缶コーヒーのカロリーや砂糖の含有量！微糖やゼロも飲み過ぎ注意？

この記事では「缶コーヒーは太る原因になったり糖尿病予防に悪影響なのか？」を検証する際にいくつかの知識が必要となるため、最初に基礎用語の解説を行います。

缶コーヒー選びにおいて「甘いのか」「糖分は入っているのか」は最重要ポイントですよね。
缶には「無糖」「微糖」「ブラック」「加糖」のように表示されていますが、実際のところ糖分はどれくらい使われているのでしょう？

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無糖：だからと言っても……

「無」と書かれているからには含有量はゼロだろうと思いますよね。しかし、100mlに対して0.5g以下のごく微量であれば「無糖」として扱ってもOKとされています。

ちなみにコーヒーそのものにも微量の糖質を含んでいるため、糖質ゼロは実質的にあり得ないことになります

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微糖：『絶対表示』と『相対表示』に注意

・『絶対表示』は100gあたりの糖類含有量が2.5g以下
・『相対表示』は「当社標準品（各社で独自に設定）に比較」と書かれたうえで、標準品より-2.5g未満

つまり…

・『絶対表示』の缶コーヒーには糖類が2.5g以下しか含有されていません
・「当社標準品に比較」と書かれている缶コーヒーは2.5g以上の糖類が含有されている可能性もある

ということになります。

また、【糖分控えめ】など少なさを表す言葉が使われているのも、この『相対表示』に基づきます。

因みに糖類2.5gは角砂糖1/2個ちょっとに相当しますので、ショート缶（185g）には角砂糖1個分の糖類が含まれていると言えます。

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加糖：主に『ブラック』と表示されている商品に記載

本来「ブラック」と表示できるのは糖類や乳成分などを加えていないものに限定されますが、糖類だけを加えたものは「加糖」と表示することで「ブラック」と表示することができます。

ノンシュガーの缶コーヒーを買う際は、「ブラック」だけでなく「加糖」と書かれているかをチェックし忘れないようにしましょう。

「砂糖（またはシュガー）」「糖質」「糖分」「糖類」…。
「糖」がつく単語にはそれぞれ違った意味があるので、違いをしっかりと把握しておきましょう。

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【砂糖】（シュガー）

『砂糖』は食品のジャンルを指し、

・上白糖
・グラニュー糖
・三温糖
・きび砂糖
・角砂糖

などを総称しています。

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【糖質】＝４つの糖の総称

『糖質』は次の4種類を総称した言葉です。

・糖類
・多糖類
・糖アルコール
・その他

缶コーヒーに書かれている成分表示の中では『炭水化物』がこれに当たります。

余談ですが、砂糖のことを英語でシュガーというのに対し、糖質はカーブ（carb）と言います。

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【糖類】＝糖質の中の一種

『糖類』は上で説明した『糖質』に含まれる種類のことで、「単糖類」と「二糖類」のことを言います。

分かりやすく例えると、日本（糖質）の中に関東地方（糖類）があり、その中に東京都（単糖類）や埼玉県（二糖類）があるようなものです。

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【糖分】

栄養学的に『糖分』という言葉はなく、便宜的に「砂糖のような甘い物」という意味合いで使われると考えられます。

「糖分を摂りたい」＝「甘い物が食べたい」
「糖分の摂りすぎ」＝「アイスやお菓子の食べ過ぎ」

日常会話で使いやすい言葉なので、むしろ糖質や糖類よりも『糖分』がオーソドックスになっているのでしょう。

『炭水化物』は缶コーヒーに含まれる糖質の量を知るうえで非常に重要な言葉です。

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炭水化物のデータ

・人間のエネルギーとなる栄養素で主食（米・小麦・いも類など）に多く含まれます
・「糖質」と「食物繊維」の総称です
・「糖質」は血糖値を上げるため、糖尿病と深く関係しています

缶コーヒーの炭水化物（糖類）含有量をイメージしやすくするため、この記事では角砂糖を比較対象とて使用します。
最近は来客用にスティックシュガーを使用している企業や家庭も多く、一昔前よりも角砂糖を目にする機会が少なくなりました。
しかし、スーパーには必ずと言ってもいいほど角砂糖も陳列されていますので、どういう商品かを覚えておくに越したことはないですよ。

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角砂糖のデータ（1個の重さを4gとして計算）

・炭水化物：4g
・エネルギー量：約15.48kcal

【ひとくちメモ】
・角砂糖は主にグラニュー糖を固めたもの
・角砂糖の成分はほぼ全て炭水化物で、その中に食物繊維は含まれていない（すべてが糖質）
・ティースプーン1杯のグラニュー糖が角砂糖1個と同じくらい
・角砂糖が立方体なのは成型しやすいためと言われており、最近はハート型などのデザインもある

それでは「缶コーヒーが病気に影響する」と言われるその病気、『糖尿病』について簡単に解説します。

生活習慣病の筆頭として知られる『糖尿病』。名前はよく聞かれると思いますが、その中身はご存知でしょうか。

『糖尿病』とは名前の通り「尿に糖が入っている」ということなのですが、これは正常（健康）な人にはありません。

身体に取り込まれた糖分（糖質）は、血液から細胞へと吸収されます。
しかし、処理しきれずに余ってしまうと尿と一緒に体外へ排出しなければいけなくなるのです。

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正常であれば糖質を処理しきれないということはありません。どんなに砂糖たっぷりのお菓子を食べようと、コーヒーにスティックシュガーを何本も入れて飲もうと、身体が処理できるうちは尿に異常は出ません。

糖尿病は血液中の糖質を処理しきれなくなるために起こると書きましたが、ここでよく勘違いされるのが「糖分の多い食品が悪い！」という点です。

確かに砂糖を沢山使用した食品の摂りすぎは悪影響となりますが、その他にも糖質の多い食品があることを理解してバランス良く食べるべきなのです。

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『糖質』が多い食品とは…

糖質の多い食品は、シュガーシュガーしたスイーツや飲み物だけではありません。実はでんぷんなど多糖類に属する米やパン、麺類、イモ類にも多分に含まれます。

つまり、ご飯やパンなどで糖質を摂っているのにさらに糖分たっぷりのお菓子や砂糖をふんだんに使用したジュースなどを飲食していれば、糖質を処理する身体の負担も大きくなるわけですね。
 

『糖質』の多い食品と一括りにしましたが、その中でも血糖値を急上昇させるものと緩やかに上昇させるものがあります。

例えば角砂糖は糖質の中でも吸収の早い『単糖』で構成されているため、あっという間に血糖値を上昇させます。
一方、ごはんや麺類は『多糖類』に分類される糖質のため、角砂糖を舐めるよりも分解・吸収される時間がかかります。

同じ『糖質』でも、ごはんを食べるのと角砂糖を食べるのでは身体への負担が異なるわけですね。

では、糖尿病になると身体はどういう症状に悩まされるのでしょう。ただ尿に糖が溢れてくるだけではなく、目や手足、神経に至るまで影響が出てきます。

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【糖尿病性神経障害】で手足のしびれや切断も

糖尿病の合併症で最初に現れるのが神経障害による身体の異変です。

・手足の指がしびれる
・顔がほてる
・めまいや立ち眩みがする

特に足は感覚がマヒしてしまうと傷やケガに気づかず、そこから雑菌に感染して壊疽（えそ）を起こす危険も。最悪の場合足の切断にもつながる状況です。

この状態になると角砂糖を1個口に含んだだけで血糖値は一気に上がり、頭がクラクラするほど。生活に支障をきたす危険性が高くなります。

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【糖尿病性網膜症】で失明

目にも多くの血管が張り巡らされていることはご存知ですか？
糖尿病が進むとそれらの血管から出血することもあり、結果視力を失う（失明）こともあります。
 

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【糖尿病腎症】で人工透析に

糖尿病が進むと血液をろ過する腎臓に限界がきて、人工透析を受けなければ生きていけなくなることも。

ダイエット話でよく聞く言葉、「カロリー」。カロリーを過剰に摂取すると消費しきれない分は身体に溜めこんでしまい太るという原理はご存知の通りです。

しかも、太ると血液中にある糖質を細胞に取り込むホルモン「インスリン」の働きを弱くすると言われており、糖尿病対策としても重要な要素となっています。

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太るということは外見上の問題だけでなく、糖尿病をはじめとする身体そのものの問題でもあります。

この後で紹介する缶コーヒーのカロリーや炭水化物（糖質）の数値を見て、ご自分のライフスタイルと照らし合わせてみてください。

ここからは缶コーヒーのカロリーや糖分（糖質）の含有量を一覧形式でみていきます。それぞれに糖質が角砂糖何個分かも目安としてご確認ください。

とはいえ缶コーヒー全部をご紹介するわけにいかないので、代表的な商品をサンプルとしてピックアップします。

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UCCブラック無糖　185g　（UCC上島珈琲）

【エネルギー】0kcal
【炭水化物】0.925g
《原材料》コーヒー

無糖缶コーヒーのカロリーは0kcal。また、炭水化物（糖質）の含有量は角砂糖1/4個分。ただし、コーヒーそのものにも糖質がありますし、原材料一覧にはコーヒーしか記載がありませんから、実質の角砂糖換算もゼロ（ノンシュガー）と考えていいでしょう。

「ブラック」「無糖」と記載されている缶コーヒーをもう一本見てみましょう。
通販サイトで人気No.1にランクインされている商品のカロリーと使用されている成分一覧、そして糖質を角砂糖に換算した数値をご覧ください。

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ドトール　リアルブラック　無糖　400g　（ドトールコーヒー）

【エネルギー】0kcal
【炭水化物】2g
【糖類】0g
《原材料》コーヒー

UCCブラックと同様、カロリーはゼロ。内容量が400gとボリュームがあるので成分一覧の炭水化物は2gとなっています。
単純に角砂糖換算をすれば1/2個分になるのですが、原材料一覧に記載されているのがやはりコーヒーのみ＆糖類0gと明記されていることから砂糖未使用なのが分かります。よって、実質の角砂糖換算量はゼロと考えるべきですね。

続いてはノンシュガーではなく「微かな糖」と表示されている微糖の缶コーヒー。果たして角砂糖何個分の糖質が含まれているのでしょう？

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ファイア　挽きたて微糖　185g　（キリン）

【エネルギー】27.75kcal
【炭水化物】4.07g
【カフェイン】約111mg
【糖類】2.96g

《主な原材料》
牛乳・コーヒー・砂糖・全粉乳・脱脂粉乳・デキストリン（糖質のうち多糖類）など

炭水化物（糖質）が4.07gに糖類が2.96gと別々に記されています。これは足し算ではなく、炭水化物のうち単糖と二糖類の含有量が2.96g、多糖類などが1.11gと考えます。

角砂糖に換算すると3/4個分に相当。カロリーも1缶で30kcal弱なので、太る原因と言えるほどではなさそうですね。

続いては朝におすすめと謳っている商品です。「微糖」とも「無糖」とも書かれていない缶コーヒーのカロリーと糖分は果たして…？

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ワンダ　モーニングショット　185g　（アサヒ）

【エネルギー】62.9kcal
【炭水化物】12.21g
【カフェイン】約111mg

《主な原材料》
牛乳・コーヒー・砂糖・脱脂粉乳・デキストリン（糖質のうち多糖類）など

無糖・微糖との比較では一気に数値が跳ね上がりました。

カロリーは62.9kcalで微糖の2倍以上です。

気になる炭水化物（糖質）は12.21gと、こちらは微糖の約3倍。成分一覧に多糖類の含有量が記載されていないため全てを糖類と考えれば、角砂糖3個分に相当します。

次は普段缶コーヒーを飲まない人でも知っている商品を見てみましょう。
こちらも「無糖」「微糖」の表示はありませんが、朝専用と比較して何が違うのでしょう。

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ジョージア　エメラウドマウンテンブレンド　185g　（日本コカ・コーラ）

【エネルギー】64.75kcal
【炭水化物】12.765g

《主な原材料》
牛乳・コーヒー・砂糖・香料など

カロリーと炭水化物（糖質）の含有量は朝専用缶コーヒーとほぼ同じ。

やはり一覧に多糖類の違いがないため全て糖類と考えますが、角砂糖3.2個程度になります。

185gの中に角砂糖を3個も入れれば甘ったるくて仕方がなさそうですが、缶コーヒーだとそうでもないですね。ただ、糖質の含有量は数値通りと考えましょう。

次の缶コーヒーはシュガーレス・カロリーゼロとは反対に、乳製品を多めに使用したミルキーな缶コーヒーです。
原材料一覧の順番に注目してご覧ください。

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UCC　ミルクコーヒー　250g　（UCC上島珈琲）

【エネルギー】110kcal
【炭水化物】19.5g

《主な原材料》
砂糖・脱脂粉乳・コーヒー・全粉乳・乳糖・乳化剤

大ロングラン商品としておなじみの商品。しかしよく見ると「コーヒー」ではなく「乳飲料」と表示されています。
ここまでの商品と比較してみると原材料一覧の順番が違っています。一番多く含まれているのはなんと砂糖！
カロリーは110kcalと今までの缶コーヒーにはなかった100kcal超え。炭水化物（糖質）は角砂糖約4.8個分の19.5gです。

1日に何本も飲むと太る原因になる可能性はゼロと言えないですね。2本で角砂糖10個近くの炭水化物と同じと心して、スイーツを食べる感覚で楽しむのがいいかもしれません。

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ボス　レインボーマウンテンブレンド　185g　（サントリー）

【エネルギー】66.6kcal
【炭水化物】12.58g

《主な原材料》
牛乳・砂糖・コーヒー・乳製品・デキストリンなど

「宇宙人・ジョーンズ」のCMシリーズでお馴染みのレインボーマウンテンは原材料一覧で牛乳を一番使用していることが確認できるミルクテイストな缶コーヒーです。

カロリーは66.6kcal、炭水化物（糖質）は角砂糖3.1個分相当の12.58g。内容量が少ないというのもありますが、先程よりは少なくなっています。

缶コーヒーのカロリーと糖質を角砂糖で比較してみましたが、いかがでしたか？

「無糖」や「微糖」はカロリーも控えめで糖質も角砂糖1個分未満ということが確認できましたが、オーソドックスな缶コーヒーは適量を意識しなければ太る原因になる恐れもありそうです。

どんな食品も適度に嗜むのが幸せな食生活につながりますが、缶コーヒーはカロリーも糖質もしっかり比較してストレスゼロで味わいたいものです。角砂糖を何個食べるのかと考えれば、適切な量を判断しやすいですよ。