翻訳家になるには?必要なスキルや資格・仕事内容・働き方も!
翻訳家の仕事が知りたいと思っている人もいることでしょう。今回は翻訳家になるにはどんなスキルや資格が必要なのか、また翻訳家の仕事内容についてご紹介します。翻訳家になるにはいろいろな方法があるので、自分にあった方法を探してみましょう。
目次
翻訳家になるにはどうしたらいい?
翻訳家の仕事に憧れている人もいるのではないでしょうか。翻訳家になるにはどんな方法があるのか、そしてどんなスキルを身に付けておけばいいのか知りたいことでしょう。今回は翻訳家になるには具体的にどんな方法があるのかご紹介していきます。
まずは翻訳家の仕事について知ろう!
翻訳家の仕事とは?
外国語で書かれた文章を的確な日本語で表現したり、その逆に日本語を外国語に訳す仕事をする翻訳家の仕事ですが、大きく分けて3つのジャンルに分けることができます。
小説やフィクション作品などの出版物を訳する仕事は「文芸翻訳」のジャンルに入ります。私たちが通常読む本を翻訳するので、出版翻訳と呼ばれることもあります。一方、起業や大学などで作成されるマニュアルや論文などの文章の翻訳は「実務翻訳」のジャンルになります。ITや医療系の仕事など専門分野の文章を翻訳します。また最後のジャンルとして「映像翻訳」をあげることができます。この仕事は映画やドキュメンタリーなどの映像作品の音声を翻訳して吹き替えを作る仕事をします。
翻訳家としての働き方は?
翻訳家としての働き方には2つのパターンがあります。1つは翻訳部署のある会社に就職して、専任の翻訳家として会社の書類などを翻訳するという働き方があります。翻訳の仕事は外資系の会社や貿易会社などの募集で見つけることができますが、実務経験がない人の採用は厳しい一面があるのが現実です。
またもう1つは翻訳会社に登録してトライアルをクリアし、フリーランスの翻訳者として働く方法があります。フリーランスの場合は翻訳者の実力によって仕事量が変化したり収入が異なってくるので、地道に実力をつけながら仕事上の信用を培っていくことが必要になります。
翻訳家の給料はどのくらい?
気になる翻訳家の給料ですが、企業に属して働く場合と、フリーランスで働く場合では給料に大きな違いがあります。企業に属して働く場合は、一般的な会社員と同じ扱いで給料を得られます。ボーナスや福利厚生などを視野に入れて働いて、年収は数百万円ほどで中堅サラリーマンと同等額の給料です。
またフリーランスで働く場合は、翻訳の文字数や単価によって給料が異なってきます。加えて専門分野の医療系や金融系の翻訳の仕事になると、給料の単価がグッとアップするので、専門知識のある翻訳者の人は働き方次第で給料が年収1,000万円を超えることもあるようです。
【ジャンル別】翻訳家になるための方法を紹介!
文芸翻訳になるための方法
文章を日本語に翻訳することになる文芸翻訳家になるためには、自分の翻訳したものを出版社へ持ち込んで、コンテストに応募する方法が一般的とされています。文芸翻訳の仕事で生活できるようになるまでは時間がかかりますが、出版社へ自分の翻訳を持ち込むのが早道です。
実務翻訳になるための方法
実務翻訳家になるには、翻訳業務を行っている企業に就職したり、フリーランスとして翻訳会社に登録して派遣してもらう方法があります。就職や派遣という形で翻訳家として働くことになるので、安定して仕事を受けることができます。
映像翻訳になるための方法
映像翻訳家になるには、制作会社に就職するのが近道といわれています。制作会社に就職した場合の働き方は、初めはアルバイトの翻訳家として働くことになりますが、実力をつけて信頼を得ることによってプロとしてデビューできるようになった人もいます。映像翻訳家としてのセンスと英語などの語学力が特に必要となる仕事です。
【働き方別】翻訳家になるための方法を紹介!
翻訳専門会社で働く方法
翻訳専門会社に就職すると、最初はプロの人の下で下積みをしたり、アルバイト的な立場で仕事して見習いをする人が多いようです。いきなり翻訳を任されるというよりは、実際の映像翻訳のやり方を見ながら勉強して、その後徐々に仕事を任されていく働き方になります。
翻訳関連会社に就職する
翻訳関連会社に就職した場合は、専任の翻訳家として働くことになりますが、大半は信頼関係がすでにある中での契約となるので新人がいきなり仕事を任されることはごくまれです。そのため実務経験を積み重ねるために最初のうちは翻訳会社に登録し、スポットとして翻訳関連会社で仕事をする人が多いようです。実務経験と実績を積み重ねた後に、専任翻訳家になることができます。
一般企業に就職して働く方法
翻訳家になるために、一般企業に就職して働くという人はごくまれです。企業が外国語を扱っている会社であったり、貿易関係の企業であれば翻訳家を必要としますが、マニュアルの翻訳や専門的な翻訳をする仕事はごく少ないといっていいでしょう。
フリーランスとして働く方法
自分の力で独り立ちするフリーランスとして働く方法を選ぶ人もいるでしょう。フリーランスの翻訳家になるには、専門学校や翻訳学校で語学力を磨きながら、自力で出版社への持ち込みやコンテスト応募をする必要があります。仕事の発注も新人の頃はほとんどないといっていいほどです。自分の実力次第で大きく道が開かれることがあります。
翻訳家になるために求められるスキルは?
日本語の表現力
翻訳家になるためには英語力はもちろん、日本語に対する知識も重要です。つまり、日本語力のスキルも求められるということです。主に文芸翻訳を目指しているのであれば、読者を引きつける表現や文章を書けることが求められます。また読者である日本人向けの翻訳の仕事を行う上で、ただ単に英語を日本語と入れ替えるだけでは意味が十分伝わりません。日本人の考えを理解して、日本語の表現をして初めて日本人に伝わる翻訳になるのです。
論理的思考力
論理的思考力というスキルも必要です。国によっては表現の仕方や考え方が違ってくるので、その国の文化や背景を理解し論理的に考え表現できなければなりません。英語などの外国語をそのままストレートに翻訳するのではなく、日本語に翻訳する際に日本人が分かるように論理的思考力を働かせて翻訳することが求められます。
外国の文化や歴史などの知識
翻訳する著者の国の文化や歴史、そして翻訳することになる場所の文化や歴史などの知識も必要です。自分の考えで翻訳してしまうと、翻訳した文章が意味の通らないものとなることもあるからです。一般的な外国の文化や歴史の知識というよりは、多くの人が知らないような深い知識も必要になります。
ITスキル
英語や外国語の知識があれば翻訳の仕事ができそうに思えますが、実はそれだけでは不十分です。翻訳家にはITスキルが求められます。英語などの外国語の翻訳スピードに加えて、パソコンなどの知識が必要になり、ITスキルが高ければ高いほどスムーズに翻訳の仕事を進めることができます。自分の知らない単語を検索したり、国の文化や歴史を調べるにしても、ITスキルが高い人ほど有利に翻訳ができるからです。
翻訳家になるために必要な資格とは?
翻訳家になるめに必要な資格は特に必要はありませんが、有利になるかもしれない資格があるのでご紹介します。
英検
英語の知識があればあるほど、翻訳の仕事がスピーディーに行えるようになります。翻訳者に特に必要となる資格はありませんが、英検1級などの語学力を持っているならば、就職を探す上でも有利になることもあります。
TOEIC
TOEICも自分の英語の能力を表すことができる資格に繋がります。翻訳者に必須ではありませんが、TOEIC900点台の語学力を持っているならば、自分の英語力を証明するために使えるかもしれません。
JTA公認翻訳専門職資格試験
日本翻訳協会が実施しているJTA公認翻訳専門職資格試験という翻訳の資格も、自分の英語スキルを証明するものとなります。この試験は、年に4回実施され、英語に加えて中国語の翻訳能力を示す証明になります。外資系で翻訳者として活躍するのに有利な検定です。
JTA翻訳検定
日本翻訳協会が実施しているJTA翻訳検定試験も、翻訳に必要な自分の知識を示す証明として使うことができます。JTA翻訳検定は英語翻訳スキルをアピールするものとなります。2級以上に合格すると、検定合格者リストとJTF機関誌に自己プロフィールを掲載でき、仕事獲得の機会が広がります。
翻訳実務検定TQE
実務レベルの翻訳力を検定する資格試験である、翻訳実務検定TQEの試験もあります。限られた期間内に翻訳文を作成できる能力を認定する検定で、英語・ドイツ語・中国語・韓国語・ロシア語・スペイン語・フランス語を検定できます。実施は年に4回、インターネット受験になります。合格すると、40年以上の実績を持つ翻訳業務会社サンフレアの通訳者として登録されます。
翻訳家に向いている人の特徴は?
忍耐力がある
翻訳家に向いている人は、忍耐力が必要です。翻訳は時に難しい壁にぶつかったり、何時間も同じ文章をどう訳するのか考えることもあります。忍耐力があれば、それに真剣に取り組むことができます。
ポジティブである
言葉は生き物といわれています。新しい表現や単語、そして専門用語を日々ポジティブに吸収し、それを翻訳に取り入れていく人の文章は魅力的で人を引きつけます。
自分の知識を惜しげなく提供できる
自分の得た知識を惜しみなく提供できる姿勢も必要になります。翻訳するにあたって、出し惜しみをしたりするようでは正確な翻訳にはならないことがあるからです。細かいところまで丁寧に注意を向けるだけの心がけがある人も翻訳家に向いている人といえます。
翻訳家になるにはどのくらいの期間がかかる?
翻訳者になるには、実際にどのくらいの期間が必要という基準はありません。期間はそれぞれの語学能力やタイミングによっても違ってきますが、抜群の英語能力がない場合はまずはTOEIC900点を取るためにどのくらいの時間がかかるのか、自分の能力を考えながら計算してみることができます。
翻訳家になるためのおすすめの学校は?
翻訳者用の専門学校があり、専門学校自体が翻訳会社が経営したり出費しているところが多々あります。それで成績優秀者には専門学校卒業後に母体となる会社への進路が用意されている専門学校もあります。
また専門学校自体が翻訳業界と関わりを持っていて、卒業後に翻訳の仕事や出版業界との繋がりを利用して、翻訳者としてのデビューを目指す人もいます。学校によって異なるので、利用する前にしっかりとリサーチしましょう。
新卒で翻訳家一本で働くのは難しい?
大学卒業後の新卒で翻訳家一本で働くのはかなり珍しく、難しいといえます。翻訳の仕事は英語やその他の外国語ができればいいというレベルのものではなく、専門知識やスキル、そして職務経験が大きく関わってくるからです。
翻訳家として一本で働きたいのであれば、日本語ライティング能力やネガティブレベルの英語ライティング能力などが必要になります。それで翻訳の仕事をしている企業に就職しながら、専門知識を身に付けて、やがて独立して翻訳家一本で働くというのが一番現実的な見方です。
翻訳家の現状と今後の見通しはどう?
グローバル化が進み、海外との繋がりが頻繁になってきている今日、翻訳家の仕事は増えていく見込みです。英語だけにとどまらず、中国語などの経済発展を見込める国の翻訳も増大していくでしょう。
【番外編】翻訳家と翻訳者の違いとは?
翻訳家は文芸翻訳をする人を指します。一方、翻訳者とはマニュアルや論文などの文章を翻訳する仕事をする人を指します。そして映画の字幕を訳する人は、翻訳家、翻訳者の両方の名前が使われることがあります。
夢を叶えて翻訳家として活躍しよう!
翻訳家の仕事は主に3つのジャンルに分けられて、実力次第ではフリーランスとして働く機会が開かれる仕事であることをご紹介しました。今後も必要になる将来性の高い仕事なので、関心のある人は是非一歩を踏み出してくださいね。