2021年08月02日公開
2021年08月02日更新
ついに頭部移植手術が成功か。残すは人間だけ!記憶や人格はどうなる?
人類は不老不死となるのか?世界では頭部を移植する手術が行われようとしているそうです!!脳にダメージはないのか?また脳に記憶や人格はちゃんと残るのか?世界中が期待と不安を持つ中、莫大な費用とリスクを伴った世紀の頭部移植手術が今年行われます!!
目次
頭部移植手術とは?
出典: http://www.huffingtonpost.jp
頭部移植の最も古い記録は1908年。犬の頭部移植に成功しています。とはいえ、元の犬の頭部を残したまま「一つの体に二つ頭がある」という移植ではありますが・・・。
頭部移植手術とは文字通り、頭部を移植する手術のこと。
頭部移植が成功したら、体が年老いても頭部を変えることで寿命が大幅に伸びることが予想されます。
体が若返ると頭部まで影響が出て若返るかもしれないとも言われているようですね。
現在のところ、他の動物達で実験したところ成功例が出ていますが、人間で実験を行ったことはありません。
人間に最も近い存在である「猿」への実験は行われましたが、猿の実験では完全に成功とは言えない結果に終わっています。
1845年に実験された笑気麻酔での実験から、頭部移植の時代へ
出典: http://www.nasushika.com
1845年に初めて実験された「笑気麻酔」。1845年にの実験では失敗に終わりましたが、こういった積み重ねが現在の頭部移植手術まで繋がっています。
出典: http://nico-wisdom.com
1845年に公開された笑気麻酔より以前も様々なやり方で痛みを和らげようとしたようですが・・・ほぼ拷問のような状態だったようですね。
出典: http://challengers.terumo.co.jp
1845年、公開実験が失敗に終わったものの、翌年1846年に吸入麻酔を見事に成功させたウイリアム・モートン医師。
出典: http://challengers.terumo.co.jp
実は1845年以前の1842年にに「エーテル麻酔」という麻酔を開発していたクロフォード・ロング医師。しかしロング氏はあまり大発見だと思っていなかったらしいです。
1845年、失敗に終わったものの、現在の最高の外科手術となりそうな「頭部移植手術」にまで繋がった年であるのは間違いないようです。
外科手術にとって麻酔があることは当たり前となっていますが、もちろん麻酔がはじめからあったわけではありません。
昔は外科手術は拷問のような痛みに耐えなければいけないものであり、麻酔なしで体にメスをいれるのは死神に体をあけわたすような心境だったと言います。
しかし、初めての吸入麻酔である「笑気麻酔」が研究開発され、1845年に公開実験、翌年には成功し、外科手術は一気に成長していったのです。
そして外科手術は大きな発展をし、今では禁断の頭部移植手術まで行われようとしているのですね。
頭部移植手術は実現可能なのか?脳は大丈夫?
出典: http://karapaia.com
頭部移植手術の風景を考えてみると、様々な問題・・・脳の損傷、人格が保たれるのかなどが浮かびますが、果たして可能なのでしょうか?
頭部移植手術を可能にする道具「非常に鋭利な刃」
出典: http://gigazine.net
TEDxで頭部移植手術について語るセルジオ・カナベーロ(Sergio Canavero)氏。
頭部移植手術を可能にする為にはいくつかの問題をクリアしなければいけない。
頭部移植手術を可能にする為には脊髄の損傷を限りなく抑えるということも大事な条件となります。
脊髄の損傷が脊髄に加える力が2万6000ニュートンなのだそうです。
しかし非常に鋭利な刃で脊髄切断を行うとわずか10ニュートンほど。
因みに10ニュートンとは大体1kgくらいの力のことをいいますので、2万6000ニュートンから10ニュートンという差はとてつもなく凄いことなのが分かりますよね。
この非常に鋭利な刃を使用することでほとんど傷つけずに手術が可能となり、脊髄切断後に回復させることが出来るのだそうです。
頭部移植手術を可能にするのは「PEG」
出典: https://ja.wikipedia.org
ポリエチレングリコールの構造式です。
PEG(ポリエチレングリコール)とは高分子化合物の名称。
PEGは様々な用途に使えますが、脊椎損傷の治癒に効果があることがイヌの実験で分かっています。
PEGを使うことで切断した後移植した頭部と体をくっつけることが出来るのだそうです。
神経や細胞なども繋いでくれる超すごい接着剤・・・と解釈しておけば良いみたいですね。
頭部移植手術を可能にする「青い血液」
出典: http://karapaia.com
画像は昨今注目されている貴重なカブトガニの血液だが、このような色なのでしょうか?
頭部移植手術で問題になるのが大量出血。
しかし、「ペルフトラン」と呼ばれるロシアが開発した青い人工血液を使うことによって頭部移植手術の大量出血がカバー出来るのだと医師は言います。
頭部移植手術はマウスでは成功した
出典: https://www.gizmodo.jp
マウスの頭部移植実験はなんと成功しました!実験の成功確率は100%ではないようですが、凄いことですよね。ちゃんと脳と体の神経が繋がっているようです。
マウスの頭部移植実験では、マウス16匹の脊髄を切断。
その後、半数のマウスに先述したPEG(ポリエチレングリコール)を使用、残りの半数には食塩水を使用しました。
実験の4週間後、PEGを使用したマウスの半数は死亡。残りの半数はある程度動けるようになりました。
食塩水を使用したマウスは1匹も動けるようにはならず、PEGが改めて効果があることが実証されたのです。
二つの頭にする頭部移植手術は結構普通に出来てしまう?
出典: http://gigazine.net
マウスを三匹使用しての頭部移植実験の様子。
出典: http://gigazine.net
頭が二つになったマウスの画像。なんだか人間の罪深さを感じてしまう恐ろしい実験です。
この実験ではマウスを三匹使用。
余分な一匹は血液供給用として使われます。
頭部を切断したマウスの血管を、もう一匹に繋げておくことで血液の循環が保たれるという方式です。
このやり方であれば脳にダメージはいかないので、手術の間も普通に脳は動いていたそうです。
マウスの脳は上手く繋げられたのか?
こちらは頭部を完全に移植されたマウス。大分ぎこちない動きはしていますが、間違いなく動いています・・・!!
脳へのダメージは抑えられ、ちゃんとPEGの効果により神経なども繋がっているようですね!
もちろん人格(マウス格?)も、脳は同じなのですから残っている・・・のでしょうか?
頭部移植手術は猿にも行われた
猿の脳は上手く繋げられたのか?
出典: http://yurukuyaru.com
人間に近い動物「猿」の頭部移植手術は若干成功しているようです。もし猿で成功するのなら人間も・・・?
出典: http://yurukuyaru.com
脊髄神経の結合はしていなかったため、倫理的に手術後20時間後に安楽死の処置をされました。脳は一応無事だったのでしょうか?
中国のハルビン医科大学でレン博士による猿の頭部移植手術が行われました。
手術では頭部と血管を繋げることに成功し、神経損傷などの影響も出ていなかったそうです。
今回の猿を用いた実験では脊髄の結合まで行われなかったため、もし長く生きても四肢が動くことは無かっただろうといわれています。
とはいえ、四肢は動かなくても脳が無事で生きていられるだけでもすごいことですよね。
ですが、人間に近い猿で頭部を移植するということは可能ということが証明されました。
そしてPEGの効果もマウスにより証明されています。
ここまでくれば、人間でも出来るんじゃないか・・・!?となりますよね。
犬の脊髄を90%切断した場合は回復させることが出来た
出典: https://www.gizmodo.jp
猿と同様、犬でも頭部移植手術の為の実験がされています。画像は手術後に次第によくなっていく犬の様子です。
上記画像は犬の脊髄を脊髄を90パーセント切断した後の回復の様子です。
犬は実験後二週間後には後ろ足を引きずって歩けるように、三週間後には歩き、尻尾を振ることができるようになったようです。
まだこの実験は一匹しかなされていないようでサンプルの少なさが問われているようですが、脊髄は90%損傷しても徐々に回復するということが分かりました。
出典: http://igcn.hateblo.jp
マウス同様、頭部移植(上半身移植?)の実験が行われた犬。
マウスの時と同様、上半身だけ移植された犬。
人間は怖いですね・・・。
ですが、このようなことが出来るということが分かったのは大きな成果です。
しかし人間で同じことはやって欲しくないですよね・・・。
もし人間でやったとしたら、人格などはどうなるのでしょうね!
頭部移植手術が成功すれば脳は無事な患者が助かるかもしれない
出典: https://kknews.cc
今回頭部移植手術を受けることで有名になった患者、ロシア人コンピューター科学者のバレリー・スピリドノフさん。現在31歳。パーキンソン病に似た病気を患っています。
筋肉や脊髄神経が次第に委縮していくウェルドニッヒ・ホフマン(Werdnig-Hoffmann)病に悩まされているロシア人のバレリー・スピリドノフさん。
パーキンソン病に似た病気で、パーキンソン病も筋肉が萎縮していき、次第に肺を動かすことも出来なくなってしまう恐ろしい病気。
ウェルドニッヒ・ホフマンさんは幼少期から車椅子生活をしており、現在は携帯電話を持つことも出来ないそうです。
通常この病気を患うと20年以上生きられないそうですが、なんと現在31歳。
しかしいずれは呼吸も出来なくなるそうなので、もう時間がありません。
ドナーは中国人になるかもと言われていましたが、ロシア人であるバレリー・スピリドノフさんはロシア人にして欲しいと言っているようで、まだまだドナーがどうなるかは分からないようです。
手術の場所も様々な候補があり、ロシアになるかどうかは未定のようですね。
頭部移植手術はパーキンソン病患者を救う?
パーキンソン病が全身の筋肉が少しずつ萎縮し弱っていく病気で、治すことの出来ない難病です。
しかし、そんなパーキンソン病が治せるかもしれないと期待をかけられているのが頭部移植手術。
頭部をごっそり移植し健康な体と入れ替えてしまうという大胆な手術ですが、これにもし成功すれば、沢山のパーキンソン病患者が助かるかもしれません。
頭部移植手術失敗への恐れは?
初の公式な頭部移植手術を行うことに対しての恐れが皆さんの気になるところ。
ですがバレリー・スピリドノフさんはもう余命が長くないので、この手術をしなければどのみち近い未来に亡くなってしまいます。
ですので、近い内に必ず来る悲しい未来を避ける為にもバレリー・スピリドノフさんはこの手術を受けますと語っています。
頭部移植手術を行うのは現代のブラックジャック
出典: http://igcn.hateblo.jp
ロシア人コンピューター科学者のバレリー・スピリドノフさんの頭部移植を行う予定のイタリア人の医師、セルジオ・カナベーロ(Sergio Canavero)氏。
神経外科医のイタリア人医師、セルジオ・カナベーロ(Sergio Canavero)氏。
神経外科医としては凄腕なのだそうですが、今回の頭部移植手術をグイグイ進めていることにより、危険な医師だと認識されているようです。
「フランケンシュタイン博士」や「現代のブラックジャックだ」など、様々な呼び名で呼ばれて話題になっていますね。
今回手術を受けるロシア人コンピューター科学者のバレリー・スピリドノフさんにとってカナベーロ氏は命の恩人となるかどうかでまた、世間の評判は変わりそうです。
現代のブラックジャックのスピーチ動画
こちらはTEDxに登壇したときのセルジオ・カナベーロ(Sergio Canavero)氏。
動画の中で様々な可能性や、パーキンソン病患者での話しなどを話しています。
セルジオ・カナベーロ氏がメタルギアソリッドに出演!?
出典: http://igcn.hateblo.jp
左がカナベーロ医師、右がメタルギアソリッドの登場人物。
TVゲーム「メタルギアソリッド5」にセルジオ・カナベーロ氏にそっくりな医師が出てくると話題になっています。
確かに上記画像を見ると・・・そっくりです。
この件に関しては様々な憶測が飛んでおり、「頭部移植手術はカナベーロとコナミが手を組んだメタルギアソリッドの宣伝活動だ」などと言われたりしているようです。
しかしカナベーロ氏は既にコナミに対して損害賠償請求を送ったと言っており、どうやら迷惑している様子です。
漫画「ブラックジャック」で頭部移植をしている
出典: http://www.akitashoten.co.jp
体が石に・・・という話しの中で頭部移植手術を行うブラックジャック。
現代のブラックジャックなどと言われるカナベーロ氏ですが、それは漫画「ブラックジャック」にも頭部移植手術が行われていることも原因の一つのようです。
ブラックジャックの「からだが石に・・・」という話しでは、筋肉が段々骨になり固くなっていく難病の子供がおり、頭を違う体にうつすか筋肉を全部取り除くか、という二択でした。
しかしドナーとなる子供の遺体はそうそう無いので、父親はそこらへんの子供を轢き殺して体を貰おうとします。
しかし、結果的には妊娠中の母親を轢いてしまい、赤ちゃんは死亡。
ブラックジャックはその死んだ赤ちゃんに少年の頭部を移植する、という話しでした。
頭部移植手術にあたっての世界の反応は厳しい
脳が人権を持つのかどうか
出典: http://okimideiko.blog.fc2.com
カナベーロ医師の勢いは止まらないが学会は反対している。
頭部移植手術にあたって様々な倫理的問題も存在します。
まず、頭部を変えたことによって、人格は頭部になるだろうと推測されます。
ですが人格はさておき、人権としてはどうなるのか?
戸籍はどちらになるのか?
頭部の持ち主が人格を持っているのならば頭部の人権が残り、戸籍も頭部の持ち主となりそうですが・・・こういった部分もまたかなり難しい問題となるようです。
人格は頭部だったとしても、人体のほとんどを占める体部分は他人のもの・・・ドナー提供者の家族はどういう心境になるのでしょうか・・・
脳と脳だけを交換・移植するという方法もあるらしい
脳だけ移植することで、人格や記憶を全く別の体に移せる
出典: http://karapaia.com
カナベーロ氏は脳だけ移植させる手術も三年以内に行おうと計画しています。
頭部移植手術に突き進むカナベーロ氏。
カナベーロ氏は三年以内に脳だけを移植する手術も計画しているそうです。
脳だけを移植すれば顔はもちろん、外見の全く違う肉体に人格と記憶だけを持って移り住めるということ。
もし成功すれば、若返りたい人が若い人を殺して、人格と記憶だけを移そうとする事件が起きてしまいそうなほどの強烈な実験です。
また、死亡後に極低温凍結された人間の脳を復活させることが出来るかもしれないと言われています。
もし記憶までちゃんと蘇ってしまったら・・・人間は不老不死になってしまうのかもしれません。
脳だけを移すことが成功する可能性は「アリ」
出典: http://karapaia.com
人格や記憶が詰まった脳だけを移すのには様々なメリットがあります。
脳だけを移植をすることにはいくつものメリットがあるそうです。
脳はとても中立的器官なのだそうで、移植後の拒絶反応の心配がないとのこと。
だがもちろん、脳を別の体に収めれば何かしらの問題は起きるはず。しかしやってみなければ分からないというのが実際のところです。
恐ろしいのは、やってみた後、確かに人格や記憶や男女の性別が残っていたとしても、大変な苦痛などが起きた場合。
今まで試されたことが無い実験ですので、どんなことが起こるか分かりません。
もちろんそれは頭部移植手術も同じで、移植後どんな恐ろしいことが起こるかは分からないのです。
しかし、脳移植手術や頭部移植手術が成功すれば「死」が無くなり、「死」が無くなるということは宗教も無くなってしまい、世界がひっくり返るほどの人類の進化が起こりえるのです。
人類は不老不死を実現出来るのでしょうか?
この恐ろしい実験に託されています。
皆の疑問「男女を頭部移植で逆にするとどうなるの?」など
性転換手術を行うなど、色々な苦労がある性同一性障害を持つ男女にとっても、頭部移植手術は大きな可能性を秘めているかもしれません。
今までは部分部分、手術を行うことで男女の性を変え、また異性のホルモンを駐車することで内部からも男女を逆転させていました。
ですが、頭部移植手術や脳移植をすることで、いきなり男女の性を変えられるかもしれない可能性を秘めています。
体が入れ替われば、脳の性同一性障害と体が一致するのですから、もしかすると問題なく性が変わるのかもしれません。
ただ、どうせ入れ替わるなら美しい男女と替わりたい、と誰しも願うでしょう。
そうなると美しい男女を狙って殺人が起きる可能性があり、そういった問題への対処も考えなければいけなくなりますね・・・。
まとめ~人類が不老不死になる日が近づいている~
出典: http://gigazine.net
不老不死が幸せかどうかは定かではないけれど・・・!?