2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
『味の素』成分は体に悪影響って本当?原材料に石油が含まれているの?
味の素の原料が石油からつくられた成分ではないか?と話題になっています。手軽にうま味を足してくれる味の素ですが、現在どんな原料でどのような成分を使っているのか、石油からつくられた原料を使っているのか?噂の真偽を検証してみました。
目次
味の素の原料には体に悪い成分が含まれているという噂は本当?
出典: http://4travel.jp
嘘?本当?味の素の原材料が石油?!
料理の味がとても良くなるとお使いの方も多い味の素ですが、その成分や原料が体に悪い影響を及ぼすと噂されています。
その噂の内容とは、味の素は原材料に石油が使われており、そこから抽出したグルタミン酸ナトリウムという成分が体に悪いということです。
確かに味の素は化学調味料です。化学調味料と聞くと体に悪いんじゃないの?!と疑いたくなってしまいますよね。
味の基本要素
— るちるくおーつ (@orangeryuusen) August 9, 2017
甘味、塩味、酸味、苦味、うま味
実際は、料理の出来を左右するファクターが存在
縦軸をうま味(グルタミン酸ナトリウム)とすると横軸はショ糖、食塩、酒石酸、キニーネ等
出典: http://blog.livedoor.jp
味の素の成分、グルタミン酸ナトリウムというのは毛髪にも含まれる成分で、人間にとって欠かせないものです。
人間にも含まれている成分が石油を原材料として作ることができるのか?そして味の素にも同じ石油から抽出したグルタミン酸ナトリウムがふくまれているのか?
噂は本当なのか?嘘なのか?!を様々な見解を含めてご紹介します。
味の素の原料と成分の黒歴史?
出典: https://ameblo.jp
グルタミン酸ナトリウムは石油から生成できる?!
数十年前に石油からグルタミン酸ナトリウムを生成していた技術は確かに存在していたようです。
元来石油は動物の死骸や植物の腐食物などが何層にもなり微生物によって分解された化合物です。
元を正せば、私たち人間と同じような成分が石油に含まれていてもおかしくはないですよね。
そのため、様々な微生物による発酵を繰り返せばグルタミン酸ナトリウムが石油を原材料として作れると言っても間違いではないでしょう。
1900年代に味の素は化学調味料としてつくられています。日本料理などに使われる出汁からうま味の元としてグルタミン酸ナトリウムが発見され、その後、石油を原材料とした味の素が作られていたと一部では言われていますが、嘘か本当かはわかりません。
味の素の原料であるグルタミン酸ナトリウムはどうやって作られている?
出典: http://www.ndl.go.jp
味の素の原材料、グルタミン酸ナトリウムは昆布から発見された
味の素が作られた同じ時期に、原材料となるグルタミン酸ナトリウムは昆布から池田菊苗という人物によって発見されています。
池田博士は奥さんが作ってくれた昆布だしをヒントに味覚には今までとは違う感覚があるということを発見しました。それが現在味の素の原料と成っているうま味の元であるグルタミン酸ナトリウムです。
池田博士は日本の影響状況を改善したいという思いがあり、それに共感を受けて作られたのが味の素です。
味の素が石油から作られていた時期があったとしても、昆布から生成できることがわかっていながら石油から化学調味料を作っていたというのは、嘘なのではないか?という気がします。
さらにグルタミン酸ナトリウムを発見した池田博士の考えに共鳴をして味の素を開発したにもかかわらず、別の原材料から生成し続けるというのも、味の素が危険という噂が嘘なのでは?と考えられる理由です。
出典: https://ameblo.jp
味の素の今:原材料はサトウキビから発酵させている
数十年も前は化学調味料として作られた味の素ですが、現在はサトウキビを原料として微生物による発酵を行いグルタミン酸ナトリウムを作り出しています。
もともと石油を原材料として食品などを作り出すという考え方は、人口増加に対して供給量が追いつかないことが懸念され、研究が始まりました。
現在輸入なども行えている日本で、石油を元に食品を作っているというのは少し疑問を感じるところでもあります。
この事実を考えてみても、味の素が石油を原材料としてできているというのは、少なくとも現代では嘘ということになりますね。
さっき調べてきました......知りませんでした
なんかみんなが体に悪いとか化学物質がとかいうのでそういうものだと思ってました
味の素に申し訳ない......反省します
味の素屋さん発酵してたんですね......
— りん (@tunaleek) 2017年7月7日
味の素には石油が使われているという都市伝説を社会科見学でぶつけた子がいて、ざわざわして上に確認した結果石油は使われてなかったんだけど、味の素ってなめると不味いよね
— ゆみ (@yumihitorihappy) July 22, 2017
味の素の原料から取れる成分グルタミン酸ナトリウムとは?
出典: http://blog.goo.ne.jp
グルタミン酸ナトリウムは美味しさを感じる要素の1つ
グルタミン酸ナトリウムは、元来は昆布などの出汁の中に含まれているうま味成分の1つです。うま味成分は、塩味、辛味などの味を構成する要素で、味噌汁などを飲んだ際に感じる美味しさの元となっています。
グルタミン酸は人間の体の中では毛髪に多く含まれていると言われています。
毛髪の成分だから、といってグルタミン酸を含む味の素を大量に摂取すると毛髪にとってよい影響があるか、というとそれは嘘かもしれません。
グルタミン酸ナトリウムは、人間の体で生成することが可能な非必須アミノ酸と言います。昆布に含まれているので、よく毛髪には昆布がよいと聞きます。
確かに原材料としては同じものなので、毛髪にとって良いかもしれませんが、それは体の免疫機能などが働いている場合などいくつかの前提条件があります。
前提条件が全て整った状態であれば、グルタミン酸ナトリウムの原材料である昆布や味の素も毛髪にも良い影響を与えるかもしれませんが、一概に断定はできないようです。
うま味の正体は、グルタミン酸ナトリウムである。世界では年間311万トンのうま味調味料の需要がある。国内の需要は約10マントンである。
— Kアカデミー@NPO (@npokacadeyo) August 8, 2017
【ハッピーターンのお粉を自宅で作る方法】 砂糖と塩を4:1で混ぜ 味の素を少々加えて完成 pic.twitter.com/ppHHaY8we8
— 手抜きにみえない♡簡単レシピ♪ (@tenukirecipi) August 10, 2017
毛髪への影響は育毛にはならないかもしれませんが、よい髪を整えるという意味では効果的なようです。
【あなたの髪を美しく健康に育みましょう!】⇒髪に元気をプラス!ハリ・コシを出す成分・・・アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン
— 国分寺 美容室 Trefle トレフル (@Trefle_beauty) July 6, 2017
味の素の原料や成分は本当に体に悪い成分なのか?
出典: https://ameblo.jp
味の素の成分、グルタミン酸ナトリウムとは?
グルタミン酸ナトリウムとはアミノ酸の一種です。アミノ酸は人間の体にはなくてはならないものです。
例えば人間の体をつくる、血液などをつくる、さらには免疫力をつくるなど人間の体には悪い影響どころか、良い影響があるものです。
グルタミン酸ナトリウムは、昆布などの出汁の成分に含まれており、うま味成分の1つでもあります。
貝や昆布、醤油や味噌のうまみ成分はグルタミン酸ナトリウム。
— ヴィタリスさんの料理のコツボット (@Vitarisu_Bot) July 26, 2017
出典: http://macrobiotic-daisuki.jp
グルタミン酸アレルギーなどには注意が必要
グルタミン酸ナトリウムはある程度の分量を超えて摂取をすると、味覚が慣れてしまいます。すると何を食べても同じような味に感じることで、食べ過ぎに気付かなくなってしまうことがあるようです。
そのため、多量のグルタミン酸を処理できない人などは注意の必要があるようです。これは通常の食物アレルギーと同様に体調や体へ悪い影響を及ぼすこともあるようです。
かつては世界保健機関の専門家委員会が出している報告書にグルタミン酸ナトリウムの一日の摂取量が設定されていたようです。
特に乳幼児については与えるのを禁止するようにとされていた時代もあるようです。
しかしこの摂取量は現在ではなしになっていますので、グルタミン酸ナトリウムが実際に体に与える影響はわからないと言ってもよいでしょう。
味の素の原料や成分が体に悪い影響があると言われた理由
出典: http://gigazine.net
悪い影響があると広がった発端は中華料理症候群
グルタミン酸ナトリウムはMSGと言います。このMSGに警鐘がならされたのは、1960年代に起きた中華料理症候群です。
中華料理症候群とは、中華料理をたべた後に頭痛や顔面紅潮、体のしびれの症状を訴える人がいたという事件です。
この際にMSGは体に悪い影響がある!という見解が出されました。
出典: https://www.yodosha.co.jp
その後様々な研究がされましたが、中華料理店で行ったような体への悪い影響の真偽はまだはっきりとはしていないようです。
実際にグルタミン酸ナトリウムを摂取した場合でも同じような症状が再現されず、1日の摂取上限量も現在は「なし」とされています。
中華料理症候群がグルタミン酸ナトリウムではないかと言われた理由は、症状を起こした患者がその中華料理店と同じ醤油を使っていました。
このとから食品アレルギーが原因ということはなくなり、消去法としてグルタミン酸ナトリウムが原因として広まったようです。
中華料理症候群はアメリカで起こった事件ですが、原因がはっきり特定できない状態だったため、日本でも味の素が危険だという嘘のような話が広まったようですね。
アメリカではいまだ、味の素の主成分「グルタミン酸ナトリウム」英語で “monosodium glutamate” 略称 “MSG” は体に悪い添加物の代表みたいな扱いを受けている。
— silence* 🤍❤🤍 (@silence_ast) July 10, 2017
これを新たな味覚 “UMAMI” と呼んでブームになっている層もあるが、別の層では親の仇扱いだ。
出典: http://gigazine.net
確かに、グルタミン酸ナトリウムが大量に摂取されると体に悪い影響を与えるような実験結果が出ている研究もありますが、実際に味の素をそんなに大量に摂取するのか?と考えてみると、味の素が体に直接的に悪い影響を及ぼすというのは、やはり疑問です。
まとめ
出典: http://www.mutenka-life.info
味の素が体に悪い影響があるというのは、一部の事実は嘘であったり、間違った認識をされていることもあるようです。
手軽に使えて、うま味を簡単につくることができる味の素ですがもちろん度を超えた利用はどんなに影響がないとはいえ危険なことに間違いありません。
またグルタミン酸が毛髪によいと言われているようですが、それは諸条件が整って初めて効果が現れるものです。
グルタミン酸ナトリウムはうま味を引き出すために様々な料理に使われています。いくら体への影響がないと言っても、食品添加物であることには変わりません。そのため、知らず知らずのうちに大量にとっていたということにならないよう、毎日の生活にも意識をしたいですね。