元日の意味や由来を徹底解説!元旦との違いや使い分け方も!
元日は、年の始まりの日である1月1日のことであり、1年で最初の国民の祝日です。意味や由来、元旦との意味の違いも解説します。元日の過ごし方、やってはいけない行動など、元日にまつわる情報もご紹介します。元日の過ごし方の参考になさってください!
目次
元日について知ろう!
元日は1年の始まりの日ですが、その意味や由来、元日と似ている元旦との違いを解説します。元日の過ごし方や避けるべきNG行動には、古くから伝わる意味が表れていることも多いです。元日にまつわる情報をまとめてご紹介します!
そもそも元日って何?
元日の意味は?
元日(がんじつ)の「元」には「はじめ」の意味があります。つまり、1年の最初の日である1月1日を指します。1948年に公布・施行された「国民の祝日に関する法律(通称:祝日法)」により、国民の祝日のひとつになりました。「年のはじめを祝う」ことを趣旨としています。
元日の由来は?
古来より元日には、一年の幸せをお祈りするための大切な神様「歳神様・年神様」(としがみさま)をお迎えする風習がありました。平安時代には、四方拝という行事が、宮中や民間でも行われるようになります。明治時代になると、四方節と呼ばれる国の行事となり、元日は慣習により祝日とされていた時期もあります。現在は四方拝と呼ばれ、皇室の私的な行事として行われています。
元日を英語で言うと?
元日を英語で言うと“New year's Day”です。「1月1日は元日です。」は“New year's Day is on January 1st.”となります。欧米では、年が変わる瞬間のカウントダウンや花火が知られています。ホリデーシーズンのピークであるクリスマスが終わると、徐々に日常生活に戻っていきます。祝日は元日だけで、2日からはごく普通の日ということが多いようです。日本では祝日は元日のみですが、元日から3日間の三が日は、官公庁や金融機関、一般企業も休日とすることが多いですよね。お正月の過ごし方も国によって異なります。
意外に知らない!元日と元旦の違いは?
ご紹介したように、元日は1年の最初の日である1月1日を指します。それに対して、元旦は元日の朝のことを指します。元旦の「旦」の字は、「日」が太陽、その下の横棒が地平線を表すと言われています。地平線から太陽が現れる様子を指し、日の出や朝を意味するのです。ただ、元旦は古くから元日の意味でも用いられています。しかし1月1日の朝を指す場合、「元旦の朝」では意味が重複するため、「元日の朝」というのが正しい表現になります。
元日の過ごし方&やるべきこと10選!
皆さんは、元日はどのような過ごし方をしていますか?仕事の方もいらっしゃいますが、祝日である元日は仕事を休む方も多いでしょう。早起きしてお出かけ、遅く起きてのんびり休む、「初日の出を見てから初詣に行く」など恒例の過ごし方があるかもしれません。次は、元日の過ごし方&やるべきこと10選のご紹介です!
①初日の出を見る
歳神様は、五穀豊穣・無病息災・商売繁盛など私たちのさまざま幸せを願うためにお迎えするものです。この歳神様は初日の出と共に来られるという考え方があります。初日の出を見るのは、歳神様をお迎えすることに由来し、現代でも元旦の風習として定着しています。
初日の出は、太陽が昇る東に行くほど早く見られます。ただ、地軸の傾きの関係で、冬は東南東の方向から太陽が昇るため、北海道よりも本州の千葉県の方が早くなります。平地では千葉県の犬吠埼が、一番早く初日の出を見ることができる場所です。また、標高が高い場所では、平地より日の出は早くなりますので、日本では富士山が一番早く初日の出を見ることができます。東京スカイツリーや東京タワーでも地上より数分早く見られるそうです。
②初売りに出かける
初売りは、年が変わって最初に物を売り出すことを指します。福袋を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。1980年代前半まで、三が日は店を休む場合が多かったようです。年中無休のコンビニエンスストア等が増えた現在は、元日の初売りも多くなってきました。外で並んで開店を待つことになる場合は、防寒対策が必要ですね。
「仙台初売り」や「佐世保初売り」は、地域の伝統行事として行われているものです。初売りの由来が戦国時代の仙台にあるという説もあります。伊達政宗で有名な伊達家には、1月2日に城下で「買い初め(初買い)」とする年中行事があり、「売り初め(初売り)」も行われていたのではないかと考えられています。
③初詣に出かける
初詣は、氏神様(各地域に祀られる土地の神様)への新年のご挨拶に由来しています。元々、「年籠り(としごもり)」と言われ、家長が祈願のために大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神神社に籠る習慣がありました。その後、年籠りは、大晦日の夜の「除夜詣」と元日の朝の「元日詣」にわかれました。この元日詣が、今の初詣の原形になったとされています。
現在では、元日に限らず年が明けてから初めて神社や寺院に参詣することを、初詣と言います。また、氏神には関係なく有名な神社や寺院に参詣することが一般的になっています。毎年、初詣の人出がニュースになりますが、明治神宮、成田山新勝寺、川崎大師などは常に上位にランキングされています。
④旅行に出かける
年末年始の長期休暇は、旅行も人気です。国内では、テーマパークでカウントダウンイベントに参加する、温泉でゆっくりと休む、スキー場でウィンタースポーツを楽しむなどが定番でしょうか。海外では、ハワイやタイ、シンガポール、オーストラリアなど寒い日本の冬とは反対の暖かい気候の国が人気のようです。
2019年から2020年の年末年始は、12月28日(土)~1月5日(日)までの9連休という方もあるでしょう。旅先で元日を迎えて初日の出を見たり、初詣をしたり、家での過ごし方とは違った楽しみがありそうですね。
⑤映画を見に行く
年末が近くなると、テレビや雑誌でお正月映画が特集されるように、年末年始に公開される映画は多いですよね。日本の映画用語では、11月後半から1月前半に封切られる映画を「正月映画」と呼ぶそうです。お正月は、春休み、GW、夏休みに続く重要な興行シーズンで、大作や話題作が編成されるようです。かつては、寅さんで知られる「男はつらいよ」のような冬の風物詩となる定番映画がありました。
映画館によって異なりますが、毎月1日はファーストデーなどと呼ばれる、入場料金割引サービスがあります。元日もお得に映画を楽しめるかもしれません!
⑥家電の買い替えをする
年末年始は、1年の中でもっとも家電量販店がセールをする時期と言われます。お店によって元日は休むこともありますが、元日からの営業も多いようで、福袋や初売りセールが人気です。福袋は商品がわかるものもあれば、キッチン、掃除、美容、健康などジャンル別のものもあります。購入は、店頭の他にネットショッピングを利用できる店舗も多いようです。
家電の買い替えを予定している場合、元日前の準備が役立ちます。まずは、お目当ての商品の情報収集です。商品によっては大きな買い物になるので、失敗はしたくないですね。広告チラシで複数の店舗を比較することで、よりお得な商品を発見することもあります。お店の下見をして、商品の位置を把握することによって、初売りの混雑の中でも迷わずお買い物ができます。
⑦年賀状を見る
届いた年賀状を見るのも、元日の楽しみのひとつです。年賀状の由来は平安時代に遡ると言われ、貴族の一部が手紙で新年のあいさつをしていたようです。庶民の間で広まったのは江戸時代で、町飛脚などが町人の手紙を届けるようになりました。明治時代には郵便事業が始まり、郵便はがきも発行され、年賀状はさらに広まっていきました。
年賀状を見ることで、普段なかなか連絡を取らない方の近況を知ることができます。また、自分の近況報告や、お世話になったことへのお礼の気もちを込めた挨拶の機会でもあります。出していない相手から届いた年賀状に返事を出す場合、松の内と言われる1月7日までに届くなら年賀状を、それ以降は寒中見舞いを出します。
⑧家でまったりする
忙しい毎日を過ごしている方は、元日は家でまったりすることもおすすめです。お風呂にゆっくり入ったり、おせち料理などおいしい食事を楽しんだり、なかなか読めなかった本を読んだり。家族や友人と、ひとりで、カップルで、家での楽しみはいろいろありそうです。あえて予定を決めない元日の過ごし方もよいものですね。しっかり休むことで、元気に仕事はじめを迎えられそうです。
また、家でまったり過ごす時間は、昨年を振り返り新年について考えるのにもよい機会です。「一年の計は元旦にあり」のことわざのように、1年の計画や目標を立てるのもよいでしょう。新しい手帳などに書き込んで時々読み返すことで、実現する可能性が高まるそうです。
⑨ひたすらテレビを見る
テレビは年末年始の特別編成でさまざまな番組が楽しめます。生中継も多い元日の番組をご紹介します。スポーツでは、全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)の中継があります。また、第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝が、2020年1月1日に開催されるそうです。会場は2019年11月末に完成予定の国立競技場で、テレビ中継もあるのではないでしょうか。スポーツ観戦で、選手の皆さんからエネルギーをいただき、1年のスタートに気もちが引き締まります。
夜には、ウィーン・フィル ニューイヤーコンサートの中継があります。このコンサートは、毎年元旦、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が、本拠地であるウィーン楽友協会大ホールで行う恒例行事です。世界90カ国以上に中継され、日本での放送時間は元日の夜に当たります。主にヨハン・シュトラウス一家のワルツやポルカが演奏されるのが特徴です。美しい映像と明るく親しみやすい音楽は、新年にふさわしい華やかな気分にさせてくれます。
⑩新しい下着を身につける
2017年の家計調査によると、二人以上の世帯における下着類の月別購入額は、12月がもっとも多いとのことです。日本では、下着は新年を迎える前に購入するという傾向があるようです。元日に新しい下着を身につける習慣は、歳神様をお迎えするために始まったと言われています。そのために、もっとも神聖な色とされている白い下着がよいとされてきました。
下着の他にも歯ブラシやタオルなどを新調することもあるようです。現代においても、元日は大切な節目として、新たな気もちで迎えたいという願いを表しているのではないでしょうか。
元日に避けるべきNG行動3選!
掃除はダメ!福の神(歳神様)を追い払う行為
元日に、福の神である歳神様をお迎えすると考えられています。元日に掃除をすることは、家にいらっしゃる歳神様を追い払う行為になってしまいます。歳神様を含む神様は不浄を嫌いますので、元日ではなく年末の大掃除で、お迎えするのにふさわしい清浄な場所にしておくのがよいでしょう。
喧嘩はしない!年始のエネルギーはその年1年にわたり影響
和を尊ぶ日本では、年始から喧嘩をすると、1年を通して災難にみまわれると考えられたようです。元日は1年の基準ともなるために、縁起の悪いことはしないように気を配ってきたのでしょう。元日は家族や周りの人と仲良く過ごして、心穏やかな1年にしたいですね。
水や火は極力使わず料理をしない!火の神様・水の神様を休ませて
元日には火の神様や水の神様が休む日として、火や水をなるべく使わないようにするとされています。このことから、元日には料理、洗濯、入浴などをしないようにと言われるのです。年末におせちを作るのは、元日に料理をしないためと考えられています。一方で、主婦がゆっくり休むための心遣いから来ているとも言われます。
元日の意味を知って、正しい過ごし方をしよう!
元日の意味や由来、元旦との違いを解説してきました。元日の過ごし方や避けるべき行動もご紹介しました。当たり前に思っていた習慣も、古くからの由来があり、それが現在まで伝わってきたことを知ると興味深いものがあります。改めて元日の意味を知った上で迎える新年は、特別なものになりそうです。よい元日をお過ごしください!