幻の特攻隊「伏龍」がヤバすぎる!特攻する人間兵器と呼ばれる攻撃隊

「伏龍」と言う特別攻撃隊があったことをご存知でしょうか。また、ヤバすぎるというのは、一体どういうことでしょうか。今回、特別攻撃隊「伏龍」の開発経緯、装備、攻撃方法、ヤバすぎる理由、幻の特攻隊と呼ばれた理由や、伏龍以外の人間兵器をご紹介します。

幻の特攻隊「伏龍」がヤバすぎる!特攻する人間兵器と呼ばれる攻撃隊のイメージ

目次

  1. 1特攻隊の伏龍を知っていますか?
  2. 2特攻隊「伏龍」とは?
  3. 3伏龍が開発された経緯は?
  4. 4伏龍の潜水器具は?
  5. 5伏龍の恐るべき攻撃方法!
  6. 6伏龍の主力隊員はどのような人達?
  7. 7伏龍の開発には人間兵器以外にもう1つの恐ろしい考えがあった!
  8. 8人間兵器「伏龍」のヤバすぎる内容!
  9. 9伏龍が幻の特攻隊と呼ばれたワケは?
  10. 10伏龍以外の特攻兵器
  11. 11まとめ 悲惨な人間兵器と犠牲者があったことを忘れてはならない

特攻隊の伏龍を知っていますか?

出典: http://saitankekkon.com

特攻隊は、特別攻撃隊の略称なのは誰でも知っていますね。それでは、特攻隊の「伏龍」とは、どのような特攻隊なのか、ご存知でしょうか。
特攻隊の零戦は知っているけど、伏龍は聞いたことが無いと言う方に、「伏龍」とは何なのか、その開発経緯、装備、攻撃方法、ヤバすぎる理由、幻の特攻隊と呼ばれた理由や、伏龍以外の人間兵器をご紹介します。

特攻隊「伏龍」とは?

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

「伏龍」とは、海軍が特別攻撃隊用として開発した人間兵器で、人間機雷とも呼ばれています。

アメリカ軍の本土上陸に備えて考え出されたもので、潜水服を着た人間が、機雷を取り付けた棒を持ち、浅瀬の海底からアメリカ軍の上陸用舟艇の船底に機雷を突き当てて爆破、沈没させるというものです。また、伏龍は、最後の特攻作戦として考え出された3つの内の1つで「海底に伏する龍」を意味していました。
残りの2つの特攻作戦は、「土龍」「神龍」がありますが、これらの説明は、次の機会にしたいと思います。

機雷って何?

出典: http://www.independent.co.uk

「機雷」をご存知でない方のために、機雷が何かを簡潔にご説明します。
機雷は、「機械水雷」の略称で、海中や水中に仕掛ける爆弾です。つまり、水の中の地雷ですね。
左の画像は、第2次世界大戦時代の機雷の画像ですが、爆弾にトゲがあり、これに艦船の船底が触れると爆発するようになっています。
なお、伏龍の機雷は、画像のような形ではなく円筒状です。

伏龍が開発された経緯は?

出典: http://asiareaction.com

1945年1月に日本軍部内で、B29から日本の主要水路を封鎖するため投下された磁気機雷などが問題化します。
日本軍は、この磁気機雷などの処理方法として、潜水員が機雷に爆弾を仕掛け、遠隔操作で爆発させることを考え出します。
当時は、海底で長時間、自由自在に動き回れる潜水器具は無かったため、横須賀海軍の工作学校が、この潜水器具の研究・開発を行い、不眠不休で同年3月に実用化段階までこぎつけました。

一方で、海軍司令部では、この潜水器具を特攻兵器として使用することが考え出されます。
横須賀防備戦隊司令官は、同年3月11日付けで、横須賀海軍工作学校へ研究、生産体制、要員教育について具体案を提出するよう命令を出します。
この命令を受けた横須賀海軍工作学校は実験を開始、同年4月に成果概要の報告書を提出します。そして、同年5月に開発された潜水器具は、特別攻撃隊の兵器として正式に採用され「伏龍」と名付けられます。

伏龍の潜水器具は?

伏龍の潜水器具は、約1ヶ月という短期間で開発されたために非常にお粗末なもので、潜水服はゴム服、頭には潜水冠を被り、酸素ボンベ2本と呼気を再利用するための吸収缶を背負うというものでした。また、腹部には鉛ベルトを巻き、靴には鉛が組み込まれていました。
潜水冠には、ガラス窓が付いているものの足元しか見えず、その総重量は68kgにもなりました。

潜水器具を装着した伏龍の姿は、以下の画像をご覧ください。

出典: http://evnara.blog.fc2.com

実際の伏龍の正面画像

見るからに重そうです。

出典: http://evnara.blog.fc2.com

実際の伏龍の背面画像

背中の酸素ボンベが小さいですね。

吸収缶って何?

長時間の潜水を可能にするために考え出されたもので、呼気に含まれる二酸化炭素を苛性ソーダで除去し、再度吸入するというものです。開発段階での実験では、この吸収缶を使用することで、5時間の潜水時間を実現しています。
ただ、伏龍は欠陥だらけの人間兵器であり、この吸収缶は最大の欠陥でした。
これらの欠陥については、後述します。

伏龍の恐るべき攻撃方法!

出典: http://evnara.blog.fc2.com

伏龍の攻撃方法は、潜水器具を着用し、長さ2mの棒の先端に取りつけられた火薬量15kgの機雷で武装します。

機雷の付いた棒を持って浅瀬の海底に潜水し、上陸用舟艇が来るのを待ち伏せます。

上陸用舟艇が頭上を通過する時に船底に機雷を突き当て爆破し、沈没させるというものでした。

左の画像は、伏龍の攻撃姿を表したものです。

伏龍の主力隊員はどのような人達?

出典: http://www.yokaren-heiwa.jp

伏龍の主力となる機雷を手に持って出撃する隊員達の多くは、16歳〜20歳前の海軍飛行予科練習生の出身者達や、飛行機の搭乗員になる教育を途中で打ち切られた少年兵達でした。また、その指揮官は、学徒兵の予備学生出身の士官でした。

予備学生って何?

出典: http://uchidayasuhiro.cocolog-nifty.com

「予備学生」と言うのは、大学生や専門学校生が海軍に志願し、短期間の訓練を受けた後、最前線で指揮を執る士官となった学徒兵達のことです。

日本軍の戦況は悪化の一途をたどり、軍人だけでは士官が不足したため、学生達を充てていました。

伏龍の開発には人間兵器以外にもう1つの恐ろしい考えがあった!

出典: https://www.rirekisyodo.com

伏龍は、人間兵器として考え出された以外に、別の考えもあったと言われています。

その別の考えとは、伏龍の主力隊員達は前記しましたように、殆どが海軍飛行予科練習生の出身者達でしたが、この時期の海軍には飛行機も無くなり、搭乗員となるべく予科練習生達は余剰化、この予科練習生達を人間兵器として有効利用するためと言われています。

人間兵器を考え出すこと自体が狂気ですが、人間が余っているから兵器を開発して、それに充てるという、とんでもなく恐ろしい考えです。

人間兵器「伏龍」のヤバすぎる内容!

出典: http://ure.pia.co.jp

伏龍は、その開発期間が約1ヶ月という短期間であったために欠陥だらけの人間兵器でした。
それでは、その欠陥をご紹介します。

潜水器具の欠陥

出典: http://www.fahren-nagano.com

伏龍の最大の欠陥は、長時間の潜水を可能にするために開発された吸収缶でした。
吸収缶には、二酸化炭素吸収剤として苛性ソーダが使用されていましたが、吸収缶の接続ホースの破損などで海水が入って来ると、吸収缶の苛性ソーダが発熱、高温となった苛性ソーダが潜水冠に流れ込み苛性ソーダを飲み込んだり、吸い込んだりしました。また、呼吸法を間違えて飲み込んでしまうこともありました。
苛性ソーダは、強アルカリ性で皮膚を溶かすため、飲み込んだ口、食道、胃や吸い込んだ肺がただれ、少なくとも10名の隊員が亡くなっています。

呼吸法も独特で、鼻で空気を吸って口から吐くという方法でしたが、これを間違え、二酸化炭素中毒になり意識を失いました。

潜水を目的としたにも関わらず、潜水服は、密封性が悪く、簡単に海水が入って来るものでした。

潜水冠には、ガラス窓が付いていましたが、その視界は足元しか見えないもので、頭上を通過する上陸用舟艇を狙えるものではありませんでした。

武装の欠陥

出典: http://www.fbweb.jp

機雷を付けた棒は、水の抵抗で思う様に動かすことが出来ず、頭上を通過する上陸用舟艇に狙いを定めることは困難でした。

上陸用舟艇を攻撃し、機雷を爆発させると、この爆発の圧力で周囲の伏龍部隊を吹き飛ばすだけでなく、機雷まで爆発させる可能性がありました。

伏龍部隊が潜水している所にアメリカ軍の艦砲射撃などで砲弾が着弾、爆発すると、強烈な水圧の衝撃や、この衝撃で周囲の伏龍部隊の機雷が爆発し、部隊が一瞬のうちに全滅する可能性がありました。

伏龍が幻の特攻隊と呼ばれたワケは?

出典: http://dng65.com

伏龍が幻の特攻隊と呼ばれた理由は、部隊の編成途中に終戦を迎え、実戦には投入されませんでした。このため伏龍は、「幻の特攻隊」と呼ばれています。

伏龍が実戦に投入されなかったことで、若者達の命が無駄に奪われることはありませんでしたが、伏龍の訓練に3000人もの若者達が潜水訓練を受け、そのお粗末な潜水器具が原因で、少なくとも10名の犠牲者が出たことや、国のためとは言え、戦争に青春を捧げさせられた若者達の無念の思いは忘れてはなりません。
また、1945年6月に、伏龍の訓練中の土浦海軍航空隊がアメリカ軍の爆撃機による攻撃を受け、訓練生や教官、281名が犠牲となったことも忘れてはなりません。

伏龍以外の特攻兵器

出典: http://omura-highschool.net

伏龍以外にも人間兵器として開発された特攻兵器があります。
中には、ご存知のものもあると思いますが、戦争で狂った人間が生み出した特攻兵器をご紹介します。

人間魚雷:回天

出典: https://plaza.rakuten.co.jp

潜水艦に搭載する魚雷を改造したもので、魚雷に隊員1名分の操縦席を設け、操縦により敵船に体当たり攻撃をするというものです。爆薬量は、1.5トンを搭載量していました。また、最高時速55km/hで23kmを巡行できる性能がありました。

回天は、潜水艦の甲板に搭載、敵船近くまで運搬され攻撃を行いました。また、約400基が製造され、特攻作戦に約100基が出撃しました。

特攻艇:震洋

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

ベニヤ板で作られたモーターボートで、船首部分に爆薬約250kgを搭載し、敵船に体当たりするというものです。

人間ロケット:桜花

出典: https://blogs.yahoo.co.jp

火薬ロケットを装備したグライダーを操縦して、敵船に体当たり攻撃をするというものです。機首部分に爆薬1.2トンを搭載していました。
桜花は、グライダーということもあり、長距離を飛行できないため、母機と呼ばれる飛行機で目標近くまで運搬され攻撃を行いました。また、最高滑空速度は、648km/hに達しました。

桜花は、終戦までに755基が製造され、特攻作戦で55名が戦死しました。

神風特別攻撃隊

出典: https://www.ei-publishing.co.jp

神風特別攻撃隊は、誰でもが知っていますね。
日本が世界に誇った戦闘機の零戦が人間兵器として使用されました。

まとめ 悲惨な人間兵器と犠牲者があったことを忘れてはならない

出典: https://www.ccaurora.edu

今回は、最後の特攻作戦の1つとして開発された伏龍の開発経緯、装備、攻撃方法や幻の特別攻撃隊と呼ばれた理由などや、伏龍以外の人間兵器をご紹介しました。

特別攻撃隊「伏龍」は、潜水して攻撃を行うものでしたが、その姿の画像からは、とても潜水に適しているとは思えないものでした。また、実戦に投入前に終戦を迎えたことで、幻の特攻隊と呼ばれ、無駄に若者達の命が奪われることはありませんでしたが、お粗末な潜水器具が原因で、少なくとも10名の若者達が犠牲となったことや、戦争に青春を捧げさせられた若者達のことを忘れてはなりません。

戦争の犠牲になられた方々のおかげで、今日の日本、そして私達が成り立っています。

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