2021年09月24日公開
2021年09月24日更新
タトゥーは医者しか彫れない…裁判概要と闘う彫り師たち
タトゥーがおしゃれな文化となっている今日、大阪で起きた彫り師の逮捕・裁判により、彫り師の医師免許問題が注目を浴びています。逮捕され裁判にかけられた彫り師から、今後のタトゥー・彫り師と医師免許の繋がりを考えていきましょう!
目次
タトゥーをしている人ってかっこいい
出典: https://weheartit.com
タトゥーをしている人ってなんだかすごくかっこよくて、おしゃれに見えますよね。
最近は昔に比べて、すごくポップカルチャーなものになってきて、おしゃれ感覚でタトゥーをいれる人も多くなってきました。
彫り師もタトゥーだらけなイメージ
そんなタトゥーをいれている彫り師も、タトゥーだらけなイメージ。
日本では「刺青」なんて言われることも多いけど、「刺青」って聞くと和風な柄や和彫りなイメージが浮かびますよね。
最近は、どちらかというと西洋刺青でもある「タトゥー」がすごく人気で、従来あった「刺青=怖い人」というイメージは少なくなってきていると思います。
でもやっぱりタトゥーの偏見や、理解が少ないという現実はまだまだあります。
タトゥーの彫り師ってどんな人たち?
タトゥーや刺青をいれる彫り師は、まさに芸術を生み出すプロです。
彫り師によって、全く違うデザインのタトゥーを手に入れることができます!
なので、彫り師のスタイルが自分の欲しいスタイルに合っているか、きちんと確かめるのも大事です。
世界中の人からオファーがきている有名彫り師もたくさんいます!
今回は、その中でも特に知ってほしい彫り師を紹介します。
世界でも著名な彫り師
自分の国はもちろん、その彫り師にタトゥーや刺青をいれてほしいがために、世界中から飛んでくる人もいる、大人気の彫り師、タトゥーアーティストがいます!
Joseph Haefs
まずは、アメリカの彫り師Joseph Haefs。
彼自身全身にタトゥーをいれていて、タトゥーが大好きなのが伝わります。
Jpsephの人気な理由は、まずものすごい画力。
小さい作品から大きい作品まで、Josephの生み出すデザインは、まさに芸術そのものです!
力強いデザインが、まるで身体から出て行きそうな、タトゥーの壮大感を描いています。
そして、もうひとつの理由が、彼のキャラクターにあります。
とにかく面白くて、彫られているときも彼との会話がすごく楽しいと評判なんです!
初めてタトゥーを入れる時はもちろん、やっぱり何度いれても、痛いのがわかってますよね。
そんな不安な気持ちもかっさらってくれるJosephのキャラクターが、みんなから愛されて人気な彫り師にしているのです。
アメリカに行く時は是非お願いしたい彫り師のひとりです!
Ed Hardy
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タトゥーの彫り師を語るときに、Ed Hardy無しでは語れないという人が多いほど、超有名な人なんです!
Ed Hardyは、タトゥー界のなかでも知らない人はいないと言っても過言ではないくらい、今まで数々の作品を生み出し、多くの人に愛され続けてきました。
特に、彼のデザインは、タトゥーの枠を越え、ブランドとして商品化も多数されています。
独特なポップなデザインに、惚れ込んだ人は数多くいることでしょう!
三代目 彫よし
出典: https://www.pinterest.co.uk
日本人の刺青好きな人で、知らない人はいないのが「三代目 彫よし」
日本の和彫り師の最高峰とも言える人物で、和彫りによって生み出す彫よしの作品は、完成度がものすごいと大評判です。
元々、彫よしは、中学卒業後に彫り師になることを決めて、21歳のときに横浜の「彫よし」で初めて刺青をいれてもらい、そのあと「彫よし」の弟子として修行を重ね、1979年に「三代目 彫よし」の称号に襲名したんです。「刺青=日本文化」ということを感じさせる、彼の和彫りは「日本の刺青の最高峰」と言われています。
日本では現在和彫り師が少ない中、その中でも特に技術を持っている数少ないひとりに「三代目 彫よし」がいるんです!
長男ももちろん彫り師の道へと進んでいます。
Ezrah Dormon
世界が驚愕したこの男の子。一見普通のティーンエイジャーですが、実は、この子、13歳にしてもうすでに「彫り師」なんです!
13歳にして、大人顔負けの技術に、今世界が注目しているEzrah Dormon。
彼のインスタグラムには、13歳が描いたとは思えないタトゥーがずらり。
今後、どのような彫り師に成長していくのか、とても見物です!
実はタトゥーは法律上、医師免許を持っている人しか彫れない
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でも、タトゥーや刺青って、実は医師法に基づき、「医師免許」の資格を持った人しか彫ってはいけないという規則があるのを知っていましたか?
きっとほとんどの人が知らなかった事実であると思うし、何より彫り師ですら知らなかったという人が多いはずです。
すなわち彫り師=医師免許保持者でないといけない!
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つまり、彫り師になるにはどうしたら良いのかと思っている人は「医師免許の資格保持者」でなくてはならないんです。
「医者」である必要はありませんが、それと同等な資格がある「医師免許」の資格を保持しなければならないと、医師法の法律により決まっているんです。
ほとんどの彫り師は「医師免許」の資格を持たない
でも実際問題、ほとんどの彫り師が医師免許の資格を持つことはないと考えられます。
そもそも、タトゥーや刺青は、病院で彫ってもらうものではなく、タトゥースタジオなどの、彫り師の個人経営で彫っている人が多いです。なので、「タトゥー=医師」なんてイメージを持っている人はほとんどいません。そもそも彫り師になるには、医師法に基づいて「医師免許」の資格を持たないといけないということ自体が初耳という人もいるくらいです。
タトゥーがかなり流行ってきている現代
しかもかなりタトゥーのイメージが柔和になってきている現代では、彫り師として需要が増え、彫り師として仕事をしている人も多くなってきました。
そんな中で、そもそも習得が難しい「医師免許」の資格を、彫り師も取らなくてはいけないってなると、なんだかおかしいのではないのかという声も多数上がっています。
彫り師の医師免許の有無で大阪では裁判沙汰にも
▼YTV 彫り師「違法性の認識ない」 タトゥー裁判 20170609
吹田市でタトゥーショップを経営する彫り師の #増田太輝 被告(29)は、医師免許を持たずに客に入れ墨をした医師法違反の罪に問われている。https://t.co/nMnh1xeJjd pic.twitter.com/8acxs70F53
— 波夷羅 (@haira_2017) June 10, 2017
彫り師は医師法により、医師免許の資格を持っていないといけないと思わせた事件が、2017年に起きました。
それは、大阪のとあるタトゥーショップの彫り師、増田太輝氏が、彫り師になるには、「医師免許の資格保持」をしなくてはいけないという医師法があるにも関わらず、医師免許の資格を持っていない彫り師であったことと、それにも関わらず、客に刺青をしたということが問題になり、結果的に逮捕され、裁判沙汰になってしまったことから始まりました。裁判は大阪地裁で行われ、大きな事件となり世間の注目を集めました。
今までそのような事件は露になってこなかった分、彫り師にも衝撃が走った裁判でした。
しかも彫り師の増田氏は医師法により医師免許の資格を保持しなければいけないという事実を「違反であると認識していなかった」と明かしています。増田氏の発言は、彼だけのものでなく、日本にいる多くの彫り師に言及できることでしょう。
そもそも彫り師になるには医師法に基づいて医師免許の資格を保持しなくてはいけないことも、違反であったことも、最初から認識がなかったのです。
2017年に起きた彫り師の医師免許保持トラブルによる裁判
出典: http://www.huffingtonpost.jp
大きな衝撃をもたらした増田氏の逮捕は、裁判と持ち込まれ、大阪地裁で裁判が開かれました。
増田氏が逮捕されたことで、今まであまりみんなが触れてこなかった「彫り師の医師免許保持」についてかなり注目がいきました。
彫り師になるにはそもそも資格が必要だったのか、なんて疑問に思った人も多かったと思います。
裁判ケース1:増田太輝被告 大阪地裁 裁判
出典: http://www.huffingtonpost.jp
2017年6月9日の逮捕から、大阪地裁での裁判は約3月以上続くものになりました。
増田氏は「タトゥーは芸術。医療行為ではない」と主張したところ、
検察側は「皮膚に傷をつけるのは医療行為」と、大阪地裁は罰金30万円の刑を言い渡しました。
けれども、増田氏は大阪地裁が下したその判決を即控訴しました。
違反であったこと、そして逮捕されたこと、全てがなかなかすぐに納得いく内容ではないですよね。
彫り師として働いていただけなのに、逮捕され、判決をくだされるということは、今後の増田氏の彫り師人生にもかなりの影響を与えました。
裁判の判決
出典: http://www.huffingtonpost.jp
大阪地裁の裁判の結果、増田氏は罰金15万円を支払わなければなりませんでした。
それでも彫り師として生きていくことを続けたいと思っている増田氏は、彫り師になるには医師免許の資格が必要なのかという問題を、よりシリアスに考えさせてくれる存在となりました。
この裁判による影響
「タトゥー彫るには医師免許が必要」 大阪地裁が刑事事件で判断示す https://t.co/qiVPJaAo83
— なるみん (@narumin500) October 14, 2017
覚えてる?これは地裁の因縁だろう。大体さ、医学部でタトゥー教えるか?
こんな杓子定規な判決は到底受け入れれない。それならばタトゥー国家資格でも作る方が現実的だ
この増田氏の逮捕・裁判は、賛否両論の意見を生み出しました。
中には
「タトゥーを医学部で教えるなんてありえない」
「タトゥー国家資格を作るべきだ」
など、増田氏派と検察派で、意見はかなり分かれました。
タトゥーがポップな文化として人気になってきた現代だからこそ、彫り師になるには、どうすれば良いのかという問題を、タトゥーや刺青をいれていない人でも、関係ないと離すのではなく、考えなくてはいけない時代になってきたのです。
裁判からタトゥーを文化として守ろうとする動きが始まる
「タトゥー彫るには医師免許が必要」 大阪地裁が刑事事件で判断示す
数年後にオリンピックを控えている国とは思えない国際常識からの遅れ。衛生面の問題ならば美容師のように資格を作ればいい。タトゥー文化に関係ない人にも一度考えてもらいたい https://t.co/7qmJJn3XER
— かっさん (@kassaaaaaaan) October 4, 2017
増田氏の逮捕をきっかけに、タトゥーを文化として守ろうという動きもかなり増えました。
医療行為とした認識ではなく、文化とした芸術であるべきだと主張しているのです。医師免許の資格が本当に必要なのか、広い目線で国民が考えるべきなのです!
裁判になんか負けない!
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増田氏が逮捕され、裁判になり、大阪地裁が判決を下しましたが、そんなことなんかに負けない!と、日本中の彫り師が一致団結した瞬間でした。
SAVE TATTOOINGの活動が活発化
出典: http://savetattoo.jp
そして本格的に、日本でのタトゥーの在り方を考えるために、「SAVE TATTOOING」という組織の活動が活発化しました。
増田氏の逮捕・裁判から今後のタトゥー文化の在り方について、様々な目線で語られています。
是非ホームページをチェックしてみてください!
現在は彫り師はどのような状況にいるの?
増田氏の逮捕・裁判のその後、様々な彫り師が違反であると、同様な罪に問われ、逮捕されていったというニュースが飛び交いました。彫り師にとって、かなりやりづらい世界になってしまいました。
そもそもどうして違反なのか、どうして医師免許の四角が必要なのか、はっきりと理解しなければなりません。
そもそも医師免許がないと彫り師になれない理由とは?
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「タトゥー」を入れるということは、「皮膚を傷つける」ということです。
皮膚を傷つけることは、医療行為以外で、職業として行ってはいけない、違反であるということが今回の問題の発端となりました。つまり、医師免許の資格さえ持っていれば、その分野における知識を習得したということになりますので、たとえ医者でなくても、免許さえあれば、違反なく彫り師になれるというわけなのです。
彫り師になるにはどうすれば良いのか?
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じゃあ彫り師になるには、医師免許の資格を取らないといけないってこと?
と思う人はたくさんいますよね。
そもそも医師免許の資格を取るには、医者と同様、医学知識の習得と、長い年月莫大な費用がかかるのです。
「タトゥーは文化」として広めていこうとしているなかで、そのような長い時間やお金をかけていたら元も子もないし、そもそもタトゥーを医学部で学べるほど、日本はタトゥーに対してまだまだ寛大な国ではありません。その証拠にも、観光客や外国人を受け入れたり、グローバル化に率先的ですが、温泉やプール、公の場でのタトゥーの露出には、かなりの偏見があります。
そのような矛盾でも、医師免許の資格を持っていない彫り師は、納得できない部分が多いのです。
彫り師に医師免許が必要な理由を徹底解析!
出典: https://www.pinterest.jp
皮膚を傷つけるということが医療行為というのはわかったけど、そこからどんな危険性があるから医師法に基づいて医師免許の資格保持をしなくてはいけないのかがまだあんまりわからない…
と思う方もいらっしゃいますよね。
徹底的に理由を見て行きましょう!
医師免許が必要な理由1:
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タトゥー・刺青は、細かい針で、皮膚を傷つけながら、傷ついた部分にインクを埋めていく作業です。
つまり、タトゥーをしたことで、「感染症」になってしまう懸念があるのです。
医師免許の資格を持ち、感染症に対しての知識があれば、問題はありませんが、そのような知識を公式に学んでいないのは問題だと言われています。
増田氏は、それに対して、衛生面は万全にしていたし、清潔さは彫り師の基本ということを主張していました。
医師免許が必要な理由2:
出典: https://weheartit.com
もうひとつの理由が、「保健衛生上の危害の恐れ」があるからであると言われています。
医療行為でもないのに、皮膚を傷つけること自体が違反という内容から、「彫り師がタトゥーを彫る」ということは「医療行為であるべき」と主張されています。
まとめ:タトゥーがポップカルチャーになっている今日
まだまだ西欧文化のように、タトゥーがポップカルチャーとして認められるのは、日本では難しいです。
けれども、時代が変わると共に、環境も変化するのだから、文化としてタトゥーを認めるのも必要なのかもしれませんね。
これからもタトゥーに関する賛否両論は続くと思いますが、この増田氏の逮捕・裁判をきっかけに、より多くの人が考えられれば良いなと思います!