セックスワーカーの実態とは?障害や貧困が関係あり?

増え続けるセックスワーカー。世界で最も多い職業とも言えるセックスワーカーですが、なぜこんなに働く人が多いのでしょう?その秘密は障害や貧困に関係がありそうです。あなたの知らないセックスワーカーの裏事情を紹介しようと思います

セックスワーカーの実態とは?障害や貧困が関係あり?のイメージ

目次

  1. 1セックスワーカーとは
  2. 2セックスワーカーの仕事内容とは
  3. 3仕事にセックスワーカーを選ぶ理由とは
  4. 4増えている女子大生のセックスワーカー
  5. 5家族のために働くミャンマーのセックスワーカー
  6. 6貧困女子の定義と意味
  7. 7セックスワーカーになる理由は「最貧困」
  8. 8悲惨なセックスワーカーの最下層
  9. 9あなたの知らないセックスワーカーの裏側
  10. 10援デリというセックスワーカー。その内容とは?
  11. 11日本のセックスワーカー、合法非合法の意味とは
  12. 12高級セックスワーカー、ソープランドは非合法?
  13. 13権利を認められないセックスワーカーたち
  14. 14セックスワーカーはどこに相談するべきか
  15. 15セックスワーカー、そして貧困【まとめ】

セックスワーカーとは


最近になって聞かれ始めた「セックスワーカー」という職業。

「セックスワーク」という言葉が生まれた意味には、セックスワークをしている人(セックスワーカー)たちによる社会運動の背景がある。
 


セックスワーカー (sex worker) とは、金銭の授受を伴う性行動を職業として行う者のことである。日本語では性労働者と訳される。性交の有無、行為者本人または対象の性別などにかかわらない包括的な呼称である。 セックスワーカーの一部は金銭を受け取りさまざまな度合いの身体の接触を伴う性的行動に従事する。


Wikipediaより

セックスワーカーの仕事内容とは


金銭を受け取り身体の接触を伴う性的サービスを行うピンクサロン・ヘルス(イメクラ)・ソープ・コールガール(デリヘル・ホテトルなど)・SMクラブ(女王様・M女など)が、一般によく知られるセックスワーカーの仕事内容となる。
性交は一切ないが、おっぱいパブと呼ばれる「胸タッチサービス」が存在するキャバクラもある。サービスタイムというものがあり、その時間帯は席についている女の子の胸を自由にお触りできるという内容。


性的行動を行いVTRや写真を撮影させるヌードモデル・ポルノ女優・AV女優、男優の仕事内容もセックスワーカーである。
ポルノ女優をAV女優と勘違いする人は多いが、区別され別の意味を持つ業種である。
セックスをVTRに含む内容は同じだが、映画媒体とビデオ媒体という違い、性交の内容の違いなどがある。
宮下順子や美保純のように、ポルノ女優から女優へと転身した著名人も多い。


仕事の内容に性交や体の接触はないが、性行動を促すサービスを提供するものもセックスワーカーの仕事。
ライブチャットやテレフォンセックスで擬似セックスを提供するものや、エロティックなダンスを観客に披露するストリップダンサーや、のぞき部屋のサービスもセックスワーカーの仕事内容である。
裸を提供していれば、ポールダンサーもセックスワーカーの仕事内容といえる。

仕事にセックスワーカーを選ぶ理由とは


売春の善悪を語るときに「貧困」だけでは本当の問題が見えてこないという日本の知識人は多い。
しかし、実際は「貧困」こそが本当の理由である。
モラルを押し付けておきながら、福祉を充実させずに貧しい生活を感受せよというのは金持ちのエゴだ。貧困以外の理由をみつけて本質から目を逸らそうとはしていないだろうか?
国や自治が公認するということは、その国の貧困を政策では救済できないほど深刻だと表明するものであるかもしれないが、事実貧富の差が激しいゆえの、苦肉の策と見るべきではないだろうか。


売春を合法としている国
ヨーロッパ・北欧では15ヶ国、アジア・オセアニアでは7カ国、南米では2カ国、アフリカでは3カ国が売春を合法としている。
形体は様々(売春は合法だが、ポン引きや斡旋は非合法であったりとか、登録制であったりとか)で国によって合法非合法が違う。
性的同意年齢も15歳~18歳と若い。飲酒可能な年齢と同じ?

増えている女子大生のセックスワーカー


売春自体は合法、売春斡旋や街婦は違法のフランス。
同意年齢は18歳。
最近、フランスのメディアで話題になっているのが、フランスの女子大生の売春行為。
インターネットを利用して集客をしている女子大生のセックスワーカーが増えているのだ。
フランスの全土で約4万人の女子学生が、学費と生活費を稼ぐために売春行為をしているとの調査結果がある。
彼女たちは道端での客引きなどはせずインターネットの掲示板を利用して、時給100~200ユーロ、一晩で1500ユーロの「エスコートガール」をつとめる。
週に2、3回セックスワークで稼ぎ、後は学業に身を費やすそうだ。
彼女たちの目的は高等教育を受け、社会的に成功すること。
売春しか選択肢がない社会情勢に、新たに疑問が投げられているようだ。

日本の貧困女子大生とは


平成7年前後、ちょうどバブルが弾け女子大生の就職が困難な時代が始まった時、大量の大学新卒生が風俗に流れ込んだ。
風俗店もあわせるように「触られない、簡単なお仕事内容!」と名売って、ごく普通の若い女の子を吸収してきた。
その頃は就職先が決まらず、かといって働かないわけにはいかない新卒生が「触られないならいいか」という気持ちでセックスワーク業に参入してきた。

しかし、在学中の女子大生にもセックスワーカーが増えてきているようだ。
家庭に問題があるわけでもない、性格もごく普通の女の子。
なぜこんな子が裸になってリスクの高いセックスワーカーなんて?と、疑問に感じるようなそんな普通の大学生が増えているのだが、話を聞いてみると大学に行くために働いているという。


理由は大学奨学金にある。
2004年に政府は高等教育費の削減のために、日本学生支援機構という独立行政法人を作って大学奨学金を金融事業化した。
原資を財政投融資に切り替えて、回収も厳格になった。
親の世帯収入が低いと審査で認められると有利子の貸し付けを受けられるという制度。
大学奨学金には2種類存在するのだが、大多数はこちらの制度にされているように思う。
この制度を受けた学生は、社会に出る前に300万~800万という巨額の負債を背負わされるのだ。

「○○大学卒業」という1行を買うために、女子大生たちはセックスワーカーへと身を投じる。

家族のために働くミャンマーのセックスワーカー

出典: https://www.ganas.or.jp


働き口があるだけマシ?
ミャンマーのヤンゴン歓楽街にあるレストランでは毎晩「ファッションショー」が開かれる。
客は気に入ったモデルの首に花束をかけることで、その晩の売春交渉権を獲得する仕組み。
花束は5000チャット(約500円)で店から購入する。
一晩の相場は8万~10万チャット(8000~1万円)くらいだが、きれいなモデルには外国人客は平気で1~3割は上乗せするという。
ショーはオークション形式で行われる。
ミャンマーでは売春・買春は非合法…違法である。それでも進んでセックスワークに身を投じる若者が後を立たない。
その多くは女性で、中には明らかに若く未青年らしいモデルもいるという。
タイとミャンマーに合わせて10年以上の滞在歴がある邦人男性はこう話した。

「はっきり言って、何のスキルもない地方の若者が都市部で仕事を得るのは不可能に近い。店に雇われているセックスワーカーは運のいい方。収入の何割かを店に払う代わりに、客の紹介、住居や食事を提供してもらえる。
フリーのセックスワーカーだと今夜客がつくかつかないかが死活問題になる」

夜の世界で働く女性は家庭が貧しい。そして職を手にできるスキルもないのが現実で、片親しかいなかったり、家族が働けなかったりほぼ例外なく「ワケあり」だ。
彼女たちがセックスワーカーへと進んで身を投じるのも家族のため、自立して生活するため。
善悪だとか嫌悪だとかは選んでいられない、セックスワーカーたちは生きるために必死なのである。

貧困女子の定義と意味


貧困女子とは
貧困女子という言葉、最近よく聞きませんか?
貧困女子の定義は「年収114万未満の独身女性たち」であるとされています。
月収にすると、だいたい11万~16万程度の月収を得ている女性です。

現在の日本国内において、働く女性は全国でおよそ2800人います。
となると、約3分の1が貧困女子に該当することになります。
ただこれは貧困女子の意味を語る上での定義にすぎず、これくらいであればまだマシな方と言えるかも知れません。
実家であるか、一人暮らしであるかで変わってきますが、一人暮らしであれば16万ではかなり切り詰めて何とか少しは残るかな?という生活になりそうです。
しかしまだ普通の仕事で月16万ならよい方と言えます。一般的なパートの平均的月給は12万あるかどうかですから。

2013年11月の大阪、31歳の女性が生活費に困った末餓死するという事件が起こりました。
警察が調査したところ、ガス・電気・水道など主だったライフラインは全て断たれ、冷蔵庫には中身のないマヨネーズしかなかったという悲しく悲惨な事件内容です。

生活保護とか頼ればよかったのにと人は思うでしょう。
しかし、世の中にはそれすらも頼る事のできない人というのは存在します。
生活保護を受けるにも身元引受人のような、身元を保証してくれる人が必要となります。
何より問題となるのが「迷惑かけたくない、親族に知られたくない」理由で本人が申告したがらない場合と、申告しても相手にされない場合です。
年齢的に若く、家がある場合に相談を受け流されるパターンは最近ではよく耳にします。

「働き口さえあればどうにかなるだろう」

そう見られるわけですね。そして、放置される。
手遅れになってアパートを追い出され保証人となるべき人もなく、ネットカフェ難民になるという女性は決して珍しいものでもなくなってきています。

セックスワーカーになる理由は「最貧困」


「最貧困層女子」とは頼る家族も友人もなく、地域などのあらゆる人間関係を失ってしまった(または最初から持つ事のできなかった)女性の所謂どん底の貧困という意味です。
彼女たちは決して「努力しなかった」から最貧層になったわけではありません。


不自由なシングルマザーたち
子供をただただ手放したくない。
子供と一緒に暮らせている事だけを支えに、昼も夜も働きづめのシングルマザー。
昼はパート、夜はセックスワーカーというハードな毎日を送っているシングルマザーは多い。
 

悲惨なセックスワーカーの最下層


最貧層にまで追いやられても、それでも「生きる」気持ちの強い女性は、まず「生き抜くため」に大概の場合セックスワーカーを考えます。
働いたその日に即金になる、数日で多少まとまったお金が作りやすいというのが、セックスワーカーを選ぶ意味です。

しかし、そのセックスワークの中にも階層というものが存在します。

ごく普通の若い子たちの流入。
若さと恵まれた容姿。特にトップを競うような女の子はジムやエステなどで「女を磨く」ことに励んでいます。
彼女たちが本番なしでも見入りの良いセックスワークをどんどん取っていってしまう。
そうした子たちが一番上の階層にいるセックスワーカーの世界で、所謂容姿の良くない女性や性格に問題のある「ワケあり」の子たちは信じられないくらい安い売春ワークを繰り返しています。
これが最も可視化されていない最貧困層女子の実態です。
こうした最貧層のセックスワーカーたちのほとんどがDVによって家出、若しくは家族に捨てられた女性であるという。
彼女たちは寄る辺もなく、帰る場所もなく、かといって外にいるのはますます危険なのを知っているからネットカフェなどに泊まる。
しかしそれもお金がなくては長くは続かないから、セックスワーカーをやめたとしても再びセックスワーカーへと戻ってしまうという負のスパイラルに陥ってしまう。


行き場を失った女性がたどり着く場所。性産業はその象徴と言える。

あなたの知らないセックスワーカーの裏側


貧困女性の存在がメディアなどで取り上げれば取り上げられるほど、そこから除外される女性たちの存在がある。
それはセックスワーカーの中に埋没する「ワケあり」の最貧困層女性たちである。
その背景には「精神障害・発達障害・知的障害」といった障害をもつ人たちが含まれている。

今回彼女たちを話に上げる意味は、私は夜の業界について、そこそこの知識をもっているつもりだったが、そうではない事を知った。
保護されるべき存在の彼女たちは、知らない場所で搾取される存在だったのだから。
 

障害女性を搾取する関係者たちの魔の手


「三大NG現場にいる。所謂、ハードSM・アナル・スカトロという内容の。特にスカトロのAVに出ている女性の半数は知的障害だ」(AVモデル関係者)


「障害のある女性を金にするなら乱交がいい。乱交イベントの企画業者はまだまだたくさんあって、普通の女性は精神的に壊れる前に肉体が壊れるが、障害者の女は頑丈」(援デリ業者)


「使いやすいっていうか、悪く言えば騙しやすいみたいな。50万くらい入ってきて、3万くらいで危ない仕事やらせたこともあるし。普通の女の子だったら色々質問してきたりするけど、そういう(障害のある)女の子たちって文句一切言わないから。それが一番の魅力」(風俗スカウト)
搾取する側の話を聞くと、彼女たちが置かれている残酷な状況、周囲がどんな酷い扱いをしているかがわかる。
しかし、こうした女性たちは行政や福祉を頼らないし、頼れる事を知らない。
何より悲惨なのは、支援に繋がらない「軽度の知的障害」の女性。その数は数万人とも数十万人とも言われている。
支援に繋がらないので本人が助けを求めない限り、保護の対象とはならない。
そんな彼女たちは、騙されても助けを呼ぶ術もしらないのだ。

援デリというセックスワーカー。その内容とは?


援助交際デリバリーを意味する略語が「援デリ」
とはいえ「デリヘル」とは違い、その存在は非合法。
デリヘルと違い、援デリは風俗営業許可を取って営業してはいないからです。
在籍するセックスワーカー女性もスカウトが大半。
店によっては提携店の店から借金を持って流れてきた「ワケあり」女性が多く、逃げ道を塞いでいます。
援デリの営業形態はマンションの1室を借り、その部屋で「打ち子」と呼ばれるスタッフが出会いサイトを利用している女性になりきって、メールを一般男性を交わし、会う約束を取り付けます。
街のどこかで個人待機しているワーカー女性にメールで指示をだし、男性との待ち合わせ場所に向かわせホテルでサービスを行います。

ホテトルと少しだけ形態が似てますね…。
元締めにやーさんが多いのも同じですし。
違うのは、指名がないという点とワーカーの女の子の待機場所でしょうか。
サービス内容に違いはなさそうですが、私的にリスクは援デリの方が高いように思います。


【援デリの実態】
実際に会うまでの、出会いサイトでのメールのやりとりを公開した動画。
今までのことから、メールを打っているのは「打ち子」。
大半の場合は男性スタッフです。

日本のセックスワーカー、合法非合法の意味とは


なにが合法でなにが非合法なのか、結構曖昧で難しい法律文の意味と内容。 まずは「売春防止法」について知る必要があります。


「売春」とは、対償を受け『不特定の相手方と性交すること』と定義付けられています。

この売春の定義では『性交』が売春の要件となっています。
この内容の意味するところは、
性交類似行為(フェラ・素股・アナルセックスなど)は、対償を受け、または受ける約束で不特定の相手方と行ったとしても売春にはあたらない。

ということで、性交類似行為についてはお金を払っても合法です。

高級セックスワーカー、ソープランドは非合法?


ソープランドはなぜ違法にならないの?

「管理売春」と「単純売春」


「単純売春」とは
自ら相手を見つけて行う売春。

この場合、公衆の目に触れるような方法で誘導等(ポン引き)することを除き、刑事罰の規定が設けられていません。


「管理売春」とは
管理者が売春を実行する者を管理下に置いて組織立って行う売春。

売春のための場所を提供することは、売春防止法でいう「場所提供」にあたり、また女性の勤務を管理することも「管理売春」にあたり違法となります。

「管理売春」に関しては、売春防止法12条において
「自己の占有、管理する場所または指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とする罪」
として、刑事罰の対象となります。


性行為については、あくまでもセックスワーカーと客の自由恋愛
ソープランドの料金は「風呂代」と「サービス料」が分かれています。
管理販売に見られないよう、料金は別にしているのですね。

とはいえギリギリであることには変わりませんが、合法ということになります。

権利を認められないセックスワーカーたち


セックスワークという言葉が生まれた背景
行政や警察を含む反対派の人たちは、セックスワークを人身売買や性的搾取などの犯罪現場であると考えている。
そういった他者からの目線に対して、私たちがやっているのは「労働」である!
という主張を反映した言葉として「セックスワーク」「セックスワーカー」という言葉が使われるようになった。


ワーカーの多くは「自営業」
月に何日働こうが、週に何十時間働こうが、何年継続して働こうが、雇用保険にも厚生年金にも健康保険にも入る事ができない。
セックスワーカーが労働者の権利を奪われている事を意味する。


危険の多い仕事内容
セックスワークの現場では、料金以上のサービス行為を強いる客は珍しくもない。
暴力的な客もいて、身の危険を感じる事も…実際、ホテトルのコンパニオンが客に殺された事件もあります。


相談できないない苦しみ
労働者ではないため、労災(労働災害)も適用されない。
偏見の目を避けるため、警察や病院に行くことを躊躇するセックスワーカーも多い。

セックスワーカーはどこに相談するべきか


日本にも、セックスワークの職場環境の改善をめざす活動団体がある。
99年に発足した「Swash(スォッシュ)」だ。
公式サイトには、セックスワーカーの事情を学べる最新の資料も随時公開されている。

Swash公式サイト

セックスワーカー、そして貧困【まとめ】


まだまだ偏見や、権利に対する批判の声も多いセックスワーカーという職業。
彼女たちにとって「普通の生活」や「平凡な人生」という言葉ほど遠いものはありません。
普通の社会に生きる人にとっては実感ができないものでしょう。
しかし、考えてみて欲しいのです。
情勢が不安定な今の世界、自分がいつ貧困女性になってもおかしくはないのです。
もしかしたら、自分は大丈夫と思ってはいませんか?
明日に何が起こるかなんて、誰にも知る事はできません。

いきなり職を失ったら?
両親が亡くなったら?
事故にあって、脳に後遺症が残ったら…?

ないと思いますか?
私もいきなり父が死んで、片親になるとは思っていませんでしたし、
卒業間際に病気になって、内定が消えるとは思ってませんでした。

世の中に「絶対ない」なんてことはない、ということを私が思い知った瞬間です。
だから、考えてみて欲しいのです、明日は我が身とならないためにも。

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