2021年07月01日公開
2021年07月01日更新
コガネムシとカナブンの違いとは?ハナムグリも…!見分け方まとめ【幼虫】
カナブンとコガネムシの違いってよく分からないですよね。 幼虫ともなると更に判別が難しくなります。 似たような「ハナムグリ」という種類もいます。 カナブン、コガネムシ、ハナムグリの違いや見分け方、幼虫~成虫になるまでの種類別メカニズム、寿命について解説します。
目次
カナブン、コガネムシ、ハナムグリの違いと見分け方
カナブン・コガネムシ・ハナムグリは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
共通点としてはカナブン、コガネムシ、ハナムグリの3種類は甲虫類に分類されます。
問題は見分け方です。
一見すると、非常によく似ている3種類ですが上手な見分け方があります。
出典: https://namamono-moratorium.com
まず、カナブンとコガネムシの見分け方のポイントは頭の形と羽の付け根部分にあります。
この画像だけでは見分け方が良く分かりづらい方もいると思いますので、まずはそれぞれの生態から順番に解説していきましょう。
カナブン【種類:甲虫目コガネムシ科ハナムグリ亜科】
出典: https://flic.kr
カナブンは甲虫目コガネムシ科ハナムグリ亜科に分類されます。
頭部は四角く、背面が平らになった形をしているのが特徴です。
全身に緑褐色の金属光沢があります。
ちなみに、この金属光沢にはいくつかの型があるようで、カナブンによっても様々な色の個体がおり、わずかな違いがあるようです。
出典: http://www.m-on.press
KANA-BOON
4人組のロックバンド「KANA-BOON」もカナブンがバンド名の由来になっています。
メンバーのパートにも違いがあるように、昆虫のカナブンにもそれぞれの個性や違いがあります。
尚、昆虫の方のカナブンの見分け方については後述で詳しく解説していきます。
コガネムシ【種類:甲虫目コガネムシ科】
出典: https://flic.kr
コガネムシの分類は甲虫目コガネムシ科。
コガネムシは漢字表記では小金虫ではなく黄金虫と書きます。
世間では大金持ちではない人を小金持ちと呼ぶことがありますが、小金虫と違い「黄金虫」はどことなくありがたみを覚えるような響きがありますよね。
体長はカナブンよりも小さく、17~23mmほどしかありません。
食葉性で、主にサクラなどの広葉樹の葉を食べます。
幼虫は土の中で植物の根を食べて成長します。
コガネムシ科の昆虫全般を指して「コガネムシ」と言うこともあるようです。
カブトムシなどの際立った特徴がある甲虫を除き、ときにはハナムグリ亜科などのカナブン・ハナムグリの類を除いて草食のものだけを指すこともあります。
同じ種類のコガネムシでも赤紫、黒紫など、体色の違いがあります。
ハナムグリ【種類:甲虫目コガネムシ科】
出典: https://flic.kr
ハナムグリの分類は甲虫目コガネムシ科。
緑色の背面に、所々白い斑模様があるのが特徴です。
体長はカナブンよりも小さいコガネムシよりも更にもうひと回り小さく14~20mmほどしかありません。
ハナムグリは花の受粉にも深く関わっている昆虫です。
成虫が花に潜り花粉や蜜を後食することから「ハナムグリ」という名称が付けられました。
カナブンの生態や寿命、コガネムシ・ハナムグリとの違いなど
3種類の中でもカナブンは飛行能力が優れています。
飛び方が特徴的で、飛行時に前翅(鞘翅)の外側を僅かに持ち上げる(鞘翅は結果的に内側に傾く)と側面に隙間ができ、この状態で後翅を伸ばし前翅を閉じたまま後翅を羽ばたいて飛びます。
熟した果実やクヌギ、コナラ、ヤナギなどの広葉樹の樹液を餌とします。
また、これらの樹を生活の場とするため、木から落ちないように脚の先端に発達した2本の爪を持っています。
樹液が出るところには同じ甲虫類のカブトムシやクワガタが多数集まっている光景もよく見られます。
越冬能力を持たないため、成虫の活動期間はひと夏(1ヵ月)程度と短命です。
カナブンの種類
出典: http://pds.exblog.jp
日本に生息する近縁種として次のようなものがあります。生息地、習性も似通っていることも少なくありませんが、僅かな棲み分けの違いが確認されています。
アオカナブン
出典: http://www9.plala.or.jp
アオカナブンは、緑色型のカナブンよりも光沢が強く、彩度が高いのが主な特徴です。
カナブンの中でも体型は細長く、後脚の左右の基節が互いに接触します。
冷しい環境を好み山地に多く見られます。
気温が高いと産卵せず、大都市近郊での激減の原因となっているようです。
クロカナブン
出典: http://www.town.miharu.fukushima.jp
黒色で光沢が強いカナブンです。
野生状態では多年1化、飼育下でも2年1化。繁殖速度が遅く、生息域の変更の必要が生じても、速やかに移動することが困難だといわれています。また幼虫期の内の丸1年を成長しきった後の蛹室形成期が占めているアオカナブンと違い、かつては都市部の公園でも多数の個体が生息していましたが、21世紀に入り激減。珍品化した種類でもあります。
サキシマアオカナブン
出典: http://insect-islands.ocnk.net
アオカナブンとの見分け方の違いはココ!
アオカナブンとの違いは、サキシマアオカナブンの方が若干青みがかっているという点。
サキシマアオカナブンは、主に石垣島と西表島に分布。山地性で湿度の高い土壌に生息しています。
また、幼虫期間が長く羽化までには3年以上掛かるとも言われています。
チャイロカナブン
出典: http://www.ishigakijimaumibe.com
チャイロカナブンは沖縄などの先島諸島に分布し島ごとに4亜種に分類されています。
カナブンには同じ種類でも色彩に違いがありますが、色彩だけでは一概に種類を特定できないこともあるようです。
カナブンとコガネムシの違いとわかりやすい見分け方
ここで、カナブンとコガネムシの分かりやすい見分け方について紹介します。
カナブンは三角形の部品が大きいのに対して、コガネムシは小さいです。
ちなみにハナムグリには模様があります。
そして頭と羽の間の付け根の形が違います。
大きめの三角形がカナブンで、やや緩やかなカーブがあるのがコガネムシです。
カナブンとコガネムシの違い
注※カナブンとコガネムシです。パソコンのマウスではありません。
色と形と大きさが、もっとも分かりやすいカナブンとコガネムシの違いの見分け方です。
出典: http://tokyoinsects2.blog.fc2.com
コガネムシ
出典: http://tokyoinsects2.blog.fc2.com
カナブン
カナブンの飼い方
出典: http://www.geocities.co.jp
【使用するマット】黒土マット
【使用した容器】クリーンケースM
【水分量】
水分量は通常のセットよりは少な目、マット開封後、3~4日程度水分を飛ばします。(加水はなし)
【マットの詰め方】
ケース底面より2割程度、少し強めに詰め、マットの上部半分はやんわりと軽めに詰めます。
【設定温度】20℃前後
カナブンの幼虫
出典: https://blogs.yahoo.co.jp
カナブンの幼虫
カブトムシやクワガタの幼虫の中には、カナブンの幼虫が稀に紛れ込んでいることがあるため、違いが分かりづらいようです。
コガネムシ(黄金虫)の生態や寿命、カナブンやハナムグリとの違いなど
コガネムシの成虫の寿命は、摂食活動を行わないもので1~2週間です。摂食活動を行っていた場合でも、産卵後1〜2ヶ月です。
越冬能力は持っていません。
また、コガネムシには主に以下のような特徴があります。
・体色は緑系光沢色または緑地赤茶光沢色
・緑系のメタリックな体色
・全体的に丸みを帯びている
・カナブンとは違い、体が重いため長時間飛翔することができない
・体の表面に小さな窪みがたくさんある
・幼虫は腹這いで前進する
・寿命が短い
コガネムシの幼虫
出典: http://potablog2010.blog77.fc2.com
コガネムシの幼虫
コガネムシの幼虫は草や木の根を食害するので、農家などでは害虫として扱われることもあります。
コガネムシの種類
出典: http://www.elife-web.co.jp
黄金虫はカナブンと比べても種類が多いです。
コガネムシの飼い方
出典: https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
飼育難易度はそれほど高くないので簡単です。
次の飼育方法でコガネムシ(黄金虫)を飼育してみましょう。
【飼育に必要な道具】
•水槽
•土
•サクラ、バラ等の葉っぱ
•根を張る植物
【住まいの作り方】
まず水槽に土を敷き詰めます。
産卵させたい場合は厚めに敷き詰めましょう。
最後にエサとなる葉っぱを土の上に敷いて完成です。
コガネムシがエサを食べない場合はどんどん葉っぱを変えてみましょう。
コガネムシには数多く種類がおり、それぞれで好き嫌いがあるので色々試してみてください。
もしそのまま幼虫を育てる場合、根を張りやすい植物を一緒に水槽へ植えます。
幼虫の時期は見分け方が分からない?
出典: http://potablog2010.blog77.fc2.com
コガネムシの幼虫は、畑での作物の収穫中に土の中で見つけることができます。
カブトムシやクワガタの幼虫とも非常によく似ており、幼虫の段階では違いが分かりづらいですね。
ハナムグリの生態や寿命、カナブンや黄金虫との違いなど
出典: http://yaplog.jp
シロテンハナムグリ
ハナムグリは2年程度生きます。
特に、シロテンハナムグリは長生きすることで有名です。
カナブンや黄金虫とは違い越冬できるので、常温飼育がおすすめです。
しかし、高温状態で常に活動させてしまうと、そのぶん体力も消費するので種類によっては早く死んでしまう可能性はあります。
ハナムグリの種類
ハナムグリはカブトムシやクワガタと同じようにブリードもできるので一部のインセクトマニアの間では物凄い支持を集めています。
出典: http://mushinavi.com
ヒメトラハナムグリ
花の蜜や花粉を餌とする小型のハナムグリです。
出典: http://mushinavi.com
コアオハナムグリ
街中でもたまに見かける訪花性のハナムグリ。
1997年(平成9年)11月28日発売の10円普通切手の絵柄になったことでも有名です。
出典: http://bunbunpapa.la.coocan.jp
カブトハナムグリ
最大サイズは56㎜。
頭部と前胸背に長い角を持つハナムグリ。
ボルネオのカリマンタン島産。
出典: http://gyo-ten.up.d.seesaa.net
ゴライアスオオツノハナムグリ
世界最大のハナムグリ。アフリカ産。
出典: https://blog-001.west.edge.storage-yahoo.jp
シロテンハナムグリ
市街地などでもよく見られるポピュラーな種類のハナムグリです。
ハナムグリの飼い方
出典: http://toeic990kuwagata.blog.fc2.com
ハナムグリの飼育は基本的にカブトムシの飼育と同じです。
一見手軽なようにも思えますが、繁殖を考えるならば、冬季は温室管理が必須です。
ハナムグリのメスはマットへ産卵するので、飼育ケースは大きめのものを使用します。
使用するマットは市販のカブトムシやクワガタ用のマットが理想です。
昆虫ゼリーで飼育できます。
シロテンハナムグリの1齢幼虫
出典: http://mushinavi.com
シロテンハナムグリの1齢幼虫
シロテンハナムグリは一齢幼虫のときは豆っころのようで可愛いですが…
シロテンハナムグリの2齢幼虫
出典: http://mushinavi.com
シロテンハナムグリの2齢幼虫
2齢幼虫になるとひと回り大きくなり…
シロテンハナムグリの3齢幼虫
出典: http://mushinavi.com
シロテンハナムグリの3齢幼虫
3齢幼虫になる頃には10円玉とほぼ同じぐらいの大きさまで育ちます。
まとめ ~3種類に違いはあれど必死に生きている~
出典: http://blog.livedoor.jp
樹液を餌とするカナブンの周りにはカブトムシやクワガタ、スズメバチなどの天敵が多いため、投げ飛ばされたり挟まれたり刺されたりすることもあります。
黄金虫はただでさえ短い寿命をまっとうできずに、作物の葉を食い荒らす害虫として駆除されてしまうことがあります。
ハナムグリは越冬能力を持っていて3種類の中でも寿命が長いですが、小さいので様々な生き物からターゲットにされがちです。
弱肉強食の厳しい自然界で三者三様、必死で生きています。
そう考えると、なかなか健気な昆虫達です。