2021年07月14日公開
2021年07月14日更新
蓮の実が気持ち悪い…ぶつぶつ恐怖症「トライポフォビア(集合体恐怖症」とは?
蓮の実の穴のぶつぶつが気持ち悪い!そう感じる方が案外多いと思います。実は精神疾患の一つでトライポフォビアと言われるそうなんですが、気持ち悪いのは人間の本能に基づくものだそうです。ぶつぶつであれば何でも気持ち悪いですが、蓮の実は有名ですね。コラ画像にはご注意を!
目次
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪いのはなぜか?
出典: http://net-lan.jp
ぶつぶつが怖い理由は、集団恐怖症かも知れません
今ネット上で、蓮の穴の加工をして、人の体に埋め込んだり、顔に埋め込んだりする、コラ画像が出回っているようですね。
実際に調べてみると、確かに蓮の穴の気持ち悪い画像が出回っているようで、気にする方はとても正視できないような気持ち悪さです。
何故、蓮の実が使われているかというと、人間はぶつぶつと無数に穴が開いた物に対して、嫌悪感を抱き、同時に不快感を抱き、ゾワゾワした気分になると言います。
ただ、気持ち悪いと思うだけならさほど問題はないですが、それが高じて、吐き気、めまいを感じたり、パニック症状を引き起こす人もいると言います。
蓮の実の穴のような穴が開いたものに対しておこる恐怖症は「トライポフォビア」と呼ばれる精神疾患の一つで、れっきとした病気ですが、恐怖を引き起こすほど、気持ちの悪い画像であることは間違いないですね。
蓮の実の穴を怖いと感じる恐怖症は、集団恐怖症とも呼ばれ、今問題にもなっています。
では、何故人間は蓮の実の穴を怖いと感じるのか、まとめてみました。
日本一のドッツおばさんのやつだなこれ。トライポフォビアの人にはしんどそう。 pic.twitter.com/qBCfuEj011
— いなむ。/ (@ina_forgetmenot) November 19, 2017
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪い理由①記憶が呼び起こされる?
出典: http://biancafrominglewood.blog.fc2.com
トライポフォビアの方は、意外と多いんだそう。
コール博士とウィルキンス教授などの研究者が、蓮の実の穴による集団恐怖症について調べたところ、人類が進化していく間に、直面したことがある有毒な動物や植物の視覚的特徴に原因があるということがわかりました。
具体的に言いますと、自己防衛本能で、気持ち悪いなどの記憶が呼び起こされ、時にはパニックに陥るほどの恐怖症を発することもあるそう。
この二人の学者の研究では、トライポフォビアなどの症状は全体の16%の人にあるそうです。
これだけ多くの人に恐怖症などの症状が現れているにも関わらず、この不安症が問題になることは少ないそうです。
学術的に認知度が低いトライポフォビアではありますが、認知度が低いからと言っても、多くの方が悩まされている不安神経症の一種でもあるので、もっと学術的に議論される事が望まれます。
精神症は、本人にしか辛さがわからないという面はあるものの、トライポフォビアに関しては、恐怖症まで行かなくても、不快に思う人はかなり多いと思います。
気持ち悪い程度で済んでいて、もっと深刻な症状が現れない内に、研究が進むと良いですね。
私はトライポフォビアだし、音楽聴いて鳥肌立つ。そのかわり高所恐怖症とか大きなものが怖いって感覚がほとんどない。人間って不思議だなあ。
— まさみ (@xxxakainaiL) November 28, 2017
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪い理由②博士らの研究でわかったこと
出典: https://mindembody.com
ネットで出回っているコラ画像もまた、恐怖症を引き起こすことが。
二人の博士は、まずトライポフォビア(集団恐怖症)を引き起こす原因となる視覚的特徴を探ることから始めたそうです。
そのために、二人の博士は、ネットに出回っている蓮コラ的な画像76枚と、単に複数の穴が開いているだけの画像を比較したと言います。
結果は、蓮コラ的な画像の方に、中程度ではありますが、空間的な連続性と、比較的高いコントラストが備わっていることがわかりました。
この空間的連続性と高いコントラストが、どのように人々に恐怖を与えるのかの理由として、実際のトライポフォビア(集団恐怖症)の患者の反応でわかったと言います。
それは、トライポフォビア(集団恐怖症)の患者が、ある動物を見た時に、恐怖症の症状が現れたからです。
何の動物を見た時に、恐怖症が出たかと言いますと「ヒョウモンダコ」と呼ばれる蛸だったそうです。
ヒョウモンダコと言うと、こちらも特徴的な気持ち悪いぶつぶつがありますが、もっと特徴的なものとして、地球上でもっとも毒性の高い動物であるということです。
博士らは、ヒョウモンダコ、サソリ、キングコブラなど、有毒な動物やクモの映像を患者に見せて調べたそうですが、こちらの結果でも、トライポフォビアと同様の症状が現れたんだとか。
これはどういうことかと言いますと、蓮の実の穴などの集合体を見ることで、人間が進化していく過程で教訓として得られた、危険な動物を避けるという防衛反応が現れているということです。
つまり、蓮の実の穴を気持ち悪いと思ったり、トライポフォビアなどの恐怖症を発症するのは、人間の根本的な防衛反応から来るということです。
危険な動物や植物と同じと思うことで、触れたり見たりしてはいけないという防衛本能が働くんですね。
ですので、蓮実の穴を気持ち悪いと思うのは、人間の本能が関係していたと言うわけです。
自分も周りもトライポフォビア多いんだけど共有させようとする奴多くて気持ち悪かったものを見せてくるからやめてくれってなる
— 菜っ葉 (@Mizunanabe) November 28, 2017
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪い理由③数学的特性にあった?
出典: http://www.02320.net
トライポフォビアは、恐怖症という一種の精神的病気なんです。
単に恐怖症と言うと、不安障害として認識されることも多いですが、トライポフォビア(集団恐怖症)には、数学的特性があると言います。
例えば、学習(猿などにも備わっている)の影響で「犬に噛まれたことで犬恐怖症」を発症したり、「サソリに刺されたことでサソリに対する恐怖症」を発症したりなど、先天的な進化メカニズムが理由のこともあります。
怖いというのは経験から来ていることも多いんですね。
ですので、固有なものであるか、また一般的なものであるかに関わらず、もっと言えば、実在するか想像上のものであるかに関わらず、人間にとっては脅威になるものが存在しているわけです。
ただ、トライポフォビアの場合は、明らかな脅威は存在しないと言います。
また、嫌悪感を引き起こすものに、外観以外の理由は存在しないそう。
では、何故蓮の実の穴を見ただけで、トライポフォビアの患者は怖いと思うのでしょうか?
トライポフォビアのため、里芋のあの毛穴みたいなやつも無理。
— きうい (@a_ta_ta_ta_ata) November 28, 2017
おいしいんだけどね〜。
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪い理由④不快感を感じる理由
出典: https://scontent-sea1-1.cdninstagram.com
集団恐怖症は、患者以外にも症状が現れることがある?
二人の博士らにより、トライポフォビアを発症する理由として、その外観の構造に原因があるということがわかりました。
不快感を患者以外の人が感じるのも、外見の構造に原因があったんですね。
というのも、自分がトライポフォビアではないと感じる人であっても、蓮の実の穴を見ると、恐怖症まではいかなくても、不快に感じたり、気持ちがゾワゾワしたりすることがあるためです。
これを学術的に分析すると、不快感や眼精疲労、または頭痛などを引き起こすなどに共通する数学的特性が、集団恐怖症には見られると言うことです。
数学的特性を持っている外観とか見た目を、脳は上手く処理することが出来ないため、脳で考えるための余分な酸素も必要になると言います。
心理学者であるアーノルド・ウィルキンズ氏とポール・ヒバート氏の論文によれば、こちらもまた体の防衛反応の一つに帰結していて、不快感を覚えるのは、余計な酸素が必要となる気持ちの悪い外観を見ないようにさせるための防衛本能だと言うんですね。
脳が消費する酸素は、体全体の2割にもなるため、余分な酸素を消費しないようにと、体が不快感を覚えて、次からは見ないようにするために、嫌悪感と言う形で、防衛反応を取っているんだそうです。
ブツブツの集合体が気持ち悪いのってトライポフォビアってゆうのか。間違いなくそうやけど、なぜか見てまう(; ゚ ロ゚)
— もぐらまる (@moguramaru666) November 27, 2017
蓮の実のぶつぶつが気持ち悪い理由⑤気持ち悪いと感じるのは?
出典: https://life-hacking.net
トライポフォビアは、病気なの?
トライポフォビアの方が気持ち悪いと感じるのは、体の防衛本能の一種で、逆に気持ち悪いと感じるのは、体にとって正しい反応というわけなんですね。
ただ、トライポフォビアかどうかによっても違いますが、病気でない人でも、蓮の実の穴のぶつぶつを気持ち悪いと感じる人とそうでない人がいる理由は未だにわかっていません。
多分ですが、爬虫類を見て気持ちが悪いと感じる人と、可愛いと思う人がいるように、怖い=恐怖症というのが人によって違うからだと思います。
ペットにする人にとっては、爬虫類が気持ち悪いものではないのと同じように、集団恐怖症は一種の精神の病気ですので、原因は不明ですが、何となく気分的に落ち着かないというのにも起因していると思われます。
ただ、カビや皮膚病といった感染された外観を持つ物に対しては、トライポフォビアの患者さんでなくても、気持ち悪いとか不快に思う人が多いのは、感染を避けるため、もっと言えば、生存率を高めるための人間が進化の過程で得たメカニズムの一つだと言うことです。
蓮の実の穴などに不快感を覚えるのは、数学的特性や人間の防衛反応によるもので、進化の過程で得たメカニズム=英知である可能性も高いと言えます。
芸術的な雲が出てる。これ以上右を見ると、トライポフォビアな私は『うあー((( ;゚Д゚)))』ってなる雲も出ている。真ん中のぱっくりは、カッコいい。 pic.twitter.com/tZ5pN3ObIG
— Minako.T (@mi_tan1127) November 25, 2017
トライポフォビアという用語は、いつ生まれたの?
出典: https://www.lifehacker.jp
病気として認知されたのは、いつ頃から?
蓮の実の穴のぶつぶつが気持ち悪いことから生まれた言葉
トライポフォビアという言葉が生まれた(認知された)のは、2005年に、ギリシア語の「trypo(穴)」と英語の「phobia(恐怖症)」と言う言葉を組み合わせて、アイルランド人の女性が作った造語からとされています。
海外でも、ネットを含めますが、2009年頃から認知されるようになり、今ではコラ画像と呼ばれる蓮の穴の実を加工した物などが出回っており、その画像を見て、気持ち悪いと感じる人も多いと言います。
気持ち悪いのならば、見なければ良いのにと思ったりもしますが、トライポフォビアの患者さんでなければ、「怖いもの見たさ」に何故か見てしまうと言う方も多いようです。
日本でも「蓮コラ」と呼ばれる画像は広まっており、蓮の実の穴のぶつぶつが気持ち悪い物として認知されていると言います。
蓮の実の穴に始まる数々の穴(ぶつぶつの穴)が、気持ち悪いというのは、どの人にも一致しているにも関わらず、これだけコラ画像が広まるのは、何故なんでしょうか?
ただ、恐怖症まではいかなくても、中には蓮の実の穴のぶつぶつを見ただけで、かゆいなどの症状が現れることもあり、これもまた病気の一つでしょうね。
集合体恐怖症(トライポフォビア)
— 恐怖症bot (@phobiabot) November 23, 2017
同じような形状のものが集まっているものに対しての恐怖を感じる症状。
「密集恐怖症」とも呼ばれる。
「蓮コラ」等に嫌悪感を覚える人はこれに該当する。
蓮の実の穴だけでなく、他のぶつぶつが気持ち悪い理由は?
出典: https://ameblo.jp
気持ち悪いのは、蓮の実のぶつぶつとは限らない。
トライポフォビア(集団恐怖症)の患者さんでなくても、ぶつぶつが気持ち悪いと感じる人は多いと書きましたが、それは蓮の実の穴に限ったことではなく、何かの食材のぶつぶつであっても、気持ち悪いと感じる人は多いと言います。
それは、例えば「パンケーキを焼く時の穴のぶつぶつ」であったり、「メロンの中身の種の部分のぶつぶつ」であったり、「サンゴ礁のぶつぶつ」であったりなど、多岐にわたります。
実は、私はサンゴ礁が苦手で、魚が群れて泳いでるのも苦手です。
でも、パンケーキの穴のぶつぶつを気持ち悪いと思ったことはないので、全ての穴のぶつぶつが苦手な人もいれば、ある特定の穴のぶつぶつがダメと言う人もいるということかも知れません。
トライポフォビアは、精神症というれっきとした病気の一つですが、小規模な研究結果によると、前述しました二人の博士によると、トライポフォビアの原因は、「害をもたらす危険な物体が無害な物体に転写されたことから感じる本能的な恐怖」であるなんて言われています。
⚠️ぶつぶつ恐怖症(トライポフォビア)の方注意⚠️
カクレクマノミさんが全然隠れてない!!ワラワラとたくさん居て笑った😂😂😂#鴨川シーワールド pic.twitter.com/0X0g1ZoDbo
— ゆっき (@churaychura) November 22, 2017
蓮の実の穴のぶつぶつが気持ち悪いと思う人の比率は?
出典: http://poptrend1990.blog.so-net.ne.jp
蓮の実の穴だけじゃなく、他のぶつぶつが怖いという人は割と多いみたいです。
トライポフォビアの患者さんは、意外と多く、男性なら10人に一人がトライポフォビア、女性なら5人に一人がトライポフォビアであるという統計結果があります。
実際に統計の結果を得るために、18~55歳の男性91人と女性195人に蓮の穴のぶつぶつの写真を見せた所、男性11%と女性18%が「何だか落ち着かない」とか「見るに堪えないくらい気持ち悪い」と回答していると言います。
トライポフォビアには、不安やプライミング効果(先行する刺激の処理が後続の刺激処理を促したり、抑止する効果がある)として、条件付けの単なる組み合わせではないというのが一般的な説です。
ただ、二人の博士によれば、トライポフォビアに関して、不安とは相関関係にないとも言っています。
また、トライポフォビアを気持ち悪いと感じる画像は、蓮の花の穴などのように、有機物に限らないとも言います。
例えば、石鹸の泡や岩に開いた穴も気持ち悪いと感じる人が多く、トライポフォビアの方は、蓮の実に限らず、ぶつぶつや沢山の穴に関して嫌悪感を抱くので、必ずしも体の防衛本能によるものであるとは言い難いです。
精神疾患=病気の一つであると考えられているトライポフォビアですが、もしかしたら、怖いと感じるのは、ある意味気のせいである可能性もあります。
不快感を得るのは、誰でも一緒なので、それが病気に発展するかどうかは、個人差があるようですね。
トライポフォビア。
マジでしんどい。
ダンボールの?断面ですら無理
— banban∞ next▷セキアリ (@uw_8xx8) November 17, 2017
トライポフォビアの患者がかゆい理由は?
出典: https://www.buzzfeed.com
トライポフォビアになると、かゆいなどの症状が現れることも。
トライポフォビアの代表的な症状としては、蓮の実の穴のぶつぶつなどによる恐怖心がありますが、中には精神面だけでなく、体にも症状が現れることがあります。
例えば、「動悸や息切れ」「体の震え」「発汗」「おう吐」「かゆい」などです。
特にこれらの中でも有名なのは、蕁麻疹やアレルギーでの湿疹などを経験したことがある人に多い、かゆいという症状です。
トライポフォビアは、精神的な病気の一種なので、経験が呼び起こされることで、実際に触っていなくても、見ただけでかゆいという症状が現れることがあります。
症状の程度は人によって様々で、単にかゆいだけという人もいれば、余りにもかゆいため、体の皮膚をかきむしってしまう人など、色々な人がいます。
トライポフォビアの患者の特徴としては、かゆいと感じるかどうかは、実際に触ったりする外部的要因ではなく、思い出すだけでかゆいと感じたり、想像だけで実際に見たことがなくても、かゆいという症状が現れることもあります。
かゆいという症状が重症化すると、精神的にも不安定になり、トライポフォビア(集団恐怖症)も重症化します。
ですので、単にかゆいだけと軽く見ずに、根本的な精神治療が必要になることもありますので、注意が必要です。
変形菌の子実体写真見てトライポフォビア由来のダメージを受けたメンタルの回復を図ろうと読みかけだった漫画の下巻読んだらラストがorz pic.twitter.com/vXapIKgo0l
— 明 楽 (@akira1978) November 17, 2017
まとめ:蓮の実が気持ち悪い…ぶつぶつ恐怖症とは?
と言うことで、蓮の実の穴に代表されるぶつぶつが怖い恐怖症「トライポフォビア=集団恐怖症」についてまとめてみました。
トライポフォビアの患者は、日本にも結構いるそうですが、ぶつぶつは確かに気持ち悪いですよね?
私もまた、蓮の実の穴はもちろん、サンゴ礁や小魚の群れている姿などがテレビに映った時には、目をそむけます。
ただ、単に気持ち悪いというだけで、見なければ済むことでもありますし、パニックに陥るなどはないので、トライポフォビアとはまた違うかな?と思います。
トライポフォビアは、人間が進化の過程で得た防衛本能でもあるそうなので、案外トライポフォビアの方の方が、人間として正しい反応なのかも知れませんね。
とは言え、蓮の実の穴は、やっぱり気持ち悪いです。
ネット上のコラ画像であっても、二度は見たくないですね。