『希望』の意味や使い方は?類義語との違いもわかりやすく解説!
希望という言葉は、それだけで将来を明るくするような印象を与えてくれますね。聞きなれた希望という言葉ですが、意味や使い方で悩んだ経験はありませんか?希望には類義語も多く存在します。意味の違いや使い方をぜひチェックしてみてください。対義語や英語表現もまとめました。
目次
『希望』の意味とは?
日常的な会話でも多用される『希望(きぼう)』という言葉は、最近ではお子様の名前の漢字に使われることもありますね。名づけにも使われているわけですから、『希望』という言葉から明るいイメージを感じとる方も多いと思います。
実際『希望』には、「実現を望んで願うこと」「未来に望みをかけること」や「将来に対しての期待」「明るい見通し」という意味があります。「希」という漢字には、「のぞむ」「こいねがう」という意味が含まれていて、「望」という漢字には、「願い」や「願う」こと、「のぞみ」というような意味が含まれています。1つ1つの漢字をとっても、明るいイメージのある言葉ですね。
『希望』という言葉は、ギリシャ神話(パンドラの箱)やキリスト教(対神徳)などでも登場する言葉です。
『希望』の使い方を例文で確認!
明るい意味を持つ『希望』という言葉の使い方を、例文でご紹介します。
【希望の例文1】我が子には希望に満ちた生活を送ってほしいです。
【意味1】明るい見通しのある環境を望んでいる様子です。
【希望の例文2】やっと希望を叶える瞬間が来た!
【意味2】実現を望んでいた願い事があった様子を表しています。
【希望の例文3】希望していたことが一瞬で崩れ去ったの。
【意味3】未来に望みをかけていたことがあった様子がうかがえます。
また、身近な使い方では「希望小売価格」や「希望退職」という言葉もありますね。
【希望小売価格を使った例文】あの商品は、希望小売価格が高すぎるからあきらめようかな。
【意味】商品に対して製造側が望んでいる価格のことを表します。
【希望退職を使った例文】今回、希望退職にしようかと思っているよ。
【意味】会社での退職募集に応じたり、自ら退職を望むことを表します。
『希望』の類義語と使い分け方を2種類紹介!
『希望』という言葉には、多くの類義語(似ている言葉)があります。はじめに、類義語である『要望(ようぼう)』と『所望(しょもう)』についてご紹介します。『希望』と似ているからと、なんとなく言い換えて使うのではなく、違いを知ったうえで上手に使い分けたいですね。
①『希望』と『要望』の違い
『要望』とは、「実現してくれるように強く望むこと」や「その様子」を意味します。「ご要望」と「ご」を付け加えることで、敬語表現になります。
『希望』にも、「実現を望んで願うこと」という意味があるので、完全に言い換えても大丈夫かな?と思いがちですね。しかし、この二つの言葉は類義語であって、同じ言葉ではありません。例文をご紹介しますので、ニュアンスの違いを感じとっていただければ幸いです!
【要望の例文】環境を改善するように、県に要望をだしました。
【意味】環境改善を強く望んでいることが表れています。
【希望の例文】環境が改善することを希望しているの。
【意味】強い望みといったニュアンスには聞こえにくいです。
いかがでしょうか?『要望』と『希望』を使い分けることで、願いの強さを表現することができます。『希望』を強めたい時には「○○を強く希望します」と表現されることもあります。
『要望』の「要」という漢字には、「物事の一番大切な部分」という意味もあるので、願いの「一番大切な」ところという強調されているイメージです。
②『希望』と『所望』の違い
『所望』とは、「してほしいと望むこと」や「ほしい」ことを意味します。「ご所望」と「ご」を付け加えることで、敬語表現になります。
『所望』は、望むことやほしいものが具体的な時に使うと、より言葉の持つ意味を的確に表すことができます。
【所望の例文】ご所望の品をご用意しました。
【意味】ピンポイントで「この品」という表現をしています。目に見えるものに使うことが多いです。
【希望の例文】ご希望はどんなことでしょうか?
【意味】明確な「もの」というくくりがありません。目に見えないものや状況に対して使うことも多くあります。
『所望』と『希望』も、厳密には同じ言葉ではありません。ピンポイントで「その品」などと表現したい時は、先ほどの『所望』と『希望』の違いを思い出してみてください。
サービス業の方は特に『所望』という言葉が身近に感じると思います。ぜひ『希望』との使い分けも意識してみてくださいね。
『希望』のその他の類義語は?
『希望』には、先ほどご紹介した言葉以外にも類義語がたくさんあります。ここでは『願望(がんぼう)』と『期待(きたい)』という、代表的な類義語2つをご紹介します。それぞれの意味と使い方をまとめましたので、使い分けのご参考にしてください。
①『願望』の意味や使い方
『願望』には、「あることが実現するよう願い望むこと」や「その願い」という意味があります。
【願望の例文】彼女はついに願望を遂げた!
【意味】望んでいた願いが実現し様子を表します。
【使い方】同じ「望」という漢字が使われていますが、『願望』は『希望』よりも強い願いを表したい時に使い分けてみましょう。
②『期待』の意味や使い方
『期待』には、「あてにして待っていること」や「将来実現するように待っていること」という意味があります。
【期待の例文】彼の活躍を期待しているの。
【意味】あることが将来実現するのを待っていることを表します。
【使い方】『期待』は、他の人が関係する場合に使われることが多いです。「期待外れ」という言葉も、相手あってこその表現ですね。
『希望』の対義語は?
明るいイメージを持つ『希望』という言葉ですが、対義語(反対の意味を持つ言葉)はどのような言葉でしょうか?対義語なので、明るいイメージとは違い、暗いイメージの言葉になってしまいますね。
今回は『絶望(ぜつぼう)』と『失望(しつぼう)』の2つの対義語をご紹介します。それぞれの意味と使い方をまとめましたので、使い分けのご参考にしてください。
①『絶望』の意味や使い方
対義語の1つめ『絶望』には、「望みが絶えること」や「期待や希望が全くなくなること」という意味があります。「絶」という漢字は、「なくなる」「たえる」という意味を持ちます。
【絶望の例文】こんなことになってしまうとは、人生に絶望するよ。
【意味】望みがなくなり、将来に明るさを感じさせないことを表します。
【使い方】現時点でその人(そのもの)の状況に期待や希望が持てない時に使います。
『希望』の対義語なので、『絶望』という言葉に良い印象は持てません。どういった状況でも『希望』を胸に、人生を歩んでいきたいですね。
②『失望』の意味や使い方
もう1つの対義語『失望』には、「あてがはずれがっかりすること」や「希望を失った状態」という意味があります。「失」という漢字は、「うしなう」「なくす」「うせる」などといった意味を持ちます。
【失望の例文】彼の仕事のやり方に失望してしまったよ。
【意味】自分が彼に対して思っていたことと違った状態を表しています。
【使い方】相手やものに対して、期待通りではなかった時などに使います。
『失望』という対義語を、自分に向けられて使われたらかなり落ち込んでしまうのではないでしょうか?特に大切な人には、『失望』という感情を与えないように注意していきたいですね。
『希望』を英語で表現すると?
日本でのオリンピック開催や小学校での英語授業の導入など、語学にも関心が高まってきますね。英語で『希望』を表す言葉をご紹介します。
一般的には『希望』=『hope』です。『hope』は「望み」と訳されることが多く、一番『希望』の意味に近い英語ではないでしょうか。はじめに『hope』の例文と意味、使い方をチェックしてください!
【hopeの例文】That is my hope!
【意味(日本語訳)】それが私の希望です!
【使い方】『hope』は、望みがかなう可能性がある時に使いましょう。
『希望』の意味を含む英語は他にもあります。『wish』『desire』『request』との違いや使い分けをご紹介します。
【wishの例文】I wish I were a bird.
【意味(日本語訳)】鳥だったらいいのにな。
【使い方】希望がかなう確率が低い時に、『wish』が使われることが多くあります。
【desireの例文】Her desire is to go into new business.
【意味(日本語訳)】彼女の望みは新しい仕事をはじめることです。
【使い方】『desire』は『願望』に近い意味になります。『desire』のかわりに『want』が使われることもあります。
【requestの例文】I have a request!
【意味(日本語訳)】お願いしたいです!
【使い方】『request』は、「要求」といった意味の「望み」に使われます。
英語でも『希望』という言葉は、ニュアンスによって的確な英語表現に違いが出てきます。自分の気持ちを一番明確に表せる英語を見つけたいですね。
『希望』の使い方をマスターして表現の幅を広げよう!
今回は『希望』の意味や使い方を中心にご紹介してきました。『希望』には多くの類義語がありますが、それぞれの言葉が持つ意味は、微妙なニュアンスが違っていました。英語表現においても、細かい意味が少し違いましたね。
今回ご紹介した言葉を、表したい『希望』の意味あいによって、ぜひ使い分けてみてください。
『希望』という言葉は、多くの名言に登場します。『絶望』や『失望』を感じた時だけではなく、元気な心を取り戻したい時は、ぜひ『希望』の名言もチェックしてくださいね!