2021年05月20日公開
2021年05月20日更新
なにこれ?「PLの塔」が怖い!PL教団が建てた大平和記念塔とは?
大阪府富田林市に「PLの塔」という巨大な白い塔が建てられているのをご存知でしょうか。周りの風景と明らかに異質な存在感を放つ独特なデザインを見て、「怖い」と感じる方も多数いらっしゃいます。本記事ではそんな不気味な塔「PLの塔」について紹介します。
目次
大阪府富田林市になにやら怖い塔が建っているらしい
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大阪に行ったことある人は見たことがあるかもしれませんが、大阪府の富田林市には、なにやら不気味な塔が建てられているのをご存知でしょうか。
富田林駅を降りると、一見どこにでもある住宅街の風景が広がっていますが、その中にあからさまに異質な存在感を漂わせている白い塔が見えます。
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上の画像がその塔なのですが、はじめてその塔を見る方にはそのインパクトのあるデザインと周囲の風景とのミスマッチ感から「怖い」と印象を受ける方が大多数であるようです。
いったいこの怖い塔はなんなのでしょうか?本記事では大阪府富田林市の怖い塔の正体についてご紹介していきます。
怖い塔の正体は宗教法人PL教団の「PLの塔」
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初見の方には「怖い」と言われるほどの絶大なインパクトを誇る白い塔ですが、実はこちらの塔は「パーフェクトリバティー教団(通称:PL教団)」と呼ばれる宗教法人によって建設された塔なのです。PL教団は大阪府富田林市に教団本部を設置しています。富田林市が本部であるということで、PL教団にまつわる様々な施設が富田林市に建設されています。それらの建造物のうち最も象徴的な建造物が「大平和記念塔」、通称「PLの塔」です。
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宗教法人PL教団(パーフェクトリバティー教団)とは?
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それでは、果たしてPL教団とはどのような団体なのでしょうか?
PL教団(正式名称:パーフェクトリバティー教団)は1916年(大正5年)に立教された宗教団体です。系統的には神道系の宗教で、日本政府の統計上の分類では諸教とされています。
PL教団、と聞いてピンとくる人は少ないと思いますが、「PL」と聞くと、もしかしたら宗教よりも高校野球が思い浮かぶ方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
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高校野球でかつて屈指の強豪校として挙げられ、清原選手や桑田投手に代表されるような名だたるプロ野球選手を数多く輩出した学校である「PL学園」は、PL教団が母体となって作られた学校です。そのためPL学園は教団本部のある大阪府富田林市のPL教団の本部敷地内に立地しています。
PL教団の信仰・教えについて
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PL教団の信仰対象は宇宙全体であり、その宇宙全体と等しい神である「大元霊(みおやおおかみ、もしくはだいげんれい」を信仰しています。
また、PL教団の教えは「人生は芸術である」の真理のもとに、各人の真の個性を世のため人のために最大限発揮し、ひいては世界人類永遠の平和と福祉のために貢献する事を目標としており、その教えの特徴的なものが「みしらせ」と「みおしえ」というものです。
「みしらせ」とは、PL教団では身の回りに起こる災難や病気といった苦痛・苦難は、自身の心得が違っていること、自身の心が傾いていることを知らせるための神様からの警告と考えており、この警告を「みしらせ」といい、この「みしらせ」を引き起こしている心の傾き・癖は何であるかを教団から個人個人に教え授けられるものが「みおしえ」といいます。
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また、PL教団には教団の戒律というものは特に存在していません。代わりというわけではないですが、日常生活の心得として「PL処世訓」や「PL信仰生活心得」というものが存在します。PL処世訓の1番目は上記にあるように「人生は芸術である」の教えが記されています。
なぜPLの塔が建てられたのか?
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宗教法人PL教団について説明したところで、冒頭に紹介した怖いと噂の塔、「PLの塔(大平和記念塔)」について細かく紹介していきたいと思います。
そもそもこのPLの塔(大平和記念塔)はどのような目的で建てられたのでしょうか。
PLの塔(大平和記念塔)は1970年(昭和45年)の8月に建てられました。その高さはなんと180mもある巨大な塔となっています。
実はPLの塔もしくは大平和記念塔という名前は正式な名称ではなく、正式名称は「超宗派万国戦争犠牲者慰霊大平和祈念塔」と言います。この正式名称を読み解いていくと、建設の意図が見えてきます。
PL教団ではあらゆる宗教が真の世界平和具現へ向けて互いに協力していくことを願っており、PLの塔では人種や民族、国家や国境、また宗教や宗派、信条などを超えてあらゆる戦争犠牲者の慰霊と鎮魂を行うための慰霊塔と平和への祈念塔という役割をもって建設されました。あわせて先述した「人生は芸術である」という教団の教えを象徴する建造物という役割も持っています。
PLの塔のデザインは岡本太郎?
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PLの塔(大平和記念塔)の最大の特徴であるのが、その独特のデザインです。スカイツリーや東京タワーなどの良く知られるタワーの類とは全く異なり、直線的・機械的な部分がほとんど感じられず、まるで粘土をこねて作られたような曲線的で均整がとれていないようなフォルムと、まっしろな塔の色はある種の不気味ささえ感じさせます。初めて見た人が「怖い」と感想を持つのも納得のいく姿をしております。
その独特のデザインから、PLの塔(大平和記念塔)のデザインは岡本太郎氏ではないか?という推測をされる方も多くいらっしゃいます。
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岡本太郎と言えば万国博覧会の「太陽の塔」で知られる芸術家です。太陽の塔もインパクトのあるデザインで怖いと思わせる部分もある独特のデザインです。そんな岡本太郎の建築物とPLの塔の作風や造形が似ているということからPLの塔が岡本太郎氏のデザインであると推理する人は少なくないでしょう。
しかし、本当にPLの塔のデザインが岡本太郎氏なのか調べてみたところ、実は岡本太郎氏はまったく関わっていないようです。PLの塔はPL教団の第2代教祖である御木徳近日知が原型のデザインを行い、それをもとに日建設計が設計、東急建設が施工を行ったようです。
というわけでPLの塔のデザインが岡本太郎であるという説はどうやら間違っているようです。
PLの塔の内部に入ることは可能?
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あれだけインパクトのある建物ですから、内部に入ってみたいと思う方は少なからずいらっしゃることでしょう。しかし、PLの塔は観光のためのものではなく宗教的な役割を持つ建物ですので、信者しか内部に入ることが出来ないのではないか、と考えてしまいますがそんなことはありません。
PL教団以外の方でも塔の内部に入ることは可能です。PLの塔が「宗教や宗派、信条などを超えてあらゆる戦争犠牲者の慰霊と鎮魂を行うための慰霊塔と平和への祈念塔という役割」を持っているため、他宗教の方でも入ることが出来るのだと考えられます。
ただし、もちろん内部へ入るための目的は「参拝」でないと内部へ入場することは出来ません。もし内部に入りたいのであれば外にいる警備員や受付に「参拝させてください」という目的をしっかりと伝えれば内部に通してもらえます。「見学させてください」であれば入場できない可能性が高いです。
なので、本来興味本位では入る場所ではないのですが、内部に入るのであればしっかり参拝も行うようにしましょう。
現在はPLの塔の内部全てを見ることは出来ない
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現在、PLの塔の高層部分には信者であっても入れないようになっているようで、現在は塔の1階部分と2階にある神殿にのみ訪れることが出来ます。10年ほど前までは高層部も解放されており、展望室から眺めの良い光景を楽しむことが出来たらしいです。
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1階部分は展示場のようになっているようで、写真のように様々な展示物を見ることが出来るようになっています。
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外見に負けず劣らずの、なんとも不思議なオブジェなども見ることができるようです。「人生は芸術である」というPL教団ならではの芸術的・独創的な展示物を体感することが出来ます。
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2階の神殿へ続く階段です。2階部分は神殿のみ見ることが可能で、その他の部分や2階より上の展望エリアは一般入場が禁止されています。
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ちなみに神殿には「開運の寶(かいうんのたから)」という御守りが置かれてあり、自由に持ち帰ることが出来るのだそうです。「この開運の宝を持っていることにより、本年中幸せに恵まれますようにというパーフェクトリバティ教団教主の祈りがこめられています」ということが書かれているようです。記念に持ち帰るのも良いかもしれません。
PLの塔はいつ開いてる?入場料は必要?
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PLの塔に興味を持たれた方のために、PLの塔についての開塔・閉塔時間や定休日、入場料についての情報を紹介します。
まず開塔時間ですが午前10時で、閉塔時間が午後4時となっております。また、毎週水曜日とPL教団の行事がある日は閉塔されているようですので、参拝に行かれる際は注意してください。
入場料は無料で参拝することが出来ます。
PLの塔へのアクセスは?
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続いてPLの塔へのアクセスについて紹介します。
■住所
〒584-0081 大阪府富田林市大字廿山285-1
■最寄り駅
・近鉄長野線 富田林駅より徒歩約20分
・近鉄長野線 富田林西口駅より徒歩20分
最寄り駅からPLの塔までは徒歩で約20分と距離がありますので、近郊の方は車で向かわれることをおすすめします。PLの塔の前に大きい駐車場があるのでそこに駐車することが可能です。
PLの塔に興味が湧いた方は参拝に行ってみよう
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いかがでしたでしょうか。怖い、不気味と思われているPLの塔ですが、ふたを開けてみればPL教団という宗教団体の、世界中の戦争犠牲者の慰霊と世界平和の祈念の塔という神聖な目的があることが判明しました。
その独特なデザインや大多数の人が見に馴染みのないような宗教の一端を垣間見れる非常に興味深い建築物でありますので、この記事を見て興味を持たれた方、近郊にお住まいの方は、参拝目的であれば誰でも内部に入れますので、ぜひ参拝に行ってみてください。