大判焼きと今川焼きの違いは?地域によって呼び方が違うの?
和菓子もいろいろありますが、イメージとしては生菓子やお餅類などを思い浮かべることが多いのではないでしょうか。大判焼きも実は和菓子なのです。その大判焼きですが、地域によって様々な呼び方があります。大判焼きの他の呼び方と同時に由来や作り方等を見てみましょう。
目次
大判焼きとは
生地は小麦粉、卵、牛乳、砂糖等を混ぜたもの。それを丸い型に流し込んで焼き、あんこを乗せ、さらにもう一つの生地を合わせて焼いたもの。大きさは直径6~7cmくらいの円筒状で、高さは3cm程度あります。簡単に言えばたい焼きの皮が少し厚めの丸いバージョンです。ただ、たい焼きよりも中身が詰まっていてずっしりした感じがあります。「大判焼き」を知らないという人、特に関東地域にお住いの方も、「今川焼き」と言えばわかるかもしれませんね。
大判焼きの由来って?
東海地方から関西、四国中国地方、九州とほぼ全国的に呼ばれている呼び方が「大判焼き」と言ってよいでしょう。昔はまん丸の円ではなく小判型をしていたともいわれます。大型の小判なので「大判焼き」と。また、関東で言われる「今川焼き」よりも少し大判だったため、「大判焼き」というようになったなど、これもまた諸説あるようですが、昔、愛媛県の松山丸三氏が「大判焼き」という呼び方で売り出し、よく売れたことから、関西や九州等、全国的に広まったようです。
大判焼きと今川焼きの違いとは?
「大判焼き」と「今川焼き」ではパッと見たところ特に違いを感じません。関東以外の東海、関西から九州と全国的に呼ばれている一般的な名称は「大判焼き」、関東では「今川焼き」と言うようですが、昔は大判焼きは小判の形をしていたという説もあります。また九州では回転焼きや太鼓焼きと呼ばれることも多いようです。
味に違いはあるの?
はっきり言ってありません。お店によって少々違いはあるでしょうが、使われている材料も作られる工程もほぼ同じと考えてよいでしょう。中に入れる餡も、あんこはもちろん、カスタードやチョコレートあん、抹茶餡、うぐいす餡など豊富なヴァリエーションがありますね。
名前の違いの理由
見た目は同じなのに、関東は「今川焼き」関西や九州をはじめ全国的には「大判焼き」と、どうして呼び方が違うのでしょうか。地域による違いだけなのでしょうか。昔にさかのぼると、「今川焼き」の呼び方の由来から少し理由が見えてきそうです。
なぜ今川焼きというのか
諸説あるようですが、「今川焼き」は昔、江戸時代に江戸の名主である今川善右衛門という人が架橋した、「今川橋」という橋の近くで売っていたものを「今川焼き」と称して売ったのが評判となり、一般的な名称として関東地域に広がったとされている説があります。明治時代にはおやつとして庶民の間に広がったようですよ。ですから関東地域では特に「今川焼き」という方が耳慣れているのかもしれませんね。
大判焼きというのは
「大判焼きは」なぜ「大判焼き」と言うのでしょうか。比較的由来がはっきりしているのが「今川焼き」、関東で売られていた「今川焼き」から始まり、「今川焼き」が今川橋の近くで売られていたからという由来がありましたね。それ以外の所では同じ名称にしてもなんだかイメージが沸きにくいですし、オリジナリティもありません。「大判焼きの由来」でも書きましたが、これから紹介する「回転焼き」や「義士焼き」のように、「大判焼き」と基本的には同じでも、形状や売り出した人のセンスで決まる部分もあるのではないでしょうか。
今川焼き以外にも!大判焼きに似ている和菓子4選
全国的には「大判焼き」と言われるようですが、調べてみると地域によって「回転焼き」「義士焼き」「太鼓饅頭」「小判焼き」その他、実に様々な呼び方の違いがある「大判焼き」ですが、実際のところ、どれも昔も今もそのモノ自体の違いはあまりないようです。
①回転焼き
「回転焼き」も見た目は昔ながらの大判焼きや今川焼きと変わりません。黙って出されたら、大判焼きなのか回転焼きなのか正直わからないくらいです。回転焼きはなぜ「大判焼き」ではなく「回転焼き」という呼び方なのかは、その作り方に由来があります。型自体の形は大判焼きや今川焼きと同じ丸いものですが、「回転焼き」というだけあってその焼き型の銅板を回転させて焼いていたことからこの名がついたようです。ちなみに関西や九州のなどの地域は「回転焼き」と呼ぶことも多いようです。
②義士焼き
「今川焼き」や「大判焼き」の円形の銅板で焼かれていたものが、鉄製で巴型で焼かれたものが「義士焼き」と言われているようです。これは巴形が、赤穂浪士の陣太鼓と似ていたため、それにちなみ「義士焼き」という名称になりました。呼び方からして「大判焼き」のように全国的にというよりは、一部の地域での呼び名と言った方がよいでしょう。
③太鼓饅頭
大判焼きは、「義士焼き」を「太鼓饅頭」ということもあるようです。この呼び名は関西地域および、九州など関西以西の一部地域で呼ばれることが多いようです。「太鼓まんじゅう」と表示されたり、「太鼓焼き」や大阪では豊臣秀吉にちなみ「太閤饅頭」と呼ばれることもあります。しかし関西、特に大阪の「太鼓饅頭」を調べると、大阪城の天守閣に登城した人が買えるお土産もので、大判焼きとは形は似ているようですが、大判焼きと比べ、味や中身などが少々異なるようです。
④小判焼き
大判焼きに対して「小判焼き」は、その名の通り小判の形をしているからそういう名称がついたと思われます。でも「小判焼き」でいくら検索しても、期待している内容はヒットしません。何人かの方がブログ等で画像を載せていらっしゃいますが、大判焼きと変わらないものから小判型のものまでさまざまのようです。全国的な呼び方というより、これもまた一部地域の人たちによる名称なのかもしれませんね。
大判焼きの簡単な作り方を紹介!
今はいろいろな物が冷凍食品で手に入りますね。大判焼きも例外でなく、ニチレイさんから「今川焼き」として販売されています(本社が東京だからか、やはり全国的な呼び方の大判焼きではないのですね)。こちらを自然解凍あるいはチンしていただくのも簡単で美味しいですが、どうせなら手作りして焼きたての大判焼きを食べたいという人もいるでしょう。大判焼きは意外と簡単に作れますので挑戦してみてください。
こういうものを簡単に作るのに活躍するのがホットケーキミックス。ホットケーキミックスを使えば、小麦粉も砂糖もベーキングパウダーも必要な粉系がはじめから混ざっているので、一つずつ計量しなくて済み、失敗も少なく作れます。
材料
ホットケーキミックス 300g
卵 Mサイズ3個
はちみつ 60g
水 300㏄
あんこ 適量
はちみつを入れることでコクがあるおいしい仕上がりになりますが、焼き上がった時に大判焼きの生地が柔らかくてとても熱いので、慣れるまでははちみつではなく砂糖の方が良さそうです。
作り方
① あんこを1個ずつの量に分けておきます。大判焼きの型がある場合は、1個につき50~55g程度のあんこが適量です。
② あんことホットケーキミックス以外の材料をボウルに入れ、泡だて器で混ぜます。
③ よく混ざったらホットケーキミックスも入れ、混ぜます。
④ 型を熱して油を塗り、1、2滴落としてみて音がすれば、型に対して3分の1くらいの深さまで生地を流し込み、弱火で焼きます。
⑤ あんこを入れて上から少し押さえて高さを揃えます。
⑥ 合わせ側の生地は型の底が隠れる程度の生地を流し込んで焼きます。
⑦ はじめに焼き始めた餡が入っている方の生地を、⑥の型にひっくり返して載せます。
⑧ 焼き上がりの様子を見ながら出来上がり!
大判焼きの型がない場合は?
100均でホットケーキ型を買ってきてそれを使ってもいいですし、牛乳パックや厚紙で作る方法もあります。幅3cm、長さ20cmくらいに切って直径6~7cm円を作ります。ホッチキスで止め、アルミホイルを巻きます。牛乳パックは横に切って(輪切りの状態)もいいですよ。牛乳パックで作った場合は、若干四角い感じの大判焼きになります。
大判焼きの簡単なアレンジ方法3選!より美味しく!
昔ながらのあんこたっぷりの大判焼きももちろんおいしいですが、お店に行くと抹茶、チョコレート、カスタード等いろいろな餡があります。お家でもいろいろなものを入れて違う味も楽しみたいですね。
①小さく切った餅を餡と混ぜる
あんことお餅は相性抜群ですよね。お餅はそのまま入れると火が通りにくいので、細かく切って餡と混ぜましょう。また、あらかじめレンジで温めるなどしてお餅を柔らかくしておくのもいいですね。お正月に余ったお餅の利用もできて、おいしい大判焼きになるのは嬉しいですね。
②中にチーズを入れる
お店で売っている大判焼きの中身でも時々見かけます。チーズが好きな人は何にでも入れたくなりますよね。大判焼きに入れたらあんこの甘みとチーズの塩っ気でたまらなくおいしくて、手が止まらなくなるかもしれません。
冷凍の今川焼きを使って
冷凍の今川焼きを解凍あるいはチンして食べられる状態にしてから上下に半分に切り、間にクリームチーズを挟み、30秒程度温めます。チーズがとろんとしたところで温かいうちにいただきます。あんこの甘みとクリームチーズの塩味がなんともおいしい大判焼きのできあがりです。
手作りの場合は
焼いているときに餡の量を少し減らし、一緒にチーズを入れます。量はお好みで。餡を多めにしてもいいですし、チーズを多めにしても良いです。もちろん、餡なしのチーズのみでもおいしいですよ。
おやつというより食事にもなる?
あんこの代わりにチーズを入れるのもおすすめです。甘いのが苦手、あんこが苦手な人にも合うでしょう。総菜パンならぬ、食事大判焼きの出来上がりです。他にもツナサラダやコーン、ハムなど入れてみてもいいかもしれませんね。
【Facebook】本日は #今川焼き をご紹介。地域によっては #回転焼き 、 #大判焼き 、 #御座候 、 #甘太郎 、 #あじまん 、 #おやき などと呼び名が変わります。https://t.co/l0UEK37kcz pic.twitter.com/86GP0jY86y
— 農林水産省 (@MAFF_JAPAN) December 7, 2017
③生地に抹茶パウダーを入れる
生地を作る際にほんの少し抹茶パウダーを加えれば、簡単に抹茶大判焼きの出来上がりです。抹茶生地にあんこの入った大判焼きを適当な大きさに切り、ホイップクリームを加えれば立派なスイーツの出来上がりです。
意外と簡単にできて、アイデア次第でいろいろな中身が楽しめそうな大判焼き。あなたもいろいろなものを入れてオリジナルの大判焼きを作ってみましょう。
大判焼きを食べてほっこりしよう!
北は北海道から南は九州、沖縄まで調べてみるととても多くの呼び方がある「大判焼き」についてご紹介しました。いろいろと調べているうちに、どんどん口が大判焼きを食べたい口になってきました。皆さんはいかがですか。今日のおやつは大判焼きと緑茶でほっこり一息ついてみてはいかがでしょう。