上陸禁止!「孀婦岩」という住所不定の謎の未亡島

皆さんは『孀婦岩』という島を知っていますか?東京都伊豆諸島方面にある火山なのですが「なんでここにあるの?」と言わんばかりに沖にちょこんと突出している島(岩?)です。今回はそんな不思議な岩である孀婦岩についてご紹介しましょう!

上陸禁止!「孀婦岩」という住所不定の謎の未亡島のイメージ

目次

  1. 1事故多発!?謎の未亡島、孀婦岩(そうふがん)
  2. 2海底2500mから屹立する孀婦岩
  3. 3孀婦岩の場所を地図で紹介しましょう
  4. 4【歴史】孀婦岩が発見されるまで
  5. 5【歴史】孀婦岩、名前の由来
  6. 6孀婦岩をツアーで楽しむ
  7. 7孀婦岩でダイビングや釣りを楽しむ
  8. 8孀婦岩でロッククライミングを楽しむ(転落事故要注意)
  9. 9早稲田大学探検部が孀婦岩の頂上まで初登頂。恐るべし。
  10. 10【おわりに】様々な楽しみ方ができる謎の孀婦岩、皆の反応

事故多発!?謎の未亡島、孀婦岩(そうふがん)

皆さんロッククライミングは好きですか?釣りは好きですか?そんなアウトドア好きな皆さんに朗報です。東京湾沖に絶好のスポットがあるのでご紹介しましょう。
その名も「孀婦岩」。一応海底火山になるのですが、なーんにもない東京湾沖にちょこんと突出していて、とても不思議な岩です。「どうしてここにあんの!?」と言わんばかりに違和感のある場所にあるのですが、もの好きな人は孀婦岩でロッククライミングをして登頂(転落注意)してみたり、孀婦岩付近で釣りをしてみたり、ダイビングをしているみたいです。
 

普段キャンプ場や釣り掘などでアウトドアを楽しんだり、「サバイバルとか楽しそ~」とか考えてるみなさん!
転落など事故の危険性も十分ありますが、サバイバルって危険だからこそサバイバルです。
孀婦岩で本気のサバイバルをしましょう。
場所がわからない?ご安心ください。今回は地図付きで丁寧にご紹介しましょう。
また、物好きな方向けのツアーもあったり、早稲田大学の学生が頂上までロッククライミングで登頂した記録も残っているようです。
という事で、今回は断崖絶壁の孤島ならぬ孤岩、孀婦岩についてご紹介します。

海底2500mから屹立する孀婦岩

まずご紹介したいのは、孀婦岩の異様性です。海底火山、とりわけ沖の方にある火山は海底火山という名の通り、海面から下に山なりに成形されています。海底にある理由として、海面から突出した部分は荒波にもまれるため、徐々に削り取られ、最終的に海面から上の部分は消滅してしまうからです。
地球が成形されてから間もない時期は海面から突出していたかもしれませんが、海底火山のほぼすべては、海面から下にあります。
ただ、孀婦岩を除いては。

出典: https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

通常の海底火山はこんな感じで、荒波が立ってる海面の岩は削りとられる

この孀婦岩は、長年荒波にもまれているにも関わらず、まだ海面から突出する部分を維持しているのです。
この謎は、未だに解明されていません。また、孀婦岩だけにかかわらず、日本の太平洋まわりにある海底火山には、孀婦岩のような謎の地形の火山もある程度存在しています。例えば明神礁(みょうじんしょう)、福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)等です。これらの火山(正確には岩)は、波蝕に影響されることなく未だに海面に岩を形成しています。
謎すぎますし、ロマンにあふれていますよね。

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

これが孀婦岩のイメージ図です。太平洋の荒波にもまれ削りとられる海底火山が多い中、孀婦岩だけは海面から突出する山の先端を残し続けています。な、謎すぎる。。。

出典: http://www.hazardlab.jp

明神礁がこちら

孀婦岩と同様、海底火山で海面に岩を成形している明神礁がこちら。
これは波蝕の影響がありつつも、残るべき部分は残ってるという印象がありますね。

出典: http://www.data.jma.go.jp

福徳岡ノ場がこちら

福徳岡ノ場は貴重な噴火時の画像も記録されています。
かなりの大迫力ですね。近くで釣りやダイビング、登頂なんてしてたら、まずは事故では済まないでしょう。

孀婦岩の場所を地図で紹介しましょう

お次は孀婦岩の場所について、地図でご紹介したいと思います。
具体的な場所を地図付きでご紹介すると、東京から南に約650kmは離れている場所にあります。
直線距離で換算して、東京から広島までの距離と大体同じなんですよね。一番近場にある八丈島という場所から孀婦岩まで向かったとしても、大体20時間ほどかかります。

出典: http://www.weblio.jp

孀婦岩の地図がこちら。完全に孤立していますね。

地図でみるとなおさら本州からの遠さが際立ちますね。
こんな海のど真ん中に岩がそびえたってると考えると、不思議で仕方がありませんw

出典: https://www.google.co.jp

もう少し詳細な地図はこちらです。
唯一、人が住んでいる八条島から船で約20時間かかります。

【歴史】孀婦岩が発見されるまで

さて、地図で孀婦岩についてご紹介した所で、お次は孀婦岩の歴史についてご紹介しましょう
孀婦岩について、確実な情報として記録を残した人物は、イギリス人でした。
名前はジョンミアーズ。
ジョンミアーズ氏は海軍の軍人で、階級は大尉でした。
彼はアメリカとの交易のためマカオを出発後、ミンダナオ島という場所を通過し、アメリカへ向かおうとしていた途中で孀婦岩を発見しました。

出典: http://fusigi-silentdance.com


ジョンミアーズ氏の記録によりますと、1788の4月9日に孀婦岩を発見しました。ジョンミアーズ氏は「孀婦岩へ近づいていくにつれて、どんどん私たちの驚きは大きくなっていきました。私も含めた船員達は、この岩は超常的現象、神の力がこの岩の形を成形したのだ。と信じていました。」と当時の事を記録しています。
まあ、無理もありませんよね。こんな沖に孀婦岩があったら誰でもビックリしますw

【歴史】孀婦岩、名前の由来

ジョンミアーズ氏は、まだ名前のなかった孀婦岩の名前を『Lot's wife(ロトの妻)』と名付けました。
ロトの妻とは、旧約聖書の創世記に書かれている、神の指示に背いたせいで、身体を塩の柱に変えられた女性の事を指します。
塩の柱であるロトの妻と孀婦岩の形状が非常に似ている事から名付けたようです。

出典: https://plaza.rakuten.co.jp

ロトの妻『塩の柱』の画像はこちら

また、ジョンミアーズ氏が行った報告と、実際の孀婦岩の位置は大きく異なっていたようで、実際の位置より17度あまり東にあるという報告を当時受けたそうです。
日本語の文献では1885年に発表された「寰瀛水路誌」にて、Lot's wifeを漢字で当て字にした形で孀婦岩の名前が登場します(当て字なのでロッツワイフと呼んでいた)
これはLot's wifeの事を『やもめいわ』と訳していたものだそうで、やがて孀婦岩を音読するようになり、現在の「そうふがん」という呼び名に変わったとされています。

孀婦岩をツアーで楽しむ

近場の島からでも約20時間かかる孀婦岩ですが、なんと孀婦岩にいけるツアーがあるようです。
そのツアーは孀婦岩がメインのツアーではないようですが、伊豆諸島へのクルージングの途中で孀婦岩が見れるようで、半分、孀婦岩を観光するためのツアーになっているようですw

実際にこのツアーの動画をみてみると、孀婦岩まで結構近づくんですよね。頂上から岩が落ちてくるなどの事故がありそうで結構怖いです。

出典: http://ustedva.blog.fc2.com

ツアーの様子がこちら。
デッキから孀婦岩を眺めています。かなり近場まで寄るようです。

孀婦岩でダイビングや釣りを楽しむ

孀婦岩でダイビングを楽しむ動画

なんと孀婦岩まわりでダイビングを楽しむ猛者もいるようです。
因みに海の深さは約2500m。よくこんな深海でダイビングできるもんですね。
なんでもこのあたりは透明度が高く、魚の種類が豊富なため、スキューバダイビングはよく行われているとのこと。
火山噴火などの事故が隣り合わせのダイビングです。

孀婦岩で釣りを楽しむ動画

更にまた、ダイビングだけではなく釣りを楽しんじゃっている方もいらっしゃるようです。
こんなところで釣りして、何を釣るのでしょうか。どうやらマグロが釣れるスポットのようです。

釣りをする際もですが、事故には充分お気を付け遊ばせ。。。

孀婦岩でロッククライミングを楽しむ(転落事故要注意)

また、孀婦岩の頂上を目指すためロッククライミング道具一式を持参し、登頂する方もいるようです。
因みにこのあたりの波の高さは8メートルから10メートル。かなりの荒波です。登頂するためにはもちろん、近くまで寄せる船が必要ですが大きいものでは近づけないので当然ゴムボートになります。

出典: http://nodaland.exblog.jp

この岩の頂上を目指すため、ロッククライミングをし登頂する猛者もいるらしい。
転落事故を起こしそうで怖いですね。

波の高さがあることから、クライミングする場合は序盤波がもろにかかります。これに持ってかれたら間違いなく転落するでしょう。
また、それが一回で済めばいいのですが高さが10メートル程あるので、クライミング中は何度も波にのまれる危険性があります。

皆さん想像してみてください。自分の8倍近くの高さの波がうねり狂う中を、ゴムボートを漕いで近づき、99メートル近くある岩に登ることを。
 

出典: https://thechange.jp

ちょっとでも波にもってかれたら転落です。

早稲田大学探検部が孀婦岩の頂上まで初登頂。恐るべし。

早稲田大学探検部が初登頂

出典: https://www.waseda.jp

早稲田大学の校章。ここから伝説が生まれる。

孀婦岩を一番初めに頂上まで登頂したのが、早稲田大学探検部だそうです。
時は結構昔で、1937年にはすでに早稲田の学生が、転落の危険も顧みず頂上まで登頂していたようです。
残念ながら当時の記録は写真などが無く詳細が残ってないため、これ以上の紹介ができないのが残念で、悔やまれますが、早稲田大学探検部、恐るべし。

出典: http://wasedatanken.com

早稲田大学探検部の皆さん。頂上まで登るのはいいですが、転落事故にはくれぐれも気を付けてくださいね。

【おわりに】様々な楽しみ方ができる謎の孀婦岩、皆の反応

孀婦岩では、クライミング・釣り・ダイビング・ツアー等楽しめる!

孀婦岩はいつ見ても怖い
— 荒木佑介 (@araki_yusuke) July 30, 2017

今回は孀婦岩についてご紹介させていただきましたが、いかがだったでしょうか。
皆さんの声をきくと、やはり「怖い」というのが第一印象でしょうか。

筆者も記事を書きながらかなり怖かったですw
ただそれでも、この孀婦岩という99mの巨岩に不思議な魅力を感じるのは筆者だけでしょうか。

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