2021年05月28日公開
2021年05月28日更新
動物にダウン症はなかった?犬猫は?動物園の虎やオラウータンまで
ダウン症は顔に覇気が感じられなかったり落ち込み気味になりやすい障害ですがあくまでも人間に見られるもので動物ではあまり聞きません。しかしネット上はダウン症にかかった動物の画像が出回っています。本当に動物もダウン症になるのでしょうか?
目次
ダウン症とは?
ダウン症とは特定の人間に見られる先天的障害です。ダウン症になる原因は人間の染色体の21番目が本来は2本の所を1本多くなっていることが原因であると言われています。
ダウン症は先天的障害
ダウン症は先天的障害なので出産した段階で既に障害にかかっています。ダウン症にかかる可能性は両親の年齢によって異なり、高齢出産の場合はダウン症の子供が生まれる可能性が高くなると言われています。
統計では20歳で出産した場合子供がダウン症になる可能性は1667分の1なのに対して、40歳の場合は106分の1まで上がってしまいます。ただしダウン症の子供の出生率はあくまでも確率の問題なので若い両親が出産してもダウン症の子供が生まれる可能性は十分あります。
ダウン症の特徴
ダウン症を患った人の特徴は身体と精神の2つがあります。
身体的特徴一覧
ダウン症の身体的特徴は
目がパッチリ二重で少し釣り上がっている
鼻が低い顔全体が平らになっている
耳が低い位置についていて上部が折れ曲がっている
手が猿線になっている
小指の関節が1本少ない
足が短く親指と人差し指の間が広い
体が柔らかく筋力が弱い
首の後ろの肉付きが良い などがあります。
手相の猿線とは?
猿線は線が1本だけ
手の猿線とはますかけ線とも呼ばれていてこの様に手の平に1本の線しか入っていないことを意味します。普通は手の平に2本の線が入るので1本しかない猿線の人はダウン症の身体的特徴と言えます。
出典: http://chopi.jp
精神的な特徴
ダウン症の精神的な症状は思春期から成人期にかけて部屋に閉じこもったり、寡黙になったりとどんどん内向的になる傾向にあります。
しかし内向的な性格だからと言って必ずしもダウン症であるとは限りませんし、ダウン症の人にこれらの症状が出る原因は環境の変化や身の回りの出来事などがきっかけとなることもあるので治療法は未だに確立していません。
ダウン症の動物画像
最近ネット上でダウン症にかかった動物の画像がよく見受けます。それらは1種類ではなく虎・猫・犬・オランウータン・ホワイトタイガー・猿などの様々な動物にみられます。
ダウン症?と思わしき画像:犬①
こちらの犬はダウン症だという確証はありませんが顔が平らで脱力感を感じることからダウン症の可能性が考えられます。
ダウン症?と思わしき画像:犬②
こちらの犬もダウン症特有の顔が平らで覇気が感じられません。ただ犬はダウン症になってもそれほど印象が変わらないように感じます。
ダウン症?と思わしき画像:猫
こちらはダウン症と思わしき猫の画像です。こちらの猫は目が垂れていて若干物憂げな表情をしています。
ダウン症だと思わしき動物の画像は基本的にダウン症にかかった人間同様目が釣っている・パッチリ二重・顔が平坦などの特徴があります。これらの動物の画像はダウン症の人間とどことなく似ていることからダウン症にかかった動物として流通してしまっています。
ダウン症の人間はオランウータン?
ダウン症の動物の画像が出回る中でとんでもない噂が出回っています。それはダウン症の人は人間とオランウータンの中間の生物ではないかという説です。
ダウン症の人≒オランウータン!?
その理由は染色体の数に関係していて人間は23対(合計46本)の染色体を持っています。オランウータンは24対(合計48本)です。そしてダウン症の人は23対に加えて更に1本多いと言われています。そのためダウン症の人の染色体は合計47本なので遺伝子的には人間とオランウータンの中間だという事です。
確かにダウン症の人は21番目の染色体が1本多いですが、たった1本多いだけなので人間と同じ23対であることに変わりません。よってダウン症の人が人間とオランウータンの中間である説は否定できます。
動物もダウン症になるのか?
数多くのダウン症と思わしき動物の画像が出回っているため人間以外の動物もダウン症になるという噂が立っていますが本当に動物もダウン症にかかるのでしょうか?
結論から言いますと動物はダウン症にはなりません。そしてダウン症にかかる動物は人間だけであると言われています。
ダウン症は人間だけに現れる症状
何故ダウン症は人間しかならないのかというとダウン症の原因が染色体にあるからです。ダウン症は人間の21番目の染色体が異常をきたして発症すると言われています。
しかし人間と全く同じ染色体を持っている動物は存在しません。それは犬や猫にも言えることですし、猿やオランウータンの様な類人猿でも同様です。
動物はダウン症にならない
ネット上でダウン症と思わしき動物の画像がたくさん出回っていますが、それらはダウン症っぽい顔立ちをしているだけであって決してダウン症と認定されたわけではありません。
また野生の動物がダウン症にかかった場合早死にしてしまうと言われています。その理由はダウン症にかかった動物は精神に異常をきたして自分でエサを取ることが出来なくなってしまうからです。
野生の世界は動物園とは違い誰も助けてくれないので心身共に健康無いと生きていけないのです。
動物はダウン症にならないが
もしかしたらダウン症と思わしき動物の中には何らかの病気を患っているかもしれません。しかし現代の科学ではまだ何も解明できていませんし、人間の染色体が原因であるダウン症であることもあり得ません。
もし動物の医療が発展したら将来的に動物特有の何らかの障害が発見されるかもしれません。
虎はダウン症になりやすい?
動物はダウン症にはならないという事が分かりましたが、虎はダウン症になりやすいという説があります。
虎がダウン症になる可能性は?
何故虎がダウン症になりやすいのかというと、虎は稀にメラニン欠乏により体毛が白くなることがあります。ホワイトタイガーが有名な例です。その珍しい体毛を持った虎を繁殖させるために親近交配を続けてしまい染色体に異常をきたしたと言われています。
それ以外に普通の虎も稀に染色体異常を引き起こすことがあると言われています。これは猫科の猫やライオンなどには無く虎だけに見られる症状だと言われています。
しかしそれでも現代の科学ではダウン症は人間のみに見られる症状と言われているので虎はダウン症にならないと結論付けられています。
ダウン症?のホワイトタイガーについて
ダウン症の様な顔立ちのケニー
ネット上ではダウン症の様な顔をしたホワイトタイガーの画像が出回っています。これはケニーという野生動物保護区で育てられたホワイトタイガーです。
ケニーはアメリカ・アーカンソー州のブリーダーの下で生まれ劣悪な環境で育てられた所を保護されて2000年にテルペンチンクリーク野生動物保護区に移住しました。
ちなみにケニーには普通の虎の弟のウィリーもいます。ウィリーもダウン症の様な見た目です。
兄弟そろって顔が少し変だがダウン症ではない
野生動物保護区のエミリー・マコーマックによるとケニーの異常な顔立ちはホワイトタイガーを長年近親交配させてきたことが影響しているそうです。
またホワイトタイガーとはベンガルトラの変種であって虎の希少種ではありません。しかしそれを知らずに虎を近親交配させて人為的にホワイトタイガーを生み出し商売に利用している人達がいるのだそうです。
近親交配によるホワイトタイガーの繁殖
ホワイトタイガーは野生化でも生まれることはありますが、中々増えずに自然淘汰されてしまうので意図的でない限り繫殖するのは難しいと言います。さらに野生のホワイトタイガーは1950年以降発見されていないと言います。
そのため現在地球上に存在するホワイトタイガーは人為的な近親交配によって生み出された動物であると言えます。
ホワイトタイガーの悲しき実態
つまり現在繁殖されているホワイトタイガーは生物の倫理に反した方法で繁殖されているという事です。そのためケニーを保護したエミリーはこれ以上ホワイトタイガーを繁殖するべきではないと言います。
実際にケニーは近親交配の影響なのか通常20年は寿命がある所を2008年に悪性腫瘍によって10歳で亡くなってしまっています。弟のウィリーも目の焦点が交差している障害があります。
ケニーはダウン症ではなかった
そしてケニーはメディアで紹介された際に「ダウン症で精神薄弱なホワイトタイガー」と言われていましたが、本当は好奇心旺盛な性格だったそうです。この様な嘘の情報を信じない為にも「動物にダウン症は存在しない」という真実をしっかりと覚えておきましょう。
動物とダウン症について:まとめ
出典: https://sufar.ru
いかがでしたでしょうか。ダウン症と思わしき動物の画像は多数出回っていますが動物はダウン症にかかることはあり得ないので全て嘘です。ただしダウン症以外の何らかの障害を持っている可能性はありますのであまり軽視しない方がいいかもしれません。