『なまめかしい』の意味や正しい使い方は？なまめかしい男女の特徴も！

「あの女性はなまめかしい。」と聞くと、皆さんはどんな女性を思い浮かべるでしょうか。しっとりと雨に濡れたような、男性を魅了するような女性が思い浮かぶでしょうか。

実はこの『なまめかしい』の古語である『なまめかし』を語源にもち、女性を形容する使い方をされてきた古くからある言葉なのです。

また『なまめかしい』を英語に訳した場合はどうなるでしょうか。

そこでここでは『なまめかしい』の意味や日本語での正しい使い方、英語への訳し方を紹介します。

『大辞林』によると、現代語での『なまめかしい』の意味は以下になります。

なまめかしい----異性の心をそそるような魅力がある。あでやかで色っぽい。あだっぽい。

漢字では『艶めかしい』『艶かしい』『嬌しい』と書きます。｢色が豊か｣と表現するこの漢字からも、色っぽさが感じられますね！そのため男性を魅了するような上品で、色っぽい女性を形容する際に用いられます。

古語である『なまめかし』は動詞『なまめく』の形容詞系で、その語源は平安時代にさかのぼります。『なまめかしい』の語源にあたる古語『なまめかし』は当時女流文学に好んで用いられていました。

古語『なまめかし』の意味は以下になります。
① 若々しく美しい。みずみずしく美しい。
②しっとりと上品な美しさがある。優美だ。優雅だ。
③しっとりとした情趣がある。風雅である。

古語『なまめかし』の『なま』は漢字で表現すると『生』の意味。古語では「生」からわかるように、若々しく、フレッシュで、清らかなイメージをあらわしています。若々しくて美しいから、未熟。未熟だから、自信がなくみえて奥ゆかしい。そこから②の上品だ、優雅だという意味も生まれました。

現在の『なまめかしい』は古語の『なまめかし』を語源にもちます。

平安時代の文学作品、『枕草子』や『源氏物語』の中にも『なまめかし』が使われています。その後、『なまめかし』は平安時代末期には女性の性的な魅力を表す現代語の意味にも転じてきます。特に近世以降にはこの意味で使われるようになりました。

現在の『なまめかしい』の語源である『なまめかし』は1000年以上前から使われていたのです。

では『なまめかしい』はどのような使い方をしたらよいのでしょうか。太宰治は彼の小説の中で以下のように『なまめかしい』を用いています。

形容詞である『なまめかしい』は名詞の前に置き、その名詞を修飾する使い方をします。
・なまめかしい仕草
・なまめかしい女の声

また以下のような使い方もできます。
・一糸まとわぬ裸体はびっくりするほどなまめかしい
・なまめかしげにちろちろ動く美しい目

いずれにしろ、『なまめかしい』という単語を使うと文章に妖艶な雰囲気がかもしだされますし、色っぽさを表現できる美しい文章になります。ぜひ上手な使い方をしてください。

類語辞典で調べると以下のように『なまめかしい』の類語がでてきます。

また『なまめかしい』の対義語には、美しさを欠いた状態「粗野・下品」が該当します。粗野の意味は「丁寧さがなく大雑把でいい加減なこと・大雑把で洗練されていない様子・粗っぽくてセクシーさがない」となります。

『なまめかしい』を漢字で表記すると、『艶めかしい』『艶かしい』『嬌しい』となります。

『艶』という漢字には美しさ、色っぽさ、つや、粋な意味も含まれています。また、男女の情事の意味も含まれています。そして『なまめかしい』は、『嬌』は『愛嬌』のからわかるようにかわいらしさをあらわす漢字でも表現されます。

ただし、漢字表記はあまり多くはなく、ひらがなで書くことが一般的なようです。

『なまめかしい』に相当する英語を辞書で調べると、

coquettish（あだっぽい、男たらしの）
sexy（色っぽい）
charming、alluring、seductive（魅力のある）
amorous （好色な、多情な）

などが該当します。

英語の文章の中では以下のような使い方をします。

She is a coquettish girl. （なまめかしい娘だ）
You are very sexy. （あなたはとても色っぽい。）
a charming face（魅力ある顔立ち）
an amorous story（艶っぽい話）

なかでもcoquettishは、少女から女性に成りつつある可愛らしさの中にあるセクシーさのようなものを表現するのにも使われます。sexyよりも控えめなニュアンスになるようです。

英語で『なまめかしい』を表現することは簡単ではありませんが、どうしても英語に訳さなくてはいけないとき、その状況によって適切な単語を使い分けるといいですね。

『なまめかしい』は上品なセクシーさをあらわす言葉です。単純なエロさをあらわすのではなく、上品な意味が含まれているので、誉め言葉にあたるでしょう。男性を魅了する上品で色っぽい大人の女性を表現するにはぴったりな言葉です。

なまめかしいはその語源からみても、主には女性を形容する言葉ですが、男性にも使うことも可能です。ではなまめかしい男性とはどのような男性でしょうか。その特徴について紹介します。

男性に対してなまめかしいと感じる場合、特にその指先に特徴があります。手指は仕草の代表と言えるパーツです。歌舞伎でも役者が女形を演じる場合、その指先の色気の出し方まで気を使います。

なまめかしい男性は、女性のように美しい指先をし、その手先の仕草からは色っぽさも感じられます。華奢な感じの女性のように美しい男性で、女性もその美しさに魅了されます。

男性でなまめかしいと感じる人には、どこかミステリアスな雰囲気を持っています。大胆で粗暴な男性にも魅力はありますが、またそれとは逆に物静かに微笑み、セクシーな雰囲気の男性は、女性にはない美しさの魅力があります。

なまめかしい女性はどのような雰囲気を持っているのでしょうか。男性を魅了するなまめかしい女性を目指す人のためにも、その特徴を紹介します。

『なまめかしい』女性の重要な要素は控えめなセクシーさです。

大胆に胸元のあいた服や短いスカートで、キャピキャピした女性ではなく、服装は控えめですが、その仕草や、言葉遣いなどに、色っぽさがあるのが特徴です。

露出と色っぽさは同じではありません。「見えない」からこそ女性としての色っぽさが増すのです。たくさん露出すれば、逆に下品な印象になってしまいます。清潔感のある大人な服装に、ワンポイントのアクセサリーを身に着けるような上品なファッションがポイントです。

『なまめかしい』女性のもう一つの特徴として、あまり多くを語らないことにあります。そのミステリアスな雰囲気にセクシーさを感じる人も多いでしょう。

逆に、自分のことをたくさん話すおしゃべりな人からは、色っぽさを感じることができません。『なまめかしい』女性は聞き上手で、話し方も上品であり、そこがさらなる魅力だといえる部分でしょう。

『なまめかしい』女性とは、言うまでもなく品がある女性をさします。女性の品は、服装だけではなく、話し方、食事の仕方、その仕草や立ち振る舞いなど、さりげない部分から感じられます。

露出が激しい服や、大声でのおしゃべり、汚い食べ方などしていれば、そこから美しさは感じられません。見た目の美しさでは行動や内面からあらわれてくる美しさに、その人の品があらわれてくるのです。

男性からみるとどんな時に女性に対して『なまめかしい』と感じるのでしょうか。例えば、お風呂上りにさりげなく濡れた長い髪を整える姿など、意識的ではない色っぽさがなまめかしい姿にうつるようです。

仕草でも髪をさりげなくかきあげたり、足を斜めに倒して背筋を伸ばして座ったりなど、大人の女性らしいしい色っぽい雰囲気に対して『なまめかしい』と感じてくれるでしょう。

女性がバーなどで静かにお酒を楽しんでいる姿は、男性からみると『なまめかしい』と感じるでしょう。少しお酒が進んで、頬を赤らめながら静かにお酒を飲んでいる姿はさらに色っぽくなまめかしいと思われます。またその際、グラスの縁を触ってみたりなど、髪をかきあげたりするような姿を見せれば男性はドキドキしてしまうでしょう。自然にこのような色っぽい仕草ができれば、男性を魅了すること間違いありません。

上品で色っぽい『なまめかしい』女性になれば、男性を魅了すること間違いなし！そのような美しい女性をめざして、自分を磨きましょう。なまめかしい女性になるためには、容姿などは関係ありません。なまめかしいと思われる雰囲気を醸し出すことができることが重要です。

露出が少なくても、色っぽく見える清潔感のある身だしなみに気を使いましょう。色っぽくみせるためにも、華奢なピアスやネックレスなどアクセサリーを身に着けてもよいでしょう。また、美しく上品に見せるためにはその姿勢や歩き方も大事です。常に自分の姿勢を意識しましょう。背筋が伸びるだけでも、全く雰囲気が変わります。そして、食べ方などにも注意しましょう。きれいな食べ方や、飲み方をする人は誰からも好印象を得やすくなります。

なまめかしいと言われるようなワンランク上の大人の女性をめざして、自分の今までの仕草を見直してみましょう。魅力的な女性に変身し、男性からのアプローチも増えることでしょう。