なんでも鑑定団「曜変天目」は国宝級茶碗だったのか?偽物疑惑に中島氏は…

なんでも鑑定団の「曜変天目」は、本当に国宝級茶碗? 鑑定団の名物鑑定士である中島氏も「体が震えた…」程のなんでも鑑定団のなかでもダントツ国宝級の発見だったのですが。 その曜変天目に偽物疑惑が浮上してドロ沼の状況で中島氏も「偽物…まさか」状態に。

なんでも鑑定団「曜変天目」は国宝級茶碗だったのか?偽物疑惑に中島氏は…のイメージ

目次

  1. 1なんでも鑑定団の「曜変天目」(国宝級茶碗)の偽物騒動って?
  2. 2中島氏が鑑定した「なんでも鑑定団」とは
  3. 3中島氏が鑑定した曜変天目茶碗とは
  4. 4中島誠之助とは
  5. 5中島氏の鑑定に疑問を呈した九代目長江惣吉とは
  6. 6中島氏の鑑定に疑問を呈した九代目長江惣吉氏の見解
  7. 7なんでも鑑定団「曜変天目茶碗」偽物騒動の現状
  8. 8中島誠之助氏の対応(鑑定ミスその後)
  9. 9テレビ東京(テレ東)の対応(鑑定ミスその後)
  10. 10まとめ【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】真贋騒動の行方

なんでも鑑定団の「曜変天目」(国宝級茶碗)の偽物騒動って?

出典: https://www.nsttv.com

なんでも鑑定団の「曜変天目」真贋騒動って一体何?という疑問を持った人も居られると思いますので、そもそもの発端から現在までの、その後を時系列的にまとめておきたいと思います。

2016年12月「開運!なんでも鑑定団」で中島氏が鑑定した茶碗が国宝級?

出典: http://733251.o.oo7.jp

↓「曜変天目茶碗」(国宝級茶碗)偽物騒動(ミスその後)を時系列列挙。

・2016年12月20日に放送だれた「開運!なんでも鑑定団」に於いて、1つの茶碗が鑑定された。

・この茶碗は、徳島県でラーメン店経営の男性が持ち込んだもので、
大工だった男性の曽祖父が、戦国武将の三好長慶の子孫が暮らす屋敷の移築を請け負った際に買い取った古美術品の中に混在していました。

・同番組の名物鑑定家である中島誠之助氏は

「国宝の曜変天目と同じものに間違いない。(中略)まるで宇宙の早雲をみるようだ」と絶賛し、2500万円という鑑定結果を披露しました。
(ちなみに、所有者の男性の自己評価額は100万円でした。)

・この鑑定結果を受けて、地元の徳島県教育委員会は茶碗の文化財指定に向けて動き出します。

・一方で、この番組の放送後、複数の専門家(陶芸関係者や大学教授、学芸員など)が中島誠之助氏の鑑定結果に対して疑問を投げかけます。
この中の一人が、陶芸家で曜変天目の再現を目指す九代目長江惣吉さんでした。

・この後、茶碗の真贋論争は過熱し徳島県教育委員会は計画していた茶碗の調査を中止。

・(茶碗の所有者から依頼された奈良大学の魚島純一教授が2017年2月22日に、茶碗表面の色の成分分析を実施。

魚島純一教授は、「成分分析の結果約10種類の発色元素が微量検出されたが、有意に検出したレベルではない」とし誤差の範囲内と分析。

問題の茶碗に、発色元素を含む釉薬が塗られている、と主張し「なんでも鑑定団」の鑑定を疑問視する九代目長江惣吉さんら専門家達の主張を否定した。

・分析結果に対し、所有者の男性は「科学的な根拠が持てて納得できた」と述べるも、奈良大の魚島教授は
「あくまでも発色元素が検出されなかったというだけで、(中略)茶碗の評価の真贋を判断するものではない」と述べた。

※後日、所有者の男性と奈良大学の魚島教授は、旧知の間柄との指摘も出ています。

・これに対し、曜変天目の再現を目指す九代目長江惣吉さんは分析方法が適切でなかった可能性があると疑問を呈し、魚島教授に分析結果の詳細を公表するよう求めるが、その後返答はない状況が続く…。

・また九代目長江惣吉さんは2017年3月2日に、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議を申し立て、番組での鑑定の根拠を示すことや、再鑑定の実施を求めるよう申請。

・これに対し、放送倫理・番組向上機構(BPO)は審議対象としないことを明らかにした。

この他にも、

評論家の山田五郎氏が「鑑定団」の曜変天目の鑑定結果について、次のような疑問を呈しています。

・三好長慶の直系の子孫は、信長に攻められ断絶したのでは?
・2500万円という鑑定額は安すぎ。もし本物なら、最低でも1ケタ~2ケタ金額が違うはず。
・藤田美術館所蔵が曜変天目を購入したときの金額は、現在の貨幣価値で4~5億円だった。
・2500万円という安すぎる鑑定額は、中島誠之助さんの「迷い」が表れている?

ちなみに、曜変天目の再現を目指す九代目長江惣吉氏はテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、本物の曜変天目の値段は100億円の値段がつくと述べています。

中島氏が鑑定した「なんでも鑑定団」とは

出典: http://www.tv-tokyo.co.jp

「なんでも鑑定団」は、テレビ東京で放送されている人気番組で、正式名称は「開運!なんでも鑑定団」。

「なんでも鑑定団」の放送開始

「なんでも鑑定団」の放送開始は、1994年4月なので結構な長寿番組なんですね。

「お宝」を発掘することや鑑定結果に視聴者がドキドキしながら引き込まれる、面白い番組です。
 
 (個人的には正式名称の「開運!」の意味がイマイチ分からず疑問です…)

「なんでも鑑定団」の名物鑑定士:中島氏

出典: http://www.sakuratsutaeru.jp

今回騒動になっている「曜変天目茶碗」を鑑定したのは、同番組の名物鑑定士の中島誠之助さんです。

中島誠之助さんは、古美術鑑定家の肩書を持ち、番組の中では焼き物や茶道具の鑑定を担当していて、番組の開始当初からレギュラー出演している最古参の鑑定士です。

「いい仕事してますね~」のキャッチフレーズで有名です。

中島氏が鑑定した曜変天目茶碗とは

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?真贋騒動の行方】

「曜変天目茶碗」とは、天目茶碗の最上級のもので、単に「曜変天目」と呼ばれることもあります。
(ちなみに、「天目茶碗」とは、中国の天目山一帯のお寺で使用された茶道具のことです。)

そして現在、「曜変天目茶碗」は世界で3点しか現存しないとされ、そのいずれも日本国内に存在しています。

「曜変天目茶碗」がなぜ日本にだけ現存し、中国に残っていないのかという疑問は、今も謎とされています。

(※中国でも、器が割れたりして完全でない状態のものは発見されています。)

日本に現存する3つの曜変天目茶碗は下記で保存されています。

・藤田美術館(大阪市)
・静嘉堂文庫美術館(東京)
・大徳寺龍光院(京都市)

ちなみに、いずれも国宝に指定されています。

中島誠之助とは

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】

中島誠之助さんは、骨董商として、かって骨董屋「からくさ」の店主でしたが閉店し、現在営業はしていません。

若い頃は、日本大学農獣医学部水産学科へ進学し、当時は困難だった世界旅行をするためマグロ漁船に乗り込むなどユニークな経歴を持つ人です。

古美術鑑定の世界に入ったのは1960年からで、鑑定技術は骨董商の養父から学んだとのこと。

骨董の鑑定なんて難しそう…と皆思うと思いますが、中島誠之助さんも「100万円の値段で買った器の値段が1万円だった」という失敗談があるそうです。

素人から見たら、骨董の値段なんてあってないようなもので胡散臭い世界だと思います。

中島氏の鑑定に疑問を呈した九代目長江惣吉とは

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】(鑑定ミスその後)

九代目長江惣吉さんは、愛知県瀬戸市の陶芸家で、江戸時代から続く窯元の9代目になります。

父の代からの「曜変天目茶碗」の再現に取り組んで22年になり、曜変天目茶碗の故郷である中国福建省の建窯には28回も足を運んでいるなど、「曜変天目茶碗」に関する数少ない専門家と言えます。

父親の代から2代に渡って曜変天目の再現を目指すなんて凄いですね!

中島氏の鑑定に疑問を呈した九代目長江惣吉氏の見解

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】(ミスその後)

曜変天目の再現を目指す九代目長江惣吉さんは、自身の「鑑定団」の鑑定結果に対する反論意見を動画でYouTubeに投稿されています。

九代目長江惣吉さんの主な反論意見は、以下のとおりです。

・問題の鑑定団の茶碗は、自分が購入した現代中国製の茶碗とそっくりで数千円の値段で買える。
・本物の曜変天目茶碗はオパールのように角度によって光彩が変化する。
・建陽市で作られ、骨董街で数百元の値段で売られている。
・茶碗の底に記されている「供御」の意味について、
「鑑定団」では「天皇・上皇、室町期には将軍が使う器に彫られるようになった」と説明されたが、そのような風習ははなく陶磁研究者でそのような説を唱える人はいない。
・「供御」は、現代の偽物に刻まれることが多く、「供御」と彫られていることは偽物の証というのが研究者の間の常識。

なんでも鑑定団「曜変天目茶碗」偽物騒動の現状

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】真贋騒動の行方

ここまで見てきた、鑑定団の「曜変天目茶碗」偽物騒動ですが、その後の状況をまとめると以下のとおりです。

・「テレビ東京」、「中島誠之助氏」は、ともに公式には鑑定ミスを認めていない。

・該当回の再放送はされていない(この回だけ飛ばされている)。

・番組プロデューサーが2017年4月に交代した。

・問題の茶碗を「曜変天目茶碗」と認める関係者は一人も出ていない。

中島誠之助氏の対応(鑑定ミスその後)

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】真贋騒動の行方

「鑑定団」の番組で、「12〜13世紀(南宋時代)に福建省の窯で焼かれた曜変天目茶碗である」と鑑定し、鑑定額を2500万円とした重宝人の中島誠之助さんは、今回の騒動についてその後とくにコメントした形跡がありません。

値段が安過ぎでは?とか、鑑定ミスでは?とか、真贋判定の必要性とか、偽物では?とかの意見も有るなか沈黙を守っているようです。

番組の一出演者としては、テレビ東京に対応を任せたという格好でしょうか。

テレビ東京(テレ東)の対応(鑑定ミスその後)

【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】真贋騒動の行方

・テレビ東京は、2016年12月20日の「開運!なんでも鑑定団」放送前に、大々的に宣伝をしていました。

例えば、「番組始まって以来 最大の発見!」鑑定士・中島誠之助も驚愕のお宝がスタジオに出現!!…

このテレビ東京のプレスリリースを受け、メディア各社もテレ東のプレスリリースを報道し騒動が拡大する原因になったことは否めません。

・テレビ東京は、「鑑定結果は番組独自の見解に基づくもの。番組の制作過程はお答えしていない」(広報部)とコメントするのみで鑑定を再現する再鑑定への動きは見られません。

・「なんでも鑑定団」の再放送で問題の回が飛んだ?

「なんでも鑑定団」の再放送で、問題の「曜変天目」の回だけ飛ばされているとの指摘もされています。
また、地方ネット局でも問題の「曜変天目茶碗」の放送回だけスキップされ飛ばされたとの指摘があります。

・テレビ東京「高橋雄一社長」の対応

2017年2月23日、テレビ東京の「高橋雄一社長」は定例会見で、「番組独自の鑑定」と述べ、局としての見解は今まで通りとした。

また、長田隆編成局長も「番組独自の見解、とお答えしている通り」とコメントした。

・「なんでも鑑定団」のプロデューサー降板

2017年4月4日放送分のスタッフロールより、岡田英吉プロデューサーの名前が消えていることが判明。

まとめ【なんでも鑑定団の茶碗は国宝級の曜変天目?偽物?】真贋騒動の行方

2016年12月20日の「開運!なんでも鑑定団」放送から、1年近くが経とうとしていますが、「曜変天目茶碗」は本当に国宝級茶碗だったのか?それとも鑑定はミスで偽物だったのか?

疑惑に対する答えは出ていません。

というか疑惑を晴らそうとする意思もないように見えてしまいます…
これは二代に渡って曜変天目の再現を目指す九代目長江惣吉氏にとっては大変悔しいでしょうね。

テレビをはじめメディアの責任ってこんなものなの?と愕然とします。

なんでも鑑定団の「曜変天目」(国宝級茶碗)の偽物騒動は、このまま有耶無耶で終わるのでしょうか。
このままでは人々の記憶からやがて消えてしまう可能性が高い気がします。

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