2019年05月31日公開
2019年05月31日更新
契約結婚の募集サイトがやばすぎる!幸せになれるの?
契約結婚と偽装結婚とはどう違うのか、メリットやデメリット、契約結婚の例や募集サイトの実態、募集サイトの書き込みなど普段人には聞けないような内容を紹介します。実際に契約結婚するには、どうしたら良いのか。契約結婚に必要な契約書の書き方も説明したいと思います。
目次
契約結婚ってどんな結婚?普通の結婚と何が違うの?
契約結婚という言葉を聞いたことはあっても、その実情を知っていたりしっかりと説明できる人は少ないのではにあでしょうか。この記事では契約結婚の定義だけではなく、歴史や現状について解説していきます。
契約結婚の発祥の歴史とは?
契約結婚はフランスでジャン=ポール・サルトルとシモーヌ・ド・ボーヴォワールが提唱したのが最初であると言われています。
サルトルが「婚姻も子どもも持たず、嘘も隠し立てもせず、お互いの性的自由を認めつつも生涯の伴侶として過ごすこと」を提案し、ボーヴォワールが受け入れたことで契約結婚が成り立ちました。最初は2年間の契約だったこの関係も、サルトルが死亡するまでの約50年間続いたと言われています。決して打算的な関係ではなく、自由恋愛を謳歌した成功例の一つだと言われています。
日本での契約結婚の扱いは?
では、日本で最初に契約結婚を行ったのは誰でしょうか。
実は日本での最初の契約結婚は初代文部大臣で一橋大学の前身である商法講習所を設立した森有礼と広瀬常だったと言われています。「それぞれが夫・妻であること。破棄しない限り互いに尊敬しあい、愛すること。共有物に関しては双方の同意なし貸借売買しないこと」という取り決めの名の元に始まった契約結婚でしたが、11年目を迎えた頃に広瀬の浮気が原因で双方の同意の下に解消しています。
先ほどのサルトルとボーヴォワールの契約結婚はお互いの自由恋愛を認めていたのに対し、森と広瀬は浮気が原因で結婚生活が破綻しています。どちらかと言えば、現在の結婚生活に近い形だったのかもしれません。
契約結婚と偽装結婚の違いとは?
契約結婚は、まれに偽装結婚と混同されることがあります。では契約結婚と偽装結婚はどのような違いがあるのでしょうか。
上で紹介した2つの例からも分かる通り、契約結婚は結婚期間を限定することもある結婚生活です。また、なんとなく生活を始めるのではなく生活スタイル・金銭面・お互いの性的な自由・離婚する際の条件などを書面に残して定義します。
一方、偽装結婚は婚姻関係を結んでいるものの実態を伴わない結婚生活のことを言います。たとえば犯罪目的や在留資格の取得を目的としていたり、場合によっては同性愛者同士がそうしたことを隠すために異性と結婚することもあります。そこに愛は全くなく、お互いの利害関係しか考えないのが偽装結婚ですので、契約結婚とは種類が全く違います。
契約結婚のメリット3つ!
では、契約結婚にはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを3つ紹介していきます。
自分の理想の結婚を追及できる
契約結婚は、結婚前に結婚生活を送る上での条件を書面として残します。そのため、お互いの家事分担や金銭的な負担の割合など、自分と相手の理想をすり合わせて結婚生活を送ることも可能です。お互いに結婚生活に求める条件が厳しい場合は、契約結婚が成功しやすくなるでしょう。
結婚前の約束を書面にして残せる
一般的な結婚生活でも結婚前にお互いの理想をすり合わせることはありますが、契約結婚はそれを書面に残すことで拘束力が増します。たとえ一方が契約を破棄して喧嘩になった場合でも、書面を元に話し合うことでお互いに冷静に契約内容を確認することが可能です。「言った」「言わない」の喧嘩にならないという点で大きなメリットとなるでしょう。
スムーズに離婚できる
離婚をする際には揉めることが多々ありますが、契約結婚は契約時に離婚時の取り決めを細かく決めておくことも可能です。「不倫の場合は慰謝料は〇円」「性格の不一致の場合は財産分与で離婚」など、特に揉めやすい金銭面で契約を結んでおくとスムーズに離婚することもできるでしょう。
契約結婚のデメリット3つ!
契約結婚はメリットだけではありません。もちろんデメリットもありますので、こちらも3つ覚えておきましょう。
結婚に対して身構えてしまう
結婚生活が始まる前にお互いの理想を全て話すのは契約結婚のメリットでもありますが、あまりにも条件が細かすぎると結婚生活に対して身構えてしまうことがあります。「こんなに細かい取り決めを守れるのだろうか」と結婚に尻込みしたり、場合によっては「神経質な人だからやっていけない」と結婚相手自体への愛情が冷めてしまうこともあるでしょう。
周囲に理解してもらえない
ドラマや漫画の影響で日本でも契約結婚が増えてきてはいますが、それでもまだまだ一般的とは言えないものです。そのため、周囲の人の理解を得るのは難しくなってしまうでしょう。「私たちは契約結婚なんだ」と話すと批判されてしまうかもしれません。特に、両親世代の理解を得るのは至難の業でしょう。
離婚したくなっても契約が邪魔をする場合がある
契約書を交わした際に「不倫の際は即座に離婚」や「家事・育児放棄の際には離婚」などの条件をしっかり決めていたつもりでも、実は結婚生活を送る上で他の理由で離婚したくなることもあります。たとえば性格の不一致から離婚の選択をしたくても、契約書に「性格の不一致の際は離婚も可能」という文言がなければ相手を説得できずに離婚できないこともあります。
契約結婚を成功させる秘訣はあるの?
メリットもデメリットもある契約結婚ですが、お互いに自分の理想を相手に押し付けるだけではなくお互いを尊重し合う気持ちを持つことで格段に成功率が上がります。
また、契約結婚の期間も「10年」などの長期ではなく「1年ごとに契約を見直す」などと決めておけば、その時のお互いの状況に応じた快適な結婚生活が送れるようになるでしょう。
契約結婚をしたい人におすすめの掲示板
契約結婚をしたくても周りに同意してくれる人がいない場合、ネットで相手を探すこともできます。たとえば一番有名な掲示板としては「契約結婚募集」というサイトがありますが、書き込んでいる人の中には真面目に契約結婚の相手を探している人もいれば、出会い系目的で使っている人もいます。また、匿名性が高いサイトですので誹謗中傷行為を行うだけの人もいるでしょう。掲示板に細かく条件を書くことで理想の相手が見つかる可能性もありますが、安易に信用しないように注意が必要な場合もあります。
契約結婚する際に作成する婚前(結婚)契約書とは?
契約結婚をする際には婚前契約書(結婚契約書)が必要になります。では、婚前結婚書とはどのようなものでしょうか。簡単に内容を紹介していきます。
婚前(結婚)契約書とは?
契約結婚の婚前契約書は、法的な効力を持つ重要な契約書です。日本と比べて契約結婚の数が多い欧米では"Prenup"と呼ばれています。この婚前契約書の存在があることで、口約束をしていてうやむやにされてしまうといった事態を防ぐことが可能になります。
婚前(結婚)契約書に何を記載する?
婚前契約書に記入する内容に制限はありませんが、多くの場合は生活に関すること・浮気に関すること・金銭的なこと・離婚の条件などを盛り込んで契約書を作成します。カップルによっては、ペットを飼うことなどを盛り込む人もいるでしょう。ただし公序良俗に反することや不法行為を教唆することなどは当然ながら盛り込むことはできません。
この婚前契約書は、契約書の定める期間内は有効にあるものです。一時のノリや「友達が言っていたからなんとなく」という気持ちで作るとお互いの生活を窮屈にしてしまう可能性もあるので注意して作成しましょう。
婚前(結婚)契約書の作成方法は?
生活に関する条件などは自分たちで作成することも可能ですが、不倫の慰謝料や財産分与などの法的な知識が必要となる条件は専門家に頼んだ方が安全に作ることができるでしょう。契約結婚を真剣に行いたい場合は、法律商談所にリーガルチェックを依頼したり、行政書士に文書作成を依頼するのがおすすめです。
契約結婚の終わらせ方は?
なんらかの理由で契約結婚を終わらせる時も、婚前に交わした婚前契約に基づいて行われます。婚姻届を提出していなければ、双方の合意と契約書の条件に従って契約結婚を解消することができるでしょう。また、仮に婚姻届を提出していた場合でも、離婚届を二人で提出することで円満に離婚することも可能です。
契約結婚の具体例3つ紹介!
契約結婚に憧れを持っていても、具体的なイメージが湧かないという人も多いのではないでしょうか。周りに契約結婚をしている人がいない場合は、以下の3つを参考に結婚生活をイメージしてみてください。
漫画・ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』
2016年のドラマ化をきっかけに社会現象を巻き起こしたドラマです。それまで契約結婚という単語すら知らなかったという人も、このドラマをきっかけに契約結婚に興味を持ったという人も多いのではないでしょうか。実際、このドラマの後から日本でも契約結婚を行うカップルが増えたと言われているほどです。
ドラマ『結婚契約』
契約結婚を題材としたドラマは日本だけではありません。韓国の『結婚契約』というドラマも若者の間で契約結婚のブームが起きるほど人気が出たドラマです。こちらのドラマでは、金銭的な契約を重視した契約結婚が描かれていますよ。
携帯ゲーム『王子さまとイケない契約結婚』
ドラマだけではなく、ソーシャルアプリでも契約結婚が題材になっています。イケメン王子たちに契約結婚を迫られながら、その中の誰かと恋をするゲームです。ドラマをゆっくり見る時間がないという人は、こうしたアプリで契約結婚のイメージを固めてみるのも良いかもしれませんね。
契約結婚の募集にヤバい書き込みも!具体例を3つ紹介!
ネットでも募集が行われている契約結婚ですが、中にはヤバい書き込みもあります。明らかにヤバい書き込みには、絶対に反応しないようにして自分の身を守りましょう。
たとえば「お金に困っている人を募集しています。10億円上げるので結婚しましょう」などの非現実的な話はリスクが高いでしょう。他にも「性奴隷が欲しい」など、端的に自分の欲望しか述べない書き込みもありますし「家事と育児、両親の介護をしながら共働きをしてくれる女性を求めています。初婚の人のみ連絡をください」など、明らかに女性に負担を強いる書き込みもあるので注意して見極めるようにしましょう。
気をつけて!契約結婚のヤバい実態を紹介!
上記のようなヤバい書き込みに気付かずに契約結婚を始めてしまうと、どのような結婚生活が待っているのでしょか。ヤバい実態を4つ紹介しますので、引っかからなように気を付けてください。
自分の性的嗜好を満たしたい
人には言えない性癖を持っている人もいるでしょう。そうした人は掲示板に「過激なプレイができる相手を求めています」などと濁した書き込みをします。実態が分からずにそういった人と契約結婚をしてしまうと、耐えられないようにな性的な欲求を突き付けられることがあるので注意が必要です。
自分の身分を偽って生活したい
前科があったり借金取りに追われているなどの理由で、自分の名字や本籍地を変えるためだけに結婚をしたがる人もいます。特に男性に多く「女性の名字になりたいです。収入はあるし女性の条件に全て合わせます」のような一見好条件の書き込みを信じてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるので注意しましょう。
お金のためなら何でもする
「借金に困っています。助けてくれる人に尽くします」という書き込みがある場合もあります。お金と引き換えに家事などを引き受けてくれるのであれば契約結婚として成立するのかもしれませんが、裏を返せば「お金をくれる人なら誰でも良い」ということになってしまいます。当然ながら結婚生活の条件も金銭的なものだけになってしまうので、性格の不一致で上手くいかないケースが多いようです。
主従関係のようになってしまうことも
片方だけメリットのある条件を挙げている人もいますが、そうした結婚生活は多くの場合主従関係のようになってしまうでしょう。主従関係を築きたい人にとってはうってつけの条件ですが、あくまでもパートナーとは対等でありたいという人にとっては好ましくない契約結婚になってしまいがちです。特に金銭面はトラブルになりがちなので注意が必要です。
契約結婚は現代の婚姻の形の一つ!幸せになれるか確認して試そう!
両親よりも上の世代には理解されないことも多いですが、契約結婚も現代の立派な婚姻の形の一つです。お互いに納得できるのであれば、契約結婚をして幸せになるのも良いのではないでしょうか。
しかしながら、まだまだ世間には浸透していないので犯罪に巻き込まれてしまったり思わぬ苦労を抱え込んでしまう可能性もあります。契約結婚をして本当に幸せになれるのか、しっかり確認してから結婚するようにしましょう。