『既成概念』の意味や使い方とは?『固定観念』との違いも解説!
ビジネスの場でも使われる『既成概念』という言葉の意味をご存知ですか?時々『固定観念』と区別がつかなくなってはいませんか?今回は『既成概念』の意味や使い方、『固定観念』との違いを解説します。「概念」と「観念」との違いや、英語表現もチェックしてくださいね。
目次
『既成概念』の意味とは?
普段何気なく耳にしたり口にしたりはするものの、それらの言葉の意味を深く考える機会は意外と少ないものです。今回は『既成概念』の意味を探っていきます。
「うんうん!既成概念ね!」と思うものの、その意味を説明することは結構難しく感じます。『既成概念』という言葉は、「既成」と「概念」から成り立っています。はじめにそれぞれの意味をご紹介します。
既成の意味は「その状態が揺るがない状態ですでに成り立っていること」です。また、概念の意味は「物や状況に対して一般的に思い浮かぶ内容や意味、イメージ」などです。つまり、『既成概念』とは、「一般的にイメージされたり認められている意味」を意味します。
『既成概念』の使い方を例文を使って紹介
では、『既成概念』の代表的な使い方や例文を3つご紹介します。
【使い方1】一般的なイメージを打ち消す形をとりたい時は、『既成概念』を否定する表現にします。
【例文1】あなたの作品には既成概念がなく、とても個性的ですね。
【使い方2】一般的に思う浮かぶことに縛られたくない時、その気持ちを表現できます。
【例文2】これからは既成概念にとらわれないで、生活していきたいです。
【使い方3】既に一般的に成り立っていることを表現できます。
【例文3】既成概念としては、海は青いものだよね。
このように『既成概念』の使い方は、一般的なイメージや意味、既に成り立っていることに関しての表現です。
『既成概念』の類語
『既成概念』に似ている言葉(類語)には、どのようなものがあるのでしょうか?文章を書く時や会話の中で、同じ言葉ばかりを多用するよりなるべくたくさんの表現ができる方が、文や会話に深みがプラスされます。『既成概念』の類語と『既成観念にとらわれない』の類語をご紹介します。
『既成概念』の類語
はじめに『既成概念』の類語を5つ、例文とともにまとめました。
【類語1】社会意識
【例文1】社会意識として考えても、こちらの案の方が安心ですね。
【ポイント1】社会が「一般的」と思う考えを表しています。
【類語2】世間の見方
【例文2】あなたは世間の見方に反する考えがあるようにみえます。
【ポイント2】一般的ではなく少数派を表すときは否定形を使います。
【類語3】ステレオタイプ
【例文3】周りからよくステレオタイプと言われます。
【ポイント3】型通りの考え方やイメージを表します。
【類語4】一般的考え
【例文4】月を黄色で描くのは、日本では一般的な考えです。
【ポイント4】イメージとしてすでに成り立っていることを表しています。
【類語5】固定観念
【例文5】固定観念を重視することは、決して悪いことではありませんよ。
【ポイント5】状況の変化に左右されずに、その考えなどを信じている時に使います。下の『既成概念』と『固定観念』の違いとは?もあわせてご覧ください。
『既成概念にとらわれない』の類語
次に『既成概念にとらわれない』の類語を5つ、例文とともにご紹介します。
【類語1】常識にとらわれない
【例文1】時には常識にとらわれないことも大切です。
【ポイント1】既成概念は一般的な常識とも考えられるので、「常識」という言葉で表現しています。
【類語2】枠にはまらない
【例文2】枠にはまらない考え方ができるところが、あなたの最大の魅力ですね!
【ポイント2】1つのイメージにとらわれない考え方を表現しています。
【類語3】頭がやわらかい
【例文3】頭がやわらかいと、独創的な表現ができる気がします。
【ポイント3】一般的なイメージや考え方に固執していないことを、「やわらかい」という言葉で表しています。
【類語4】柔軟思考の
【例文4】柔軟思考の彼女なら、きっと解決策を見つけるはずです。
【ポイント4】場合によっていろいろな考え方や見方ができることを表しています。
【類語5】固定観念にとらわれない
【例文5】今回は固定観念にとらわれないで、様子を見てみましょう。
【ポイント5】状況によって柔軟な発想をしてみることをすすめています。
『既成概念』と『固定観念』の違いとは?
先ほど類語でもご紹介した『固定観念』ですが、『既成概念』との違いを考えていきたいと思います。はじめに『固定観念』の意味をご紹介します。『固定観念』とは、「状況や状態によって変化せず、自分が思い込んでいる考えが正しいと信じる」ことです。つまり「観念」が「固定」されているということです。
『既成概念』が「一般的にイメージされたり認められていること」を表すのに対し、『固定観念』は「自分が思い込んでいる考えが正しいと信じる」ことを表します。つまり『既成概念=客観的に認められている』『固定観念=主観的な考え』といった違いがあります。
『既成観念』とは?『既成概念』の誤用?
これまで『既成概念』をご紹介してきましたが、『既成観念』とは何が違うの?誤用なの?と疑問に感じている方もいらっしゃると思います。『既成観念』とは、「世間や一般的にすでに出来上がっている考え方」を表します。『既成観念』の例文をご紹介します。
【既成観念を使った例文】若い世代の既成観念を打ち破ってこそ、この商戦に勝利できる!
【ポイント】既成観念という言葉を使って、若い世代の「出来上がっている考え方」を表しています。
では、『概念』と『観念』の詳しい違いをご紹介します。
『概念』と『観念』の違いを解説
類義語ともいわれる『概念』と『観念』ですが、厳密には意味や使い方が違います。はじめに『概念』と『観念』の違い、そしてそれぞれの英語表現をご紹介します。
『概念』の意味と使い方
『概念』の意味は「物や状況に対して一般的に思い浮かぶ内容や意味、イメージ」です。使い方を例文で2つご紹介します。
【例文1】これまでの古い概念にとらわれていると、今後の情勢変化についていけなくなるかもしれません。
【例文2】SNSの普及で、コミュニケーションの概念が変わりましたね。
このように『概念』は、一般的な意味やイメージを表すときに使います。
『観念』の意味と使い方
『観念』の意味は「物事に対する考え、主観的な考え」です。使い方を例文で2つご紹介します。
【例文1】観念的に考えず、現実を少し見てみましょう。
【例文2】あまり観念に強くとらわれると、身動きがとれなくなってしまいますよ。
このように『観念』は、主観的な考えやその物に対しての考えを表すときに使います。
『概念』と『観念』の英語表現
『概念』と『観念』の英語表現を、しっかりと使い分けることができたら社会人としてのスキルも上がるような気がしますね。例文とともにまとめましたので、ぜひチェックしてください。
【概念の代表的な英語表現】concept
【英語例文】We didn't understand this concept.
【日本語訳】私たちはこの概念を理解できませんでした。
【ポイント】ideaやnotionで表すこともあります。
【観念の代表的な英語表現】idea
【英語例文】I think this is a mistaken idea.
【日本語訳】それは間違った観念だと思います。
【ポイント】conceptで表すこともあります。
『既成概念』の英語表現
それでは最後に『既成概念』の代表的な英語表現をご紹介します!例文や日本語訳もご参考にしてください。
【既成概念の代表的な英語表現】preconceived idea、stereotype
【英語例文】It is important to break stereotypes.
【日本語訳】既成概念を打ち破ることは大切です。
【ポイント】think outside the boxで、「既成概念にとらわれず」の意味を表現することもできます。英単語だけにとらわれないで、表現方法を増やしていきたいですね。
【番外編】『固定概念』は『固定観念』の誤用!
『固定概念』という言葉を聞いたことはありますか?実は『固定概念』という言葉はありません。「概念」は「物や状況に対して一般的に思い浮かぶ内容や意味、イメージ」と、客観的にそう思われていることを表すので、わざわざ「固定」する必要性はありません。『固定観念』の誤用と考えておきましょう。
既成概念にとらわれない生き方をしよう!
今回は『既成概念』についてご紹介しました。一般的なイメージや意味を尊重し、行動していくことは社会において大切なことです。しかし、時には既成概念にとらわれず、多様なイメージや意味、表現をすることで新しい世界を知ることもできます。既成概念にとらわれない生き方が、あなたの未来への楽しい一歩を彩ってくれるかも知れません!