きの書き出しの例文9選!
堅苦しいビジネス文章も季節感を出せば、あなたらしさが表れる挨拶文になります。9月のビジネス向き挨拶文は、秋の気温や空色を書き出しのアクセントに使用しましょう。
【前半】ビジネス例文
1.いまだ暑さの残る今日この頃、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
2.朝夕の涼しさを感じる頃、貴社にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
3.暑さの和らぎを感じる今日この頃、○○様にはますますご活躍のことと存じます。
4.爽やかな秋風を感じる季節となりました。
5.涼風に揺れるコスモスが趣を感じさせる季節となりました。
【後半】ビジネス例文
6.秋めく空に揺れるすすきが風情を感じさせる季節となりました。
7.澄み渡る空の青にめっきり秋を感じる時節となりました。
8.虫の音の賑わいに秋めきを感じる時節となりました。
9.食欲そそる秋の味覚に1日の疲れも癒される時節となりました。
【9月の挨拶文の書き方④】結びの言葉の例文15選!
9月の挨拶文からシーン別にみる結びの言葉を紹介します。3つのシーン「体調の労い・季節感・発展への願い」で結びの言葉を使い分けましょう。
挨拶文に使いたい『体調を気遣う結びの言葉』
1.まだまだ続く残暑です。どうかご自愛のほどを。
2.季節の変わり目、どうぞご自愛ください。
3.日中の寒暖差に気をつけてお過ごしください。
4.新秋の折、健やかにお過ごしください。
5.秋冷の候、体調を崩されませぬようご自愛ください。
挨拶文に使いたい『季節感ある結びの言葉』
6.いよいよ食欲の秋です。今年もいつものメンバーで、秋の味覚を満喫しましょう。
7.もうじき椎茸が美味しい時節となります。今年も椎茸を囲む会を計画しましょう。
8.スポーツの秋ですので、互いに老いに負けない体力づくりに励みたいところですね。
9.体を動かすには丁度いい時節です。爽やかな風を受け、体力の向上に励みましょう。
10.月見酒の時節、くれぐれも飲みすぎにはお気をつけください。
挨拶文に使いたい『発展や充実を願う結びの言葉』
11.この秋の豊穣をお祈り申し上げます。
12.豊穣の秋、貴社におかれましても益々の発展をお祈り申し上げます。
13.爽秋の折、皆様の益々のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
14.新涼の候、清々しい秋を満喫されますことをお祈りいたします。
15.穏やか続く好季節、ご家族揃って有意義にお過ごしください。
【上級者向けの9月の挨拶文①】初旬・中旬・下旬の時候の挨拶63選!
挨拶文に書き慣れたら、プライベートやビジネスでも応用できるように、時期別で時候の挨拶を使い分けましょう。9月の初旬または上旬、中旬、下旬に合わせた63の表現です。
①9月初旬の時候の挨拶21選!
9月初旬または上旬(だいたい1~8日)に使用できる時候の挨拶です。
1.二百二十日(にひゃくはつか)の候、いかがお過ごしでしょうか。
2.処暑(しょしょ)の候、お変わりございませんでしょうか。
3.残暑(ざんしょ)のみぎり、涼風の訪れを待ちわびる日々です。
4.立秋(りっしゅう)のみぎり、涼気が待たれる日々でございます。
5.新秋(しんしゅう)の折、微かに秋の香りを感じています。
6.新秋快然(かいぜん)たるの折、夏負けの体も幾分活動的になってきました。
7.早秋(そうしゅう)の候、今年の棚田は例年にも増して豊作が期待されます。
9月の初旬や上旬の時候の挨拶は、8月の下旬から暑さの名残を感じる表現や季節の移り変わりを表現する言葉を使いましょう。また、続ける言葉には暑さによる体調への気遣いや涼しい風を待ち焦がれる気持ちを記しましょう。
8.秋浅し(あきあさし)の候、いまだ続く暑さには心も体も溶けてしまいます。
9.初秋(しょしゅう)の候、子供たちは暑さに負けず元気に日々を過ごしています。
10.秋初め(あきはじめ)のみぎり、照り続ける日は今だ衰えを知らないようです。
11.孟秋(もうしゅう)のみぎり、心待ちにしていた季節の訪れと嬉しく感じます。
12.野分(のわけ)の折、荒れ狂う天候が過ぎればいよいよの秋と感じています。
13.黍嵐(きびあらし)の折、○○様の田畑への影響が心配されます。
14.秋風(しゅうふう)の折、暑さの中に心なしか涼しさが感じられます。
8~11は秋の初旬や上旬を、11~13は台風や暴風を指します。手紙を送る相手が、田畑や果樹園を持つ場合は様子を尋ねる一文を書きましょう。
15.新涼(しんりょう)の候、爽やかな心地を感じています。
16.新涼灯火(とうか)の候、書物と共に過ごす時間をひっそりと慈しんでいます。
17.早稲(わせ)のみぎり、香り立つ実りにいよいよの秋を感じています。
18.竹春(ちくしゅん)のみぎり、青々とした竹林を見ては貴方を思い出す日々です。
19.豊の秋(とよのあき)の折、育ち盛りの息子は毎日おかわりを欠かしません。
20.出来秋(できあき)の折、○さんと食べた松茸ご飯の味を懐かしく感じています。
21.秋祭(あきまつり)の折、娘の学校では子供みこしを楽しんだと言います。
16は「灯火親しむ」の略語とされ、読書に親しむには秋の涼しさは丁度いい頃になったの意味があります。また、「灯火親しむ」に新涼が付いた場合は9月の中旬~下旬の意味だけでなく、9月の上旬を指す場合もあります。
②9月中旬の時候の挨拶21選!
9月中旬(だいたい8~17日)に使用できる時候の挨拶です。
1.白露(はくろ)の候、秋の野に涼風が吹いて参りました。
2.秋晴(しゅうせい)の候、清々しさに心も晴れ渡る思いです。
3.草露白(くさつゆしろし)の候、次第に暑さの和らぎを感じています。
4.鶺鴒鳴(せきれいなく)のみぎり、山々の賑わいに秋めきが感じられます。
5.玄鳥去(つばめさる)のみぎり、緑の山々が赤や黄色に色づき始めてきました。
6.爽秋(そうしゅう)の折、夏バテした体にみなぎるエネルギーを感じています。
7.涼風(りょうふう)の折、心なしか暑さが名残惜しく感じられます。
1~3は8日前後に、4は12日前後、5は17日前後の具体的な日にちを表します。また、6や7は秋の中旬に吹く風を趣深く表せます。
8.秋涼(しゅうりょう)の候、風が知らせる秋の訪れを感じる日々であります。
9.秋涼爽快(そうかい)の候、日課の運動までも心地よく感じる日々です。
10.律の風(りちのかぜ)のみぎり、風と共に虫の音も耳に届くようになりました。
11.律の調(りちのしらべ)のみぎり、秋刀魚の香りもまた風に運ばれてきました。
12.清秋(せいしゅう)の折、青空の下で行う運動が心地よく感じられてきました。
13.秋天(しゅうてん)の折、空へと広がる子供の声が励ましのように感じられます。
14.旻天(びんてん)の折、家族皆で収穫への意欲を燃やしています。
8~11は、どれも秋の風を意味し、秋の風特有の涼しさや爽やかさを表します。12~14は、秋の清々しい空を指して使います。曇り空や冷たい雨が続く中旬~下旬の時期には使用しないので注意が必要です。
15.秋旻(しゅうびん)の候、家族で出かける機会がますます増えて参りました。
16.蒼旻(そうびん)の候、○様のお宅でも家族旅行はなさいましたか。
17.秋桜(コスモス)の候、静かに咲く花の様子に風情を感じています。
18.大春車菊(おおはるしゃぎく)の候、花火にも似たその姿に夏の名残を感じます。
19.萩(はぎ)のみぎり、立派に咲く花の姿は父の背中を思わせます。
20.萩月(はぎづき)の折、今年も祖母の誕生日を迎えられることになりました。
21.燕去月(つばめさりづき)の折、日ごとに空気の冷たさを感じます。
15、16は先程紹介した「旻天」と同じ清々しい秋の空を表します。秋晴れの続く中旬に使用できます。
③9月下旬の時候の挨拶21選!
9月中旬(だいたい17~30日)に使用できる時候の挨拶です。
1.秋分(しゅうぶん)の候、つつがなくお過ごしでしょうか。
2.秋社(しゅうしゃ)の候、今年も変わらない実りの秋に感謝をする日々です。
3.雷及収声(かみなりすなわちこえおさむ)の候、めっきり秋めいて参りました。
4.彼岸花(ひがんばな)の候、先祖に敬意を向ける荘厳の時を思う日々です。
5.秋彼岸会(あきひがんえ)のみぎり、心なしか背筋が伸びる思いを抱いています。
6.秋彼岸のみぎり、慎ましさと清らかさで先祖への感謝を思う日々です。
7.後(のち)の彼岸のみぎり、移りゆく時代を先祖と共に過ごしている次第です。
1は9月の下旬の期間に広く使用できます。2は18日頃、3は22日~27日前後に、4~7は、22日前後の3日間を示せます。
8.初見草(はつみぐさ)の候、咲き誇る花の様子が先祖の微笑のように感じられます。
9.千代見草(ちよみぐさ)の候、淡い花色が自然と心を落ち着かせるようです。
10.中秋(ちゅうしゅう)のみぎり、年甲斐もなく月見酒としゃれ込んでいます。
11.仲秋(ちゅうしゅう)のみぎり、妻と揃って晩酌を楽しむ夜を過ごしています。
12.仲の秋(なかのあき)のみぎり、朝夕は幾分肌寒さが感じられてきました。
13.名月(めいげつ)の折、酔いも忘れて晩酌に興じる日々であります。
14.中秋の名月の折、夜毎に格別の酒を夫婦で味わっています。
8、9は菊の意味を示すため、彼岸の22日前後の3日間を指します。10~14は9月の下旬~10月の上旬や初旬にかけて使用できます。
15.秋雨(しゅうう)の候、日ごとに空気の冷たさが感じられるようになりました。
16.秋冷(しゅうれい)の候、少しばかり寒さが感じられ体調を気遣う日々です。
17.金木犀(きんもくせい)のみぎり、微香の先に深まりゆく秋を感じます。
18.木犀花(もくせいか)のみぎり、見えぬあなたが思われ、物悲しさを覚えます。
19.秋色(しゅうしょく)の折、山野のキャンバスは赤や黄色に染まり始めています。
20.秋麗(しゅうれい)の折、野山も人も秋の装いでいっそう美しく感じられます。
21.秋麗(あきうらら)の折、のどかな日々に一時の安らぎを覚える日々です。
15と16は雨で冷え込む時期、17と18は金木犀の花が咲く時期、19~21は紅葉で色付く時期、いずれも9月の下旬~10月の上旬にかけて使用できます。
【上級者向けの9月の挨拶文②】『9月』の呼び名・別名一覧!
挨拶文に書き慣れたら、上級者として腕をあげるために、別名を用いましょう。9月の挨拶文なので、9月を古風に言い換えた書き出しで、挨拶文の質を高めましょう。
長月・夜長月・稲刈月
9月は秋の夜が長くなることから「長月(ながつき)」や「夜長月(よながづき)」と呼ばれます。一説には、稲刈の「ねかり」という表現が訛って「ながつき」と呼ばれるようになったともされています。
※長月・夜長月を挨拶文に使う場合は、上旬・中旬・下旬に限らず使用できます。ただし、稲刈月を挨拶文に使う場合は収穫のタイミングを図るといいでしょう。
菊月・菊咲月
9月9日は、重陽(ちょうよう)の節句とも言われ、古くから長寿の願いを込める日として親しまれてきました。重陽の節句は、別名「菊の節句」とも呼ばれており、長寿のシンボルである菊や年長者への労いを込めて、9月の別名を菊月(きくづき)や菊咲月(きくさづき)と呼ぶようになりました。
※菊月や菊咲月を挨拶文に用いる場合は、主に9月の上旬に使うのがいいでしょう。
9月の挨拶文を実際に書いてみよう!お礼はがきの例文を紹介!
9月の挨拶文の例文では、プライベート編とビジネス編の2種類を紹介しています。プライベート編では、9月の行事から敬老の日を取り上げ、孫からおじいちゃん・おばあちゃんに向けたお礼はがきの例文となっています。
また、ビジネス編の例文では時候の挨拶が上旬向けになっています。手紙の最初で使う時候は、書いている時に合った表現を、結びで使う時候は少し先の秋を想定して表現するといいでしょう。今回は時候の挨拶が上旬なので、結びでは下旬の表現を使っています。
9月の挨拶文【例文:プライベート編】
秋めく季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。 さて、今年もお二人の敬老の日がめでたく迎えられましたこと孫一同嬉しく思います。 今年は、おばあさまのお好きなコンサートのチケットを同封していますので、二人仲良く鑑賞いただけたら幸いです。 秋冷の候、体調を崩されませぬようご自愛ください。 |
9月の挨拶文【例文:ビジネス編】
拝啓 立秋の候、ますますご活躍のことと存じます。 9月に入り、いまだ暑さの残る今日この頃、 ○○様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 さて、その節はご多忙の中ご来社いただき誠にありがとうございました。 (中 略) 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。 豊穣の秋、貴社におかれましても益々のご発展をお祈り申し上げます。 取り急ぎ、書面にてお礼申し上げます。 敬具 |
季語を使って秋を感じる素敵な手紙を書いてみよう!
9月の季語「残暑」や「新涼」を使えば、短くシンプルに秋を感じる挨拶文が書けます。もちろん、ビジネス向けの挨拶文だけでなく、日頃お世話になっているおじいちゃんやおばあちゃんへの感謝を記すといったプライベートな応用もできました。9月でなければ、書けない誕生日や記念日の手紙は例文を参考に書いてみましょう。