「同じ穴のムジナ」の意味や使い方とは?どんな場面で使うの?
日常生活ではあまり縁がないであろう『同じ穴のムジナ』という言葉について、あなたはどのくらいの知識を持っていますか?ぼんやりと意味を捉えてしまっていると、実は大変な事態になってしまう場合もあります。この記事では『同じ穴のムジナ』について、徹底解説していきます。
目次
「同じ穴のムジナ」の意味とは?
『同じ穴のムジナ』という言葉を聞いたことや読んだことがある、という人も多いのではないでしょうか。でも、その意味は知らない」聞いたことのある言葉・読んだことのある言葉でも、意味を知らなかったり、知っているつもりが実は意味が違った!なんてことも、ままあるものです。さて、今回は『同じ穴のムジナ』の意味から使い方まで、徹底解説していきます。正しい意味をしっかり覚えて、いざという時に困らないようにしましょう!
『同じ穴のムジナ』とは「ちょっと見では違うように見えても、実は同種・同じ仲間」という意味です。この後で詳しい使い方をご紹介しますが『同じ穴のムジナ』は良い意味で使われる言葉ではありませんので、意味を正しく理解せずに使ってしまうのは要注意です。『同じ穴のムジナ』とは悪い意味で使う、ということをまずは押さえておいてくださいね。
ムジナってどんな動物のことなの?
さて『同じ穴のムジナ』の意味を簡単に押さえたところで疑問に思うのは「ムジナって何?」ということではないでしょうか?ムジナの正体は動物です。この項目では『同じ穴のムジナ』のムジナの正体について解説していきます。
ムジナってどんな動物?
『同じ穴のムジナ』という言葉の「ムジナ」の正体は動物である、と先にご説明しました。このムジナとは、概して「アナグマ」という動物のことを指します。
ムジナの漢字表記は?
ムジナは漢字で表記すると「貉」と書きます。難しい漢字で日常生活の中で使用することはなかなかないと思いますが、小説などを読む際には登場する可能性がありますよね。貉=ムジナと分かっていれば、読書もスムーズになるでしょう。
「同じ穴のムジナ」の語源とは?
『同じ穴のムジナ』の意味が分かったところで、今度はその語源を知っていきましょう。語源までを押さえておくと、しっかりと意味を理解できるので損はありません。
『同じ穴のムジナ』のムジナと呼ばれる動物・アナグマは、巣穴を掘って暮らす動物です。しかし、そのアナグマが作った巣穴を狸が利用することがあるそうです。狸といえば、昔話などでもあるように、何かに化けて人を騙すというイメージが持たれていたりしますよね。狸もムジナ(ここではアナグマを指します)と同じく、巣穴を作って生活する動物です。
「同じ穴のムジナ」の使い方と例文!
それでは『同じ穴のムジナ』の具体的な使い方を、例文と共にご紹介していきたいと思います!
使い方の例文①
「いじめを傍観しているのは、結局いじめっ子と同じ穴のムジナだろう」
使い方の例文②
「間違いを指摘しても、彼らはちっとも聞かない。同じ穴のムジナだな」
例文①、②のように『同じ穴のムジナ』とは、決して良い意味での「同類」「仲間」という意味ではありません。悪い意味での「同類」「仲間」を指す場合に『同じ穴のムジナ』という言葉を使います。使い方はもちろん、使う場面にも注意を払ってくださいね。
「同じ穴のムジナ」の類語6つ!
『同じ穴のムジナ』には、類語が存在します。つまり、表現は違うが意味としては同様に使える、という言葉のことです。ここでは『同じ穴のムジナ』の類語を6つご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
類語①「どんぐりの背比べ」
『同じ穴のムジナ』の類語として『どんぐりの背比べ』があります。これには「どっちもどっち」「大した差はない」という意味があります。どんぐりを並べて大きさを比べてみたところで、どれも大した差はない、というのが語源と言えますね。
類語②「五十歩百歩」
こちらは『同じ穴のムジナ』よりも馴染みがある言葉かもしれませんね。『五十歩百歩』には「比べても大した差はない」「同じくらいの程度だから、比べたところで意味はない」という意味があります。
ちなみに、この『五十歩百歩』は「ごじゅっぽひゃっぽ」ではなく「ごじっぽひゃっぽ」と読みます。間違って覚えてしまっている人も中にはいますので、使い方だけを意識するのではなく、読み方にも注意しておきましょう。
類語③「目糞鼻糞を笑う」
『同じ穴のムジナ』は悪い意味での「同種」や「仲間」を指すとご説明してきましたが、類語である『目糞鼻糞を笑う』も似た意味を持っています。
こちらは「人を笑っている当人も、その人と同じ状態にあること」を指します。
類語④「同じ穴の狸」
ここからはムジナと同様に、動物で表している類語をご紹介していきます。
まず一つ目は『同じ穴の狸』です。先にご説明したように、狸もムジナと同様に巣穴で暮らす動物です。そして、地域によってはムジナ=狸とも捉えられています。ですから『同じ穴のムジナ』と同じ意味を持つ類語、となります。
類語⑤「同じ穴の狐」
狸と同じように、狐も人を化かす動物である、というお話はたくさんありますよね。『同じ穴のムジナ』の類語として「狐」で同じ意味を表すこともあります。
類語⑥「一つ穴の貉」
この『一つ穴の貉』は『同じ穴のムジナ』とまったく同じ意味の言葉です。同じ穴=一つの穴ということで「一つ穴」という表現をしているわけですね。
そうした意味で、悪巧みをしているのでは?というイメージを当てはめ『同じ穴のムジナ』の類語として『同じ穴の狐』とも表すことができます。
「同じ穴のムジナ」の英語表記!
ここまでは『同じ穴のムジナ』の意味、語源や類語など、日本語としての使い方について解説してきました。この項目ではステップアップして、英語での使い方をご紹介していきます。『同じ穴のムジナ』という意味の英語表記はいくつかありますが、中でも分かりやすいものを3つピックアップしました。
英語での使い方①
A raccoon dog of the same hole.
“raccoon dog”とは狸のことです。直訳でも「同じ穴の狸」となりますから、分かりやすく覚えやすい英語表記ですね。
英語での使い方②
It is a bad family.
こちらは短文な上、学校で習う簡単な単語を使っている文章なので、そのまま覚えてしまうのがいいでしょう。もしも、いざ使う場面が訪れた場合、パッと思い出しやすい英語表記と言えるのではないでしょうか。
英語での使い方③
We are two of a kind.
“two of a kind”は「似た者同士」という意味です。
こちらもパッと思い出しやすい英語表記でしょう。
「同じ穴のムジナ」を使う場面
『同じ穴のムジナ』について、ここまででよく理解が深まったのではないでしょうか?しかし『同じ穴のムジナ』の使い方には、十分な注意が必要です。使い方や場面を間違えてしまっては、あなたの人間関係にヒビを入れてしまいかねないからです。
そこで、この項目では『同じ穴のムジナ』の正しい使い方、使うにふさわしい場面をご紹介していきます。
悪いことをした人と同じことをしたとき
『同じ穴のムジナ』は悪い意味での「同類」「仲間」という意味です。ですから、ある人が悪いことをしているのに、自分もその人と同じことをしてしまったという場合『同じ穴のムジナ』という言葉が当てはまります。
そもそも、良い意味で使う言葉ではないのが『同じ穴のムジナ』ですから、こうした場面に直面することは避けたいですね。
仕事で失敗した人と同じ失敗をしたとき
誰にでも失敗をする、ということはありますよね。だからこそ、その失敗を執拗に責め立てることは、ある場面においては良くないことと言えます。
仮に誰かの失敗をあなたが責めてしまったとして、その後にあなた自身が同じ失敗をしてしまったらどうでしょうか?それこそ「なんだ、あの人も同じ穴のムジナじゃないか」なんて思われかねません。『同じ穴のムジナ』とされてしまうような場面を避けたいのなら、やはり自分の振る舞いに注意したほうがいいでしょう。
悪い意味での人との共通点を見つけたとき
『同じ穴のムジナ』は悪い意味での「同類」のことを指すので、一般的に悪いとされることにおいて共通点があるとなると「あの人も同じ穴のムジナだよ」と評されてしまうでしょう。
『同じ穴のムジナ』という言葉が当てはめられる場面をご紹介しましたが、逆に『同じ穴のムジナ』を当てはめてはいけない場面も気になりませんか?
もちろん「この場面では使い方として間違っている」という事態も避けたいものです。続いては『同じ穴のムジナ』の間違った使い方と、その注意点をご紹介していきます。
「同じ穴のムジナ」の間違った使い方・注意点!
『同じ穴のムジナ』は「同類」「仲間」などの意味があるので、噛み砕けば「同じである」ことや「似ている」ということを指す、とも捉えられますよね。しかし『同じ穴のムジナ』は「同じであること」や「似ている」点こそが悪い意味合いである、ということを忘れてはいけません。
つまり「私たちって趣味が合うね」などといったポジティブな場面において「同じ穴のムジナだね」と言ってしまうと、途端にマイナスの意味に変わってしまうのです。こうした間違った使い方をしてしまうと、人間関係にまで悪い影響を与えてしまう恐れもあります。
『同じ穴のムジナ』は同じ・似ているということを指しますが、それには「悪い意味で」という前置きがあることを忘れないでくださいね。言葉は時に、人を深く傷つけたり、関係の修復は不可能というほどに相手を怒らせてしまうこともあります。『同じ穴のムジナ』という言葉は、特に悪い意味でのみ使う限定的な言葉ですから、使い方にはよくよく注意することが必要です。
「同じ穴のムジナ」の意味を知って正しく使おう!
『同じ穴のムジナ』という言葉について、意味はもちろんのこと、具体的な使い方やその語源、英語表記や注意点とたっぷりご紹介してきました。押さえておくべきポイントをしっかりと押さえておけば、難しく聞こえる『同じ穴のムジナ』という言葉について心配することはありません。
使い方と注意点には特に気をつけることが必要ですが、ここまで読み込んだあなたなら大丈夫です。深く理解することができたのなら『同じ穴のムジナ』を自分が使う時の使い方だけではなく、あなた自身が『同じ穴のムジナ』と言われないように注意するキッカケにもなるのではないでしょうか?