『恒常的』の意味とは?類義語・対義語も!ビジネスシーンでの使い方は?
「恒常的」という言葉を聞いたときに、その意味がすぐに分かる人は少ないかもしれません。「恒常的」の意味を明確にするためにも、恒常的の類義語や対義語、ビジネスシーンでの使い方などを参考にして、言葉に対する理解を深めていきましょう。
目次
『恒常的』の意味とは
まずは「恒常的」という漢字そのものについて、みていきましょう。
『恒常的』の読み方
恒常的の読み方は「こうじょうてき」です。
漢字の「恒」の音読み「こう」、漢字の「常」の音読み「じょう」、漢字の「的」の音読み「てき」の組み合わせで成り立っています。
『恒常的』の意味とは
恒常的の意味は、「いつも通りであること」「いつも変わらないこと」など、いつも一定で変化のないことです。
『恒』の意味とは
「恒」は訓読みでは「つね」と読みます。恒は「一定している」「変わらない」といった意味を持ちます。
『常』の意味とは
「常」は訓読みでは「つね」と読みます。常は「いつも変わらない」「いつもと同じ状態が続くこと」などを意味します。
『的』の意味とは
「的」は、名詞につくことで形容詞の語幹をつくる役割をします。名詞の対象そのものではないが、それに似た性質をもっていることを表す言葉で、「○○のよう」「○○ふう」といった意味合いを持たせるときに使用されます。
「恒常的」の場合は、「恒」「常」共に「変わらない」を意味する漢字を重ねることで、「変わらない」を協調し、そのようなものであることを意味する言葉として、「的」が組み合わされているのだと言えそうです。
『恒常的』の使い方2つ
「恒常的」の使い方として、「恒常的所得」「恒常的な雇用関係」の2つをご紹介いたします。
恒常的所得
恒常的所得とは、「一定の決まった時期に入ってくる所得」のとことを言います。正社員やアルバイトなど決まった日に給料所得がある人や、フリーランスでもクライアントとの契約により給与所得の入る日が一定であったりする人などに対して、「恒常的所得がある人」のような使い方をすることができます。
恒常的な雇用関係
恒常的な雇用関係とは、「一定の変わらない雇用関係」のことを言います。正社員のように、長期にわたり雇用契約が持続されるような人と会社との関係について「恒常的な雇用関係にある」などの使い方をします。
『恒常的』のビジネスシーンでの使い方4つ
「恒常的」は日常生活の中では馴染みが薄い言葉なのかもしれませんが、ビジネスシーンではよく使用される言葉です。ビジネスシーンでの例文を参考にしながら、みていきましょう。
恒常的な成果
ビジネスシーンでは、「恒常的な成果」という言葉は、株主総会の場やIR情報の報告書などで使われることが多く、文章として目にする機会の方が多いかもしれません。
例文:「我が社は、恒常的な成果をあげており、今後は更なる拡大が期待できる」
恒常的に成長する
「恒常的に成長する」という言葉は、ビジネスシーンでは、よく会社のスローガンなどで使われていたりします。このような場合での「成長」は、「企業の利益が増えること」を指していることも多いです。
例文:「恒常的に成長することを目標とする」
恒常的な政策
「恒常的な政策」は、ビジネスシーンでは、会議などで会社の問題点について話し合っている際に、問題点に対して必要な政策が何かを主張するときなどに使われます。
例文:「顧客確保のための恒常的な政策が求められる」「品質向上のための恒常的な政策が必要」
恒常的に解決策を模索する
ビジネスシーンでは、「恒常的に解決策を模索する」は、危機的状態を脱出するための手段を考えていこうとするときなどに使用します。
例文:「恒常的に解決策を模索することで乗り越えよう」
『恒常的』の例文を紹介
「恒常的」を使った例文を、「恒常的な〇〇」「恒常的に〇〇している」の形式でご紹介いたしますので、身近な事柄を当てはめて使用してみましょう。
「恒常的な〇〇」
下記の例文のように、恒常的と具体的な内容を合わせることで用いられます。
- AIの研究においては恒常的な発展が期待できる
- 少子高齢化は恒常的な課題となっている
「恒常的に〇〇している」
恒常的と状況を合わせることで用いられます。下記の例文をご覧ください。
- B党においては恒常的に不正している可能性が高い
- 恒常的に討論しているAグループは進展が早い
『恒常的』の類義語を4つ紹介
今から「恒常的」の類義語を4つ紹介します。
類語①『安定』
安定とは、「落ち着いていて激しい変動のないこと」「容易に分解されたり、反応や崩壊をしないこと」などの意味を持ちます。「恒常的」と同じく「いつも変わらない」を意味する類義語とされています。
類語②『平常』
平常とは、「特に変わったこともなくいつもと同じこと」「普段どおりの状態であること」などを意味し、「恒常的」と同じく「いつもと同じ」というニュアンスを含む類義語です。
類語③『不変』
不変とは、「いつもと変わらないこと」「変更することができないこと」などを意味しており、「恒常的」と同じく「変わらない」という意味を持つ類義語となります。
類語④『不易』
不易とは、「いつまでも変わらないこと」「同じ状態が永遠と続くこと」などの意味をもっています。「恒常的」のように「変わらない」「一定」などの意味を持つ類義語のひとつとされます。
『恒常的』の対義語を4つ紹介
今度は、「恒常的」の対義語を4つ紹介しますので、みていきましょう。
類語①『一時的』
一時的というと「一時的な暴風雨」のような使い方をすることから、「恒常的」とは反対に一定の状態が長く続くのではなく、その時だけのものであるという意味を持つことがわかります。
類語②『短期的』
短期的は「短期的なアルバイト募集」などの言い回しからわかるように、状態が長く続くわけではないことを意味しています。「恒常的」の「変わらない」とは反対の意味の対義語のひとつです。
類語③『単発的』
単発的とは、「単発的漫画」など一度きりで後のないものや、連続せずに一回きりのものを意味します。「恒常的」が持つ「いつまでも変わらない」とは反対の意味の対義語です。
類語④『限定的』
限定的とは「夏の限定的な催し」のように、ものごとの範囲などを限っており、「恒常的」のように「いつまでも変わらない」という意味とは反対の対義語となります。
『恒常的』と『定常的』の意味の違いとは
「恒常的」と「定常的」の意味の違いとはどこなのでしょうか?「定常的」には「一定であること」「常に変化しないこと」などの意味があります。「定常的」の意味を見ただけでは、「恒常的」と「定常的」は類義語のように感じるかもしれませんが、「恒常的」と「定常的」には、条件の違いがあります。
- 「恒常的」は何かをすることで、一定の状態を保ち変わらないでいることができます。
- 「定常的」は何もしなくても、一定の状態を保ち変わらないでいることができます。
『恒常的』と『慢性的』の意味の違いとは
「慢性的」は「慢性的は頭痛に悩まされる」などの使い方をします。「恒常的」と「慢性的」の意味も似ているように見えますが、「恒常的」と「慢性的」の違いはわかりますか?「恒常的」と「慢性的」は使われるシーンに違いがあります。
- 「恒常的」はビジネスシーンで使われることが多いとされています。
- 「慢性的」は医療や医学のシーンで使われることが多いとされています。
『恒常的』と『日常的』の意味の違いとは
「日常的」というと、「水分補給は日常的に行っています」「食後の歯磨きは日常的なことです」など生活の中の習慣など、あたりまえのようにできることに使われることが多いです。「恒常的」と「日常的」も類義語のように感じますが、「恒常的」と「日常的」も違いがありますね。
- 「恒常的」はビジネスシーンで使われることが多いです。
- 「日常的」は普段の生活シーンで使われることが多いです。
『恒常的』の英語表現
「恒常的」の英語表現は"constant"です。comstantには「常に」などの意味があるため、恒常的の「常に変わらない」という意味の英語表現とされています。日本でも会話の中で「コンスタントに活躍している」「毎年コンスタントに利益をあげている」などのような言い回しで使っていますよね。
また、"homeostatic"という英語表現も「恒常的な」といった意味合いがあり、「ホメオスタシス」といった日本語表現をされることもあります。
『恒常的』の意味や使い方を理解して使いこなそう!
「恒常的」について類義語や対義語と共にみていきましたが、いかがでしたでしょうか?恒常的の意味は「いつも通りであること」「いつも変わらないこと」が主なものとされていおり、ビジネスシーンなどで「恒常的」という言葉を使う機会が多くなりそうです。日常生活の中でも、強調したいときや説得力が必要とされるシーンなどで「恒常的」を取り入れることで相手に与える印象も変わってきます。「恒常的」を使いこなせるようになったら、恒常的と似た意味合いを持つ「定常的」「慢性的」「日常的」の使い分けにも挑戦してみましょう。