『利害関係』の意味と使い方!人間関係は利害関係が全てなの?
人間関係における利害関係と聞くと、損得勘定だけで付き合うという悪いイメージがあります。でも、実は利害関係があるからこそ、上手なコミュニケーションを取れる時もあります。そこで、利害関係という言葉の意味や、メリット逆に悪い印象になる理由などをまとめてみました。
目次
人間関係は『利害関係』で成り立っている?
仕事で関わる人との関係や友人との関係など、人との付き合い方はいろいろありますが、どのような人間関係でも利益やデメリットなどの価値観が付きまといます。そこで、利害関係という言葉の意味やそれぞれの利害関係者のメリットや必然性をまとめてみました。
『利害関係』の意味と使い方を紹介!
『利害関係』の意味とは
利害関係という言葉の意味は、お互いが協力することによりメリットや利益が一致することを指します。仕事の人間関係に置き換えるとわかりやすくなります。たとえば、利害関係が一致している会社と一緒に仕事をすることでお互いの利益を得ることができます。そのため、利害関係者のどちらか一方だけがメリットや利益を得て、もう一方が損害を被る立場では利害関係があるとは言いません。
『利害関係』の使い方を例文で確認しよう!
利害関係にもその関係性によっていろいろな意味をもった使い方ができます。
たとえば、仕事で関わる上司と部下または会社と会社員という関係性では、部下(会社員)が取った契約により上司という立場にいることで会社内での評価が上がったり、会社に利益をもたらすことができます。部下は契約を取ったことで報酬をもらうことができるので、お互いに利害関係が一致します。
また、友人関係でも利害関係は生まれます。たとえば、家具や家電など処分したいものがあっても処分するにはお金がかかります。ところが、友人がその処分したいものを欲しがっていたらあげることができます。処分したかった人は処分するための手間やお金がかからないというメリットがあり、高く買おうと思っていた友人はただ同然で手に入れることができるというメリットがあり、利害関係の一致となります。
『利害関係者』とは?
利害関係者の意味と定義
利害関係者とは、利害が発生する関係にある人のことを意味します。仕事はお金を稼ぐために行うもので、利害関係がないと成立しません。つまり、仕事での関係性は利害関係で結びついていることにもなります。
利害関係者の用例
たとえば、会社には様々な職種があります。話すことが得意で営業をしている人、書類の作成や細かい作業が得意な事務の人など、それぞれが得意な仕事をすることで利害関係者となります。さらに、取引先の人とも利害関係者になり得ます。契約とはどちらか一方だけがメリットがあるものではなく、双方にメリットがあるために結ばれるものです。逆に言えば、悪いことが起こり会社に損害を与える場合も、どちらにも降りかかります。
仕事以外でも利害関係者となることがあります。お店で食べ物や物を買った時、欲しいものが手に入ったという利益が発生し、お店の人も売れてお金を得ることができるという利害関係の一致が生まれます。
人間関係における利害関係とは?必然性やメリットを紹介!
職場での人間関係における利害関係
仕事において利害関係は必然性があると言えます。社員は会社の利益のために働き、その利益によって会社は潤い社員に還元されます。これが職場での人間関係における利害関係と言えます。そして、取引先とも利害関係はあり、双方に利益が生まれないなど仕事の方向性が変わってくるとトラブルに見舞われることにもなります。また、職場での人間関係に悩んでいる人は利害関係によるドライな関係を割り切ることができずにいる人も多いようです。
学生生活での人間関係における利害関係
学生といっても、低年齢のうちは利害関係のことを考えて友人をを作ることも少ないかもしれません。ところが、年齢が上がってくると成績の差や競争、部活や就活など利害関係なしに人と関わることが必然であると感じます。さらに、学校でのクラス分けなど先生と生徒の関係や親同士の関係などによって利害関係が生まれることもあります。
友人との人間関係における利害関係
人間関係の中で、友人との関係が最も利害関係から遠い関係と言えるかもしれません。恋人や仕事の人間関係とは違って、失敗というリスクを伴う必然はありません。同じ方向を向いていない時もあり、お互いのメリットのために一緒にいる時ばかりではないため利害関係という必然性を感じることができません。
恋人との人間関係における利害関係
恋人との関係では、お金ではなく気持ちが満たされることもメリットと考えると利害関係があるということができます。恋人との関係では、一緒にいることで目に見えない楽しい、嬉しい気持ちになることが自分にとってプラスの状況になります。
夫婦での人間関係における利害関係
夫婦における利害関係というより、利害関係が一致するから必然的に結婚すると考える方がわかりやすいかもしれません。夫婦において、仕事をして収入を得る、その収入で家庭が潤うことができます。また、お互いの利益のために協力して家事や子育てを行うなど、夫婦の関係性だけではなく結婚生活そのものが利害関係であるといえます。
親子での人間関係における利害関係
親子でも、利害関係が存在することがあります。親は子供のためならとたくさんの愛情を注いで育てます。その反面、自分が手に入れることのできなかった夢を子供に託したり、自分の理想とする生き方を子供に歩ませ自分の人生を投影することもあります。これらの行動は親の利益になるものであり、無意識に自分の希望を優先しています。
利害関係で人間関係を作るのは悪いことなの?
利害関係は悪いことではない
利害関係と聞くと、悪い事ばかり連想してしまいますが、実は人間関係における利害関係は一概に悪い事ばかりとも言えません。でも、お互いにメリットが生まれて一緒にいて心地いい関係であれば、自然な関係とも言えます。
利害関係が一致しない場合、一方が大きな損害を負う
特に仕事における利害関係では、利害関係が一致しないと一方ばかり大きな損害を負うことになってしまいます。一致しないということは関係に不平等さが生まれてしまいがちです。友人であればやめることもできますが、仕事は簡単に途中でやめることはできません。
利害関係の一致は人間関係を円滑にするための重要な要素!
利害関係が一致するためには相手のことよよく知り、同じように自分のことも知ってもらう必要があります。つまり、お互いをよく知った上ではじめて利害が発生することにもなるので、利害関係はコミュニケーションを取るための大切な要素にもなります。
利害関係だけじゃない人間関係の特徴3選!
人間関係の中では利害関係がない場合もあります。まずは先輩と後輩といった関係です。後輩の能力を見通して、無償で後輩の練習に付き合う、先輩に活躍して欲しいから練習相手になったり部活で使う用具を手入れするなど、見返りや利害を求めずにどちらかが一方的に利益を受けるということになります。
兄弟姉妹も同じく利害関係は発生しないことあります。兄や姉は自分の利益にならなくても、弟や妹のことをかばったり、自分の持っているものを分けようと考えます。同じように弟や妹が兄や姉にすることもあります。その関係にはなんの根拠や見返りを求める気持ちはなく、ただ兄弟姉妹だからというだけです。
親子関係も兄弟姉妹と同じく利害関係は発生しないという特徴があります。子育てはすべて見返りを求めて行うものではありません。無償の愛で子供を愛して育てます。親はどんなに夜泣きが大変でも、反抗期が大変でも子供を見捨てることなく仕事をしたり、家事をこなして家族を捨てることはありません。
『利害関係』を一致させる方法を紹介!プレゼンのコツとは?
まずは相手の利益を確認する
利害関係を一致させるためには、まずは相手の利益が何かを明確にしましょう。相手にとって何がメリットで、どのような方向性の利益を求めているのかをきちんと判断することが大切です。相手の利益がわかって初めて自分が望む利益との一致を図ることができます。
相手に自分の利益を説明する
相手の利益を理解することと同様に、自分の利益もしっかりと説明して相手に理解してもらう必要があります。相手もこちらの利益が明確にならないと、何をどう協力していいのかわからず、さらに自分の利益も危ういのではと感じてしまいがちです。相手と自分との利益を明確にしてもさらにその利益が合わない場合は関係性を終わらせることも1つの判断かもしれません。
自分にできる相手の利益になる部分を見つける
相手の利益が曖昧では利害関係は一致しません。また、その利益にどのように自分が関わってくるのかを考えることも大切です。さらに、相手の利益は本当に相手のための利益であって自分の自己満足にならないのか、結局は自分の利益にならないのかということも考える必要があります。大切なことは、自分が協力することで相手の利益が発生して初めて利害関係が成立するということです。
互いの妥協点を作っておく
利害関係という関係性の中でも、互いの妥協点を作っておくことも大切です。お互いの利益という目標のために協力して成し遂げる場合でも、どちらかにバランスが崩れてしまっては利害関係を保つことができません。双方が妥協できる内容を知っておくことで、理想と現実をはっきりと分けて現実的な話し合いをすることができます。
利害関係があるからこそ不満や不公平が少なくなる!
利害関係は一見悪い、マイナスな印象を持ってしまいがちです。でも、利害関係があるからこそ、他人との関係性における不満や不公平と言ったマイナスな気持ちを排除して、自分にとってメリットとなることの必然性を期待することができます。悪く考えずに、お互いにとってメリットがある関係性を維持したいですね。