『旦那』の意味とは?「夫」「主人」「旦那」の正しい使い分けも紹介!
「うちの旦那が〜」と友達との会話で使っているけれど、「旦那」の正しい意味を知っている人はそんなに多くないのでは?旦那の語源や昔と現代での使い方の違い、同じ男性の配偶者を意味する言葉でも夫・主人・亭主などの使い分けや身内に対してはどういうか、などもご紹介します!
目次
『旦那』の意味って知ってる?
普段、男性の配偶者としての意味で使用している「旦那」という言葉。これには夫や主人、亭主という意味だけではなく、実は多くの意味があるのです。
旦那は「檀那」とも書き、6つの意味があります。
①仏教のお布施、与えること、また布施をする人のことをお寺側からいう言葉。②家人・奉公人などが主人を敬って使う言葉。特に商家で主人のことを使用人が呼ぶ時にいう言葉。③妻が夫をいう言葉。現代では、他人に対して自分の夫や他人の夫のことをいう。④女性と特別な関係をもち、生活の面倒を見ている男。⑤商人が贔屓にしてくれている男性客を呼ぶ言葉、また目上の男性を呼ぶ言葉。⑥「檀那流」の略。
つまり「旦那」には、男性の配偶者(夫・主人・亭主)を示す意味と、仏教に関する意味、さらに商人や商家で使われる意味があるのです。ただし、現代で主に使われているのは夫という意味ですよね。
『旦那』の語源とは?
様々な意味を持つ「旦那」という言葉ですが、その語源は一体なんなのでしょうか。
実は旦那は、サンスクリット語の「ダーナ」を語源とする元仏教語なのです。語源である「ダーナ」は与える・贈るという意味を持ち、施しや布施などという訳になります。昔の中国や日本では、旦那という言葉はお寺や僧侶にお布施をする「施主」や「檀家」の意味として僧侶の人たちが使用していました。
やがて一般にも旦那という言葉は広まっていき、パトロンのように生活の面倒を見てくれる人という意味で使われるようになりました。その後、面倒を見てくれる・お金を出してくれる人という意味から、昔の奉公人が主人を、商人が客を、妻が夫をそれぞれ呼ぶ時の言葉として使用されるようになったとされています。
旦那の語源として他には「ダーナ」が西洋に伝わり、「マドンナ」「マダム」などに変化したという説もあり、そこから「旦那は女だった」とする説も過去にみられたことがあったようです。しかしこの語源の説はあまり有力視されていないというのが実情です。
『旦那』は昔と現代では意味が違うの?
先ほど挙げたように、「旦那」は元々、仏教の言葉を語源としてお寺や僧侶に使用されていました。そこから考えると、昔は「与えてくれる人」という意味合いを強く持って使われていたもでしょう。その後使用されることになった、昔の商人や商家、奉公人から「旦那」と呼ばれる場合も、「面倒を見てくれる人」「お金を与えてくれる人」「お得意のお客様」という意味から、敬意や尊敬が込められた呼び方といえます。
しかし現代での「旦那」という言葉の意味はどうでしょう。現代では主に「主人」「亭主」「夫」と同じように男性の配偶者のことを示す言葉として使われていますね。
この旦那という言葉、現代では「旦那様」「旦那さん」と「様」や「さん」を付けると昔と同じように丁寧な意味として使用もされていますが、妻が自分の夫のことを「うちの旦那が」という時には、むしろ蔑んだ意味で使われていることもあります。「さん」をつけて「旦那さん」と呼ぶと丁寧な意味になって良いでしょうが、話す相手によっては自分の夫のことを持ち上げた言い方をするのが好ましく思われないことも。そのため「さん」を付けずに「旦那」と呼ぶほうが良いことがありますから注意が必要です。
このように、昔と現代では使われるシーンは違えど「旦那」という言葉は「自分に与えてくれる人」という意味を含んだ言葉だということがわかりましたね。とはいえ「旦那」には尊敬の意味が込められていましたが、現代ではそうは感じない人も多いので、使う時には注意しましょう。
使い分けできる?配偶者の男性を表す言葉4つ
①「夫」
「夫」という言葉は「旦那」とは違い、公的な書類などで配偶者の続柄を表す時にも使用されます。自分からみて旦那さんのことを「夫」と記入する場面は、契約書などを書く時にもみられますね。「夫」は「男人(おひと)」の「ひ」が促音化され「をっと」となり、その後「おっと」になったといわれています。
また、「夫」の反対の言葉は「妻」ということから、平等で対等な関係を表す意味のある言葉ともいえます。身分の上下関係を表さない、最も公の場に適している言葉だという意見もあるそうです。
そして他の「主人」「旦那」「亭主」とは違い、話し相手の配偶者に対しては「夫」という言葉を使うことはありませんね。そこも使い分けできる大きな違いといえるでしょう。
②「主人」
「主人」は「夫」の次に広い場で多く使われている言葉ではないでしょうか。夫よりも丁寧な言い方で、自分の配偶者をいう時には夫のことをたてた表現となります。また「ご主人」のように相手の配偶者のことをいう場合は、敬意がこもった表現として使われます。
ただ、「主人」という言葉は元々、主従関係や上下関係を表す意味のある言葉であり、一家のあるじや自分が仕える人という意味を含む言葉のため、最近では避けることもあるようです。とはいえ丁寧だったり上品な印象を持つ「主人」という言葉ですから、目上の人や年上の人と話す時に「旦那」のことを「主人」と言って使い分ける人も多いのは事実です。
もし外で人と話す時に、目上の人や年上の人、またあまり親しくない人と話すような時には「旦那」ではなく「主人」とするように使い分けるのが無難でしょう。
③「旦那」
先ほどから紹介している「旦那」にも一家のあるじという意味があります。本来は敬意を込めた呼び方であるということもお話ししましたよね。
しかし現代では「旦那」はややくだけた表現となっており、自分や相手の男性の配偶者に対しても親しい間柄でのみ使用されるようになってきました。人によっては「旦那」と呼ぶことを上から目線な感じがして、グチを言う時などに使う表現だと思う人もいるようです。
よって「旦那」と言う言葉は親しい人や身内との間で使用する、というように使い分けると良いでしょう。
④「亭主」
「亭主」にも「旦那」や「主人」と同じように、一家のあるじという意味が込められています。「亭主」は「主人」よりは「旦那」と近い、ややくだけた表現として捉えられています。また「亭主」には「宿屋や茶店などのあるじ」の意味があります。
「亭主」という言葉は「亭主関白」という四字熟語が意味するように、男性が支配者として威張っている、家庭を支配している、というイメージが強いためか、現代では一般的に使われることが少なくなってきました。使う場面があったとしても「旦那」と同じように少しグチめいた意味を込めた話をする時に使われる印象ですね。
使い分けとしては、やはりこの言葉も社交場では使わないほうが無難といえるでしょう。
「旦那」「夫」「主人」「亭主」の使い分けについて見てきましたが、それでは「とりあえず」という言葉の使い分けはどうしたら良いか、ご存知でしょうか。ビジネスの場で使用していいのかどうか、どのように活用するのがいいかはこちらの記事で確認してみてくださいね!
身内の前で配偶者を呼ぶときは?
身内の前で配偶者を呼ぶ時には、どの呼称を使うのが適当なのでしょうか。
親しい身内の前で配偶者を呼ぶ時には、「旦那」?「主人」?正解は、配偶者の名前に「さん」をつけて「◯◯さん」と呼ぶものです。配偶者の家族からみると、その配偶者は当たり前ですが普段は名前で呼ばれていますよね。そうしたことからも下の名前に「さん」を付けて呼ぶほうがスッと馴染むのです。
相手の身内だけではなく、自分の身内についても「〇〇さん」と呼ぶのが無難だといえるでしょう。ただし、その身内間での距離感や呼び方などがあるでしょうから、それに合わせて臨機応変な対応をしてくださいね。
相手の顔がわからないときに配偶者を表すときは?
手紙や電話、文面などで相手の顔がわからない時、配偶者をどう表すのかというと「夫」か「主人」のどちらかを使うのが良いでしょう。ただ、その相手との関係がどうなのかによっても表現の仕方は変わってきます。
親しい人であれば、「主人」や「夫」ではなく「旦那」を使ったほうが良いということもあるでしょう。また、配偶者の勤め先に電話する場合には「夫」とするのがベストです。
相手や第三者の配偶者を表すときは?
相手や第三者の配偶者を表す時には「ご主人」か「旦那さん」を使うのが良いでしょう。自分の時とは違い、しっかりと丁寧な言葉になるように「ご」を付けて「ご主人」、「さん」を付けて「旦那さん」と言うようにしてくださいね。
日本語では相手のことを言う時には、基本的に敬った言い方をします。そのため「夫」という表現は相手の配偶者に対しては使用しないのです。
配偶者の呼び方を正しく使い分ける素敵な妻になろう!
「旦那」という言葉を中心に配偶者の呼び方を見てきましたが、色々な意味や背景がありましたね。それを理解することで、どの場面でなんと呼ぶのがふさわしいのかという使い分けが上手にできるようになるでしょう。場面によって配偶者の呼び方を正しく使い分けられる素敵な奥様になってくださいね!