2021年03月30日公開
2021年03月30日更新
【福島原発】除染作業員の高額バイトの実態。日当33万円も仕事内容は…
福島の第一原発ではバイトの除染作業員を募集しています。ネットの求人サイトやハローワークからも求人が出ている福島第一原発の除染作業員のバイトは高額な収入が期待できますが、その実態は死亡例もあるほどの危険な仕事であるとも言われています。
目次
福島第一原発の除染作業員バイト求人がある!?
出典: http://kobajun.chips.jp
2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけに起きた福島第一原発の事故により福島県一帯は放射能で汚染されてしまいました。
第一原発による放射能の被害はかなり広くて大きいものなので、事故から6年経過した今でも作業員による除染作業が続いています。
福島の原発での作業は求人が出ている
出典: http://amaebi.net
福島第一原発の除染作業員のバイトはハローワークなどの求人サイトで多くの募集をかけられています。
募集内容を見ると他所のバイトに比べてかなり高額な給料が見込めて、実際に短期間で高額な収入を得た人もいます。しかし被曝する恐れもあり、危険を伴う仕事であることにも変わりません。
そこで今回は福島第一原発の除染作業員のバイトについてご紹介します。求人情報に書かれている内容や経験談に基づく実態にも迫ってみました。
福島第一原発の作業員について
福島の第一原発は福島県双葉郡大熊町にあります。アルバイトの作業員はその地域周辺で土木作業や除染作業などをすることがほとんどです。
福島第一原発の求人内容
出典: http://nomusoku.blomaga.jp
福島第一原発の除染作業員バイトの募集情報を見てみると、
日給は1万円弱~3万円弱
労働時間は朝から夕方まで。半日出勤のケースもあり、残業は絶対に出ません。
勤務日数は月に25日程で週休1日
期間は2週間や2・3か月などの短期間の物が多い
などの特徴があります。
求人は短期バイトが多い
出典: http://blog.goo.ne.jp
仕事内容は瓦礫の仕分けと撤去や放射線量の測定や除染作業などです。除染作業は草刈りや袋詰めなどがあります。
基本的に仕事は短期バイト形式なのでその間は寮に住み込みで仕事をします。短期バイトが多い理由は放射線量が関係しており、長時間労働すると被曝して健康を害する恐れがあるためです。
バイト作業員は未経験でも問題無く採用されて、年齢層は若い人から年寄りまで様々ですが圧倒的に男性が多いです。
バイト作業員の出身地は北海道や沖縄などの地方出身者が多く、逆に地元民は少ないです。
福島第一原発の除染作業員バイト:ハローワークでの募集
福島第一原発の除染作業員はハローワークでも募集されています。
経験者は日当33万円も
出典: http://kurumada-kogyo.com
福島第一原発の除染作業員はハローワークも各求人情報サイトも内容はほとんど同じですが、ハローワークの場合日給1万~1万5千円の案件が多いので給料はちょっと少ないかもしれません。
ハローワークのバイト募集も勿論未経験歓迎ですが、経験者向けの求人もあります。
その場合日給で数十万円が支給されることもありますが、かなり危険な現場で被曝する可能性のある仕事を請け負うことにもなりかねません。
福島第一原発の除染作業員の仕事の過去の実態
ハローワークなどの求人情報で高額な給料が記載されている福島第一原発の除染作業員ですが、その実態にはかなり厳しい現実がありました。
東電から下請けへ
出典: http://www.asyura2.com
福島第一原発の除染作業員のバイトは元請が東電(東京電力)になっています。しかし東電がバイトを雇うわけではなく実際に雇っているのは下請けの会社です。
他の業種でもよくあることですが、元請の会社と作業員の間に仲介する会社があるとそこで手数料を引かれてしまいます。これは仲介する企業の数が多ければ多い程手数料の合計額が多くなります。俗にいう「ピンハネ」です。
過去にあった酷いピンハネ
出典: http://blog.goo.ne.jp
福島第一原発の除染作業員のバイトの実態もかなりのピンハネがありました。前例を挙げると、東電は1人の除染作業員に対して10万円支払っていましたが、下請けや孫請けを仲介する事でバイトの手取りは1万円弱しかなかったそうです。
この下請けや孫請けの会社は福島県の地元の企業が多いのですが、ここで多くの金額がピンハネされていたことになります。
この場合東電はしっかりとした金額を支払っていて、尚且つ下請け企業がそれをどのように扱うかは管轄外なので東電には何も責任はありません。
出典: http://www.asyura2.com
第一原発で事故が発生した直後はこの様な厳しい実態があり、低賃金で危険な仕事を任せられる除染作業員がたくさんいました。現在は雇用システムも見直されたので、作業員への手取りの収入も多くなっています。
除染作業員バイトで高額給料を貰えた事例
ここからは実際に福島で除染作業員のバイトをやって高額な給料を貰えた人の事例をご紹介します。
安全に高額収入を貰えた事例
出典: http://yasuki2411.doorblog.jp
その人は東京都在住の20代前半の高卒フリーターでした。原発や除染作業の経験は一切ありません。除染作業員の募集はごく普通のバイト求人サイトで見つけて応募したそうです。
都内にある面接会場で簡単に面接を済ませて採用されたので、送迎バスに乗って現地へ行きました。
現地へ向かう際は数日分の着替えを持って行き仕事の期間(45日間)はずっと寮で生活することになります。
出典: http://blogos.com
最初の3日間は健康診断と放射線に関する座学を受けました。勿論この間も給料は発生します。
出勤日数は基本的に月25日ですが、日程は自分で自由に決められます。勤務時間は7時~16時で途中休憩も入ります。
流れとしては朝礼→作業→昼休憩(1時間)→作業となります。午前と午後の作業の合間に40分の休憩もあります。
除染作業員の仕事と普段の生活
出典: http://urashakai.blogspot.jp
作業内容はいわゆる「除染作業」ですが、やることは森林地帯での草刈りと袋詰めでした。
作業する際は常に作業服とマスクを着用します。いわゆるガテン系の仕事の経験者や体力に自信がある人ならば問題無くこなすことが出来ます。
雨の日はかなり大変な作業になりますが、雷が鳴るほどの大雨になると車内で待機することもあります。
出典: http://moonrain7010.blog.fc2.com
仕事以外の時間は寮で過ごすことになります。寮は出来たばかりで朝と夕方は食堂を利用することも出来ます。
部屋は個室で洗濯機も無料で利用できるのでかなり快適に過ごすことが出来ます。しかし周囲に娯楽施設が無いのでかなり退屈してしまうこともあります。
コンビニは徒歩で10分程の場所にあります。多くの人が車を乗り合ってパチンコか飲みに行くことが多いです。
出典: http://financegreenwatch.org
除染作業員のバイトは無事故と健康管理が最優先となっています。そのため定期的に被曝量を検査し、健康管理はしっかりしています。
それは過去に第一原発の除染作業員が被曝し死亡してしまったという前例もあったため、業界も健康管理に対してかなり慎重な姿勢になっているということが考えられます。
除染作業員バイトの収入は?高額な給料!?
求人通りの給料を貰えた例
出典: http://www.huffingtonpost.jp
上記の様な環境で働いた人は日給15500円で、1か月に25日出勤したため手取りで33万円もの収入を得ることが出来ました。
他にも高額な収入が貰える除染作業員のバイトもたくさんありますがこれはかなり良い方の事例です。
出典: https://ameblo.jp
健康管理や労働環境が問題視される仕事ですが、しっかりとした所で働けば普通に仕事出来て健康面も問題無いです。
また除染作業員のバイトは短期間で高額な収入が得られるためフリーターの人々が集まりやすいです。
中には数か月間毎に仕事と無職を繰り返しながら生活している人もいます。
除染作業員のバイトは高額収入だが、、
除染作業員のバイトは給料が高額で魅力的に映る部分もありますが、あまり良くない実態もあります。
求人内容だけでな見えない部分もある
出典: http://www.gepr.org
除染作業員のバイトは短期間の募集が多いです。その理由は被曝放射線量が関係しています。
人間にはそれぞれ被曝放射線量が決まっていて、それを越える被曝を経験すると癌などの病気が発生しやすくなります。
現在の除染作業員のバイトは定期健診を必ず受けて、その時に被曝放射線量が限界に達していると雇用は終了となります。
その場合、どこで検診を受けても被曝放射線量は変わらないので除染作業員のバイト自体を受けることが出来なくなります。
弱点:危険&短期間のみ
出典: http://www.minpo.jp
第一原発の「凍土遮水壁工事」という仕事はとても危険な仕事です。
凍土遮水壁工事は第一原発の周辺の建物が地下水で汚染されないように氷の壁を地下に貼る仕事です。仕事自体は未経験者でも可能で給料は月に52万円~75万円もらえます。
危険だからこその短期間
出典: http://mainichi.jp
この凍土遮水壁工事は4か月で50ミリシーベルトの被曝放射線量に達すると言われています。人間は1年間で50ミリシーベルトまでなら被曝しても問題無いと言われているので、凍土遮水壁工事は4か月以上続けることが出来ません。
また4か月に達したら年内は原発関連や放射線を浴びる可能性のある仕事に就く事も出来ません。
そのため除染作業員のバイトは長期間に渡って継続できない仕事と言えます。
福島第一原発の除染作業員バイト求人での死亡例
ネットの求人サイトでも普通に募集されている福島第一原発の除染作業員のバイトですが、残念ながら過去には死亡事故も発生してしまっています。
過去の死亡事例
出典: http://www.asyura2.com
福島第一原発で仕事していた男性作業員(享年50歳)は原発で事故が発生してから2014年から2016年の約2年間に渡って復旧作業に務めていました。
その男性は第一原発の汚水タンクをフォークリフトで運ぶ仕事をしていたのですが、かなり放射線量の高い場所での作業だったので本来ならばこまめに休憩を挟みながら作業しなければならなかったのですが、実際にはあまり休憩を取れていませんでした。
男性は途中から体調不良も訴えていましたが、現場監督であることと代わりの作業員がいないという理由で作業を続けました。しかし休日に肝臓に激痛が走りそのまま息を引き取ってしまいました。
死後の対応も原因追及もなされないまま
出典: http://www.asahi.com
その男性は休日に亡くなったため会社から労災も下りず、遺族が男性の健康診断の結果の提示を要求するも対応しませんでした。
またその男性は普段から自分が第一原発で作業していることは他言しないようにと会社から命令されていました。
これは過去に起きた事例なので現在の第一原発及びその周辺での労働環境は改善されてきていますが、被災地が未だに危険な地域であることには変わりません。
中には今でも低賃金で酷い労働環境で作業員を雇っている企業もあると噂されています。除染作業員のバイトに応募するならば、高額な給料だけを見ずに慎重に判断するべきでしょう。
福島第一原発の除染作業員バイト求人:まとめ
出典: http://www.imart.co.jp
いかがでしたでしょうか。福島第一原発の除染作業員のバイトは他所のバイトよりも給料が高いし、最近は労働環境の整った案件もあるので魅力的な仕事と言えるかもしれません。
しかし過去には死亡事故も発生していますし、被災地が危険であることも変わりません。
もし本当に応募するなら健康を害する労働環境や給料のピンハネをしているような企業で雇われないように注意して下さい。