2021年05月28日公開
2021年05月28日更新
キジバト(山鳩)の鳴き声はコレ!その意味やドバトの鳴き声や生態の違いは?
朝早くに「デデッポーポー」という鳥の鳴き声を聞いたことはないでしょうか。あの鳴き声を出しているのがキジバト(山鳩)です。キジバト(山鳩)の生態や、公園などでよく見かけるドバトの生態、キジバト(山鳩)とドバトの違いなどについてまとめました。
目次
キジバトとは?
キジバトは日本に住む鳩の仲間です。
北は北海道から南は沖縄県の南西諸島まで、日本中を生息地としている鳥です。
キジバトの鳴き声
キジバトって何?見たことがない、という方でも、鳴き声には聞き覚えがあるかもしれません。
「デデッポッポー」という特徴的な鳴き声が、キジバトのものです。
「ドゥードゥーポッポー」や「トートーットット」とも表記されますが、鳴き声を聞いた方の表現の違いというだけでなく、キジバトごとの個体差の問題もあるようです。
キジバトのキジとは何のこと?
キジバトの「キジ」は鳥のキジのことです。
キジのメスに体の色が似ていることからキジバトという名前になったようです。
オスのキジ
「桃太郎」の絵本などでよく描かれているキジはオスです。
メスのキジ
こちらが、キジバトの名前の由来になったメスのキジです。
キジバト
頭や胸は模様が異なりますが、羽の部分は模様が似ています。
キジバトと山鳩の違い
山鳩というのはキジバトの別称なのですが、アオバトという鳩も以前は山鳩と呼ばれていたようです。
現在はほぼ山鳩=キジバトと言っていいようですが、過去の文献などに出てきた場合は名前だけではどちらなのかは断言できないことになります。
アオバト
街中で見かける鳩とはかなり違った、独特の色合いをしています。
キジバト(山鳩)の生態
キジバトは、山鳩という別称があるように山地の森林に生息しますが、森林にしか住めないというわけではなく、街中にも巣を作ります。
キジバトは基本的には同じところに住み続ける鳥(留鳥と言います)ですが、北海道や東北のような寒冷地で生まれたキジバトは、冬に餌が取れなくなると南の方に移動します。
冬のキジバト
キジバトの生態:餌
鳩は基本的に雑食性です。
キジバトもその例に漏れず、木の実や果物から昆虫類まで様々なものを食べます。
キジバトの生態:繁殖
キジバトは、地域によって差がありますが、ほぼ1年中繁殖が可能です。
また、産卵からひな鳥が巣立ちをするまでの期間もかなり短く、産卵から孵化までが約半月、孵化から巣立ちまでが約半月で合計1ヶ月程度です。
キジバトの卵
キジバトは1度の繁殖で2個産卵します。
キジバトの雛
このようなキジバトの成長の速さの秘密が、ピジョンミルクと呼ばれるものです。
ピジョンミルクは鳩の素嚢(そのう)から分泌される、栄養価の高い液体で、鳩の雛はこれを親鳥から口移しで飲んで成長します。
哺乳類はメスのみが子供に授乳するのに対して、キジバトを含む鳩類はオスとメスの両方が雛にピジョンミルクを与えます。
ドバトとは?
キジバトとともに、日本に数多く生息している鳩の仲間がドバトです。
ヨーロッパなどに生息していた種類だったものが飛鳥時代のころに日本に持ち込まれたということで、日本に来てからの歴史は長いですが外来種の鳩ということになります。
ドバトの別名
ドバト(土鳩)は江戸時代ごろに使われ始めた呼び名で、それまでは寺院の塔やお堂に住み着くことから塔鳩(とうばと)や堂鳩(どうばと)と呼ばれていたということです。
また、学術的にはカワラバトという名称が用いられるようです。
キジバト(山鳩)とドバトの違いとは?
日本に住む鳩の仲間でも特に数が多いキジバトとドバトですが、どのような違いがあるでしょうか。
キジバトとドバトの鳴き声の違い
キジバトの鳴き声は記事冒頭でご紹介したように「デデッポッポー」なのに対して、ドバトの鳴き声は以下のように「クルックー」です。
キジバトとドバトの外見の違い
キジバトとドバトの外見の大きな違いは、首の模様です。
キジバト
首にしま模様があります。
ドバト
キジバトに見られるしま模様がありません。
横から見たときに、首にしま模様があればキジバト、なければドバトという風に見分けることができます。
キジバトの雛
ドバトの雛
雛は成鳥ほど外見の違いはないようです。
キジバト(山鳩)とドバトの生態の違い
同じ鳩の仲間ですが、生態にも異なる点がいくつかあります。
木の実を食べるドバト
餌はキジバトとほとんど変わりません。
キジバトとドバトの生態の違い:住む場所
キジバトが山地の森林を中心に生息するのに対して、ドバトは都市部でもマンションや工場などに巣を作って住むことができます。
大都市の公園などで見かけられる鳩はほとんどがドバトです。
公園のドバト
キジバトとドバトの生態の違い:群れを作るか
ドバトは群れを作って行動しますが、キジバトは群れを作らず、一羽だけか、あるいはつがいで行動することが多いです。
ドバトの群れ
キジバトのつがい
キジバトとドバトの生態の違い:人への慣れやすさ
ドバトは、公園で人から餌を貰うことからもわかるように、非常に人に慣れやすいです。
キジバトも街中に住む個体は人に慣れることもあるようですが、山地に住む個体は警戒心が強く、人にはなかなか慣れないようです。
人から餌を貰うドバト
餌台に来たキジバト
車庫に巣を作ったキジバト
人があまり出入りしない建物には巣を作ることがあるようです。
キジバト(山鳩)の鳴き声の意味とは?
普段聞こえるキジバトの鳴き声にはどのような意味があるのでしょうか。
キジバトの「デデッポッポー」という鳴き声の意味とは
キジバトの「デデッポッポー」という鳴き声には、オスがメスを呼ぼうとする意味があります。
キジバトの婚活というわけですね。
キジバトの「プン」や「プー」という鳴き声の意味とは
キジバトは「プン」や「プー」という鳴き声を出すこともあります。
「プン」や「プー」という鳴き声には、他の鳩を威嚇する意味があるようです。
また、キジバトは興奮したときにも「プン」や「プー」という鳴き声を出すということで、求愛行動をする合図としての意味もあるようです。
(「プン」や「プー」の後の、一定のリズムで頭を上げ下げする動きがキジバトの求愛行動です。)
求愛行動はオスが行うものなので、このような意味を持つ「プン」や「プー」という鳴き声はオス限定ということになります。
キジバト(山鳩)の鳴き声を楽譜に起こすと?
キジバトの鳴き声を楽譜に起こした例としては、以下のようなものがあります。
キジバトの鳴き声を楽譜に起こした例1
リズムは9/8拍子です。
キジバトの鳴き声を楽譜に起こした例2
打楽器の演奏家の方が作成された楽譜です。こちらはリズムが4/4拍子になっています。
キジバトの鳴き声を楽譜に起こした例3
こちらはピアニストの方が作成された楽譜です。やはり4/4拍子のリズムです。
キジバトごとに違うリズムで鳴いている可能性もありますが、楽譜を作成された方の中では、リズムは4/4拍子と捉えている方が多いようです。
キジバトの鳴き声を楽譜にして比較すれば地域ごとのリズムや音程の差などもわかるのかもしれません。
キジバト(山鳩)の中途半端な鳴き声
キジバトの「デデッポッポー」という鳴き声ですが、必ずしもこの通りに鳴くわけではなく、「デデッ」や「ポッ」のところで途切れた、リズムの悪い中途半端な鳴き声を出すこともあります。
なぜキジバトは中途半端な鳴き声を出すのか?
キジバトが、他の生き物から逃げるわけでもないのに鳴き声を中途半端なところで止めてしまう理由は残念ながらよくわかっていないようです。
鳥類ではウグイスが、親鳥の鳴き方が下手だと子も下手になってしまうという話があります。
中途半端な鳴き声のキジバトも、もしかすると親鳥の中途半端な鳴き声を真似してそうなってしまったのかもしれません。
また、中途半端というのはあくまで人間にはそう聞こえるというだけで、キジバトにとっては特に不快ではないのかもしれません。
キジバト(山鳩)の鳴き声の着信音
キジバトは鳴き声が独特なことから、スマホや携帯電話の着信音として設定している方もいます。
鳥が好きな方との話のネタとしていいかもしれません。
着信音を配信・公開しているサイトには、キジバトの鳴き声をmp3の形式で公開しているところもあります。
また、鳥類の鳴き声を集めたサイトなどもあり、キジバトの鳴き声もmp3でダウンロードできます。
それ以外ではゲーム等の作成用にフリー音源のmp3を公開しているサイトなどでも、キジバトのmp3音源が公開されている場合もあります。
また、CDからパソコンに取り込んで着信音にする、という方法もあります。
どのみち、キジバトの鳴き声のようなマニアック(失礼!)なものは、他のダウンロードサイトが使えてもなかなか見つからないと思いますので、近所のレンタルCDショップへ行きましょう。 なるべく、昔からあるような古めのショップがオススメです。 私も以前は良く利用しましたが、そういったレンタルショップに、動物の鳴き声や効果音の大全集が、隅っこの方に必ずあります。(笑) それをレンタルしてきて、PCに取り込み着信音に変換しましょう。
キジバトの鳴き声を自分で録音して着信音に設定するには?
また、気に入ったものがない場合は自分でキジバトの鳴き声を録音して着信音に設定するという方法もあります。
鳥の鳴き声のような自然の音は高音質でないときちんと録音できないので、PCMレコーダーなどを使用するのが良いようです。
また、人間が近くにいるとキジバトが警戒して鳴かないこともありますので、レコーダーだけを置いて離れるなどの工夫も必要です。
機種によっては録音したものをmp3に変換する手間が必要ですが、自分だけの着信音が作成できます。
まとめ
童謡もあるように、キジバトはドバトほどではないかもしれませんが、日本人になじみの深い鳥です。
「デデッポッポー」という鳴き声が聞こえたらぜひ探してみてください。