2021年07月01日公開
2021年07月01日更新
ゴリラは優しいは嘘?手話ができる『ココ』のエピソード&ゴリラの性格と知能まとめ
サンフランシスコの動物園で生まれたゴリラのココは手話を理解する知能があるゴリラとして広く知られています。性格が優しいと思われるエピソードの検証など「ゴリラは優しいは嘘?手話ができる『ココ』のエピソード&ゴリラの性格と知能まとめ」をお送りします。
目次
手話で会話ができるゴリラ?
ローランドゴリラのココは1971年に生まれてから40年以上もゴリラの性格や知能の研究対象として貢献してきだけではなく彼女が注目を集めることでアフリカのゴリラ、チンパンジーなどの類人猿が絶滅危惧種になっていることを知らせる役割も果たしています。ではなぜ彼女がここまで注目されるのか、少し解説してみましょう。
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手話ができるゴリラ「ココ」
ゴリラの知能は?性格は凶暴?優しい?
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ゴリラのイメージは映画「キングコング」の有名なエンパイアステートビルでのアクションシーンや大きな体格で相手を威嚇するため激しく胸を叩くドラミングの映像などが印象に残っている方は多くないですか?
最初の映画が公開された1933年の頃はまだゴリラの生態がよくわからず黒い色や大きな体格で凶暴なイメージを持たれていたようですが、現在は研究が進み、温和で繊細な動物であることがしられています。
見た目で損をしている?ゴリラは本当は優しい?
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ゴリラの生態は群れで行動し、複数の音声やジェスチャーをつかってコミニュケーションを取ることもわかってきています。群れ同士は敵対的ですがお互いを避けあうことが知られています。
同じ類人猿のチンパンジーは子殺しのエピソードなどがあり、誤解されやすいのですが、こんなエピソードがあります。動物園のゴリラの檻に小さな子供があやまって落ちてしまい失神している子供をメスのゴリラがオスのゴリラから守るように飼育員に渡す映像があり、ゴリラは知性があり優しい類人猿のようです。
類人猿でも種類によって生態が違います
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類人猿の研究者の間ではチンパンジーの子殺しはよく知られていて、ライオンのようにボスが交代した際に、以前のボスの子を殺してしまうことや、群れのメスがオスの子殺しをしたり、子殺しを救う若いチンパンジーの集団がみられたりと、様々なエピソードがあり、なぜチンパンジーに多く子殺しが起きるのか現在も原因がはっきりしていません。
ゴリラの「ココ」が有名になった理由
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ローランドゴリラの「ココ」が世界で名前を知られようになったきっかけは1971年までさかのぼります。この年に生まれた「ココ』は生後6ヶ月で重病にかかりその看病に心理学を専攻する大学院生だったフランシーヌ・パターソンが関わり、病状が回復した「ココ」と両親を殺され保護されていた「マイケル」の二頭のゴリラに研究として手話を教えたことが始まりです。
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最初は1972年から4年間の期間の研究だったのですが「ココ」が手話を理解しているような行動がみられるようになり、そのことから「ゴリラは手話を理解し自分の感情を相手に伝えることができる」と発表したことで一気に「ココ」の存在が知られるようになりました。
世界的に有名にゴリラ
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ココが世界的に注目を集めたのは手話でコミニュケーションが取れるのではないかということと、ゴリラが知性があり優しい生物なのではないかという研究発表によるものです。ゴリラの研究が進むにつれいろんなことが知られるようになりましたが、自然界に住むゴリラでは難しい研究がココで行われるようになりました。
ゴリラの「ココ」は優しい性格?
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ココを有名にしたエピソードのひとつに12歳の時のクリスマスのプレゼントに「長靴をはいた猫」と「三びきの子猫」の絵本と子猫が欲しいとおねだりしたそうです。絵本は届けられたのですが、子猫が欲しいという願いはチンパンジーの子殺しのこともあり、この時は子猫のぬいぐるみを与えました。このプレゼントにココは「悲しい」と手話で伝えふさぎこんでしまいました。それではと観察チームは不安を抱えながらも生きた子猫とココをあわせてみました。結果は写真をみるとわかるとおりココはとても子猫を可愛がり世界で初めて「猫を飼うゴリラ」として知られるようになりました。ココはとても猫好きで現在も2匹の猫と暮らしています。
下の動画は最初にココに与えられた猫が事故で死んでしまい、そのことを知らされたココが「悪い 悲しい 悪い」と手話のサインを見せた映像が収められています。
ココの性格と知能に疑問を訴える人がいるのはなぜか。
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ネットで「ゴリラ ココ」と検索するとココのことについて優しく賢いという記事と手話を理解しているのは嘘なのではないかという記事が出てきます。
極端に別れてしまう原因として考えられるのはパターソン氏が設立に関わった“The Gorilla Foundation”(ゴリラ財団)から発表されたココのエピソードや、テレビ局がココを長期間取材をしたときのエピソードが原因とも思われます。
出典: http://www.dailymail.co.uk
テレビの取材中、ココとパターソン氏が手話を使って会話をしているようなのですが、ココの会話は手話がわかる人でも理解ができないことが多く、複数のサインを使うのですがそれが全部パターソン氏が解説しないと意味がよくわからないことがココが現在でも会話ができるのは嘘ではないかと言われる原因です。
優しいと思わせる動画は多いのですが、、、
出典: https://www.koko.org
財団のHPには動画が多くありますが、ココの行動に疑問がもたれる動画もいくつかあり、ココが歌うという動画ではパターソン氏が歌っている後ろに少しだけハミングするようにココの声が入っているものだったり、キーボードを弾くという動画でココが弾いたものをココが弾いていない映像の上にかぶせる編集がされていたりします。どの動画も編集されていて嘘なのではないかと疑われても仕方がないかもしれません。またパターソン氏のココの行動に対する説明もつじつま合わせのような点も見受けられ、ココのことは嘘なのではといわれても仕方ありません。
知能があるから興味があるのかもしれませんが、、、
出典: http://boingboing.net
優しいというには無理があることも、、、
ココには問題となった行動があります。ココは人間の乳首に男性・女性に関係なく興味があるようで女性の関係者が着替えている時に手話でこちらを向いて着替えてほしいと要望したりそれをパターソン氏が、関係者ならココに敵対心がないと示すためそうするべきという発言をしたり、ココに関心を持って訪ねてきた人物の乳首を触ることもあるようです。
これはセクシャルハラスメントではないかと取り上げられました。この問題は現在は解決したようですが、知的で優しいとされ言葉を理解するのであればこの行動どうなのかという批判が出るのもうなずけます。
研究は評価されています
出典: http://www.sheknows.com
しかしココは“National Geographic”に何度も紹介されていたりロレックスアワード(ロレックスが優れたプロジェクトを支援する基金)を受けていたり自治体から援助をうけるなど一定の評価はされています。ですがゴリラ財団が興味をひくためのことが興味を持っている人たちの反感をかってしまっていることもあるのです。40年前から現在までチンパンジーの子殺しのようなネガティブな問題を起こすことなく観察を続けられているのはゴリラに知性や優しい性格が備わっている証拠のように思います。
ココが優しいのは嘘なのか?
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ゴリラ財団のHPにある動画はココの手話に関するものだけではなく色々な有名人とコミニューケーションをとる動画もあり、ロビン・ウィリアムスと絡む動画や、最近のものではレッドホットチリペッパーズのベースプレイヤーのフリーと絡む動画などもありゴリラ財団の広報役として話題を提供しています。
フリーと絡む動画でエレキベースに興味を示すなどゴリラの知能がどの程度なのかまだまだ計り知れない様子をうかがえます。またフリーのリラックスした様子を見るとココの性格が優しいのは本当のように思えます。
ゴリラの知能と性格は確かめようがないのか?
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ゴリラたちが描いたペインティング
確かに手話で会話ができるのかは疑問がありますが、「ココ」と同じ頃から一緒に観察を受けていた『マイケル」(2000年に死去しています)も同じようにサインを使って何かを伝えようとしていたことは確認されています。2頭のゴリラに絵を書かせた時に「ココ」は積極的に筆を動かすのに対し「マイケル」は考えながら筆を動かしていたようで、知能と性格があることは間違いないようです。画像はそのペインティングです。
ココの優しい性格や知能は研究としてはどうなのか?
出典: http://news.nationalpost.com
ゴリラの研究者によるとゴリラは高度に知的だと考えられています。ゴリラは笑い・悲しみなど豊かな感情を持っていて強い家族の絆をもち、道具を作って使い過去と未来を考えることができるといわれています。研究者によっては精神的感情や宗教的感情があると信じているようです。チンパンジーのように子殺しで注目をされることもなく、チンパンジーやボノボの次に人に近い類人猿種とみられていますがDNA配列はチンパンジーよりも15%以上ヒトゲノムに似ていることが確認されています。ココを含むゴリラの優しい一面はこのせいかもしれません。
ココが優しい性格で知能があることを強調する理由
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現在ゴリラが置かれている状況が財団が嘘のように見えてもゴリラに注目を集めようとする原因があるかもしれません。
ゴリラは絶滅危惧種に指定されていて、21世紀に入ってからアフリカで起きた伝染病でかなりの個体が死亡していることに危機感を感じ、ゴリラに関心を持ってもらう広告塔としてココのことを大きく取り上げていると考えることもできるのではないでしょうか?現在アフリカに住む東部ローランドゴリラの個体数は野生のものは5000頭未満で動物園で24頭が確認されており、マウンテンゴリラは最も深刻に絶滅の危機に瀕していて野生のものは880頭ほどしか確認されていないそうです。この状況を受けゴリラ協会はゴリラ保全のために初めて法的拘束力のある措置をとったそうです。
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ココの事が取り上げられのはゴリラにとって良い事?
残念なことにアフリカでは住んでいた場所が国定公園となり土地を奪われた住民が報復のために密猟を行ったり、単純に食料として捕獲されたり、エボラ出血熱が蔓延したり開発のために住環境が破壊されるなどゴリラを取り巻く状況は悪化していて、ゴリラの優しい生態や手話とはみとめられなくてもコミニュケーションとしてサインを使う知性を持っている事、ココが見せる猫や人に対する優しい性格を、類人猿でひとくくりにされ残酷なエピソードを混同されてしまうのは残念な事です。また日本ではインターネットの情報が偏ってしまっていて、新しい情報の更新がないのも理解が進まない原因かもしれません。画像は最近のココと猫たちの様子です。優しい雰囲気が感じられる素敵な画像だと思いませんか?
まとめ
以上「ゴリラは優しいは嘘?手話ができる『ココ』のエピソード&ゴリラの性格と知能まとめ」をお送りしました。実際に動画を見てもらえると良いのですが、ゴリラ財団が管理しているものが多いため、興味を持たれた方は“https://www.koko.org/”をのぞいてみてください。ではまた!