2021年05月28日公開
2021年05月28日更新
ヒグマによる獣害事件まとめ。人食い熊の怖さ実感【国内外】
日本・海外問わず人食いヒグマによる獣害事件をまとめます。熊は怖いものです。普段は臆病な熊ですが、人間を襲ってしまった人食い熊は人間を怖いものと思わなくなります。日本・海外で起こった人食いヒグマによる襲撃事件、その被害と人食いになってしまったヒグマたちのまとめ
目次
- 1日本・海外問わず人食いヒグマの引き起こした被害をまとめる
- 2ヒグマなどの熊の日本・海外の分布
- 3【三毛別ヒグマ事件】 日本最悪の獣害事故はヒグマによってもたらされた
- 4日本史上最悪の人食いヒグマの誕生 そして次々に襲撃
- 5討伐隊と捜索隊を組織 怖い人食いヒグマに対する被害を収めようとする
- 6新たなる事故被害 上半身からバリバリ食べる人食い熊
- 7戦慄 闇夜に聴こえる呻き声と骨が砕かれ咀嚼の音
- 8日本史上最悪の獣害事件 人食い熊の最期
- 9人間が見つからず、慎重さを欠き始める人食い熊
- 10【人か!熊か!】一斉斉射で人食い熊に手傷を負わす
- 11【石狩沼田幌新事件】 日本で2番目に大きな獣害事件
- 12海外のヒグマ事件 熊に食べられる自分を実況した少女
- 13人気番組打ち切りの遠因? 海外で日本人がヒグマに食べられた事件
- 14海外に居た【グリズリーに全てを捧げた男】グリズリーマンの最期
- 15日本・海外問わず熊の獣害事件をまとめて
日本・海外問わず人食いヒグマの引き起こした被害をまとめる
今回は主に日本最悪の獣害、北海道三毛別村で起きた事故を中心にまとめます。
怖い怖いヒグマという熊はそもそも?
ヒグマは熊の中でも大きく育つ種類の熊です。成獣はなんと500kgを超える個体も確認されています。
ヒグマなどの熊は雑食性であり、普段は木の実などを食べています。意外にも生きている哺乳類などを狙うことはほとんどなく、安定して食事にありつけるためにそうなったのではと思われます。
ヒグマなどの熊の日本・海外の分布
日本に住む熊、ヒグマは?
日本に住む熊はツキノワ熊とヒグマの二種類です。ツキノワ熊の方は本州四国と幅広く分布していますが、ヒグマは北海道にのみ生息しています。そのためヒグマによる獣害事故は北海道がほとんどということになります。
海外に住むヒグマ・グリズリーとの違い
海外にもヒグマは住んでいます。北米、ユーラシア大陸などに分布しております。
北米原産のヒグマはグリズリーと呼ばれており、ヒグマとグリズリーに明確な違いはほとんどないようです。一応、海外ではヒグマをブラウンベアと呼んで分けているようではあります。
【三毛別ヒグマ事件】 日本最悪の獣害事故はヒグマによってもたらされた
日本で起こった獣害で史上最悪の被害をもたらされたのが、この三毛別ヒグマ事件であります。北海道の三毛別を襲撃した巨大ヒグマが7人もの人間を殺害し、痛ましすぎる獣害事件となりました。
怖い!日本最大級のヒグマが北海道三毛別村に襲来
11月の初旬に野生動物の襲来が確認されました。畑に残ったぬかるみを見て、ヒグマであることが分かり、そしてその足跡の大きさに家の主人は人間に対する大きな獣害事件が起こると懸念を持ち、2人のマタギ(ハンター)を呼びました。
3回現れたヒグマに対して鉄砲を打ち掛けるが、仕留めるには至らず、後を追って仕留めようとするが、もう冬も訪れており、地吹雪が強く討伐を断念しました。
巨大な故に巣穴が見つからず、冬眠できなかった穴持たずの熊。そして穴持たずの熊は怖いということを伝えました。
日本史上最悪の人食いヒグマの誕生 そして次々に襲撃
事故最初の被害者 人食いヒグマの誕生
日本史上最悪の獣害事件の始まりは、男衆たちはほぼ全員出払っていた。そんな時に起きた。三毛別村のような開拓村では農作物の出荷作業に追われており男手の人間は居なかった。
寄宿していた伐採業を生業としていた客人が昼食のために戻ってきた際、子どもが囲炉裏に座っていた。応答のない子どもに、ふざけて狸寝入りをしているのだろうと思い、肩に手を掛けて覗き込むと、喉元を掻き切られ、側頭部は親指大に穿たれていた遺体であった。
討伐隊と捜索隊を組織 怖い人食いヒグマに対する被害を収めようとする
当主の妻は見つからず、客人はすぐに男衆たちに報告に走った。男衆たちの見立てにより、ヒグマの仕業であることが分かった、そしておそらく当主の妻はヒグマに引きずられ連れていかれたのであろうことも。
事故の報告手段は直接伝えるしかなく、村の人間を一人駐在にまで走らせ、翌日に捜索と討伐隊を結成し、獣害被害の拡大を防ごうとした。
捜索隊にヒグマ襲撃 当主の妻の頭部の一部発見
捜索に出かけた30名人間からなる討伐隊に、ヒグマは容赦なく襲い掛かった。6丁の銃を携行していたが、手入れが不足しており、発射できたのはただ1丁のみ。
仕留めるには至らず、更に怒り狂ったヒグマに捜索隊は散りじりになったが、ここはヒグマも逃走に転じたことで被害は出なかった。
そして一角が血に染まった部分があることに気づき、掘り返すと当主の妻の頭部の一部と脚が発見された。
つまり怖いことに事件の最中、ヒグマは人間の味を覚えたことを意味していた。
再び同家に襲撃 熊の習性が新たな被害を呼ぶ
当主の妻と子どもの通夜が営まれていたが、ヒグマの襲来を怖いと感じた人間たちはとても参列する気になれず、来たのは当主を含めて9人のみだった。
そんな中で再びヒグマが襲撃する。勇気ある人間が石油缶を打ち鳴らし、ヒグマに対する威嚇を行い、鉄砲を打ち掛けたことでヒグマは逃走。奇跡的に被害は出なかった。
おそらく熊は自分の獲物に非常に執着心が強く、隠した餌を持ち帰られ、取り戻しに来たのだと思われる。
新たなる事故被害 上半身からバリバリ食べる人食い熊
守りのいない家に襲撃 最大の被害を被る
ヒグマが出没したとの報を受けて、男手は客人を除きすべて出払ってしまった家にヒグマが襲撃をかけた。
四男を背負って作業をしていたこの家の当主の妻は、何かが窓を突き破る轟音を聞いた。「誰が何したかぁ!」返事はない。正体は見たこともない大きなヒグマであった。
逃げようとしたが、轟音を聞いて来てしまった次男に足に縋りつかれてうまく逃げることができない。
腹はやめて!喉を食ってくれ!妊婦の命乞いも虚しく……
四男にかみつく、更にヒグマは当主の妻を手元に引き寄せてからかみつく。客人は気づいて逃げるが、ヒグマはそれに気を取られ、母子を離して客人を追いかける。
客人は腰にヒグマの一撃を食らって重傷。さらに取り残された三男と避難してきていた子どもを一撃で撲殺。筵から頭を出してしまった、これまた避難してきていた妊婦がヒグマに気づかれて、居間に引きずり出された。
妊婦は胎児を守るため、「腹、破らんでくれ。喉を食って殺して」と精一杯胎児の命乞いをした。しかしヒグマに人間の言葉など分からぬ。分かったとしても餌の言うことなど聞くはずもなく、上半身から妊婦を食い始めた。
戦慄 闇夜に聴こえる呻き声と骨が砕かれ咀嚼の音
当主の妻は命からがら次男と四男を連れて脱出、腰に一撃を受けた客人も何とか逃げおおせた。ヒグマが襲撃してきたのは明らかである。先ほどの家に集まっていた男衆は今、ヒグマがいると思われる家を取り囲む。
しかし暗闇で迂闊に踏み込めば被害が拡大するのは必定。銃を一斉に撃ちかける、火で焼き殺すという作戦が立案されるが、子どもの生存を信じた当主の妻が強硬に反対。
その間にも妊婦が喰われ、咀嚼、骨を砕かれる音と苦しむ呻き声が響いたという。
惨劇の跡、見るも無残な人食い熊の被害
代案として空に空砲を撃つということで決定し、空砲を放つとヒグマは待ち構えていた男衆の前に現れたが、銃がまたしても不発。他の者も撃ちかねている間に、ヒグマは山へと逃げ帰った。
こうしてヒグマは去り、家の中に踏み込んだが、中には息を飲む光景が広がっていた。飛沫で屋根裏まで濡れた血の跡、上半身を食われた無残な妊婦の遺体。胎児は引きずり出されていた。しかしヒグマが手を出した様子はない。しばらく動いていたがほどなく死亡。
撲殺された男児達も無残に喰い引き裂かれていた。息のあった男児も居たが、肩と胸に重傷、脚や臀部は骨だけだった。うわ言のように死んだ母を呼び続け、息絶えた。
娘はその殺戮をすべて見ており、気を失ってしまっていたが、不思議とヒグマは手を出しておらず、無事であった。
日本史上最悪の獣害事件 人食い熊の最期
罵声は覚悟の上 前代未聞の策で人食い熊をおびき寄せろ!
ヒグマの襲来、そして事件による被害が広まっていることが遂に北海道庁に伝わり、ヒグマ討伐隊が組織、警察だけでなく志願の青年隊、アイヌにも協力を仰ぎ、多くの者がヒグマの事件におびえる住民のため集まった。
そして事件解決のため熊の習性を利用した策が提示された。それは自らの獲物に対する執着心の強さ、必ず獲物を取り戻しに来ると踏み、犠牲者の遺体を餌におびき寄せるというものだった。
立案者は罵声を覚悟で遺族と村人に策を説明した。事件で逼迫した状況に、策に異論を唱える者は一人もいなかったという。
人間が見つからず、慎重さを欠き始める人食い熊
死臭漂う、幼児を含む6人の遺体を置いて、銃の扱いに長けた6人(交代要員を含めて7人)で伏せて様子を覗う。ヒグマは警戒したのか、家をグルグル見回した後、中には入らずに帰って行った。その後も伏せていたが、結局熊は現れなかった。
その頃には熊は他の家に入っていた。既に村の人間たちは逃げ去り、もぬけの殻である人家を荒らし、備蓄の味噌などを食うが、既に好物となった人間が見つからず、事件中慎重だったヒグマだが段々大胆にそして慎重さを欠いた行動を見せ始めていた。
【人か!熊か!】一斉斉射で人食い熊に手傷を負わす
作戦で慎重さを欠いたヒグマを仕留めるため、遂に討伐隊は動いた。更に被害拡大を防ぐため、橋を事件における防衛線と定めて備える。その橋で切り株が一つ多く、その切り株が動いていることを見定めた。
「人か!熊か!」大声で誰何した討伐隊隊員。躊躇いなく隊長は発砲命令を下し、一斉斉射を食らわせる。しかしヒグマを仕留めるに至らず、隊員からは悔根の声が聞かれたが、隊長は一人手ごたえを感じていた。
日本史上最悪の獣害事故 北海道三毛別ヒグマ事件の終結 人食い熊の最期
評判のマタギが三毛別の事件を知り、やってきた。男は鯖裂き包丁で熊を倒したこともあるという。ロシア製ライフルを携えた男は一人で山に入り、ヒグマと対峙。
一発目に心臓近くを撃ちぬいたが、ヒグマは死なない。素早く弾込めを済ませて、二発目を頭部に命中させた。銃声を聞いて討伐隊が駆けつければ、そこには北海道三毛別村を恐怖に陥れたヒグマが屠られた姿であった……。
【石狩沼田幌新事件】 日本で2番目に大きな獣害事件
二番目に大きな獣害事故は、北海道石狩沼田幌新事件です。5人もの人間が犠牲となり、一人はヒグマに生き埋めにされるという事件でした。
人食い熊の襲来 勇気ある人間の抵抗
事件の発端は祭りの最中であった。背後から巨大なヒグマが男に襲い掛かった。死力を尽くして暴れた彼は帯や着物を裂かれながらも、男はなんとかヒグマから逃げることができた。
しかし帰る一団はそうもいかなかった。先導していた兄弟に先回りし、兄を一撃で撲殺。弟に重傷を負わせてから生き埋めにした。そして撲殺した兄の方を腹部から食べ始めた。
闇夜に聴こえる念仏も夜風に消える
事件に遭遇し襲われた一団は半狂乱になり、近くの家に逃げるが、ヒグマは村人たちを追って家に踏み込む。一人の老女を連れ去り山に引きずっていく。念仏を唱える声がしたが、次第に夜風に消えた。
事件を受けて報復の為に村人が銃を携えて山に入るが数発の銃声を最後に消息が途絶えた。
獣害事件史上2番目の被害 北海道沼田幌新事件の終結
出典: https://pepy.jp
討伐隊が青年団、消防団、軍人などの人間で結成されて事件解決、ヒグマ討伐に赴く。最後尾の隊員が撲殺、2番目にいた隊員が重傷を負わされたが、一斉斉射を浴びせて、人食いヒグマの最期となった。
兄弟の兄、弟は生き埋め後に救出されてしばらく息はあったが死亡、老女と山に1人で踏み込んだ村人と討伐隊の隊員1人の5人が犠牲となった北海道沼田幌新事件は終結した。
海外のヒグマ事件 熊に食べられる自分を実況した少女
痛ましく、そして怖い事故はロシアで起こっていた。俗に【ペトロパブロフスクヒグマ事件】と呼ばれたこの事件。
継父とキャンプに来ていたがそのキャンプが少女の最期となった。背の高い草からヒグマが飛び出し、継父を一撃で撲殺。そして少女にも襲い掛かった。
脚をやられて身動きが取れなくなった少女は脚からヒグマに食べられた。痛みの中で彼女は電話を掛けた。母の元だった。
ある意味海外らしいが【ママ、すごく愛してる】 最期の言葉を残して少女は息絶える
出典: http://ameblo.jp
「ママ、ヒグマに食べられているの。ひどく痛い!助けて!」と娘から電話が来たとき、母は冗談だと思ったそうだ。しかし何かの咀嚼音と逼迫した娘の声でそれが本当だと気づく。
「ママ、ヒグマが戻ってきた。小熊を連れている。小熊が私を食べているわ」二度目の電話が来た。そして三度目に上記の言葉を残して少女は息絶えた。
その後母熊と小熊は一頭残らず射殺され事件は収束しました。
人気番組打ち切りの遠因? 海外で日本人がヒグマに食べられた事件
どうぶつ奇想天外の海外ロケで日本人写真家がヒグマに食い殺される事件発生
事件が起こったのはロシア。事件の被害者はアラスカでグリズリーを撮影し続けてきたその道のプロでした。
カメラマンは敢えて湖畔のほとりにテントを構えて滞在することになりました。サケが川を上り、餌が豊富であるため、熊は来ないという見解からだったようです。
しかしその2日後に大きなヒグマが現れました。食糧庫で飛び跳ねていたらしいですが、その時は被害が無く、カメラマンはたまたまだろうとガイドの再三の忠告を聞き入れず、そのままテントでキャンプしました。それが事件の始まりとは気づかず
事件の原因は海外テレビ局の餌付け?海外ガイドとカメラマンの説明に食い違いも
しかしそこから2週間後に惨劇が起こってしまいます。なんと来ないはずのヒグマがカメラマンを襲ったのです。抵抗はしたものの、カメラマンは連れていかれ、翌日食い荒らされたカメラマンの遺体が発見されました。
事件の原因はどうもヒグマを地元テレビ局が餌付けしており、人間を怖いと思っていなかったのではと言われています。更にガイドと海外クルーの説明が食い違っており、事件前本当にカメラマンが強硬に反対していたかは謎に包まれています。
海外に居た【グリズリーに全てを捧げた男】グリズリーマンの最期
事件の被害にあったグリズリーマンという人はグリズリーを愛し、「グリズリーに殺されるなら本望」とまで言った人ですが、皮肉にも本当にグリズリーに殺害されるに至りました。
事故の原因となったのは、獰猛なグリズリーに対して丸腰で近づくというものでした。
事件前はグリズリーが比較的おとなしい時期に撮影していたようですが、グリズリーの撮影が長期に渡り、事件時には餌も少なくなった際に襲われたのではとされています。
有名になりたい!皮肉にもグリズリーに殺され海外でも有名に
事故時最期の撮影は年老いたグリズリーの撮影でした。あっという間に襲われたグリズリーマンは同行していたガールフレンドに逃げるように言いますが、ガールフレンドも応戦。
抵抗虚しくグリズリーマンとガールフレンドは殺され、土に埋められました。自業自得と言える事故ですが、「グリズリーなら殺されてもいい、有名になりたい」という夢を叶えたのは皮肉にもグリズリーに殺害されたからでした。
撮影の最中に襲われたため、テープは残されていたようです。
日本・海外問わず熊の獣害事件をまとめて
出典: http://ameblo.jp
ヒグマは日本では北海道、海外では北米とユーラシア大陸に住んでいます。北米原産のハイイロクマはグリズリーと呼ばれており、ヒグマとほとんど変わらぬ種です。
熊による獣害は各地で起きており、やはり熊は怖いものと認識させられます。
気をつけろと言っても出会ってしまってはかなり厳しいものがあるので、とにかく熊には出会わないよう気を付けましょう。