2021年09月24日公開
2021年09月24日更新
【冥婚】台湾で赤い封筒を拾ってはいけない理由。死後婚の風習は日本にも!?
台湾では道端に赤い封筒が落ちていることがあります。そしてそれを拾った男性は死者と結婚しなけばなりません。この冥婚は赤い封筒を使った台湾に古くからある風習ですがその理由とは何なのでしょうか?また日本や中国には冥婚はあるのでしょうか?
目次
台湾は道端に赤い封筒が落ちている?
台湾では道端に赤い封筒が落ちていることがあります。しかしそれは安易に拾ってはいけません。台湾の道端に落ちている赤い封筒にはとんでもない意味が隠されているのです。
その赤い封筒は「冥婚」と呼ばれる台湾に古くから伝わる風習のきっかけとなるもので、なんとそれを拾った男性は死者である未婚の女性と結婚しなければならないのです。
これは一般的な旅行雑誌やガイドブックには掲載されていない台湾の知られざる風習です。ではこの「冥婚」とは一体何なのでしょうか?また現在の台湾でもまだ赤い封筒による冥婚の風習は残っているのでしょうか?
赤い封筒を拾った男性は即結婚!?
クレイジージャーニーで知られた
台湾の赤い封筒に関する情報は以前にバラエティ番組「クレイジージャーニー」の中で放送されました。その中で台湾で落ちてる赤い封筒は拾ったら結婚しなければならないため警察も対処するのが難しいと言われていました。
赤い封筒の中身
赤い封筒にはお金や死者である女性の写真や髪の毛が入っているそうです。そして道端に落ちている赤い封筒を男性が拾ったら、近くで隠れていた親族が現れて死者である女性との結婚を迫られるのだそうです。
これは「冥婚」と呼ばれる台湾に古くから残っている風習で、若くして死んだ女性と生きている男性を結婚させることが理由で今でも台湾国内で行われているのだそうです。台湾には自分の娘がたとえ亡くなってしまったとしても結婚させるという考えが古くからあるそうです。
台湾の風習「冥婚」について
台湾では未婚のまま死亡した女性の事を「孤娘(グーニャン)」と呼びます。台湾ではグーニャンは死後、実家から葬儀に出すことが出来ないというしきたりがあるため死後悪霊となってしまうと言われています。
グーニャンのための風習
冥婚にはそんなグーニャンを供養させるために生きている男性と結婚させようという意味があります。それ以外にも単純に女性が未婚のままこの世を去るのはかわいそうだからという理由もあります。
死者の女性と生きている男性
冥婚は死者である女性と生きている男性との間で行われます。その際の男性は既婚でも未婚でも構わないのだそうです。既婚で子供がいる男性が冥婚したら、女性は死後であっても名義上の子供が出来るので供養してもらえます。
未婚の男性が冥婚したら、その後生きている女性と結婚することは出来ますが、しきたりの上では冥婚相手の女性が最初の夫人という扱いになります。
冥婚による死後の女性との結婚式の際は、死者である女性の位牌や遺骨と結婚します。冥婚でやることは普通の結婚式とほぼ変わりません。
ただし、台湾では普通の結婚式は午前中に行われるのに対して、冥婚は午後から行われます。結婚式に参加するのは双方の親族で、冥婚した後も新年に夫が死者である妻の実家に帰省するなどの関係が続きます。
冥婚のメリットとは?
死者と結婚すると言われると不吉なイメージが湧いてしまいますが、冥婚は考え方によっては男性にとってメリットがあると言われています。台湾ではお金が無くて結婚できずに困っている男性は冥婚することで結婚できて、更に死者である女性の実家から金銭的な援助を受け取ることが出来ると言われています。
出典: https://www.creema.jp
また冥婚をすると運気がアップするとも言われています。冥婚には死者である妻による神秘的な力があると言われており、冥婚した男性は健康面や仕事面での運気が上がるそうです。そのため台湾には望んで冥婚をしたがる男性もいるそうです。
そのため台湾では冥婚とは不吉なものではなくご利益のあるものと考えられています。実際に現地の台湾の男性も赤い封筒を拾ってしまったら何かの「ご縁」として冥婚を積極的に受け入れる傾向にあるようです。
台湾の風習「冥婚」は即結婚!?現在の傾向
台湾では道端に落ちている赤い封筒を拾うと冥婚しなければならないと言われていますが、現在の台湾でも本当に行われているのでしょうか?
赤い封筒を拾ったら即冥婚?
道端に落ちている赤い封筒を拾う事で行われる冥婚ですが、必ずしもスグに結婚するわけではないそうです。
それは死者である女性が関係していて、死者である女性が14歳以上だった場合はスグに結婚しますがそれ以下だった場合は死者である女性の年齢が14歳を過ぎてから結婚します。
赤い封筒はどこに落ちている?
出典: http://garakuta.chips.jp
台湾の道端に落ちている赤い封筒ですが道のど真ん中に堂々と置かれているわけではないようです。大抵は木陰などの日の当たらない場所に置かれているのでそこまで目立つものではないようです。
赤い封筒を拾ったら
出典: http://chinesecollar.com
もし男性が道端に落ちている赤い封筒を拾ったら冥婚するのですが、誰でもスグに冥婚するわけではありません。男性が赤い封筒を拾った後に占いをして死者である女性が男性を気に入るかどうかを確認します。そこで女性が気に入れば冥婚が成立しますが気に入らなければ冥婚しないのだそうです。
そして占いによって気に入られなかった男性は赤い封筒にお金を入れます。これは後に冥婚する別の男性への祝い金と死者である女性への香典としての意味があります。
既婚の男性の場合
出典: http://karapaia.com
既婚の男性でも冥婚することは出来ますが、死者である女性の花婿にはなれません。古くから台湾では1人の男性が複数の女性と結婚することは禁止されていなかったので、既婚者が冥婚することは問題ありません。
ただし冥婚したら死者である女性の位牌を預かり、しっかりと供養しなければなりません。
現在の台湾では、、
この冥婚は1050年頃に中国から由来した風習と言われており、ふるくからの風習なので法的な婚姻ではないそうです。
現在の台湾ではこの赤い封筒を拾った男性は冥婚するという風習はごくまれに地方で行われているだけなので都市部ではあまり見かけなくなったそうです。
日本の冥婚:ムサカリ絵馬
台湾に古くから伝わる冥婚ですが、実は日本にも冥婚と似た様な風習がありました。それは山形県の村山地方で行われているムサカリ絵馬を使った「死後婚」と呼ばれるものです。
ムサカリ絵馬の理由
出典: http://chindera.com
ムサカリ絵馬とは山形県に古くから伝わる風習でムサカリ(迎えられ)という結婚を意味する方言に由来しています。このムサカリ絵馬に事故や病気などで子供を亡くしてしまった両親がムサカリ絵馬に自分の子供と架空の人物が結婚する様子を描いて寺に奉納することで故人を成仏させるという意味が込められています。
1970年代から有名に
出典: http://chindera.com
ムサカリ絵馬は江戸時代から伝わる古い風習ですが盛んに行われるようになったのは1970年代からでした。きっかけとなったのは第二次世界大戦後に戦争で未婚のまま命を落とした子供の両親が、自分の子供の絵をムサカリ絵馬に描いて死後婚を行った事が全国的に知れ渡り別の地方からも死後婚の相談が寄せられました。
そのため台湾の冥婚は未婚の女性が対象となっていますが、ムサカリ絵馬による死後婚は未婚の男性も対象となっています。
架空の人物を描く理由
出典: http://www.nenkai-data.fsjnet.jp
またムサカリ絵馬に絵を描く際のルールとして伴侶は架空の人物であることが求められます。その理由は実在の人物を絵馬に描いたりその人の名前を記入すると、その人までもあの世へ連れて行かれると考えられているからです。
中国の冥婚:陰婚
出典: http://www.yawaran.net
中国にも死者を結婚させる風習が今でも残っています。それは「陰婚(いんこん)」と呼ばれるもので台湾にある冥婚とは違い死者同士で結婚させます。
中国の陰婚と理由
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中国には古くから人は必ず結婚して子供を産んで子孫を存続させなければならないという考えがあります。そのため中国人には結婚は必ずしなければならないものという思想・風習があります。
死者への弔い
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しかし実際に全ての中国国民が結婚できるわけではありません。若くして未婚のまま亡くなってしまう人もいます。そんな未婚のまま亡くなった人を哀れに思い、同じような境遇で死んだ異性を死者同士で結婚させることを陰婚と呼びます。
しかし、死者である未婚の男性に対して未婚の女性が見つからない場合もあります。その時は人間の女性に見立てた人形を一緒に棺に納めて埋葬することもあるそうです。
陰婚の起源
出典: http://sangokushi13wiki.wiki.fc2.com
この陰婚が初めて行われたのは三国志の時代であると言われています。魏の曹操の八男・曹沖が亡くなった際、未婚であったため同じく未婚のまま亡くなった甄氏の娘の遺体を一緒に埋葬したのが陰婚の起源だと言われています。
台湾の赤い封筒と冥婚について:まとめ
出典: https://www.youtube.com
テレビで放送された台湾の冥婚は本当にあるもので、ごくわずかながら現在も行われているそうです。ただし道端に赤い封筒が落ちていることはあまり無いようです。もし台湾に旅行に行って赤い封筒を見かけたら冥婚させられかねないので注意して下さい。