『桜の種類図鑑』有名な品種から珍しい桜まで見分け方をご紹介【写真図鑑】

全て合わせると100種類を超える種類が存在すると言われている桜。 春の訪れと共に開花時期がやってくると、花見に必要不可欠な春の風物詩となります。 今回は桜の品種や種類について、有名な品種から珍しい桜、桜の見分け方などを中心に紹介します。

『桜の種類図鑑』有名な品種から珍しい桜まで見分け方をご紹介【写真図鑑】のイメージ

目次

  1. 1人々を惹きつけて止まない桜の魅力
  2. 2有名品種も多数!!『桜の種類図鑑』
  3. 3桜の種類図鑑No1.江戸彼岸(エドヒガン) 
  4. 4桜の種類図鑑No2.大島桜(オオシマザクラ)
  5. 5桜の種類図鑑No3.山桜(ヤマザクラ)
  6. 6桜の種類図鑑No4.寒緋桜(カンヒザクラ)
  7. 7桜の種類図鑑No5.豆桜(マメザクラ)
  8. 8桜の種類図鑑No6.染井吉野(ソメイヨシノ)
  9. 9桜の種類図鑑No7.小彼岸(コヒガン)
  10. 10桜の種類図鑑No8.大寒桜(オオカンザクラ)
  11. 11桜の種類図鑑No9.寒桜(カンザクラ)
  12. 12桜の種類図鑑No10.おかめ桜
  13. 13桜の種類図鑑No11.河津桜(カワヅザクラ)
  14. 14桜の種類図鑑No12.笹部桜(ササベザクラ)
  15. 15桜の種類図鑑No13.八重紅枝垂れ桜(ヤエベニシダレザクラ)
  16. 16桜の種類図鑑No14.横浜緋桜(ヨコハマヒザクラ)
  17. 17桜の種類図鑑No15.冬桜(フユザクラ)
  18. 18桜の種類図鑑No16.修善寺寒桜(シュゼンジカンザクラ)
  19. 19桜の種類図鑑No17.椿寒桜(ツバキカンザクラ)
  20. 20桜の種類図鑑No18.十月桜(ジュウガツザクラ)
  21. 21桜の種類図鑑No19.鬱金桜(ウコンザクラ)
  22. 22桜の種類図鑑No20.白妙(シロタエ)
  23. 23桜の種類図鑑No21.一葉(イチヨウ)
  24. 24桜の種類図鑑No22.関山(カンザン)
  25. 25桜の種類図鑑No23.塩釜桜(シオガマザクラ)
  26. 26桜の種類図鑑No24.梅護寺数珠掛け桜(バイゴジジュズカケザクラ)
  27. 27桜の種類図鑑No25.子福桜(コブクザクラ)
  28. 28桜の種類図鑑No26.陽光桜(ヨウコウザクラ)
  29. 29桜の種類図鑑No27.紅笠(ベニガサ)
  30. 30桜の種類図鑑No28.八重紅大島(ヤエベニオオシマ)
  31. 31桜の種類図鑑No29.薄重大島(ウスガサネオオシマ)
  32. 32名桜も多数?珍しい品種の桜11選
  33. 33まとめ ~桜を見分ける4つのポイントと桜観賞のすすめ~

人々を惹きつけて止まない桜の魅力

数々の人を魅了し続ける桜。
そんな種類が豊富な桜には一体どのような魅力が秘められているのでしょうか。

桜の魅力①開花時期

寒く厳しい冬を乗り越えた後「咲くなら今しかない!」とばかりに絶好のタイミングで花を咲かせてくれるのも桜の魅力のひとつです。
桜の開花時期は、それほどまで見事なタイミングです。
桜は、春の兆しとともに訪れる希望の象徴とも言えるかもしれません。
 

桜の魅力②可憐な佇まい

様々な種類の品種がありますが、どの桜も咲いている姿はとても可憐です。
 

桜の魅力③珍しい

1年の中でも、桜は開花時期が限られています。
間近で見ることができればかなり幸運です。
 

桜の魅力④短命の儚さ

桜の最大の魅力は、何と言ってもその短い命の儚さに凝縮されています。
その開花時期はほぼ一瞬です。
咲き誇り、そして散っていく桜の姿に人は儚さを感じずにはいられません。
 

有名品種も多数!!『桜の種類図鑑』

桜は、図鑑上ではバラ科サクラ属サクラ亜属に属する植物で、開花時期も早咲きのものから遅咲きのものまで様々な品種があります。
その中でも原種とされている桜は全ての品種のうちの数パーセントのみで、原種の変性や交雑により多くの自生種が新たに誕生することもあります。
ここでは、原種をはじめ代表的な種類や有名な品種の桜を図鑑形式で紹介します。
 

桜の種類図鑑No1.江戸彼岸(エドヒガン) 

出典: http://www7b.biglobe.ne.jp
 

江戸彼岸の写真

「アズマヒガン」や「ウバヒガン」などとも呼ばれる品種の桜。
とても頑丈で長寿なことでも有名な桜。
江戸彼岸を原種として品種改良された種類の桜もある。
 

桜の種類図鑑No2.大島桜(オオシマザクラ)

出典: http://www.weblio.jp
 

大島桜の写真

多くの園芸品種を生み出した代表的な原種のひとつ。名桜「染井吉野」の片親としても有名。
伊豆大島にある大島桜の株は特別天然記念物にも指定されている。
 

大島桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・樹高は最大で15mに達する。
・葉は長さ5~10cm程度。
・先端が尖った倒卵形または楕円形で互生、細かい鋸歯を持つ。
・開花時期は3月~4月。生育環境によっては早咲きのこともある。
・白の花弁からは淡々しい香りを漂わせる。
 

桜の種類図鑑No3.山桜(ヤマザクラ)

出典: http://flowerland.moo.jp
 

山桜の写真

「吉野の桜」の名前でも有名な日本の桜の代表的な品種。
奈良県吉野山の「千本桜」が有名。

山桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・長寿で各地に山桜の名木が点在している。
・若葉は赤紫、褐色、黄緑、緑など様々な色があり、裏面が白色を帯びる。
・5枚ある花弁は白色、薄紅色だが、紅紫や先端にいくに連れて濃色となる花弁もある。
・本州以南に自生する。
・日光の照射角度により芸術的なまでに清楚な色合いを醸し出す。
 

桜の種類図鑑No4.寒緋桜(カンヒザクラ)

出典: http://smart-wisdom39.com
 

寒緋桜の写真

日本の代表的な桜のひとつ。
「正月桜」「薩摩桜」「台湾桜」の名前で呼称されることもある。
 

寒緋桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・沖縄県の北部では1月頃開花することもある早咲きの桜。
・同じ種類でも、花びらは濃い桃色や純白に近いものまで色違いの寒緋桜がある。
・耐暑性がある。
・花を下向きに咲かせる。

桜の種類図鑑No5.豆桜(マメザクラ)

出典: http://smart-wisdom39.com
 

豆桜の写真

原種と呼ばれるうちの一種類に数えられる。
豆桜という名がつくように、桜の中では比較的樹高が低く、他の品種に比べて花もひと回り小さめ。
富士山麓、箱根の山林などに自生していることから「富士桜(フジザクラ)」や「箱根桜(ハコネザクラ)」の名前で呼ばれることもあるのが有名。

豆桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・開花時期は3月下旬~5月上旬で、花弁は五枚1重。
・花弁の色は白から薄紅色。
・他の種類との相違点として、花を下に向けて開かせるという豆桜独自の特徴をもつ。
・木肌は薄い灰色をしている。
・葉は広い楕円形をしており先端付近は切れ目が深く、実は黒みがかった赤色。
 

桜の種類図鑑No6.染井吉野(ソメイヨシノ)

出典: http://smart-wisdom39.com
 

染井吉野の写真

染井吉野は江戸時代に園芸品種として誕生した名桜。
数ある桜の中でも開花した時の姿が華やかなことでも有名。
 

染井吉野の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・花色は咲き始めは薄紅、満開になると白に近付く。
・江戸彼岸と大島桜の遺伝子を両方併せ持っているため、江戸彼岸系と同じく満開時には樹木全体を覆い隠すほど花が密集する。
 

桜の種類図鑑No7.小彼岸(コヒガン)

出典: http://kyonohana.sakura.ne.jp
 

小彼岸の写真

小彼岸は江戸彼岸と豆桜の交雑種の早咲き桜。
庭木とされるものが多いが、伊豆半島や房総半島などに自生する場合もある。
 

小彼岸の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・開花時期が早く、名前の通り春の彼岸頃には花が咲き始める。
・花は五枚一重咲で薄紅色。
・早春に咲くため、葉よりも先に花をつけるのが特徴。
・萼は細長いが、根元が少し膨れている。
・樹や葉には多くの産毛が密生している。
・樹高は最大でも5m程度で樹木としては小さめ。
・枝をふんだんに張り巡らせる。
・花が散ったあとは黒い実をつけ、秋になると紅葉する。
 

桜の種類図鑑No8.大寒桜(オオカンザクラ)

出典: http://www.01step.net
 

早咲きの大寒桜(写真は6~7部咲き)

大島桜と寒緋桜の交配種である。
別名「遅咲き寒桜」。
 

【大寒桜の特徴・見分け方・開花時期など】

・花は淡紅色で五枚一重咲。
・従来の寒桜よりも大輪の花を咲かせる。
・開花時期が遅く、染井吉野に先駆けて咲く。
(※近年は気候変動の影響で早咲きすることもある)
・開花後も長期間咲き続ける。

桜の種類図鑑No9.寒桜(カンザクラ)

出典: http://www.weblio.jp
 

寒桜の写真

一説には、寒緋桜と山桜の交雑種という説がある。
 

【寒桜の特徴・見分け方・開花時期など】

・一重咲きで淡紅色。小輪の花を咲かせるのが特徴。
・開花時期は3月上旬頃。
・気温が高い地域では1月中旬から花が咲き始めることもある。
 

桜の種類図鑑No10.おかめ桜

出典: http://hakonetozankankobasu.seesaa.net
 

おかめ桜の写真

寒緋桜と豆桜の交配により生まれた園芸品種。
神奈川県小田原市では毎年、開花時期に「おかめ桜まつり」が開催されている。
 

【おかめ桜の特徴・見分け方・開花時期など】

・花弁は淡紅色の一重咲きで下向きに咲く。
・2月下旬~3月上旬頃に開花する早咲き桜。
 

桜の種類図鑑No11.河津桜(カワヅザクラ)

出典: http://iwalkedblog.com
 

河津桜の写真
 

大島桜と寒緋桜の雑種。本州で最も早く咲く早咲き桜。
 

【河津桜の開花時期・特徴・見分け方など】

・開花時期は1月下旬~2月と早咲きである。
・花弁は桃色または淡紅色で染井吉野よりも桃色が濃い。
・開花期間も1ヶ月間と比較的長い。
 

桜の種類図鑑No12.笹部桜(ササベザクラ)

出典: http://www7b.biglobe.ne.jp
 

笹部桜の写真

霞桜(カスミザクラ)と大島桜系との交配種。
光沢がある赤褐色または灰褐色の枝が特徴。
開花時期は4月中旬。2~3個の花が若葉と同時に開花する。
 

桜の種類図鑑No13.八重紅枝垂れ桜(ヤエベニシダレザクラ)

出典: http://www.mitomori.co.jp
 

八重紅枝垂れ桜の写真

江戸彼岸系の園芸品種。
最大樹高10mに達する八重咲きで濃い紅色をした枝垂れ桜。
仙台の伊達家にあったものが有名。
 

八重紅枝垂れ桜の特徴・多種との見分け方・開花時期など

・花と枝が垂れるように咲いているのが特徴。
・開花時期は3月下旬~4月上旬。
・開花の過程において花弁が濃い紅紫→淡い紅紫へと変色する。
・葉の展開に先立って開花する。一総につき2、3輪の花がつく。
・花弁の数は15~20ほどで花径は15㎜~25㎜の小輪で楕円形をしており僅かな屈曲がある。
・江戸彼岸の中では、枝垂れの品種が枝垂れ桜、若干紅の色合いが強いのが紅枝垂れ、八重咲きをするものが八重紅枝垂れという名前でそれぞれ区別される。
・葉は長い楕円形で両面に毛が生えるのが特徴。
・葉の縁には凹凸があり、新しい枝や葉の柄にも毛が生えている。
 

桜の種類図鑑No14.横浜緋桜(ヨコハマヒザクラ)

出典: http://www.hirosakipark.jp
 

横浜緋桜の写真
 

高さ5~8mほどの山桜系の兼六園熊谷(ケンロクエンクマガイ)と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配種。
横浜市の白井勲氏によって作出され、昭和60年に農水省に品種登録された。
神奈川県横浜市の本牧山頂公園に原木が存在する。
 

横浜緋桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など】

・開花時期は3~4月頃。
・花弁は紅色の濃い一重咲き。
・雄しべが花弁のような形状に変化したもの(旗弁)が混ざっている。

桜の種類図鑑No15.冬桜(フユザクラ)

出典: https://fukusuke.tokyo
 

冬桜の写真

大島桜と豆桜の雑種。一重咲きの白い花を咲かせる。
開花時期は春と秋(4月上旬、11~12月)。
 

桜の種類図鑑No16.修善寺寒桜(シュゼンジカンザクラ)

出典: http://k-yatyou.cocolog-nifty.com
 

修善寺寒桜とメジロの写真

貴重なツーショットです。

寒緋桜と大島桜の雑種。伊豆の修禅寺境内にあることからこの名前が付けられた。
 

修善寺桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・紅紫色の中輪で一重咲きの花を咲かせる。
・開花時期は3月上旬~中旬と早咲き。
 

桜の種類図鑑No17.椿寒桜(ツバキカンザクラ)

出典: http://iyokan8.blog55.fc2.com
 

椿寒桜の写真

花弁の色は紅色~紅紫色。五枚一重咲き。
愛媛県松山市の伊豫豆比古命神社に原木がある。
 

椿寒桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・3月上旬~中旬の早咲き桜。密集するようにゆっくりと開花していく。
・開花している期間が長く、満開時の姿は清楚。
・寒緋桜と支那実桜(シナミザクラ)の交配種という説が濃厚。
 

桜の種類図鑑No18.十月桜(ジュウガツザクラ)

出典: https://fukusuke.tokyo
 

雨の日の十月桜

小彼岸系の雑種とされている園芸品種。
春だけではなく、10月にも咲くことからこのような名前になった。
樹高は最大で7mに達し、花は秋よりも春の方が大きい。
 

桜の種類図鑑No19.鬱金桜(ウコンザクラ)

出典: http://www.mint.go.jp
 

サトザクラ群の栽培品種。「黄桜」や「浅葱桜」の名前で呼称されることもある。
 

鬱金桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・開花時期は4月中旬頃。
・数百品種あるサクラの中でも珍しい黄色の花を咲かせる。
・花は大輪で花弁数が15~20枚程度。
・八重咲きの遅咲き。
 

桜の種類図鑑No20.白妙(シロタエ)

出典: http://arukunodaisuki.hamazo.tv
 

写真の白色の桜が白妙

ピンクの桜は「関山」と思われます。
ピンクと白のグラデーションが見事です。

大島桜系の園芸品種で八重咲きの代表格。

特徴・他種との見分け方・開花時期など

・開花時期は4月中旬頃。
・白い大輪を下向きに咲かせる。
・花径は4~5cm、花弁の数は10~20枚ほど。
・花の色は肉眼ではほぼ白に近いが淡い紅色。
 

桜の種類図鑑No21.一葉(イチヨウ)

出典: http://www.kyotopress.jp
 

一葉の写真(京都・平野神社にて)

サトザクラ群の園芸品種の桜。
この一葉には「精神美」という花言葉がある。
 

一葉の特徴・見分け方・開花時期など

・開花時期は4月中旬頃。
・花は淡い紅色で、花弁数はおよそ30~40枚。
・八重咲きの花は大きいものでは直径5cm以上の大輪に育つ。
・淡紅色で、花弁の内側が白いのが特徴で満開期には全体的に花が白く見える。
・花の中心から葉の形に変化した雌しべが突き出ていることからこのような名前が付いた。
 

桜の種類図鑑No22.関山(カンザン)

出典: http://furansujin7.blog119.fc2.com
 

関山の写真

サトザクラ群の園芸品種の桜。日本だけでなくヨーロッパでも親しまれているワールドワイドな有名品種のひとつ。
 

関山の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・花は大輪の濃い桜色で八重咲き。
・開花時期は4月中旬頃。開花は長期間続くのが特徴。
・生育環境が良好であれば花弁は50枚で5cmを越えて育つこともある。
・雌しべは2本葉化しており、花の中心部から突き出ている。
・多くの場合、開花時期には既に葉が生えている。
 

桜の種類図鑑No23.塩釜桜(シオガマザクラ)

出典: http://senbonzakura.skr.jp
 

塩釜桜の写真

原木は宮城県塩釜市の塩釜神社にあり国の天然記念物に指定されている八重桜の一種。
 

塩釜桜の特徴・見分け方・開花時期など

・開花時期は4月下旬頃。
・花ひとつにつき30~50もの花弁がつき、先端はノコギリ状になっているのが特徴。
・雌しべが緑色の葉に変化する。
 

桜の種類図鑑No24.梅護寺数珠掛け桜(バイゴジジュズカケザクラ)

出典: http://photozou.jp
 

梅護寺数珠掛け桜の写真

サトザクラ群の園芸品種。
新潟県の梅護寺に原木があり、数珠を掛けた桜から花が咲いたというエピソードを持つことからこの名前がつけられた。
同寺にある梅護寺数珠掛け桜は天然記念物に指定されている。
 

梅護寺数珠掛け桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・花径4cm程度の大輪。
・薄紅色の細い花弁が多数見られる。
・菊咲きの桜で2段咲きをする。
・開花時期は4月下旬~5月初頭頃までと長期間に渡る。
・木は落葉の亜高木。葉の形は楕円形であり、葉はギザギザになっている。
 

桜の種類図鑑No25.子福桜(コブクザクラ)

出典: http://mokuou.blogspot.jp
 

咲き始めの子福桜の写真

実を複数付けることから子副桜という名前が付いた。
白色の八重咲きで1年のうちに2回開花する。
葉は細長い楕円形で、互い違いに生える。
 

桜の種類図鑑No26.陽光桜(ヨウコウザクラ)

出典: http://www.town.okuma.fukushima.jp
 

陽光桜の写真(福島県大熊町にて)

サトザクラ群の天城吉野(アマギヨシノ)桜と寒緋桜(カンヒザクラ)との交配により誕生した桜。
 

陽光桜の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・一重咲きで寒緋桜の紅色の面影を残す。
・開花時期は3~4月。染井吉野よりも少しだけ早咲き。
・花径は4~5cm程度の大輪で、3~4輪は下向きに咲く。
・樹高は5~8m。
・葉は楕円形で互生する。
 

桜の種類図鑑No27.紅笠(ベニガサ)

出典: http://www.tree-flower.jp
 

紅笠の写真

大島桜と染井吉野の交雑種と考えられている。
北海道の浅利政俊が山桜系の「糸括り」と里桜の自然交雑によって得られた実生苗から作出された八重桜。
大島桜との共通点も多く、花の色や萼につく毛量などの影響が色濃く受け継がれている。
 

紅笠の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・樹木は染井吉野と同程度の大きさまで成長する。
・花は大輪、八重咲きで淡紅色をしている。
・開花時期は4月下旬頃。
 

桜の種類図鑑No28.八重紅大島(ヤエベニオオシマ)

出典: https://kannon-temple.com

八重紅大島の写真

大島桜系の代表的な桜。
 

八重紅大島の特徴・他種との見分け方・開花時期など

・花は八重咲きで綺麗な淡紅色をしている。
・開花時期は4月上旬~中旬。(染井吉野とほぼ同時期)
・潮風に強い耐性を持つ。
 

桜の種類図鑑No29.薄重大島(ウスガサネオオシマ)

出典: http://hiro3poyo.blog.so-net.ne.jp
 

薄重大島の写真

大島桜の園芸品種。
花は白色で大輪。葉の伸展と同時期に開花を迎える。
 

名桜も多数?珍しい品種の桜11選

桜の中には珍しい品種や名前に関する興味深いエピソードを持つものもあります。
 

珍しい品種①魁桜(サキガケザクラ)

出典: http://tetsuwanco.exblog.jp
 

魁桜の写真1

京都にある平野神社の名桜。
白い一重の花弁が特徴的な早咲きの枝垂れ桜。

出典: http://tetsuwanco.exblog.jp
 

魁桜の写真2

魁桜の開花時期が訪れると、いよいよ京都の花見シーズンの到来です。
 

珍しい品種②寝覚桜(ネザメザクラ)

出典: http://sano567.my.coocan.jp
 

寝覚桜の写真

魁桜と双璧を成す平野神社の名桜。
白の一重の桜で、葉の発芽とほぼ同時に開花。
堂々と咲き誇る佇まいは格別で、見る人を魅了する。
 

珍しい品種③胡蝶桜(コチョウザクラ)

出典: http://s.webry.info
 

胡蝶桜の写真

透き通るような紅色が美しい桜。
胡蝶桜という名前が指し示すとおり、満開時にはまるで蝶が飛んでいるような憧憬を醸し出す。
 

珍しい品種④嵐山桜(アラシヤマザクラ)

花は紅白色でオーソドックスな五枚一重咲き。
かつては画伯に親しまれ、襖絵などにも採用された。
 

珍しい品種⑤虎の尾桜(トラノオザクラ)

白い花には縞模様が見られる。
花全体が虎の尾のように美しい形状をしていることから、この名前で呼ばれるようになった。
 

珍しい品種⑥平野妹背桜(ヒラノイモセザクラ)

出典: http://www.kyotopress.jp
 

平野妹背桜の写真

劇的なまでに清楚な紅色は「圧巻」の一言。
平野妹背桜を一目見たいと春の京都へと訪れる観光客も多いそう。
 

魁桜、寝覚桜とともに立ち並ぶ平野神社の名桜。
花は淡紅色で、撒房形花序。
仲の良い恋人(妹背)のように、花柄の先端に2つの実が寄り添うことからこのような名前がついた。
 

珍しい品種⑦御衣黄(ギョイコウ)

出典: http://www.kyotopress.jp
 

平野神社の御衣黄の写真

サトザクラ群の栽培品種で花色が白色~淡い緑色と珍しい桜。
花弁数は10~15程度。八重咲きで、花弁は肉厚で外側に反り返る。
開花は染井吉野よりやや遅く、毎年4月の下旬頃。
中心部に紅の線があり、開花時には目立たないが、次第に中心部から赤みが増し、花弁が散る頃にはほぼ赤に近い状態になっている。
 

珍しい品種⑧松月桜(ショウゲツザクラ)

出典: http://www.kyotopress.jp
 

松月桜の写真

サトザクラ群の代表的な品種。
淡桃色の大輪は時間の経過とともに白くなり雄しべが発芽する。
 

珍しい品種⑨手弱女桜(タオヤメザクラ)

出典: http://blog.goo.ne.jp
 

サトザクラの園芸品種。花は淡紅色の八重咲き。
手弱女は、益荒男(立派な男。勇気のある強い男)と対に使われる言葉で、しとやかで優美な女性のことを指す。
花弁の外側と先端付近は色が濃くなる。
紅色の花と薄黄緑色の葉のハーモニーが劇的に美しい。
原木は京都・平野神社の境内にある。
 

珍しい品種⑩突葉根桜(ツクバネザクラ)

出典: http://blog.goo.ne.jp
 

突羽根桜

60枚以上の小さな花弁で構成される。
一見すると菊桜のような佇まいが特徴的な平野神社の代表的な名桜。
満開になるまでにあらゆる表情を見せ、最後には花弁170枚の大輪へと育つ。
平野神社に訪れた際には是非とも見ておきたい名桜のひとつ。
 

珍しい品種⑪越の彼岸桜(コシノヒガンザクラ)

出典: http://www7b.biglobe.ne.jp
 

腰の彼岸桜の写真

江戸彼岸系列の雑種。
花は中輪~一重咲きで淡紅色。
開花時期は毎年3月下旬頃。
富山県高岡市にある、桜の名所としても有名な高岡古城公園小竹薮の中からは新品種も発見されており、「腰の彼岸桜」の名前に関する興味深いエピソードも存在する。
 

腰の彼岸桜の由来は築城後砺波郡太田村の宗右衛門が地元の山の美しい桜を献上したことに始まります。 昭和4年(1929)京都大学の小泉教授が北陸特有の新品種として「越の彼岸桜」と命名しました。昭和30年(1955)道路整備により桜馬場から小竹薮に移植され、その子孫が育っているものです。これには加茂善治氏(高岡市)の「芽継ぎ」による指導助言の功績があります。 近年富山中央植物園の大原技師らの調査研究で全国の「越の彼岸桜」には4つのタイプがあり、小竹薮の「越の彼岸桜」の中に一般に普及している品種より花びらが丸く波打って咲く新品種であることが判明しました。 平成20年(2008)大原技師は小竹薮に育つ桜のうち、他と違う新品種を「タカオカコシノヒガン」と命名し学会に発表、大きな関心を呼びました。「タカオカコシノヒガン」には新しい名札がかけられています。

まとめ ~桜を見分ける4つのポイントと桜観賞のすすめ~

桜の種類を見分けるポイントは大きく分けて6つ。

・開花時期(早咲き、遅咲きなど)
・咲いている期間(寿命)
・樹の高さ
・花の色
・花弁の数
・花や葉の形状

親木をはじめ、似ている品種が何種類も存在するため分かりにくいですが、ひとつひとつを見ていくとある程度までは絞り込むことができます。
しかし、百聞は一見にしかず。
満開の桜は言葉にならないほど一見の価値があります。
開花時期は1年のうちのほんの僅か。
是非とも実際に桜を観賞してみるのをおすすめします。

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