パイロットになるには?必要な資格・身体条件・費用についても解説!

子供の将来なりたい職業で不動の人気を誇るパイロットですが、パイロットになるには一体どんな資格や学歴が必要なのでしょうか。また、パイロットになるためにかかる費用や必須の条件なども知りたいところです。今回はパイロットになるにはどうすればいいかについて解説します。

パイロットになるには?必要な資格・身体条件・費用についても解説!のイメージ

目次

  1. 1不動の人気職!パイロットになる方法を知りたい!
  2. 2パイロットが活躍する3つのフィールドとは?
  3. 3パイロットに必要な身体条件は?身長や視力を解説!
  4. 4パイロットに必要な学歴・英語力は?高卒でもなれるの?
  5. 5パイロットに必要な3つの資格とは?エアラインパイロットに必要なのは?
  6. 6パイロットの資格を取得する方法と費用を解説!自衛隊から転職した場合は?
  7. 7パイロットの平均年収はどのくらい?
  8. 8パイロットになる為に学生時代にやっておくべきこと
  9. 9パイロットになるには地道な努力の積み重ねが大事!

不動の人気職!パイロットになる方法を知りたい!

航空機のパイロットといえば子供たちの憧れの職業の1つとして長年根強い人気を誇っています。高度な専門スキルに加え、語学力や的確な判断力・責任感・コミュニケーション能力などが求められるまさにエリート中のエリートというイメージでしょう。

また、大人の世界では「モテる職業ランキング」などで常に上位にランキングされていて、大人も子供も憧れる職業といえます。そんな不動の人気職であるパイロットになるにはどうしたらいいのでしょうか。パイロットになるために必要な条件・費用・学歴などについて解説していきます。

コックピット

パイロットが活躍する3つのフィールドとは?

ひとくちにパイロットといっても活躍の場は様々で、活躍の場によって必要な資格や求められるスキルも異なってきます。まずはパイロットがどのようなフィールドで活躍しているかを見ていきましょう。

①エアライン

日本の子供たちの憧れの職業といえば、おおむねエアラインのパイロットを指すのではないでしょうか。一般的に定期便の旅客機や貨物機を飛ばすパイロットのことをエアラインパイロットと呼びます。

日本には定期便を飛ばしている航空会社が大小20社以上存在します。エアラインパイロットはこうした会社に就職し、経験を重ねながら副操縦士・機長へとステップアップし、旅客機や貨物機などの操縦を担当します。

エアライン

②自衛隊などの官公庁

自衛隊は陸・海・空それぞれにパイロットの資格を持つ隊員がおり、養成も航空学生として採用し、各自衛隊でも行っています。また、警視庁・海上保安庁・警察航空隊・消防庁・各自治体の消防航空隊で働くパイロットもいます。

自衛隊の航空機

③航空機を使用した事業会社

軽飛行機やヘリコプターなどの小型機を使って航空活動を行う航空使用事業会社で働くパイロットもたくさんいます。業務内容は遊覧飛行・チャーター飛行・物資輸送・測量飛行・報道取材・農薬散布などさまざまです。

そのため、パイロットにも多彩な能力が求められます。中小航空会社では不定期での募集が多いようです。大手では定期的な採用を行っている場合もあります。

オフィス

パイロットに必要な身体条件は?身長や視力を解説!

パイロットになるにはどういった身体条件が求められるのでしょうか。ここではパイロットに必要な身長や視力について解説していきます。

パイロットの身長制限とは?

日本でパイロット訓練を受けるためには、身長制限が158cm以上という条件があります。航空大学校に入学するためにはこの条件を満たしていないといけません。航空自衛隊や海上自衛隊になるための航空学生を受験する場合も、身長158cm以上190cm以下という条件がついています。戦闘機などのコックピットは狭いため、身長が大き過ぎるのもNGなのです。

パイロット

パイロットになる為に必要な視力は?

エアラインパイロットの航空身体検査では、裸眼でも矯正でも条件は以下の通りです。

  • 各眼の矯正視力が1.0以上であること。
  • 各眼の屈折率が-5.5~+2.0ジオプトリー内であること。

航空自衛隊の航空学生・飛行幹部候補生に関しては以下のような条件になっています。
  • 遠距離視力裸眼で両眼とも0.2以上、かつ矯正視力が1.0以上、近距離視力裸眼で両眼とも1.0以上

よく勘違いされる点ですが、裸眼でなくとも矯正で基準を満たしていれば問題ありません。昔は裸眼視力が理由試験が受けられない時代もありましたが、今は改善されています。しかし、エアライン・自衛隊双方ともレーシックを受けてしまうと試験を受けること自体が厳しくなる可能性があります。

視力検査

パイロットに必要な学歴・英語力は?高卒でもなれるの?

パイロットになるにはどの程度の学歴が必要になるのでしょうか。また、最終学歴が高卒でもパイロットになれるのか気になるところでしょう。パイロットに必要な学歴や英語力について解説していきます。

勉強

エアラインへの応募は大卒・院卒が条件

JALやANAといった大手エアラインの自社養成パイロットになるには試験を受けなければいけません。受講資格は大学新卒者・大学院修士課程修了予定者が必要な学歴です。航空会社の自社養成パイロット採用試験は、採用数もわずかで非常に狭き門です。採用試験面接・適性検査・身体検査などが綿密に行われます。

卒業式

パイロットに必要な英語力は?

空の世界でもやはり共通語は英語です。海外の訓練はもちろんのこと、国内の訓練においても管制塔のやりとりや訓練用のテキストは英語がメインであるため、パイロットになるには学歴だけでなく一定の英語力が求められます。過去、パイロットの英語能力の低さが原因の一端となった事故が発生したことを教訓として、国際民間航空機関がパイロットの英語能力について基準を設け、それに従い各国で「航空英語能力証明」という試験が実施されています。

スピーチ

高卒の場合はパイロットになれないの?

最終学歴が高卒でパイロットになるには、2つの方法が存在します。1つはJALやANAの子会社で高卒応募出来るところのパイロットになること、もう1つは自衛隊のパイロットになることです。後者の自衛隊の場合、学歴は高卒でも全く問題ありません。

入隊のための試験に合格すれば、教育や訓練を経てパイロットとして活躍出来るようになります。自衛隊のパイロットになるには、防衛大学に進み1年から2年に進級する際に航空要因に区分されることと自衛隊の航空学生採用試験を受験する2通りの方法があります。

航空自衛隊

パイロットに必要な3つの資格とは?エアラインパイロットに必要なのは?

パイロットになるには国土交通大臣の技能証明を受け、指定の資格を取得しなくてはなりません。代表的な資格である「自家用操縦士」「事業用操縦士」「定期運送用操縦士」について説明いたします。また、エアラインのパイロットになるにはその他にも資格等が必要になりますので、そちらもご覧ください。

①自家用操縦士

報酬を受けずに無償の運航を行う航空機、つまり自家用の軽飛行機やビジネスジェットなどを操縦するのに必要な資格です。日本の運転免許の第一種に相当します。飛行機・回転翼航空機・滑空機・飛行船に分かれています。

必要用件として航空特殊無線技士の資格が必要で、事業用操縦士を目指す場合もまずこの資格を取得する必要があります。

パイロット

②事業用操縦士

農薬散布・警察・消防などのパイロットに必要な資格です。遊覧や報道といった報酬目的で使用する場合や、航空会社で副操縦士として航空機を操縦する場合に必要となります。総飛行時間200時間以上という要件があります。

レッドブルの飛行機

③定期運送用操縦士

日本でいうJALやANAなどの航空会社のパイロットになるために必要な資格です。国内線や国際線の定期航路の航空機を機長として操縦する場合に必要になります。飛行時間用件は総飛行時間1,500時間以上です。

ジェット機

エアラインパイロットに最低限必要な資格は?

エアラインのパイロットになるためには、最低限自家用操縦士・事業用操縦士の資格が必要です。さらに機長になる場合は、副操縦士として数年間の実務経験に加え定期運送用操縦士の資格が必要になります。この他、エアラインのパイロットには計器飛行証明・航空無線通信士・航空英語検定等の資格が必要です。

コックピットのパイロット

パイロットの資格を取得する方法と費用を解説!自衛隊から転職した場合は?

パイロットになるには様々な資格が必要ですが、それらには一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか。パイロットになる方法別に資格を取得する方法とおおまかな費用をご紹介します。

お札

①エアラインの自社養成パイロットに応募する

エアラインのパイロットを目指す方法として最も一般的なのは航空会社の自社養成パイロットとして採用され、訓練後パイロットになるという流れです。パイロットになるための転職方法としてはありですが、大手は厳しいかもしれません。子会社であれば採用される可能性はあるでしょう。

エアラインの自社養成パイロットになるには費用はかかりませんが、応募資格である大学・大学院の費用として私大で400~600万円程度、国大で240万円程度が見込まれます。

コックピット

②航空大学校に入校する

航空大学校とはパイロットを育てるための日本で唯一の公的教育機関です。以前は宮崎県にしかありませんでしたが、現在は北海道の帯広空港と宮城県の仙台空港に隣接した分校が出来ました。航空大学校に入学する条件は高等専門学校卒業者または4年生大学に2年以上在学していることです。

学費は年間130万円程度で全寮制です。気象学や実践的な操縦技術を4年かけて習得します。実際にパイロットとして企業に就職するためには6年という年月がかかるということです。

学生

③パイロット養成課程がある大学・専門学校に入学する

2006年に開設された東海大学工学部航空宇宙科航空操縦学専攻では、ANAと航空大学が提携しています。一般の私立大学在学中にライセンスが取得出来るようになり、当然大学卒業の学士資格も取得可能です。また、法政大学理工学部機械工学科航空操縦学専修と、桜美林大学フライト・オペレーションコースがJALの協力によって誕生しました。

熊本県の崇城大学工学部宇宙システム学科専修過程パイロットコースが本田航空の協力で生まれています。今後もパイロットになるルートとして日本でも増えていくと予想されます。費用は学校により110万円~740万円程度です。

大学

④自費で取得出来るスクールを探す

航空会社の自社養成や航空大学校ではなく、自分でライセンスを取得し航空会社の就職試験を受ける方法もあります。この場合は新卒とは別の採用枠での受験となり、すべての航空会社では実施していません。この方法による採用試験を実施する航空会社が出てきた背景には、近年話題になっている格安航空会社の台頭があげられます。

パイロット養成には莫大な費用がかかるため、既存の航空会社はコストダウンを図ろうとし、自費でライセンスを取得した人を積極的に採用するようになりました。現在では、JALエクスプレスやジェイ・エア、エアーネクスト、エアーセントラルなどがライセンス取得者の採用を頻繁に行っているようです。

スクール

自衛隊から転職すればエアラインパイロットになれるの?

自衛隊内で習得したパイロットの技術は航空法の適用外で免許がなくても操縦出来るため、自衛隊以外で飛行機を操縦するためには計器飛行過程という自衛隊内の教育を受け、事業用操縦士の免許を取得することが最低限必要となります。

民間機のパイロットになるには、事業用操縦士の他に計器飛行証明・航空無線通信士・航空英語検定を取得しなければなりません。それらをすべて国内で取得する場合、500~1,000万円程度の費用が必要となりますので注意が必要です。

パイロットと飛行機

パイロットの平均年収はどのくらい?

航空会社のパイロットは医者や弁護士などと同様に高年収の職業というイメージです。しかし、ここ数年は少しずつ給与水準が下がっているといわれ、また会社によって差も開いてきています。最も平均年収が高いのは大手航空会社であり、JAL・ANAのパイロットの年収は2,000万円弱だそうです。

パイロットは一般的に年齢(勤続年数)とともに給料が上がるため、大手の場合は機長になれば2,000万円を超える人も多く出てきます。しかし、新規参入の航空会社や中堅の航空会社の場合、平均年収が800万円程度となり、大手と倍以上の差が出るケースもあるのです。

厚生労働省の平成27年賃金構造基本統計調査によると、航空操縦士の平均年収は43.1歳で1,712万円とされています。

お札と地図

パイロットになる為に学生時代にやっておくべきこと

パイロットになるには、学生時代から取り組んでおくべきことがたくさんあります。中でも重要な2つの要素について把握しておきましょう。

英語を積極的に学ぶ

業務に必要な航空英語は入社してからでも学ぶことが出来ますが、パイロットの仕事では日常的に英語を使いますので、学生時代から英語のレベルを高めておくことをお勧めします。また、国際線のパイロットになるためには英語の検定試験が課され、それをクリアしなければなりません。

英語

身体力・精神力・協調性を身に付ける

旅客機のパイロットは、単に操縦技術を身に付ければいいという仕事ではありません。さまざまな職種の人とコミュニケーションをとりながら安全な運行を遂行しなければならない仕事ですから、対人関係を円滑にする力も求められます。

また、パイロットになるための訓練も長く厳しいものになりますので、それらの関門をクリアしていくためには仲間と力を合わせて勉強したりお互い助け合いながら乗り越えていくことになります。さらに、人命を預かるという責任の重い仕事でもあるため、それに耐えられるだけの肉体的・精神的なタフさも要求されます。

直接的に必要となる知識・技術は専門の訓練を通して身に付けることがでますので、学生時代は勉強のみならず部活動などを通じて身体力・精神力・協調性を磨いておきたいところです。

ランニング

パイロットになるには地道な努力の積み重ねが大事!

パイロットになるにはどうすればいいか、必要な条件・費用・学歴等についてご紹介しました。パイロットになるには学歴以外にもスポーツやその他の活動を通してコミュニケーションスキルや身体能力が必要ということがわかりました。

また、パイロットになるにはまず健康な身体が必要です。パイロットになってからも定期的な身体検査があり、基準を満たさなければパイロットを続けることは出来ません。日々地道なを努力を積み重ねることでパイロットへの道は開けます。鍛錬を怠らず、夢に向かって邁進しましょう。

空

関連するまとめ

Original
この記事のライター
のちのち
趣味は着物と珈琲とクラフトビール、町歩き。

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ