救急救命士になるには?必要な資格・給料・仕事内容など徹底解説!

事故や火事など、一刻を争う場で活躍する救急救命士になるにはどのような進路があるのでしょうか。救急救命士とはどのような仕事なのか、必要な資格や向いている人など、救急救命士になるにはどのようなことが必要なのかを、掘り下げて解説していきます。

救急救命士になるには?必要な資格・給料・仕事内容など徹底解説!のイメージ

目次

  1. 1救急救命士になるにはどうしたらいい?
  2. 2まずは救急救命士の仕事について知ろう!
  3. 3救急救命士になる方法は2つ
  4. 4救急救命士になるために必要な資格とは?
  5. 5救急救命士資格の試験内容を解説
  6. 6救急救命士の資格がとれる学校とは?
  7. 7救急救命士の資格を取得するための学校の選び方は?
  8. 8救急救命士の資格を取得してからの進路は?
  9. 9救急救命士のスキルアップのためにできることとは?
  10. 10救急救命士に向いている人とは?
  11. 11救急救命士の将来性は?
  12. 12救急救命士になって多くの人を助けよう!

救急救命士になるにはどうしたらいい?

救急救命士は命の最前線に立つ仕事であり、社会的役割も高いため、やりがいと向上心を強く持つことができる職業と言えます。医学的な知識や技能にも長けるので、日常生活で役立つことも多くあるでしょう。

そのような救急救命士を仕事としていくためにはどうすれば良いのか、わからない方も多いでしょう。救急救命士の仕事内容から気になる給料、救急救命士の資格を取るための方法などを、詳しくご紹介していきましょう。

救急車

まずは救急救命士の仕事について知ろう!

救急救命士の仕事内容とは?

救急救命士の仕事は、救急車に同乗して、病院などの医療機関に搬送するまでに、傷病者に適切な応急処置や蘇生処置を行うことです。救急車に乗っている救急隊員のすべてが救急救命士というわけではなく、心肺停止状態など危篤状態の傷病者を担当するスタッフが救急救命士となります。

救命士

救急救命士の仕事のやりがい・大変なこととは?

仕事場が一刻を争う救急現場となる救急救命士にとっての、やりがいや大変なこととはどんなことでしょうか。

生命を救う助けとなる

救急救命士が相手とするのは、生命の危機に迫っている傷病者です。自分の懸命な処置によって、目の前の人間の生命を救うことができるということは、何物にも代えがたい素晴らしい経験でしょう。

また、無事に傷病者の命を救うことができた場合、傷病者本人はもちろん、その家族からも厚い感謝を受けます。感謝の言葉をかけられることも、救急救命士にとってのやりがいとなるでしょう。

強い精神力が必要

救急救命士は医療関係の仕事の中でも特殊な勤務体系をとっていて、基本的には24時間勤務となります。その時間の中で食事休憩や仮眠をとることができますが、119番通報が来たらすぐに出動できるように常に気を張っている必要があります。

そして、事故や火事などの凄惨な現場を仕事場とするため、精神的に強くある必要もあります。プレッシャーが大きいため、それに打ち勝つ強い気持ちを保つことが大変なことと言えるでしょう。

救急救命士の給料・年収は?

救急救命士を目指す方にとって一番気になるのは給料・年収のことではないでしょうか。救急救命士は消防署にて勤務をしているため、給料は地方公務員に準ずるものとなるのです。そのため、自治体によって給料の差があります。

救急救命士の給料は初任給で、高卒なら15万円前後、大卒なら17万円前後で、年収は平均500~600万円程度です。仕事は24時間制を交代で勤務する体制のため、早朝や夜勤の勤務もあります。その分、夜勤手当や超過勤務手当が給料に上乗せされていくことになります。また、福利厚生や保険については地方公務員に準ずる待遇を受けられます。

給料
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救急救命士になる方法は2つ

救急救命士になるには、消防官になる方法と、養成学校を卒業する方法の2パターンあります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

消防官になる

救急救命士になるには消防官採用試験を受験しなければならないため、先にこの試験を受験して消防官になる方法があります。大学・短大・専門学校を卒業後、消防官採用試験を受験し合格したら、まずは消防隊員として消防署で勤務をするのです。5年以上もしくは2,000時間以上の救急隊員としての実務経験を経て、専門の救急救命士指定校で半年以上受講すると救急救命士国家試験を受験できます。

消防官

養成学校を卒業する

高校卒業後、養成学校である救急救命士養成所に2年間通い、救急救命士国家試験を受験して合格します。無事に合格して国家資格を得ても、消防官採用試験に合格しないと仕事ができないため、消防官採用試験を受験します。消防官採用試験に合格できれば、救急救命士として仕事ができるのです。

救急救命士になるために必要な資格とは?

救急救命士になるには専門の資格が必要です。救急救命士は国家資格なので、救急救命士国家試験を受験して合格することが必須条件となります。この試験の受験資格は誰もが持っているわけではありません。救急救命士法34条で定められた救急救命士養成所で、単位を取得する必要があります。また、救急救命士はそのほとんどが消防署にて勤務を行うので、消防官採用試験にも合格しなければなりません。ただし、消防署以外にも、警察や自衛隊、海上保安庁などで仕事を行っている救急救命士もいます。

勉強

救急救命士資格の試験内容を解説

救急救命士資格の難易度は?

救急救命士国家試験は年に1回行われます。難易度はさほど高くなく、合格率は80~90%と、国家資格・医療資格の中では比較的合格率が高いです。養成所で真面目に受講していればまず合格できるでしょう。

難易度

救急救命士資格の6つの受験資格

難易度に続き、ここでは救命救急士資格試験を受験するために必要な条件を見ていきましょう。

(1)救急救命士法第34条第1号該当者
学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(この規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)であって、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、2年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの。

(2)救急救命士法第34条第2号該当者
学校教育法に基づく大学若しくは高等専門学校、旧大学令(大正7年勅令第388号)に基づく大学又は救急救命士法施行規則(平成3年厚生省令第44号。以下「規則」という。)第13条に規定する学校、文教研修施設若しくは養成所において1年(高等専門学校にあっては、4年)以上修業し、かつ、厚生労働大臣の指定する科目を修めた者であって、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、1年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの
なお、厚生労働大臣の指定する科目は、公衆衛生学、医学概論、解剖学、生理学、薬理学、病理学、生化学、微生物学、看護学概論、内科学、外科学、小児科学、産婦人科学、整形外科学、脳外科学、精神医学及び放射線医学のうち13科目である。

(3)救急救命士法第34条第3号該当者
学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)又は旧大学令に基づく大学において厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業したもの
なお、厚生労働大臣の指定する科目は、公衆衛生学、解剖学、生理学、薬理学、病理学、生化学、微生物学、内科学、外科学、小児科学、産婦人科学、整形外科学、脳外科学、精神医学、放射線医学及び臨床実習である。

(4)救急救命士法第34条第4号該当者
消防法(昭和23年法律第186号)第2条第9項に規定する救急業務(以下「救急業務」という。)に関する講習で規則第14条に規定するものの課程を修了し、及び5年(救急活動を行った時間が2,000時間に至った場合においては、それまでの間に救急業務に従事した期間)以上救急業務に従事した者(学校教育法第90条第1項の規定により大学に入学することができる者(この規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第2項の規定により当該大学に入学させた者を含む。)に限る。)であって、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した救急救命士養成所において、1年(当該学校又は救急救命士養成所のうち規則第16条に規定するものにあっては、6月)以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得したもの

(5)救急救命士法第34条第5号該当者
外国の救急救命処置に関する学校若しくは養成所を卒業し、又は外国で救急救命士に係る厚生労働大臣の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が(1)から(4)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの

(6)救急救命士法附則第2条該当者
法の施行の際(平成3年8月15日)現に救急救命士として必要な知識及び技能の修得を終えている者又は法の施行の際現に救急救命士として必要な知識及び技能を修得中であり、その修得を法の施行後に終えた者で、厚生労働大臣が(1)から(5)までに掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定したもの

救急救命士資格の5つの試験科目

救急救命士資格試験の試験科目は、以下の5つとなります。

(1)基礎医学(社会保障・社会福祉、患者搬送を含む。)
(2)臨床救急医学総論
(3)臨床救急医学各論(一)(臓器器官別臨床医学をいう。)
(4)臨床救急医学各論(二)(病態別臨床医学をいう。)
(5)臨床救急医学各論(三)(特殊病態別臨床医学をいう。)

勉強

救急救命士の資格がとれる学校とは?

救急救命士の資格をとれる学校は、防衛庁関係施設・消防機関関係施設・一般大学・民間施設(専門学校)の4種類あります。それぞれの特徴を紹介するので、学校選びの参考にしてください。

防衛庁関係施設

防衛庁関係施設で救急救命士の資格を取得する場合は、自衛隊に入隊して部隊などに勤務し、二年課程の准看護師養成所で准看護師免許を取得し、その後さらに一年課程の救急救命士養成所で救急救命士の資格を取得するというプロセスになります。防衛庁関係施設は、陸上自衛隊衛生学校・自衛隊横須賀病院・自衛隊岐阜病院の3校のみです。

授業

消防機関関係施設

消防署にて実務経験や研修を積んだうえで入学できるのが消防機関関係施設です。すぐにでも救急救命士資格が欲しいという人には向いていませんが、学費が無料なので学費を抑えて救急救命士になるには、消防機関関係施設がおすすめと言えるでしょう。以下の11校があります。

  • 札幌市消防局
  • 埼玉県消防学校救急救命士養成課程
  • 東京消防庁消防学校
  • 救急救命東京研修所
  • 横浜市救急救命士養成所
  • 名古屋市救急救命士養成所
  • 京都市消防学校
  • 大阪府立消防学校
  • 大阪市消防学校
  • 兵庫県消防学校
  • 広島市消防局

一般大学

一般大学から救急救命士になるには、以下の7大学の入学を検討しましょう。大学を選択するメリットとしては、いずれ臨床救急医学の研究者になるという道が選べることです。ただし、大学は4年間通う必要があるので、もっと早く救急救命士になりたい場合は、2年間で卒業できる専門学校を選択することをおすすめします。

  • 国士館大学スポーツ医科学科
  • 杏林大学保健学部
  • 帝京大学スポーツ医療学科
  • 帝京平成大学情報学部及び健康メディカル学部
  • 千葉科学大学危機管理学部危機管理システム学科
  • 東亜大学医療工学部
  • 倉敷芸術科学大学生命科学部

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専門学校

救急救命士の資格を取得できる民間施設(専門学校)は、全国に数十校存在しています。専門学校であれば、実務経験がなくても資格が取得でき、受講の期間も2年間と短いのでおすすめです。ただし学費は年間100万円以上かかってしまいます。

救急救命士の資格を取得するための学校の選び方は?

救急救命士を養成するための専門学校は日本全国にあるため、大学と比較すると通いやすい場所を選べたり、短い年数で卒業できたりするというメリットがあります。ただし、専門学校では2年間で必要な知識や技能を勉強するので、忙しい学生生活となるでしょう。大学は4年間通う必要がありますが、大学卒は給料が高く設定されていたり昇給しやすいというメリットがあります。

選択肢

救急救命士の資格を取得してからの進路は?

救急救命士資格が取得できた後に、実際に救急救命士になるにはどのような進路があるのかを紹介しましょう。

消防署に就職する

一般的に、救急救命士になるには消防署に就職することが多いです。消防署に就職したい場合は、各自治体の消防官採用試験を受けましょう。消防官採用試験に晴れて合格すれば消防官となり、救急救命士として働くことができるのです。

消防車

自衛隊・海上保安庁に勤務する

消防署への就職に次いで一般的な進路としては、自衛隊や海上保安庁に入隊するというものになります。自衛隊に入隊した場合には、自衛隊病院にて仕事を行い、自衛官の救急救命措置を行うことになるのです。そして海上保安庁の場合には、救急救命士は「特殊救難隊」という呼び名になり、海での遭難など海難救助を専門に行う仕事となります。

自衛隊

民間の患者搬送事務所に就職する

民間の患者搬送事務所に就職する方法もあります。例えば、東京スカイツリーの展望台にある救護室に常駐している救急救命士や、大勢の人が訪れるイベント会場で救急救命措置を行う救急救命士などが挙げられます。民間の患者搬送事務所で仕事をするため、公務員ではありません。

救急救命士のスキルアップのためにできることとは?

救急救命士には、「特定行為認定」や「薬剤投与認定」といった関連資格があり、これらを取得することでスキルアップすることができます。気管挿入や一部薬剤の投与といった医療行為を行うことができるようになるため、携われる業務の幅が広がり、より多くの命を救う助けとなるのです。

救命士と消防士

救急救命士に向いている人とは?

強い精神力がある人

「人の命を助ける」という使命感を強く持ち、最後まで諦めずに取り組める強い精神力を持つ人は、救急救命士に向いていると言えるでしょう。人間の生死の現場で働く仕事ですので、精神的に強い人でなければ続けていくことが難しいと言えるかもしれません。

冷静な判断力がある人

救急救命士が出動する現場は、一刻を争う状態なので、どんな状況でも冷静に判断し行動できる判断力が不可欠です。どのような処置が適切なのかをパニックにならずに判断する能力が求められます。

コミュニケーション能力が高い人

常に緊迫した事態と向かい合っている救急救命士ですが、実はコミュニケーション能力が重要です。負傷して弱っていたり、パニックに陥った患者さんやご家族などを相手にするため、そのような人の気持ちを落ち着かせて意思疎通をしっかりと行うことで、救急救命措置をスムーズに行うことができるからです。

キャンプ

救急救命士の将来性は?

現在、救急救命士に認められている処置については制限があり、特定行為については医師の指示を受けなければ行ってはいけないという決まりがあります。ですが近年ではそのような縛りを緩めることで救える命もあるのではないかという主張が強まってきていて、今後、救急救命士が行える行為が拡大する可能性があります。

また、救急救命士の資格を持っている消防官は年々増加しており、救急救命士を運用している救急隊のほぼすべてで救急救命士が活躍しています。将来的にも、救急救命士は必要とされ、行える仕事も多岐に渡ると推測されます。

日光

救急救命士になって多くの人を助けよう!

救急救命士になると、多くの命の現場に立ち向かい、命を救うことができます。社会的に不可欠な仕事であり、モチベーションを高く持ち続けられる仕事と言えるでしょう。高齢化社会と言われる現代では、高齢者の患者もどんどん増えていくことが予想されるため、救急救命士はさらに必要とされる専門医療資格の職業と言えます。

手を取り合う人

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この記事のライター
MegT
新米ママとして日々奮闘中です!

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