2021年05月20日公開
2021年05月20日更新
マイマイガが大量発生!幼虫には毒が?駆除方法や生態まとめ
『マイマイガ』って知っていますよね。夏の日暮れに大群で、発生する蛾です。ここ数年、『マイマイガ』の大量発生でスポーツの試合や、交通機関に、大きな被害が出ています!気持ち悪いですよね。どこからきて、どんな蛾何でしょうか?生態・駆除方法何でも調べちゃいました。
目次
『マイマイガ』とは?
学名が、 Lymantria dispar (Linnaeus) で、ドクガ科に属する蛾です。
日本名の由来は、夕方にふわふわ飛んでいるので舞っているように見えるので『舞い舞い蛾』と呼ばれていたのでは?と言われています。
成虫雄は、羽を閉じた状態で長さ20㎜~30㎜で、灰色から茶色をしています。羽を開くと、55㎜~60㎜です。
成虫雌は羽を閉じた状態で長さ40㎜~50㎜で、淡い黄白色または、淡い灰色をしています。羽を開くと、62㎜~93㎜にもなります。
幼虫も、成長すると体長 60mmに達します。
北アフリカ、ヨーロッパ、アジア、北アメリカ東部に広く分布しています。
北アメリカには、ヨーロッパからの移民と一緒に入って来たと言われ、外来種です。
日本では、北海道で明治16年に大量発生の記録があり、それ以後10年位の間隔で、北海道以外でも日本各地で大量発生を繰り返しています。
『マイマイガ』の生態はどんなの?
マイマイガの生態は、8月頃から翌年4月頃までを卵で過ごし、4月頃に孵化して幼虫になり被害を及ぼします。
幼虫の生態は?
マイマイガの卵は4月頃に孵化しまでを卵で過ごし、ふ化すると5㎜程度の小さい幼虫(一面に毛の生えた毛虫)になります。
2か月くらいかけて通常5回程度脱皮を繰り返します。はじめは、真っ黒ですが、成長すると黄色い模様と頭部に八の時の模様が入ります。
幼虫は6月中旬くらいになると大きいものは8㎝近くまで成長します。昼間に糸を垂らしながら風に乗って移動します。その様子から「ブランコ毛虫」と言われる事もあるそうです。
さなぎの生態は?
幼虫は2カ月ほどで発育を完了し、木の葉などを身の周りに糸で引き寄せ、樹幹、物陰などでサナギとなります。
個体や生育環境によっては丸裸のままさなぎに場合もあります。
サナギの期間は10数日です。
成虫の生態は?
7月中旬から8月中旬マイマイガは、サナギから羽化します。寿命は1週間程で、卵を産み落とした後は死んでしまいます。
オス活動的で、日中は森の中を活発に飛び回ります。 反対にメスは、ほとんど飛びません。しかし、日没後、メスは飛び回ったり歩き回り、産卵活動を行います。特に街灯の光によく集まります。交尾後に産卵を終えると成虫は死にます。
メスのマイマイガは、樹木や建物、電柱などいろいろなところに産卵します。
卵の生態は?
卵は、塊で産み落とされています。表面は、成虫の体毛で覆われていて白っぽい見た目をしています。1つの塊に200〜300の卵があります。
建物の壁、樹木、電柱などの至る所に貼り付けるようにして産み落とされています。クーラー所室外機の裏など目立たないところに産み落とされている時もあります。
ゾンビウイルスって何?
ゾンビウイルスとは【バキュロウイルス】という節足動物だけに感染するウイルスです。ゾンビウイルスは木の葉に付着しています。マイマイガの幼虫は、その葉を食べて感染します。ゾンビウイルスに感染すると、脳を乗っ取られ、脱皮してサナギになることなくひたすら餌を食べ続けます。
そして、成長した幼虫はゾンビウイルスによって操られ木の上へと移動させられます。そして、ゾンビウイルスに体を溶かされ液体化し、その液体がまた下の葉へ付き、その葉を別の幼虫が食べまたウイルス感染いう経路でゾンビウイルスは毛虫を駆逐していきます。
そんな、ゾンビウイルスがいれば、マイマイガが大量発生するわけがないじゃないかと、思われた方も多いと思います。実は、ゾンビウイルスは10年に1度減少する期間があるんです、その減少期間があるために蛾の幼虫が駆逐されず大量発生してしまうそうなんです。だから、ゾンビイルスがいなければ毎年蛾が大量発生しているということなんですよね。
『マイマイガ』に毒はあるの?
マイマイガは、ドクガ科に属していますが、成虫には、毒はありません。
ちなみにマイマイガに毒があるのは孵化したばかりの幼虫のみです。
しかし、1齢幼虫にはわずかですが毒針毛があり、触れるとかぶれます。2齢以降の幼虫、繭、成虫には毒針毛はありません。
『マイマイガ』の成虫の駆除方法は、たいへんなのかな?
マイマイガは成虫になると捕獲や殺虫剤での駆除が困難になります。
成虫になってしまうとほとんど殺虫剤の効果がありません。ですので、成虫が、大量発生した場合の有効な駆除方法は捕殺しかありません。捕殺して土に埋めるか焼却することで、遺伝子を絶やします。
でも、燐粉でかぶれる場合もありますので、捕るときはゴーグルをかけたり、トングなどを使ったりした方が良いでしょう。
では、『マイマイガ』の幼虫ならば駆除方法は、あるのかな?
マイマイガの幼虫は1㎝くらいまでの、若齢幼虫は、市販の殺虫剤で駆除できます。でも、このころの幼虫は、毛に毒針を持っていますので、幼虫を直接触らないようにしてください。
ケムシ用の殺虫剤や農薬(登録農薬:トレボン乳剤、スミパイン乳剤)を使用する時は、補殺などの駆除ができないなど、止むを得ない場合のみにしましょう。そして、農薬の使用時は、その薬剤の使用方法や注意事項を厳守しましょう。
駆除する時にはマスクやゴーグル、軍手・手袋を着用し、また捕獲する際には火箸やトングなどを使用してください。小さいうちに殺虫駆除するのが効果的です。大きくなると殺虫剤があまり効きません。
サナギの駆除
サナギになると、もう毒はありません。駆除する時にはマ、スクやゴーグル、軍手・手袋を着用し、また捕獲する際には火箸やトングなどを使用して残さないように、丁寧に捕ってください。
それでは、『マイマイガ』の卵ならば駆除方法は、簡単なのかな?
マイマイガを駆除する方法で一番効果的なのは、卵のうちに駆除することです。マイマイガの卵は、建物の壁、柱、木の幹などいろいろな所に産み付けられています。発生を抑えるためには、8月頃から翌年4月頃のうちに卵を除去することが効果的です。
マイマイガを駆除する方法で一番効果的なのは、卵のうちに駆除することです。マイマイガの卵は、建物の壁、柱、木の幹などいろいろな所に産み付けられています。発生を抑えるためには、8月頃から翌年4月頃のうちに卵を除去することが効果的です。
壁を傷つけないよう、あまり先がかたくない先が平らなもの、底部を切り取った角型ペットボトルや硬いプラスチック製のヘラを使い、卵をそぎ落とします。
卵を除去する時は、卵の周りの毛が舞い上がることに備え、マスクやゴーグルをしてください。
また粘着テープを貼り付けてはがすことを数回繰り返すと取れます。
『駆除した後のマイマイガの処理方法は、どうするのかな?
そぎ落とした卵は、土に10cm深く埋めるか、燃えるごみとして処理しましょう。使った粘着テープも、可燃ごみとして処理しましょう。
殺虫剤をかけて殺したり、火箸やトングで捕獲したりした幼虫やサナギは、バケツに水と少量の洗剤を入れたものを用意し、その中入れて駆除でしましょう。
マイマイガの死骸はできるだけ早く回収処分しましょう。放置しておくと別の
駆除し終わった道具は、良く洗剤で洗い消毒しましょう。使った水は、側溝や川には流さず必ず下水に流しましょう。
幼虫(毛虫)を触ってしまった場合は、どうすればいいの?
流水で充分洗い流し、皮膚炎が起こってかぶれたり、腫れたりししまった際には、市販されている薬品でも痒みや炎症を軽減することができますが、症状が強い場合は病院を受診しましょう。
なお、幼虫は糸を垂らし風に乗って移動しますので、衣類や外に干した洗濯物などについていないか確認しましょう。もし、付いていたら直接手で触らず、粘着テープなどで取り除きましょう。そして、洗濯し直してください。
マイマイガによるかぶれに効く薬
マイマイガの幼虫に触れて、皮膚がかぶれてしまったときは、皮膚科に行きましょう。そして、ステロイド・抗ヒスタミン薬などの薬を処方してもらいましょう。マイマイガのかぶれに効く薬として有名なものにリンデロンがあります。ステロイド軟膏の強さは5段階あり、リンデロンはこのうちに3にあたります。中間の強さですが、副作用の心配もあるので使用には医師の正確な判断をもらう必要があるのです。自己判断で市販の薬を使うのはむしろ悪化させる可能性もあるので避けたほうが良いでしょう。
『マイマイガ』の防除はどうするの?
マイマイガが大量発生してしまった時の防除の方法として、個人で行えることは、成虫をなるべく家屋に寄せ付けないようにすることでしょうね。
成虫は水銀灯の照明に寄って来やすいです。照明はLEDにすることで寄ってくる可能性が少なくなります。一番対策になるのは、卵を産む雌の蛾は夜行性なので夜間は外の照明を消すことです。家に蛾が産卵しないように家に近づかないようにしなければならないので、に室内の光も漏れないようにしましょう。
大発生した時は、外出する時は、長そでや帽子をかぶる、マスクをするなど、肌の露出を少なくし、マイマイガが衣服に触れた場合は、帰宅後すぐに着替えましょう。マイマイガに触れた服は、選択しましょう。
まとめ
外来生物『マイマイガ』は、天敵がいないので、大量発生してしまいます。気持ち悪いですが、ゾンビウイルスに頼るしかないかもしれません。
ですが、生態系を守って、早く日本から去っていただきたいものですね。