心理学者になるには?仕事内容・必要な資格・給料・適性も!
心理学者になるには、どうすればいいのでしょうか。大学へ進学して資格を習得したり、専門的な知識が必要であることは想像がつくことでしょう。心理学者になるにはどうすればいいのか、仕事内容・必要な資格・給料・適性などを徹底解説していきます。
目次
心理学者になるにはどうしたらいい?
カウンセラーや心理学者になるにはどうしたらいいのでしょうか。臨床心理士や博士などの資格が必要なのか、就職率や心理士に向いている性格など、疑問がたくさんあることでしょう。心理学者になるにはどうすればいいのか、仕事内容や適性など心理士の実態を詳しく見ていきます。
心理学ってどんな学問?
心理学とは
心理学は科学的な手法によって研究された心と行動の学問であり、そのルーツは哲学にあります。心理学は文系として扱われることがほとんどです。しかし心理学は心の理学であり、理系の科学的な思考を必要とするものですので、科学の領域にある学問であると考えるのが適切でしょう。
心理学のさまざまな分野
学習心理学
行動分析とも呼ばれ、行動を科学的に解明する分野です。「行動は刺激の後のその反応である」という考え方をもとに、人間の行動を解明します。
知覚心理学
人間の知覚に関する研究です。他の心理学に比べると、複雑で分かりづらい心理学といわれています。人間の五感はどのように知覚されるのかを生物学的な方法で試し、科学的にはどのように感覚されるのかを発見する心理学です。
認知心理学
人間の思考と記憶に関する心理学です。記憶のメカニズムや人間の思考過程について研究します。
発達心理学
出生から老年期までの、人間の心理的発達についての研究です。実際には赤ちゃんや子供の心理を研究する場合がほとんどで、どの成長段階ではどんな能力であるのかなどを研究します。
社会心理学
対人関係や人間の社会的活動について研究する心理学です。社会心理学では、日常で多く見られるものを扱います。
臨床心理学
臨床心理学は、心の病気についての研究です。臨床心理士やカウンセラーという職業の人が専門領域としています。
心理学者の主な仕事内容や就職先5選!
①大学教員
心理学者の中には臨床心理士や博士の資格を習得した大学に、大学教員として就職する人もいます。教員の種類には大学教授・准教授・講師・助教・助手などがあります。私立でも公立でも心理学科のある大学は多いので、母校以外にも就職先を見つけられることでしょう。
②学校などのカウンセラー
臨床心理士の資格を活かし、学校などにカウンセラーとして就職するのも1つの方法です。また、カウンセラーとして開業する人もいます。臨床心理学は一般的に馴染みの多い心理学ですので、カウンセラーは心理学系では需要の多い仕事のといえるでしょう。
③メディアなどのコメンテーター
テレビなどメディアのコメンテーターになる心理学者もいます。よく見かけるコメンテーターの中でもカウンセラーのメディア出演が1番多いといえるでしょう。メディアに出る心理学者になるには、カメラの前で臨機応変に対応できたり、上手く話せる人が向いているといえます。
④研究活動
心理学は奥が深く、終わりのない学問です。大学卒業後は研究室に就職し、研究活動を続けるという心理学者もいます。民間研究所・国立研究所・独立行政法人研究所などの研究所があり、客員研究員・博士研究員などの種類があります。
⑤専門的な講演や執筆
心理学者になるには、専門的な知識が必要不可欠です。大学で心理学を学んだ後はその専門性を活かして、専門的な講演や執筆活動を始める人もいます。身近なところでは、カウンセラーによる本が大変多く出版されています。また、人気カウンセラーの講演会なども多く見受けられます。
心理学者になるための基本の3ステップ!
①大学進学
心理学者になるにはまず、心理学を学べる大学へ進学することが第一歩です。心理学は領域が広く、種類がたくさんあります。大学のカリキュラムをよく調べて、自分が専門としたい心理学の分野に力を入れている学校を選びましょう。そうすることで、在学中から有意義に学ぶことができます。
②大学院進学
大学の学部では心理学の基礎を学びます。その後研究テーマを決定し、大学院で本格的に研究活動をスタートさせることになるので、心理学者になるには大学院への進学がマストです。ここからが心理学者としての、研究のスタートであるといえます。
③博士課程修了
心理学者になるには、博士課程修了の資格が必要です。博士課程で自分の専門領域を深く研究をして学会などで発表し、評価を受けながら心理学者としての実績を積んでいきます。生計の立てられる心理学者になるためには、博士課程を修了することが必要であるといえるでしょう。
他学部や社会人から目指す人も多い
他学部や社会人から心理学者を目指す人も多くいます。心理学者になるには、大学の学部で心理学専攻は必須ではありません。しかし、心理学の大学院を卒業している必要があります。近年では社会人を受け入れる大学院もあり、その試験に合格すれば社会人でも大学院に通うことができます。社会人向けの試験は、面接を重視することが多いようです。
心理学者に必要な資格
修士号の取得
修士号の取得は、心理学者になるには避けては通れないポイントです。心理学は奥が深い学問ですので、他の学問よりも学ばなければならないことがたくさんあります。心理学者になるには大学の学部で心理学を専攻するだけでなく、大学院へ進んで修士号を取得しなければなりません。
臨床心理士
心理学者になるには、臨床心理士の資格が必要です。この資格を取るには、大学院の修士課程を修了していなければなりません。将来カウンセラーなどとして就職せずに心理学系の研究者になる場合でも、臨床心理士の資格を習得する人がほとんどです。
心理学者の給料を4つの職場別に検証!
①大学教員の心理学者の給料
大学教員の心理学者の給料は、私立か国立かにより違いがあります。以前国立大学の給与は同一でしたが、2004年からは独立行政法人により多少の違いが出るようになりました。基本的には国家公務員の給与に準じており、教員手当が上乗せされることにより差が出ます。都市部の有名私立大学の場合には、高い収入を得ている教員もいるとのことです。平均ですと、年収1,000万円前後、月収60万円前後であるといわれています。
②研究機関の心理学者の給料
研究所の場合も国立か私立かによって、給与に差があります。大手企業が経営する研究所に正規雇用で勤務する場合は、30代でも年収1,000万円以上の高収入です。任期付きの職員も多く、時給制の研究員もいます。金額は2,000円前後と高額ですが勤務時間や勤務日数が少なく、社会人として生計を立てるのが難しいのが現実です。
③民間企業や医療機関などの心理学者の給料
民間企業や医療機関などの心理学者の給料は、それぞれの社内規定によるので一概にはいえません。正規雇用の場合は、基本給に専門職手当がプラスされるが一般的です。非常勤の場合は正規雇用の場合よりも給料が少ないので、複数の仕事を掛け持ちしている人もいます。
④客員研究員の給料
任期制の客員研究員の給料は、非常に不安定であるといわれています。平均月収20万円程度で、正規雇用の大学教員や研究者に比べて低く福利厚生も充実していません。契約を更新できない場合は無職になってしまうので、社会人として生計を立てるには難しい立場であるといえます。
副業を兼ねることも珍しくない
心理学者という仕事は、給料に大きな差があります。正規雇用の大学教員や研究者以外は、収入が少なかったり不安定です。客員研究員や任期制の心理学者は、社会人として生計を立てるために副業を兼ねることも珍しくありません。
心理学者に向いている人とは?6つの適正をチェック!
心理学者にはどんな人が向いているのでしょうか。6つの適正を見ていきましょう。
①説得力のある論文を書く文章力
心理学者になるには、説得力のある論文を書く文章力を持ち合わせている人が適正です。心理学は研究と論文発表がメインであることから、説得力のある文章力が欠かせません。
②長期戦への覚悟
心理学の研究には時間がかかるので、長期戦への覚悟ができていることが適正といえます。人の心理は常に変化するので、1つの研究が終了しても次の研究が待っている状態です。長期戦に挑んでいける人に向いているといえるでしょう。
③理系の知識
心理学には、理系の知識を持ち合わせていることも適正です。調査結果の統計をデータ化しなければならないので、理系の人に向いているといえます。
④我慢強い精神力
心理学者になるには、大学院を卒業しないといけないので時間がかかります。就職してからも研究を続けていく必要があるので、我慢強い精神力を持った人に向いている職業です。さらに上を目指し博士号を習得する場合にも、忍耐力を持った人が適正であるといえます。
⑤研究への好奇心
日々変化する人間の心理を研究していくのが心理学ですので、心理学者になるには研究に対して好奇心旺盛であることが適正です。研究結果を覆されてしまっても研究し続けられる人が向いているといえます。
⑥コミュニケーション力
心理学者になるには、コミュニケーション力を持っていることが適正です。論文を人前で発表したり患者と話したりと、人と会話することが多いのでコミュニケーション上手な人が向いているといえます。
心理学者までの道のりは長い!強い精神力で乗り切ろう!
心理学者になるには、時間がかかるものです。学ぶことが多く、研究にも時間がかかります。強い精神力を持って、乗り切っていきましょう!