レトルトカレーの賞味期限切れはいつまで食べてOK?正しい保存方法も!
台所を整理していると、突然賞味期限切れのレトルトカレーに出くわす事もあるかもしれません。1ヶ月、3ヶ月、半年、基準は人によってまちまちですが、実際にどれくらい賞味期限が切れていても、安全にレトルトカレーを食べられるのでしょうか。
目次
賞味期限が切れたレトルトカレーは食べても大丈夫?
ご飯を手抜きしたい時などに使おうと思い、日持ちもするからとついついストックしてしまうレトルトカレー。ストックするのはいいものの、すっかり存在を忘れてしまって賞味期限が切れていたなんて事はありませんか?捨てるのは勿体無いからと食べる人も多いと思いますが、果たしてどれくらい賞味期限が切れても日持ちをするのでしょうか。
今回は、レトルトカレーの賞味期限に関するあれこれについて紹介していく記事となります。正しい保存方法や、余ってしまった時のレシピなども紹介していきますので、参考にしてみて下さい。
『レトルト』の意味って?レトルト食品の始まりも!
私たちは普段、当たり前のようにレトルトカレーと言っていますが、レトルトカレーの「レトルト」とは、どのような意味を持っているのでしょうか。
レトルトの意味
「レトルト」とは、袋詰めなどにした食品を加圧・加熱・殺菌する装置の事を指します。つまりレトルトカレーとは、調理済みのカレーを耐熱・耐圧製の袋に密封し、レトルト釜と呼ばれる釜で高温高圧で殺菌処理したものを指します。
レトルトカレーの歴史
元々レトルト食品は、アメリカ陸軍の缶詰に代わる携帯食として開発されたのが始まりと言われています。缶詰の重さやゴミ問題を改善するのが狙いであったようです。その後はアポロ計画で宇宙食としてレトルト食品が採用された事で、軍用食という垣根を越えて、多くの食品メーカーから注目を浴びるようになりました。
日本で初めてレトルト食品として開発されたのが、私たちも良く知る「ボンカレー」です。国民食としての地位を確立していたカレーが、日本発のレトルト食品となりました。当時は日持ちする事よりも、手軽にカレーが食べられる事をコンセプトにレトルトカレーが売り出されていたようです。
レトルトカレーは日々進化している!
その後、レトルトカレーは日々進化を遂げています。当初は各メーカーが作るカレーの辛さが選べる程度のラインナップだけでした。しかし最近ではご当地色の強いカレーを再現したレトルトカレーであったり、高級食材をふんだんに使った1つ500円もするような、バリエーションに富んだレトルトカレーが展開されています。
もはや日持ちをするお手軽な食品という事だけに限らず、1つの食のジャンルとして成り立っていると言っても過言ではないかもしれません。
賞味期限と消費期限の違いは?賞味期限が切れても食べられるの?
賞味期限と消費期限の違いについて、ある程度の理解をしている人がほとんどだと思われますが、改めてもう一度、賞味期限・消費期限の違いについて確認しておきましょう。
賞味期限
賞味期限とは、美味しく食べられる期間の事を指します。レトルトカレーに限らず、パッケージの裏面などに「日の当たらない涼しい場所で保存」など、保存方法が書いてあるのを目にした事があると思います。その条件下で保存した場合の、味などの品質を保証する期間の事を指します。レトルトカレーの他にもカップ麺やお菓子など、長期保存できる食品に表示されるのが、賞味期限です。
消費期限
消費期限とは、安全に食べられる期間を指します。賞味期限は品質を保証する期間ですが、消費期限は期間を過ぎてしまうと食材が傷んだりして、体に何かしらの影響を及ぼす場合があります。そのため、消費期限と表示されているものはその期間内に食べ切らなければいけない指標となります。消費期限は弁当やお惣菜などの比較的劣化の早い商品につけられています。
多少なら賞味期限切れでも食べることはできる!
レトルトカレーには賞味期限が記載されていると紹介しましたが、もちろん消費期限も記載されていないだけで存在しています。ただし、賞味期限内に食べ切る事を1つの目安として設定しているために、消費期限の記載はありません。
賞味期限が多少切れていても、食べたからといって体に何か影響を及ぼすことはありません。美味しく食べられる期間の保証が終わるので風味などは落ちてしまいますが、消費期限はまだ切れていない場合がほとんどです。
レトルトカレーの賞味期限はどれくらい?賞味期限が長い理由とは?
レトルトカレーの賞味期限は長く、長い期間に渡って日持ちするというのは多くの人がご存知だと思います。賞味期限と消費期限の違いが分かった所で、一般的なレトルトカレーの賞味期限がどれくらいあるのかという事や、賞味期限が長い理由について紹介していきます。
レトルトカレーの賞味期限
レトルトカレーの賞味期限は、1ヶ月や3ヶ月といった短い期間ではありません。ましてや半年でも短いもので、最低でも1年以上は設定されている事が多いです。カレー専門の、とあるネットショップのレトルトカレーの賞味期限は1年と謳われていましたが、市販されているレトルトカレーの賞味期限は2年が主流となっています。
賞味期限は商品によってかなり幅があります。素材にこだわっているものならば、風味を損なう前に食べて欲しいからと半年という賞味期限を設定している物もあります。逆に災害時の非常食としての用途を果たすために、5年間は保存できるようなレトルトカレーも存在します。
賞味期限が長い理由
「レトルト」の意味やレトルトカレーの製法については、前述したとおりになります。レトルト釜を使い高温高圧で殺菌処理をするので、雑菌は存在しません。そのため、劣化するスピードが非常に遅いため、1年以上に及ぶ長い保存期間が実現可能となっているのが特徴です。
また、パウチもビンや缶詰と同じレベルで雑菌を寄せ付けなかったり、増殖させない素材となっています。レトルトカレーが光を通さないような丈夫な袋に入っている理由も、長い賞味期限のために必要な要素だからです。
賞味期限切れのレトルトカレーはどれくらいなら食べても大丈夫?
レトルトカレーが日持ちする理由も理解したところで本題に入っていきます。賞味期限が切れてしまったレトルトカレーは、どれくらいの期間ならば安全に食べる事ができるのでしょうか。1ヶ月~3ヶ月、半年、1年以上の3パターンに分けて紹介していきます。どれくらいの期間が過ぎても食べられるかの前提条件として、表示されている保存方法でしっかりと保存している事とします。
1ヶ月~3ヶ月なら大丈夫
まずは1ヶ月~3ヶ月程度の賞味期限切れの場合ですが、未開封であるならば1ヶ月でも3ヶ月でも基本的には問題ないと思います。しかし美味しく食べられる期間は過ぎてしまっているため、1ヶ月でも3ヶ月でも、風味は多少損ねているかもしれません。
体への影響という観点から見てみると、1ヶ月~3ヶ月過ぎているだけならば、影響があるとは考えにくいです。しかし出来ることならば美味しいうちに食べたいものです。もし早い段階で気付いたのならば、早めに処理をしてしまいましょう。
半年ならギリギリ
半年がある種のボーダーラインとなっています。前提条件として挙げた保存方法を守れていたならば、半年過ぎていても1ヶ月~3ヶ月過ぎたレトルトカレーと同じように食べられるかもしれません。また、あらかじめ設定された賞味期限が半年か1年か2年かでも変わってきます。賞味期限が2年と長い商品ならば安全である確率も高まりますが、賞味期限が半年など、期間が短ければ短いだけ、リスクも高まります。
実際には食べてみないと分かりませんが、パウチの袋がパンパンに膨らんでいたり、あからさまに味や香りが変だと思ったら、その時点で食べるのを控えたほうが良いでしょう。
1年以降は避けたい
賞味期限から1年以上経過してしまっているレトルトカレーは、極力避けたほうが良いと思います。胃腸が強い人は例え1年以上賞味期限が過ぎた商品を食べても問題ないかもしれませんが、具材が腐っている可能性も大いに有り得ますので、勿体無いとは思っても捨てる決断をする事が大切です。賞味期限から1年以上経過してしまったレトルトカレーに、1ヶ月や3ヶ月、半年過ぎたレトルトカレーの品質を期待してはいけません。
賞味期限切れのレトルトカレーは計算上どれくらい日持ちするの?
消費者庁のホームページに、賞味期限の決め方が掲載されています。試験などを行い、客観的な視点から賞味期限を求め、その賞味期限に安全係数をかけたものを、賞味期限として設定するようです。つまり、記載された賞味期限を過ぎてしまっても、多少の期間であれば品質は損なわれないという事になります。細かい計算方法については割愛しますが、賞味期限切れ後にどれくらい日持ちをするのか紹介します。
賞味期限半年 | 1ヶ月 |
賞味期限1年 | 2ヶ月 |
賞味期限1年3ヶ月 | 3ヶ月 |
賞味期限2年 | 4ヶ月 |
賞味期限3年 | 5ヶ月 |
賞味期限5年 | 半年 |
あくまでも計算上でどれくらい日持ちするのかを求めた数字なので、参考程度に捉えて下さい。実際に召し上がるかどうかは、自己判断でお願いします。
レトルトカレーの開封後の賞味期限は?
レトルトカレーは、食品衛生法で保存料を使用しない事が定められています。つまり、レトルトカレーは保存料不使用の体に優しい食品です。しかし保存料を使っていないため、賞味期限内だとしても開封後は日持ちしません。
たとえ冷蔵庫で保存したとしても、1ヶ月はおろか1週間すら持ちません。未開封では1年以上の賞味期限が設けられている事の多いレトルトカレーですが、その保存を可能にしているのは製造方法とパウチによるものです。
レトルトカレーの正しい保存方法を紹介!
レトルトカレーの保存方法について紹介していきます。この保存方法をしっかり守る事で、賞味期限内ならば劣化を最小限に防ぐ事ができます。逆に言えば、誤った保存方法をしてしまうと、どれくらい賞味期限が長くても、劣化を早める原因となってしまいます。必ず、正しい方法でレトルトカレーを保存しましょう。
基本的な保存方法
基本的な保存方法は、レトルトカレーの箱やパウチに書かれています。例えば「直射日光の当たらない所で常温保存」や「高温多湿を避け、冷暗所で保存」などです。常温とは15℃~25℃の事を指し、冷暗所とは0℃~15℃の事を指します。
なるべく湿度の変化が少なく、風通しの良い所での保存が最も適しています。温度が激しく上がる夏場などは常温を守る事は難しいかもしれませんが、極力温度変化を受けないような場所に保存するようにしましょう。
冷蔵・冷凍はNG
レトルトカレーを冷蔵庫や冷凍庫で保存すると、賞味期限以上に日持ちするようにも感じますが、実際にそんな事はありません。高温高圧で処理され、パウチ容器に入っているレトルトカレーには、雑菌が存在しないのは紹介したとおりです。そのため、冷やしたところで劣化の影響を弱めることはできません。
カレーは水分と脂分が混ざった食品なので、冷やすことで分離してしまいます。湯せんなどで暖めれば分離も戻りますが、風味や食感を損なう原因となってしまいます。そのため、冷凍や冷蔵はNGとなります。
レトルトカレーが余った時におすすめのレシピ6選!
もしも賞味期限間近のレトルトカレーを大量に発見してしまったのなら、早急に処理をする事が必要になります。しかし、みんな大好きなカレーであっても、毎日食べていれば飽きが来てしまう事でしょう。
そんな時は、レトルトカレーをアレンジした料理を作ってみましょう。カレーライス以外として食べる事で、新たな発見もあるかもしれません。おすすめのレシピを紹介しますので、レトルトカレーを使った料理の参考にしてみて下さい。
カレートースト
【材料】
レトルトカレー:適量
とろけるチーズ:適量
食パン:1枚
【手順】
1.食パンにレトルトカレーを塗りこみ、上からチーズをかけます。
2.トースターでパンが焦げない程度に焼いたら完成です。
非常にシンプルなレシピなので、忙しい朝にもぴったりの一品です。お好みでピーマンやソーセージを乗せてトーストしても美味しく仕上がります。
焼きカレーパン
【材料】
レトルトカレー:適量
バター:適量
食パン:2枚
下準備として、食パンの耳を落とし、バターを溶かしておきます。
【手順】
1.食パンにカレーをのせ、もう一枚の食パンでしっかりとサンドします。縁はしっかりと留めて下さい。
2.表面に溶かしたバターを塗り、トースターで焼き色がつくまで焼けば完成です。
レトルトカレーを使ったホットサンドです。バターを塗る事で、サクサクした食感を楽しむ事ができます。
焼きカレーうどん
【材料】
レトルトカレー:1袋
とけるチーズ:適量
うどん:1玉
【手順】
1.温めたうどんを深めの耐熱皿にいれ、上からレトルトカレーをかけ、全体に絡めるように混ぜます。
2.とけるチーズを適量かけ、オーブンで焦げ目がつくまで焼けば完成です。
洗い物も少なく、トースターを使うだけのお手軽レシピです。カレーの香ばしさと、カリカリに焼いたチーズを楽しむ事ができるメニューです。
アボカドチーズカレー
【材料】
レトルトカレー:適量
とけるチーズ:適量
アボカド:1/2個
【手順】
1.アボカドを半分に切り、種を取り除きます。
2.アボカドにカレーをかけ、チーズをその上からかけます。
3.チーズがとけるまでオーブンで焼いたら完成です。
主食にはなりませんが、おつまみやもう一品に向いているメニューです。アボカドには抗酸化作用があり、美容に良いとされています。
カレードリア
【材料】
レトルトカレー:適量
とけるチーズ:適量
パセリ:適量
バター:適量
ご飯:1人分
【手順】
1.ご飯にパセリを混ぜ、バターを塗ったグラタン皿に盛り付けます。
2.レトルトカレーをかけ、とけるチーズをのせたら、オーブンで5分~6分ほど焼けば完成です。
ご飯を使ったレシピですが、白米とは違う味を楽しむ事ができます。
タンドリーチキン
【材料】
プレーンヨーグルト:適量
レトルトカレー:適量
ガラムマサラ:適量
塩コショウ:少々
鶏もも肉:200g
下準備として、鶏もも肉は一口大に切り、塩コショウを振っておきます。
【手順】
1.ビニール袋にレトルトカレー、ガラムマサラ、プレーンヨーグルトと鶏肉を入れ、1時間ほど漬け込みます。
2.200℃に余熱したオーブンで、35分~40分ほど焼いたら完成です。
少々手間のかかるタンドリーチキンも、レトルトカレーを使う事で、混ぜるだけで作れるお手軽料理となります。おかずにもぴったりの一品です。
レトルトカレーは賞味期限切れでも多少ならば大丈夫!
レトルトカレーの賞味期限について紹介しました。賞味期限は余裕を持たせて設定しているため、多少過ぎても問題ないのは紹介したとおりです。賞味期限を過ぎてどれくらい日持ちするかはカレーによって違いますが、1日でも賞味期限を過ぎてしまったからといって食べられない事はありません。
食品を大切にする事は環境にも家計にも優しい事なので、賞味期限が多少過ぎているくらいならば美味しく召し上がりましょう。ただし、変な味がしたと思ったら捨てる決断をする事も大切となりますので、その点だけには注意して下さい。