非常口マークを解説!2種類の表示があるがその違いとは?

非常口マークは様々な場所で見かけますが2種類の違う非常口マークがあることをご存知ですか?実は非常口マークは用途によって2種類の表示が使われていてそれぞれの表示で違う意味があります。 果たして2種類の非常口マークにはどんな違いがあるのでしょうか?

非常口マークを解説!2種類の表示があるがその違いとは?のイメージ

目次

  1. 12種類の非常口マークの違い
  2. 2非常口マークを表示する意味
  3. 3非常口マーク自体の意味
  4. 4非常口マークが表示する向き
  5. 5非常口マークと消防法
  6. 6非常口マークの名前
  7. 7海外の非常口マーク
  8. 8非常口マークの生みの親
  9. 9非常口マークの表示について:まとめ

出典: http://material.wanaya.jp

非常口マークは様々な公共施設に表示されていますので誰でも必ず見かけたことがあると思われます。非常口マークは緊急時の誘導灯としての役割があって緑色と白色の2色で表示されているのが特徴的です。

そんな非常口マークですが実は2種類存在します。その2種類の非常口マークの違いとは一体何なのでしょうか?今回は非常口マークの違いや、消防法との関係や名前などについてご紹介します。

2種類の非常口マークの違い

多くの場所に表示されているマーク

非常口マークは2種類存在します。しかしそれらはデザインが大きく違うわけではありません。むしろ違いは色合いだけなのでデザインは2種類とも全く同じです。色に関しても2種類とも緑と白の2色だけです。それらの違いは「緑地に白」か「白地に緑」かの違いです。

緑色ベースは出口付近に表示

こちらが「緑地に白」の非常口マークです。この非常口マークの特徴は非常口の近くに表示されていることです。つまり「緑地に白」の非常口マークは緊急時におけるその部屋のゴールを意味しています。

出典: http://material.wanaya.jp

こちらが「白地に緑」の非常口マークです。こちらの特徴は非常口へ到達するための経路に表示されていることです。そのため「白地に緑」の非常口マークを辿って進むと「緑地に白」の非常口マークを発見することが出来ます。「白地に緑」の非常口マークは迷いやすくて広い施設内に表示されています。

非常口マークを表示する意味

非常口マークを表示する意味は勿論緊急時に誘導灯としての役割を果たす為ですが、2種類の非常口マークの色が違う意味もちゃんとあります。

白色ベースは非常電灯

「白地に緑」の非常口マークが非常口へ到達するための経路に表示されている意味は電灯が使用できなくなった際に電灯の役割を果たすためです。実際に緑色が多い非常口マークよりも白色が多い非常口マークの方が暗所で明るく見えます。

緑色は火災時に見えやすい

「緑地に白」の非常口マークが非常口の近くに表示されている意味は緑色が赤に対して最も見えやすい色だからです。そのため火災が発生した際でも非常口マークをスグに見つけられるようにするために緑色が使用されています。またこのタイプの非常口マークの緑色は消防法によってしっかりと定められています。そのため黄緑色や濃い緑色などは表示不可となっています。

非常口マーク自体の意味

非常口マークの意味は勿論災害時に非常口へ安全に辿り着けるようにするための誘導灯としての役割です。しかし2種類の非常口マークの存在とそれぞれの意味の違いはあまり知られていないようです。

表示する意味

2種類の非常口マークの違いを知っていれば災害が起きた際に迅速に行動を取ることが出来ます。緑色ベースの非常口マークを見つけたら非常口が近い事を意味していますし、白色ベースの非常口マークがあったら非常口まではまだ距離があることを意味しています。

覚えておくと便利

子供や障害者などと一緒に公共施設へ行く場合もこれを覚えていれば災害時に役立ちます。基本的に緑色ベースの非常口マークの近くにいれば非常口のすぐ近くにいられることを意味しますので、緊急時もスグに避難することが出来ます。

非常口マークが表示する向き

非常口マークに関する知られざる情報をもう一つご紹介します。それは非常口マークの人の絵柄が表示されていた向きがかつては全て左向きであったことです。

昔は必ず左向きに表示

出典: http://dankai-hiroba.cocolog-nifty.com

非常口マークと言えば出口に向かって駆け込む人間のマークと矢印が特徴的です。白色ベースも緑色ベースも矢印は非常口に向かった方向を向いています。しかし昔の非常口マークの人間はどちらの向きであったとしても必ず左を向いていました。そのため場合によっては矢印と人間の向きが逆を向いていたこともあります。

現在はどちらもある

しかし、矢印と人間の向きが違う場合、人によっては人間の向きを信用してしまい逆方向に進んでしまう人もいるかもしれません。
そのため現在は右を向いている非常口マークも製造されているので、人間も矢印も必ず非常口の方を向いています。

非常口マークと消防法

非常口マークの表示は人の命に大きく関わることなので誘導灯の色・サイズ・輝度・設置場所など設置基準に関わる全ての要素が消防法によって決められています。

冷陰極管からLEDへ

非常口マークは誘導灯としての役割を果たすために「冷陰極管」という蛍光ランプが使用されていました。冷陰極管は従来の蛍光灯よりも消費電力が短くランプとしての寿命も長いので全ての非常口マークに使用されていました。しかし現在はLEDランプの普及に伴い冷陰極管ではなくLEDランプが使用されています。LEDランプは冷陰極管と同じ位の寿命があり尚且つ消費電力がさらに少ないという特徴があります。

【消防法施行令】 ●記載 ⇒ 消防法施行規則第28条の2第3項 ●条件1 ⇒ 避難階(無窓階を除く)の場合  令別表第1(1)項から(16)項までに掲げる防火対象物の階のうち、居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口にいたる歩行距離が30m以下であるものは、誘導標識の設置を要しない。  なお、避難階にあっては、通路誘導灯の設置を要しない防火対象物又はその部分であっても避難口に至る歩行距離が30mを超え、かつ、避難口誘導灯の有効範囲外となる部分については、誘導標識の設置が必要である。 ●条件2 ⇒ 避難階以外の階(地階及び無窓階を除く)の場合  令別表第1(1)項から(16)項までに掲げる防火対象物の階のうち、居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口にいたる歩行距離が30m以下であるものは、誘導標識の設置を要しない。

誘導灯の位置

非常口マークを至る所で見かけるのも消防法によって決められているからです。消防法ではデパートやホテルなどの不特定多数の人が出入りする施設では全てのフロアに非常口マーク(誘導灯)を表示しなければいけないと決まっています。
また設置する場所に関しては映画館などの階段・傾斜がある部屋では転倒を避けるために天井ではなく下の方に設置されています。

必ず24時間体制

さらに非常口マーク(誘導灯)は24時間常に点灯していなければならないと消防法で決まっていますので映画の上映中でも病院の消灯時間でも関係無く点灯し続けます。
非常口マーク(誘導灯)の電源は、通常の電灯とは別系統となっており、耐火ケーブルを使用した独自の電力供給源か、非常灯の本体内部の蓄電池かのいずれかが使用され、常に点灯するようになっています。

非常口マークの名前

名前はピクトさん(ピクトグラム)

非常口マークに表示されている人間には名前が付いている事をご存知ですか?あの人間の名前はピクトグラムの「ピクトさん」です。
ピクトさん(ピクトグラム)の名前の由来は「ピクトグラム=pictogram(絵文字)」から付けられています。

ピクトさん(ピクトグラム)は顔も無いし色も緑あるいは白一色なのでとても無機質な存在ですが、至る所で見かけるためいつしか愛着が湧くようになりピクトさん(ピクトグラム)という名前で親しまれるようになりました。
非常口マークの表示の仕方は消防法が大きく変わらない限り変化しないと思われますので、ピクトさん(ピクトグラム)はこれからも24時間体制で私達に非常口の場所を知らせてくれることでしょう。

海外の非常口マーク

アメリカ

出典: https://4travel.jp

アメリカの非常口マークです。EXIT(出口)と表示されていますのでとても分かりやすいです。海外には日本の様に絵文字が使用されている非常口マークもたくさんありますがアメリカではこの非常口マークが主流となっています。また飛行機内の非常口マークにもこれが採用されている事が多々あります。

タイ

出典: http://passport2priceless.blogspot.jp

こちらはタイで使用されている非常口マークです。数字と英語が表示されていますがマークは日本の物と同じです。この走る人間「ピクトさん」は海外でも使用されています。

番外編(パロディ)

出典: http://sirufu999.blog.so-net.ne.jp

これは実際に使用されている非常口マークではありませんが、ピクトさんが有名になるにつれてこの様なパロディデザインがよくネット上で出回っています。転んでしまった人を置き去りにして自分だけ逃げる様に「非情」口と名付ける所にネーミングセンスを感じます。ただし実際の災害時には絶対にマネしないで下さい。

非常口マークの生みの親

海外でも同じように表示されている非常口マークですが実は生みの親は日本人なのです。

生みの親:太田幸夫さん

出典: http://www.pechakucha.org

ピクトさん(ピクトグラム)を世に生み出した人の名前はグラフィックデザイナーの太田幸夫さんです。
非常口マークの誕生は1970年代後半に新たな非常口マークを生み出すために行われたデザインコンテストでした。
そこで数千通にも及ぶ候補の中から厳選して選ばれたのが太田幸夫さんがデザインした現在の非常口マークです。これが採用されデザインの微調整を行ってから1980年に正式に採用されてISO(国際標準化機構)にも採用されています。その後1987年に国際規格となり世界中に広まりました。

現在は世界基準に

出典: http://president.jp

太田幸夫さんがデザインした非常口マークは絵文字を採用している事から世界中の誰が見ても非常口であるという事が分かります。アメリカでは赤文字で「EXIT」と書かれた非常口マークも使用されていますが、これは英語圏の国にしか浸透していないのでそれ以外の国では太田幸夫さんがデザインした非常口マークが浸透しています。

非常口マークの表示について:まとめ

いかがでしたでしょうか。非常口マークは2種類の色があってそれぞれ使い分けがなされていたり、名前が付いていたりと以外と奥の深い存在です。
日本で生み出された非常口マークは今や全世界で使用されている程有名なマークなので日本人として誇りに思って良いでしょう。

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