クマバチは航空力学的に飛べない?クマバチの不思議な生態に迫る!

クマバチは長年に渡り「航空力学的には飛べない」と言われてきました。またその羽音や大きさ、漠然としたイメージから怖いハチのように見られがちです。ここではクマバチが、飛べない事にされ来た理由と、ほとんど他の動物を刺さない、その温厚な性格についてご紹介します。

クマバチは航空力学的に飛べない?クマバチの不思議な生態に迫る!のイメージ

目次

  1. 1クマバチってどんなハチ?怖いハチなの?
  2. 2クマバチの生態を知ろう!
  3. 3クマバチが怖がられる理由とは?
  4. 4クマバチは刺さない?万が一、刺された時の痛みとは?
  5. 5クマバチのオスとメスの見分け方!
  6. 6最近まで航空学力上「クマバチは飛べない」と言われていた?
  7. 7「飛べると思えば飛べる」ピーターパン理論でクマバチは飛べる?
  8. 8クマバチは飛行機とは違う理論で飛んでいた!
  9. 9クマバチは「不可能を可能にする」シンボル?
  10. 10【番外編】クマバチとスズメバチの違いとは?クマバチはよく見るとかわいい
  11. 11【番外編】スズメバチをクマバチと呼ぶ地域がある?
  12. 12型にはまらないクマバチを見習おう!

クマバチってどんなハチ?怖いハチなの?

ハチ

大きな蜂が飛んで来れば、怖いと思う人は多いと思います。多くの人が、蜂といえば人や他の動物を襲うものと思い込んでいます。しかし本当は刺さない上に、かわいい温厚な性質を持つ蜂もいます。更に、クマバチは実際は飛んでいるにもかかわらず、長年「航空力学上飛べない」事にされて来ました。本記事では誤解ばかり受けて来たクマバチの、本当の姿についてご紹介します。

クマバチの生態を知ろう!

ハチ

まずはクマバチの見た目の特徴と、一般的にイメージされている大型のハチと、どう違うのかをご紹介します。ハチの場合は、そのハチが肉食か草食か攻撃性の高さも決まるようです。まずは草食性で人を刺さない、他の昆虫をも襲わない、温厚なクマバチの生活時期や環境、食生活をよく見るとかわいい姿を「飛べない」と言われながらも飛んでいる写真と共にご紹介します。

クマバチの生態とは?

ハチ

クマバチの体は全長約2〜3cmで熊の様に、もこもこした柔らかい毛が生えた丸みのある体をしています。昼行性で、花とその蜜を食べる、草食性のかわいい温厚な昆虫です。体が大きすぎて花の中に入れないため、花の根元に穴を開け、蜜だけを吸い取る「盗蜜」という方法をとります。クマバチの怖いイメージは「飛べない」同様の誤解でしかないことが、見た目や食生活からも伺えます。

ハチ

クマバチは枯れ木等に1円玉位の穴を開けて巣を造り、卵を産みつけメス1匹で子育てを行います。巣は親子代々受け継がれていきます。蜜を巣に溜め込む習性もなく、花粉と蜜を団子にして、幼虫1匹につき1個与えます。縄張り意識も低い為、1つの木に複数のクマバチが住んでいる場合もあります。

活動時期は5月から10月で、そのまま繁殖期と重なり、メスはこの間に二度産卵します。寿命は1年ほどで、幼虫は越冬して成虫になり、翌年に繁殖活動を行います。

クマバチの性格とは?

ハチ

クマバチが「飛べない」という思い込み同様、怖いというのも完全な思い込みで本当は温厚な性格で、他の生き物を襲うことはありません。完全に刺さないわけではありませんが、繁殖期のメスに近づいたり脅かしてしまった時に、刺されることがある程度です。さらに多くの野生生物にありがちな、自分の縄張りから他の個体を追い払う行為も、基本的にはしないようです。本当に穏やかな性格のかわいい生き物だということがわかりますね。人に近づいて来た場合も、振り払わずに離れれば良いのです。

クマバチが怖がられる理由とは?

ハチ

クマバチは体が大きい上に、その羽音は実際に怖いスズメバチに似ています。これは他の動物をほとんど刺さない、襲わない温厚な生き物が攻撃性の高い怖い生き物の羽音を真似することで、敵を騙し身を守るためだと言われています。

クマバチのオスは3月から5月ごろに、ホバリングをしながら縄張りに近づくオスに威嚇します。これはメスを探しているためで、相手がクマバチのメスかどうかを確かめるのと、メス以外を追い払うための行動です。クマバチが「飛べない」のなら、このようにして繁殖の相手を見つけることもできずに、絶滅していたかもしれません。

クマバチの英名は?

ハチ

クマバチは英語では"carpenter bee"といい、直訳すると大工バチです。日本ではハチとしてまとめられていますが、"bee"は攻撃性が少なく温厚で、ほとんど他の動物を刺さないかわいいミツバチの仲間につけられます。攻撃性の高いスズメバチは"hornet"、アシナガバチは"paper wasp"等と呼ばれています。

ハチ

クマバチは刺さない?万が一、刺された時の痛みとは?

クマバチは温厚でかわいいとハチだという事をご紹介してきました。多くの虫の場合は、人間に攻撃する意思がなければ刺される事はほとんどありません。

クマバチのオスは元々毒針を持たないので、威嚇しても刺さない(正確には刺せない)です。しかしメスは繁殖期に巣に近いたり、脅かすなどした時に刺す場合があります。大きくて針が太い分傷も大きくなり強く痛む恐れがありますが、毒性はミツバチより弱いです。刺された時には、針を抜いて傷口から毒を絞り出し、患部を冷やして病院へ行けば重症化はしません。

クマバチのオスとメスの見分け方!

オスとメスの違いは、顔で判断できます。オスは顔の中央に黄白色の毛が生え、三角形の鼻があり目は複眼で大きく額が狭いです。オスの複眼はハエやアブと似てメスを見つける為に、広角レンズの様に周りを見渡せます。

ハチ

クマバチのメスは顔が真っ黒で、オスよりも額が広く、複眼は細長く見えます。狭い木の中に巣を作るため、オスのように目が大きく飛び出してしまうと、傷つける恐れがあるので、オスとは違う切れ長の目になったのではないかと言われています。

最近まで航空学力上「クマバチは飛べない」と言われていた?

飛行機

1934年に「Magnan」と「Saine-Lague」がクマバチの飛翔を航空力学的に説明しようとして、失敗したために、「クマバチは航空力学上飛べない」ことにされてしまいました。技術者が「クマバチが飛べない」根拠にした航空力学の飛行機が飛ぶ仕組みは「ベルヌーイの定理」に則ったものです。「飛行機が飛んでいる時、飛行機の翼の上部の気流は、下部の気流より速い速度で流れているので、流体の速度が速い所は、圧力が低く負圧となり、翼の下面に比べて、上の面が負圧となり、圧力によって翼が浮く」という事が飛ぶための理論だそうです。

1990年に入ってから、クマバチが飛行機とは全く違う理論で飛んでいることが判明しました。翼が固定されている人造物の飛行機と、羽根を忙しく動かしながら飛ぶ昆虫では、元の成り立ちも違い大きさも比べものにならないためです。そのため同じ理論で説明すれば実際に飛んでいる昆虫が飛べない昆虫になる程、最初から無理があるものでした。

「飛べると思えば飛べる」ピーターパン理論でクマバチは飛べる?

その後も様々な分野の専門家が約60年近くに渡って、様々な研究をしてきたにもかかわらずクマバチは「理論上」飛べないとされてきました。科学者は対象とした生き物や現象などのメカニズムを実験、分析、解明するのが本業です。その科学者ですら「クマバチは心の底から飛べると信じ込んでいるから飛べているに違いない」という「ピーターパン理論」を信じていたそうです。「ピーターパン理論」とは、ディズニーアニメに出てくるピーターパンが飛べる理由にちなんだ理論です。

ピーターパン

クマバチは飛行機とは違う理論で飛んでいた!

レイノルズ数という空気の粘土を計算に入れることで、飛べないはずのクマバチが飛べる理由が科学的に解明されました。その理論によると、人が水の中で立ち泳ぎすることができるように、水と空気に粘性があるから、クマバチは浮くことができるそうです。

人間にとってはほとんど「粘度」を感じさせない1気圧の大気も、虫のような小さな生き物にとっては大きな「粘度」を持つ環境とみなされるので、クマバチははばたきを利用して空気の渦を作り出しその渦に乗って垂直上昇や下降をしています。小さな虫達にとって空気は、人が感じるより粘性の高いもので、それを羽でかき分け、かき回すことによって空中に浮かんでいるということです。つまりクマバチは飛べないのではなく、飛行機とは全く違う原理で飛んでいるのです。

クマバチは「不可能を可能にする」シンボル?

こうして「飛べない」はずなのに飛んでいるクマバチのイメージは「信じればきっと叶う」という前向きなメッセージが込められた「ピーターパン理論」と結びつきました。このことからクマバチは「不可能を可能にするシンボル」として、会社やスポーツチームのシンボルマークに使われることも多いようです。

【番外編】クマバチとスズメバチの違いとは?クマバチはよく見るとかわいい

ハチ

スズメバチはクマバチとは似ても似つかない怖い顔をしています。似ているのは大きさと鳴き声のみです。攻撃性があり巣に近づくと集団で襲ってきて、毒性も非常に強いようです。寄ってこられたら頭を低くして、なるべくそっと逃げると良いようです。肉食で他の昆虫を襲うので、温厚なクマバチも食べられてしまいます。

ハチ

スズメバチと比べると温厚なクマバチはかわいいですね。しかし人間にとって完全に害を及ぼさないとは言い切れません。脅かしてしまえばメスには刺される可能性があります。毒性は弱くても、刺された回数が2回以上の場合は、アナフィラキシーショックという重度のアレルギーショックを起こす可能性があるので、注意が必要です。また家の柱や壁の木材にクマバチが巣を作ると、その巣穴が湿気やシロアリなどの侵入経路になる恐れがあります。

【番外編】スズメバチをクマバチと呼ぶ地域がある?

大阪の北摂地方のように、オオスズメバチのことを「クマンバチ」または「クマバチ」と呼ぶ地域も幾つかあるようです。これは体が大きくて、攻撃性が強い事を熊に例えているそうです。大きさではなく攻撃性の強さで、オオスズメバチのことを「オオクマン」、小型スズメバチのことを「コクマン」呼ぶようです。

ハチ

型にはまらないクマバチを見習おう!

ハチ

人間の間違った観点の研究から、クマバチは「飛べない事」にされていました。もしクマバチが、人間の思い込みに振り回されて、自分は「飛べない」と思い込んでいれば絶滅していたかもしれません。クマバチの様に、思い込みから出来た「型」から少しでも自由になれれば、人はもっと生き易くなります。

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この記事のライター
beingwiththemoon
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