春分の日の意味や由来を徹底解説!毎年日付が変わるのはどうして?
何気なく通り過ぎてきたであろう春分の日ですが、実は春分の日の日付けが変わることがあるのをご存知ですか?実は春分の日についてあまり知られていないのではないでしょうか。そこで春分の日の意味・由来・決め方、はたまた縁起の良い食べ物まで徹底解説いたします!
目次
春分の日ってどんな日なの?
春分の日は祝日であるということぐらいしかご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで春分の日についてまとめてみたので是非ご覧ください!
春分の日の意味と由来とは?どうして毎年違う日なの?
そもそも春分の日とは何でしょうか。また春分の日は毎年違うとも言われています。しかし本当の所どうなのかといった春分の日の基礎知識からお話していきましょう。
春分の日の意味と由来
春分の日は日本の国民の祝日の一つです。これは1948年(昭和23年)7月20日にできた国民の祝日に関する法律(通称で祝日法と呼ばれています。)で制定されています。
春分の日は元は春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)という名の国の祭日でした。春季皇霊祭では歴代天皇・皇后らの霊を慰める儀式が行われていましたが、1947年(昭和22年)に廃止されました。
その後 春季皇霊祭は、現在の法律である祝日法によって名称を春分の日とし、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」といった意味の祝日とされました。
さて、なぜ毎年 春分の日が違うのかという疑問に関しては、春分の日の決め方に関係があります。それはどういった決め方かと言うと、春分日がそのまま春分の日になるという決め方です。では春分日の意味を解説いたします。
太陽が春分点と言われるポイントを通過する瞬間を春分と意味します。また春分になる日のこと、つまり太陽が春分点を通過する日のことを春分日と言います。さてこの春分点の意味は以下のようになります。
黄道(太陽の通り道)と天の赤道(地球の赤道を天にまで延長したもの)とが交じり合った2か所のポイントのうち、一方を春分点と言います。
実は太陽がこの春分点を通過して、また1年後 春分点を通過するまでには約365日と6時間弱ほどかかるそうです。そのため毎年少しずつ春分が6時間ほど遅れているのです。その影響で春分の日も違ってくるのです。
しかしうるう年があるおかげで、春分の日はだいたい3月20日か21日頃におさまるようになっています。
春分の意味
春分の日の ”春分” とは二十四節気(にじゅうしせっき)の一つです。さてこの二十四節気について説明させていただきますね。
二十四節気とは1年を春・夏・秋・冬の4つの季節に分け、更に一つの季節を6つに分けることで1年を24分割にしたもので、それぞれに季節を表す名称が付けられています。二十四節気は立春を起点として、以下の通り順に並んでいます。
【二十四節気】
立春(りっしゅん)→雨水(うすい)→啓蟄(けいちつ)→春分(しゅんぶん)→清明(せいめい)→穀雨(こくう)→立夏(りっか)→小満(しょうまん)→芒種(ぼうしゅ)→夏至(げし)→小暑(しょうしょ)→大暑(だいしょ)→立秋(りっしゅう)→処暑(しょしょ)→白露(はくろ)→秋分(しゅうぶん)→寒露(かんろ)→霜降(しもふり)→立冬(りっとう)→小雪(しょうせつ)→大雪(だいせつ)→冬至(とうじ)→小寒(しょうかん)→大寒(だいかん) 大寒までいったらまた立春に戻ります。
こちらをご覧頂ければ分かるように、春分は二十四節気の上で、第4番目に当たることが分かります。
また二十四節気は季節に基づいて区分されているので、農作物を育てていく上でとても役立つ考え方だったそうです。
秋分の日との関係は?
秋分の日はその昔 秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)と呼ばれ、春分の日と同様 歴代天皇・皇后らの霊を慰める儀式が行われていました。しかし春分の日と同じように国民の祝日に関する法律によって、名称を秋分の日に改め「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」といった趣旨の祝日となりました。
つまり春分の日と秋分の日は、共に歴代天皇・皇后らの霊を慰める儀式が行われていた祭日だったというわけなんです。
また先ほど ”黄道(太陽の通り道)と天の赤道(地球の赤道を天にまで延長したもの)とが交じり合った2か所のポイントのうち一方を春分点と言います。” と説明しましたが、実は残りのもう一方を秋分点と言います。春分の日の決め方と同様、秋分の日も太陽が秋分点を通過する日を秋分日とし、秋分日をそのまま秋分の日にします。
このように春分の日と秋分の日には祝日になった由来だけではなく、天文学的にも深く関りがあったのです。
2019年の春分の日はいつ?決め方は?
では2019年の春分の日はいつなのか、またいつどの様にして決まるのでしょうか。
2019年の春分の日は3月21日!
2019年の春分の日はいつかというと3月21日です。こちらは前年の2018年に官報にて発表されています。ちなみに2020年の春分の日は3月20日ということは2019年2月1日に正式に発表されました。しかし2021年以降の春分の日がいつなのかはまだ正式には発表されていません。
春分の日の算出方法
さて春分の日は春分日が元となります。しかし地球の動きがこれまでと変わらないことを前提にすれば、その年の春分の日がいつなのか計算で予測をたてることが出来ます。
【1980~2099年の春分の日】
春分の日 = int(20.8431+0.242194*(年-1980)-int((年-1980)/4))
【2100年~2150年の春分の日】
春分の日=int(21.8510+0.242194*(年-1980)-int((年-1980)/4))
先ほどの式をそのまま計算ソフトなどに入力すれば簡単に春分の日を算出 出来ます。しかし計算ソフトの扱いに自信がない方もいらっしゃいますよね。そこで仮に2021年の春分の日を計算機で実際に計算してみましょう。
計算式は ”春分の日 = int(20.8431+0.242194*(年-1980))-int((年-1980)/4))” を使います。それでは順に計算していきますね。
※intは整数値です。こちらの計算では小数点以下は切り捨てて処理しています。
int(20.8431+0.242194*(年-1980)-int((年-1980)/4))
=int(20.8431+0.242194×(2021-1980))-int((2021-1980)÷4))
=int(20.8431+0.242194×(41))-int((41)÷4))
=int(20.8431+9.929954)-int(10.25)
=int(30.773054)-10
=30-10=20
つまり2021年の春分の日は3月20日だということが計算で求めることが出来ました。しかし必ずしも計算結果の通りになるわけではありません。なので参考程度にご覧くださいね。ともあれ春分の日がいつなのか、これで大体予測がついたのではないでしょうか。
法律上での春分の日の決め方とは?
春分の日には正式な決め方があります。実は国民の祝日に関する法律によって、春分の日は春分日を採用するということがしっかりと決められています。
また春分の日や秋分の日の日付けは、前年の2月1日の官報に暦要項(日本の国立天文台で計算した翌年の暦をまとめたもの)を掲載することで正式発表となります。つまり遠い先の春分の日の日付けは、現段階では正式には決まっていないということです。
春分の日とお彼岸の関係は?
お彼岸は春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)とした前後3日間のことを指し、1年間で14日あります。春分の日を中日としたお彼岸を春のお彼岸。秋分の日を中日とお彼岸を秋のお彼岸などと呼んだりして区別されることもあります。
2019年の春のお彼岸は3月18・19・20・21(春分の日)・22・23・24日となります。またお彼岸の始まりの日(3月18日)を彼岸の入り。おしまいの日(3月24日)を彼岸明けとも言います。
春分の日に食べる縁起物は?
春分の日の食べ物と言えばぼた餅です。なぜ春分の日の食べ物がぼた餅になったのか、その由来は江戸時代までさかのぼります。
そもそもぼた餅とは炊いた米を粗く潰して餡(あん)をまぶした食べ物です。この餡の原料である小豆の赤い色が、古くから魔よけの効果がある食べ物とされてきました。
この小豆の持つ邪気を払うパワーと、ご先祖様を供養する習わしとが重なり合って江戸時代の庶民の間で春分の日のにぼた餅を食べる習慣が出来てきたそうです。
ちなみに秋分の日の食べ物はおはぎです。どちらも似た食べ物ですが、ぼた餅が ”こし餡” を使う食べ物なのに対し、おはぎは ”粒あん” を使う食べ物といった違いがあります。
春分の日はどんな行事が行われるの?
春分の日が春のお彼岸の時期にあることから、お墓参りをする方が多いようです。なぜ多くの方が春分の日にお墓参りをするのかには、お彼岸の由来に関係しています。
そもそもご先祖様がいるあの世の世界を彼岸(ひがん)。いま私たちがいるこの世の世界を此岸(しがん)と言います。仏教では彼岸は西、此岸は東に位置するとされています。
3月の春分の日と9月の秋分の日は太陽が真東から昇って真西に沈むことから、彼岸と此岸が通じやすい時期と考えられています。そのためこの時期にご先祖様の供養、すなわちお墓参りをすることにつながったと考えられています。
また真西に沈む太陽を拝むことで極楽浄土にいけるといった考えから、お墓参りにつながったともされています。
このようにお彼岸とお墓参りとの関係の由来は所説あるようです。ただいずれにしても彼岸の時期である春分の日にお墓参りをすることは古くから庶民の文化に定着していたみたいですね。
またこれらのことは秋分の日にも同じことが言えます。秋分の日も春分の日と同じくお墓参りに行かれる方が多いようです。
確かに春分の日と秋分の日がある頃は、とても過ごしやすい気候です。普段あまりお墓参りをしてない方もこの日ぐらいはお墓参りに行かれてはいかがでしょうか。
春分の日は昼と夜の長さが同じになる日!
春分の日についてまとめてきましたがいかがでしたか?意外に知らないことだらけだったのではないでしょうか。また春分の日を天文学的に考える所は、少し難しかったようにも思えます。なので春分の日は昼と夜との長さがほぼ等しい日であるとだけでも覚えておいてくださいね。