2021年08月31日公開
2021年08月31日更新
「月の裏側」の撮影に成功!地球からは見えない秘密と謎
月は地球を周回する唯一の衛星です。月は常に表だけを見せ、通常裏側を見ることができません。月の裏側には昔から様々なロマンが語られてきましたが、これまで月の裏側の撮影に成功しています。そして、月の裏側が地球から見えない理由とその謎についても見ていきます。
目次
地球唯一の衛星・月
空に見ることができる月は、地球唯一の衛星です。
形はほぼ球体で、大きさは地球のおよそ4分の1の直径3474km、質量は地球のおよそ81分の1です。
そして重力は地球のおよそ6分の1です。
月には大気がほとんどありません。
地球から月までの距離は約38万kmと、地球の赤道を約19周するのと同じくらい遠いところにありますが、同じ太陽系の火星よりは近いです(地球との距離は平均して約7800万km)。
月はウサギが住んでいる、かぐや姫の故郷、というように昔話や宇宙人といったSFなどの題材にされています。
月は地球と太陽の関係で、だいだい1ヶ月で満ち欠けします。
満月の日には、その円い姿を見ることができますが、常に同じ姿を現しています。
月の表面には海と呼ばれる、平らの部分と凸凹した部分があって、その模様を撮影したり観測することができます。
それを「餅をついているウサギ」などに見立てるというわけです。
そして、隕石などが衝突してできたクレーターという大きな穴もあります。
月は球体なので表面だけではなく、当然裏側もあります。
ところが月の裏側は地球上の私達からは見ることができないのです。
その月の裏側が見えない理由についてこれから説明します。
月の裏側が見えない理由
どうして、月の裏側を見ることができないのでしょうか。
その見えない理由は、月の自転と公転が同じだからです。
月は地球の周りを約27日かけて回るのですが、同じく約27日かけて自転します。
出典: https://pyaka.net
月の自転と公転にずれがある場合、例えば公転より自転のほうが速ければ、月の全ての面が見え、裏側も当然見えるはずです。
月の裏側が見えない理由は、公転と同じ周期で自転を行っているため、月は常に上の図のように正面を向かざるを得えないからです。
この自転と公転のそれぞれ周期が同じことを自転と公転の同期と言います。
月が見えない理由はこの現象が起きているからとも言えます。
この現象は地球と月の距離が他の太陽系の惑星と比べて約38万kmと近いことと、月の引力が満潮干潮を引き起こすことが関係しています。
以下の動画は月が見えない理由について、CGの模式図を使って説明しています。
模式図では真ん中の青い球が地球、周囲を回っている小さな球が月です。
小さな球の緑色の部分は地球から見ることができる月の表側です。
動画から月は地球を1周している間にも、月自身も一回りしていることが分かります。
月の裏側が見えない理由はここにあります。
月の裏側~月探査での初めての撮影・実見~
地球から月の裏側が見えない理由を説明しました。
その月の裏側も含めた月探査ですが、最初は東西冷戦下における旧ソビエト連邦(ソ連)とアメリカ合衆国(アメリカ)の競争とも言っていい状態でした。
1959年9月にソ連の探索機ルナ2号が月に衝突してから、月面の探査は始まりました。
同じ年の10月、今度は同じくソ連の探査機ルナ3号が月の裏側の撮影に世界で初めて成功しました。
出典: https://moonstation.jp
ルナ3号が撮影した月の裏側の写真
このニュースは当時の日本の新聞にも、大々的に報じられたようです。
ソ連はその後、月面探査の人工衛星を打ち上げ、優位に立ちます。
一方、アメリカも宇宙飛行計画を立て、月面に人類を送る最終計画の「アポロ計画」を進めます。
しかし、その計画では事故が発生するなど、試行錯誤がありました。
1968年12月に打ち上げられたアポロ8号が月の周回軌道投入に成功し、宇宙飛行士は月の裏側を見ることができました。
そして、次の年1969年7月に打ち上げられたアポロ11号が月面着陸に成功します。
月面に降り立った時の、「この一歩は一人の人間にとって小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ」というアームストロング船長の言葉はあまりにも有名です。
その後月の石を持ち帰るなど、両国の月面探査競争は続きますが、1970年代半ばに終了します。
それから日本など、他の国も月に向けて探査機を打ち上げて、月面探査に乗り出します。
月の裏側の撮影・再現
月の裏側の撮影には、ソ連の宇宙探査機ルナ3号の他、NASA(アメリカ航空宇宙局)が成功しています。
また、NASAや日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)は人工衛星で観測したデータを元に月の裏側の再現に成功しています。
NASAが撮影・再現した月の裏側
出典: https://moonstation.jp
NASAの月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」が撮影して得られたデータを元に製作された月の裏側です。
月の裏側にはかなりのクレーターがあることが分かります。
出典: http://jp.techcrunch.com
NASAの宇宙気象観測衛星「ディスカバー」が2016年の7月に撮影した月の裏側です。
「ルナー・リコネサンス・オービター」と比べ、クレーターの部分はあまり確認できませんが、左上の海の部分がはっきりと映っています。
この衛星はさらに1年前の2015年の7月にも同じように月の裏側を撮影しています。
JAXAが再現した月の裏側
JAXAの月周回衛星「かぐや」は、月面の様子や地質、磁場などを観測・測定するために打ち上げられました。
そのかぐやは月の裏側も含めた月面を観測しました。
そのデータを国立天文台が詳しく分析して、赤色に着色して製作された月の地形図をブラウザ上で見ることができます。
そこには静止画と鳥瞰図のような地図と、地球儀のように月全体を回転させることができる立体地図の2種類があります。
立体地図を見てみると、最初の画面「月の表側」にはクレーターが見られ、凹凸も少し確認できますが、あとは平らな部分が広がっています。
しかし、地球儀のように月を半回転させて「月の裏側」を見てみると、至る所に無数のクレーターがあることが確認できます。一見すると異様な光景です。月の表側に見られる平らな部分はほとんど見えません。
かぐやが観測した月の表面は、視覚的なインパクトを与えます。
月の裏側の地名
月面のクレーターや海などには名前がついています。
表側には、アポロ11号が着陸した場所で有名で、「ウサギ」の頭に当たる「静かの海」、いくつかの月探査機やアポロ12号が着陸した「嵐の大洋」など多くの海があります。
月の裏側にあるクレーターなどにも名前がついています。
その内一部を紹介します。
出典: http://www2s.biglobe.ne.jp
モスクワの海
北西部に存在する直径277kmの月の海です。1959年、月の裏側がソ連の探査機ルナ3号によって撮影された時に発見されました。ソ連の首都モスクワから名付けられました。
東の海
月の裏側の東の端にある、輪っかのような形をした海です。直径は900kmで、1967年に打ち上げられたアメリカの月探査機、ルナオービター4号によって撮影されました。月の表側からは西の端にあって、地球から見ることは難しいです。
ダイダロス
月の裏側中央に存在する、直径93km、深さ3kmのクレーターです。名前はギリシャ神話に出てくる大工「ダイダロス」と同じです。そのため、ここから名付けられたものと思われます。
ヘルツシェプルング
東部に存在する月面最大のクレーターで、その直径は約530kmにも及びます。深さは分かっていません。デンマーク出身の天文学者、アイナー・ヘルツシェプルングから名付けられました。このクレーターの近くには、直径20~50kmのクレーターがいくつかあります。
ツィオルフコスキー
西部に存在する、直径180kmのクレーターです。深さは分かっていません。ルナ3号が撮影したことで発見され、その後アポロ計画などでも撮影されました。ロシア(ロシア帝国・ソ連)の物理学者、ロケット研究者、コンスタンチン・ツィオルフコスキーから名付けられたものと思われます。
どうして月の裏側はクレーターだらけなのか
月面にはクレーターが存在していますが、表側より裏側のほうが無数にあります。
どうして、裏側はこれほどクレーターだらけなのでしょうか。
隕石や彗星がぶつかってできるクレーター
月の表面にあるクレーターは隕石や彗星がぶつかってできたものと考えられています。
隕石や彗星は宇宙空間に存在し、その軌道上に月があると衝突をするわけです。
隕石は地球にも衝突することがありますが、大気中で燃え尽きずに残ったものが落下してきます。
月は大気がほとんどないので、燃え尽きずにダイレクトに衝突します。
また、月は地球に対して常に同じ方向を向いているので、その反対側、つまり月の裏側のほうがたくさん衝突が起きていると思われます。
ですが、表側にもクレ-ターは存在しています。
月の表側と裏側の厚さの違い
アメリカのアポロ計画で得られたデータ及び最新の測定データを用いた研究(2015年10月発行のアメリカの科学雑誌に掲載)で、月の内部構造は以下のように推定されています。
出典: http://www.miz.nao.ac.jp
月も大きさは異なりますが、地球と構造が似ています。
中心に核と呼ばれる重力の基になる部分があります。
核は内側の内核、外側の外核に分かれています。
その周囲にはマントルがあって、外核のすぐ外には粘り気の低いもの、そしてそれを大きく取り囲むように粘り気の強いものに分かれています。
そして、地表に近いところに地殻があります。
月も地球と同じく、火山活動によって作られたと考えられています。
そして、月の形成後も火山活動は続き、たびたび噴火が起きていました。
月の海は溶岩が流れた跡です。
隕石や彗星がぶつかることによって起こるクレーターも溶岩で埋まってしまいます。
月の表側と裏側では地殻層の厚さが異なるようで、表側のほうが裏側よりやや薄いです。
そのため、表側のほうが噴火によって溶岩が流出しやすいということになります。
ですから月の表側が平らな部分が多く、逆に月の裏側はクレーターが多く残っているということになるようです。
月の裏側の念写に撮影した?
これまで宇宙探査機や人工衛星で月の裏側の撮影に成功しています。
地球からは月の裏側を見ることはできません。
月の裏側が見えない理由は、月の自転と公転がほぼ同じだからです。
月の裏側は探査機などによって撮影するか、衛星などで地形を観測する必要があります。
ところが、アメリカのアポロ計画より前の1930年代の日本で、月の裏側を念写するという実験が行われていました。
心理学者で当時高野山大学教授だった福来友吉の下、超能力者の三田光一が写真乾板に月の裏側を念写したのです。
出典: http://know01.com
福来友吉
出典: http://hirokunnews.com
三田光一
念写とは、心に浮かんだことが写真乾板やフィルムに写されるといういわゆる心霊現象です。
三田はこれまで念写の実験に数々成功し、今回も月の裏側の念写に成功します。
しかし、三田の写真は海の部分と思われる箇所が写されていました。
前の章で説明したとおり、月の裏側にはクレーターが無数にあって、月の表側より海は少ないです。
ですから、本当に三田は月の裏側を念写したのかという疑問が残ります。
その三田自身は過去に手品師をやっていた経歴があり、トリックはお手の物だった可能性があります。
そして、福来が三田に対して行った実験の前準備などに関しても、不十分なところがありました。
ですから、三田が行った月の裏側の念写は信憑性が低く、何らかのトリックが働いていたのではないかと考えられます。
もっと月の念写の情報について知りたいアナタへ!
月は謎だらけ
月の裏側は昔はどのような構造をしているのか謎でした。
しかし、探査機や人工衛星などによって月の裏側の様子が分かってきました。
月の裏側は表側と比べてクレーターだらけであり、様相は大きく異なります。
昔から月の裏側には宇宙人の秘密基地があるのではないかという話がささやかれるなど、様子が分かってきた今でも、謎はまだまだ残ります。
しかも裏側だけではなく、月全体も謎の部分があります。
キーワードとして、UFO、謎の建造物、地下空洞です。
月は謎だらけなのです。
月とUFO
アポロ計画真っ只中の1968年12月24日、アポロ8号は月の周回軌道投入に成功し、乗組員は月の裏側を含め月面を見ることができました。
その時は相当興奮したに違いありません。
そんな中、アメリカヒューストンにあるジョンソン宇宙センター(NASAの有人宇宙飛行総合施設)との通信の際に、アポロ8号の乗組員ジム・ラベル飛行士が次のような発言をします。
みんなに伝えてくれ。月にはサンタクロースがいる。
宇宙センターとの通信にしては、いささか奇妙かと思われます。
しかし、通信日は1968年12月25日で、クリスマス当日なのです。
一見すると、クリスマスにちなんだ飛行士なりの冗談めいた応答だったと推測できます。
サンタクロースはUFOの暗号だった?
しかし、この応答は実はUFOを発見したという秘密の暗号のようなのです。
アポロ8号と宇宙センターのやりとりの中で、船長はUFOが本機に接近しているなどと交信しています。
また、UFOの大きさなども船長は伝えています。
このように「サンタクロース」はUFOを表す暗号のようなもので、実際アポロ15号に乗船していたNASAの元宇宙飛行士が証言しています。
元宇宙飛行士によりますと、宇宙飛行士にはUFOに関する言い方が決まっているようです。
大気圏から約400km上方まで・・・「ボギー」
上空4万kmから月の軌道まで・・・「スカンク」
月の軌道上・・・「クリスマスツリー」
月面・・・「サンタクロース」
アポロ8号の「サンタクロース」の秘密暗号から、月とUFOには何か関連があるのではないでしょうか。
月にはUFOの発着基地があるのではないかという話は、昔からなされています。
もしかすると宇宙人が乗船していたのではないでしょうか。
サンタクロースがUFOや宇宙人に関する情報をプレゼントしてくれたらうれしいものです。
月にあった謎の建造物
月の裏側はソ連が1959年に初めて撮影に成功してから、アメリカや日本などが月の裏側の撮影・観測を行っています。
しかし、撮影した物の中には謎の建造物が映っているものもあったのです。
もし本当ならばどうしてそこに存在するのでしょうか。
月の表側と裏側にあった建造物を紹介したいと思います。
月の裏側の「神殿」
アポロ11号が1969年7月に月の裏側を周回した時に、撮影したという写真があります。
出典: http://uchunonazo.seesaa.net
画像の赤丸で囲んだところが月の裏側で見つかった建造物です。
この建造物は実際にある聖塔の名前にちなみ、「ジッグラト」と呼ばれています。
出典: http://web.kyoto-inet.or.jp
ジッグラト
古代メソポタミアの都市に存在した、ピラミッドのような形をした巨大な聖塔です。
一般的に神を祀る神殿の聖塔ですが、聖塔の上にも神殿を築いたと考えられています。
ただ、どのような役割を果たしていたかはよく分かっていないところが多いです。
この建造物は正方形に配置されているように見えます。
大きさは縦と横の長さが約1600m、高さが約800mあると見られます。
この建造物は、月の表側からちょうど真後ろに存在します。
しかし、この聖塔を建造物かどうかを判断するのは難しいです。
なぜなら、この建造物の撮影は一方向でしか撮影されていないようなので、光の反射も考えなくてはならないからです。
光の反射の関係で聖塔に見えてしまうということも考えられます。
いずれにせよ、謎の建造物であることは間違いないようです。
月の表側の「巨大なタワー」
月の裏側だけではなく、表側にも謎の建造物があります。
以下をご覧下さい。
動画の最初に紹介される、月面に突如現われる謎の巨大タワー。
Googleの衛星写真サービス「Google Moon」で発見されました。
形状ははっきりしませんが、白い円状の敷地のような場所に、搭状のようなものがそびえ立っているように見えます。
敷地のような場所の広さや巨大タワーの高さが気になります。
Google Moonでは、画面上の実際の長さを測ることができます。
白い円状の敷地の直径は約9500m、タワーの高さは約5600mあるようです。
周囲にはこのような搭状の建造物は見られません。
誰かが意図的に作ったのか、それとも光の反射などによって、このように見えているのか、真偽のほどはよく分かっていません。
これも謎の建造物です。
宇宙人の秘密基地?
ここまでくると、もしかして宇宙人の秘密基地なのではないかと考える人もいるかも知れません。
宇宙人の秘密基地は、SFものでは定番のパターンと言っていいでしょう。
地下がUFOの発着基地になっていて、そこから飛び立つのです。
月面のジッグラトも巨大なタワーも秘密基地の司令部と思う人もいるかもしれません。
ただ、写真や映像のみでは実態がよく分からないので、実際にその場所に行って検証することが必要です。
しかし、月の裏側に人類が降り立つという技術はまだまだ研究段階のようです。
ですから、宇宙人の秘密基地かどうかの結論は遠い未来まで持ち越しです。
月の裏側にあった謎のミイラ「モナリザ(かぐや姫)」
ここまではUFOだったり、謎の建造物であったり、SFものであればありうる話だと思います。
しかし、月の裏側に謎のミイラがあったとしたらどうでしょう。
しかもそのミイラは女性のミイラで、「モナリザ」と呼ばれています。
「かぐや姫」とも言うそうです。
『モナ・リザ』
モナリザと言えば、レオナルド・ダ・ビンチの代表的作品として有名ですが、このモナリザではありません。
サムネイル画像に写っているのが、謎のミイラ「モナリザ(かぐや姫)」です。
モナリザは1972年のアポロ計画終了後に打ち上げられたとされるアポロ20号の乗組員によって発見されたということです。
NASAの元職員の発言によると、モナリザは黒髪で、身長は165cm、そして手の指は6本あったそうです。
長い黒髪からは、かぐや姫を想像させます。
ミイラの発見は非常に衝撃的な出来事でした。
しかし、実はこのモナリザと呼ばれるミイラは作り物なのです。
エイプリルフールのために作られたミイラ『モナリザ(かぐや姫)』
実はこの『モナリザ(かぐや姫)』は、エイプリルフール用に出す映像作品のためのミイラ作品だったです。
エイプリルフールとは、4月1日に嘘をついても構わないという欧米の習慣です。
その嘘は単なる「おふざけ」程度のものです。
フランスの映像作家のティエリー・スペスという人がミイラを作ったのです。
映像作品にはアポロ20号についてその計画や功績が紹介されています。
ミイラ作品はその一部に出てきます。
当然のことながら、アポロ20号は飛行していませんし、存在していません。
NASA元職員のミイラに関する発言も嘘ということになります。
正しく言うならば計画はされていたのですが、予算の都合上不可能になったのです。
モナリザと呼ばれるミイラは作り物です。
しかしエイプリルフールのため、ここまで本気で取り組む気持ちはくんであげたいと思います。
髪型は本当にかぐや姫のようですし、さすがモナリザと呼ばれるだけはあります。
月の地下に謎の空洞が
月の裏側には宇宙人の秘密基地があって、月の地下も宇宙人が作った、というSFのような話はよく聞きます。
しかし、SFではなく本当に月の地下に空洞があったのです。
国内外の研究者が参加している国際共同研究チームが地下空洞を発見し、研究チームの一員であるJAXAが2017年の10月18日に発表しました。
どのように地下空洞は発見されたか
出典: http://www.sci-museum.kita.osaka.jp
かぐや
かぐや(SELENE)はJAXAの月周回衛星で、2007年に打ち上げられました。
周回しながら観測し、月に関するデータを集めました。
かぐやは月の地下空洞を発見させる立役者となるなど、日本の月探査に大きな成果をもたらしました。
2年間運用をし、2009年に役目を終えました。
衛星の愛称「かぐや」は、かぐや姫に由来します。
以前から月には地下空洞があるのではないかと予想されていました。
2009年、月周回衛星「かぐや」が月面に縦孔を発見します。
これは月の火山活動によるものとだと考えられています。
その後、今度は「かぐや」に地中内部の様子の観測を行わさせて、そのデータとアメリカの探査機による月内部の観測データを細かく分析しました。
その結果、今回の地下空洞の発見につながったのです。
地下空洞の大きさ
地下空洞のは高さおよそ数十mから200mくらいあります。
幅はおよそ100m、全体の長さは50kmにもなるそうです。
このことから、地下空洞はかなり広大であることが分かります。
地下空洞の研究意義
この発見は月の形成を知る上で非常に重要な意味があります。
なぜなら、月の形成にはまだまだ謎の部分があるからです。
これから地下空洞の研究がさらに進めば、月に関する新たな「発見」が今後見つかる可能性もあります。
そしてその発見が、人間社会あるいは世界環境が直面する問題を解決してくれる一助になるかも知れないのです。
現在は月の完全な謎の解明には至っていませんが、これから地下空洞で何が発見されるのか注視したいと思います。
NASAのアポロ計画と陰謀論
アポロ計画では月への有人宇宙飛行が行われました。
しかし、事故が発生したりするなど、その計画はまさに苦労の連続でした。
アポロ8号が初めて月の周回飛行に成功し、ついにアポロ11号で人類初めての月面着陸に成功しました。
月面着陸というその偉業は世界中に伝わったのです。
しかし、後の様々な証言や写真、映像などから、実は月面着陸は行われていないのではないかといったアポロ計画に関する陰謀論がわき起こったのも事実です。
しまいには、NASAは宇宙人やUFOといった情報を隠蔽している、と証言する人もいるようなのです。
NASAには宇宙に関するあらゆる情報が集まっています。
中には職務上秘密にしなければならない情報もあるでしょう。
公開されている情報が全てではありませんが、憶測ではなく、そうした情報から議論や考察がなされるべきです。
月の裏側に着陸して探査できるのか
月の裏側は表側と比べて無数のクレーターが広がっています。
これまで宇宙探査機や人工衛星、有人飛行などで月面探査が行われ、裏側も含め月面の様子が分かってきました。
有人飛行に限って言えば、これまでアポロ計画でアポロ11号を始め、6機が月面着陸に成功しています。
しかし、その全てが月の表側に着陸しています。
月の裏側は確かに探査は行われていますが、実際に着陸しての探査はこれまで一度も行われていません。
ですから、月の裏側の実態はまだ詳しいことは不明なのです。
アポロ計画は予算削減を理由として中止になったと言われています。
莫大なお金がかかる月面探査
月面探査には莫大なお金がかかります。
アポロ計画では200億ドルもの費用がかかりました。
これは現在の価値に直して1650億ドルになるようです(2016年)。
日本円にして16兆5000億円の途方もない金額です。
地球から月まで約38万kmと、果てしない距離です。
これでまだまだ未解明の月の裏側に降り立つのであれば、技術的な面を考慮しても、やはり相当な金額がかかると思われます。
月の裏側着陸探査の可能性について
1970年代半ばに月面探査におけるソ連とアメリカの競争が終了した後、それ以外の国も月探査を進めていくようになりました。
日本のJAXA月周回衛星のかぐやから得られたデータは、月の詳細な地形など、あらゆることが分かってきました。
2017年現在、かぐやは役目を終え、その後継機を打ち上げる計画が進んでいるようです。
後継機は月面に軟着陸(衝突せずに安全に着陸すること)させ、月面や内部の構造を調べる予定です。
この計画は将来の有人での月探査につながるそうです。
中国では「嫦娥(じょうが)計画」という月の探査計画が進んでおり、現在は探査機による探査計画の段階になっています。
ゆくゆくは有人月面着陸、そして月面基地を建設し宇宙飛行士を滞在させるという計画を立てているようです。
この他に、インドが月探査機の打ち上げに成功しました。
このように、まだまだ月の裏側に着陸をして有人探査を行うという段階に至っていないのが現状です。
しかし技術が飛躍的に向上すれば、これからの計画もより現実的なものになるでしょう。
ですから現在その段階に至っていなくても、将来的に月の裏側に着陸して探査を行う可能性はゼロとは言えません。
中国が進めている嫦娥計画のように、人類が月面基地で探査を行うことだって可能かも知れません。
月の裏側に月面基地を建設することができれば、長期的に裏側の探査が行えるのです。
地球にいながら月の裏側を見ることができる
地球からは月の裏側を見ることができません。
その見えない理由は、月の自転と公転がほぼ同じ周期によるものです。
しかし、ブラウザ上で月の立体地図を地球儀の要領で回すと見ることができます。
この他に地球にいながら月の裏側を見ることができるイベントがあります。
映し出された月面を見てお月見
東京都江東区にある日本科学未来館では、毎年シンボル展示の「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」に月面の映像を映して昼間のお月見をするというイベントを毎年行っています。
今年2017年は9月13日から10月6日まで開催されました。
月面の映像は月周回衛星「かぐや」が観測したものです。
ジオ・コスモスに映し出された映像で、月の表側と裏側の両方を見ることができます。
上映時間は5分間で、1日で6回行われました。
ちなみに、今年2017年の中秋の名月(十五夜)は10月4日でした。
中秋の名月とは、かぐや姫が月に帰った日です。
そのかぐや姫が帰った月の様子を、「かぐや」が映し出していると言えるのですから、とても面白い試みだと思います。
「月の裏側」の撮影に成功!地球からは見えない秘密と謎・まとめ
かぐや姫で有名な月は、その裏側を地球から見ることはできません。
その見えない理由は、自転と公転の周期がほぼ同じだからです。
これまでの各国の探査によって、月の裏側の姿が明らかになってきました。
月の裏側は表側に比べて、クレーターが無数に存在しています。
その姿は地形図によって明らかになり、とてもインパクトのあるものでした。
その月の裏側ですが、一見すると宇宙人の秘密基地と想像できる謎の建造物も存在しています。
このように月の裏側は謎が残されています。
もちろん月全体にも謎はあります。
もし、人類が再び月に行って表側だけではなく、月の裏側に着陸できるともなれば、これらの謎をひょっとしたら解決できるかもしれません。
今はまだまだ研究段階ですが、いつかは月の裏側の実態が明らかになる日が来るでしょう。