カラオケの印税の仕組み！1曲でいくらになる？作詞作曲でも違う？

カラオケを歌うことでアーティストに入る印税です。要するに、カラオケを歌うほどにアーティストへとカラオケ印税が入る仕組みです。とは言うもののカラオケ印税に何の決まりもない訳ではありません。ここではカラオケ印税の仕組みについて紹介します。

印税という言葉の意味まで把握しているという方は少ないでしょう。そこで、カラオケ印税の仕組みに触れる前にまずは印税についてご紹介します。

例えば、レコード会社やカラオケ事業者などがCDの売上枚数やカラオケで歌われた回数などに応じて楽曲の作詞者・作曲者・歌手などに支払う金銭が印税です。印税とは、著作権の所有者が著作権使用料として事業者などから受け取る金銭を意味する言葉です。

この記事で多く触れるカラオケ印税は著作権印税に該当する印税です。著作権印税は作詞家・作曲家・レコード会社などに支払われる印税です。CDなどを制作する際、作詞者や作曲者はレコード会社へと著作権を提供します。必然的にレコード会社は著作権を有することとなります。これら著作権に纏わる印税が著作権印税です。著作権印税の支払い者はまちまちです。ただ、基本的には著作権管理団体が一括して徴収、分配を行います。

CDなどを制作するとき、アーティストは「歌を録音する権利」をレコード会社へと提供します。そこで発生する印税がアーティスト印税です。アーティスト印税は楽曲の売上に応じてレコード会社からアーティストの元へと支払われます。アーティスト印税の額はアーティストによって異なりますが、CD1枚で1～6％程度が相場のようです。

日本音楽著作権協会(JASRAC)とは音楽の著作権の管理などを行う協会です。JASRACは権利者からの著作権を管理・受託し、海外の著作権管理団体と相互管理の契約を結ぶなどの働きを担っています。一般社団法人日本音楽著作権協会の英語表記が"Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers"であり、頭文字をとってJASRACと呼ばれています。なお、"Author"は作詞者、"Composer"は作曲者、"Publisher"は音楽出版社を意味する英語です。

印税がわかっただけではカラオケ印税を完全に理解できたとは言い難いです。そこで、次にカラオケ印税の仕組みについてご紹介します。

カラオケ印税はカラオケ事業者がJASRACに毎月決められた額を納める仕組みで成り立ちます。カラオケ事業者はカラオケの機器を設置している店舗やカラオケ用の楽曲の配信を手がける会社を指します。また、カラオケ用の楽曲の配信を手がける会社とカラオケの機器を設置している店舗とではJASRACに納める月額料が異なる点には注意が必要です。

カラオケ用の楽曲の配信を手がける会社のカラオケ事業者の場合は毎月、JASRACに支払われる額は1曲あたりの支払額×配信を行っている楽曲数です。しかし、カラオケの機器を設置している店舗のカラオケ事業者の場合は毎月、JASRACに支払われる額は店員の数×カラオケの設置されている部屋の数です。店員数が10以下の店舗は1部屋につき4,000円が毎月JASRACに支払われる仕組みです。

歌手が貰えるカラオケ印税額の相場は1曲あたり1～3円と言われています。ちなみに、カラオケ印税の仕組みには新人歌手の印税は低くてベテラン歌手の印税は高いなど年功序列のような制度は在りません。新人歌手でもベテラン歌手でもカラオケで歌われた分だけカラオケ印税が舞い込む仕組みです。カラオケでたくさん歌われた新人歌手のカラオケ印税がベテラン歌手のカラオケ印税を有に上回るなんてこともざらにある仕組みです。

基本的に作詞家も作曲家も著作権の保有者です。作詞家や作曲家に支払われるカラオケ印税の額は1楽曲に対し、2～7円程度と言われています。また、1人で作詞も作曲も手がける場合には作詞と作曲の両方面からのカラオケ印税の受け取りが可能となります。同じように歌手が貰えるカラオケ印税に関しても、作詞や作曲のカラオケ印税とは別カウントです。作詞・作曲を手がける歌手ならば作詞・作曲・歌手と3つのカラオケ印税を手にすることができます。

カラオケの途中終了がカラオケ印税の受け取りに支障を来すことはないでしょう。理由はカラオケ事業者がJASRACに報告する内容が楽曲のリクエスト回数だからです。仮に事業者の報告する内容が楽曲の演奏時間だったとすれば話は別だったかもしれません。

さて、活躍しているアーティストたちは1曲でいくらほどのカラオケ印税を稼いでいるのでしょう。ここではカラオケ印税で最も稼いでいると言われる3組のアーティストをご紹介します。

鬼龍院翔さんはゴールデンボンバーのボーカリストです。作詞と作曲も手がけています。つまり、ゴールデンボンバーの楽曲がカラオケで歌われれば歌手と作詞と作曲のカラオケ印税が鬼龍院翔さんの手に渡る仕組みです。『女々しくて』はゴールデンボンバーの大ヒットソングです。オリコンの週間カラオケランキングにおいては通算50週連続で首位を獲得しています。なお、鬼龍院翔さんが『女々しくて』から得たカラオケ印税は一部の報道によれば3億円にものぼると言われています。

『ロード』は発売当初、レコード会社からリリースを拒否され続けた髙橋ジョージさんがインディーズレーベルとしてリリースした楽曲です。著作権を始めとする楽曲に関する全ての権利を髙橋ジョージさんが保有していることでも有名です。年間1,200万円のカラオケ印税が入り続けている旨のご本人の発言が見受けられます。

槇原敬之さんはシンガーソングライターです。楽曲『世界に一つだけの花』では作詞と作曲を担当しています。また、『世界に一つだけの花』は平成31年4月17日にJASRACが発表した「平成元年から31年までの国内作品分配額上位100作品」で栄光の1位を獲得した楽曲です。カラオケ印税でかなりの額を稼いだことは目に明らかです。

カラオケ印税で多く稼いでいるアーティストをランキング形式でご紹介します。ランクインしているアーティストは名の知られたアーティストとは限りません。それでは、カラオケ印税額のトップ5の発表です。

5位はAIさんの『STORY』です。発売開始から10年以上が経過した今でも歌われ続ける名曲です。こちらの楽曲はカラオケ印税から相当なお金が入るカラオケ曲としても知られています。なお、AIさんが手がけるのは作詞のみです。

4位は一青窈さんの『ハナミズキ』です。歌手の一青窈さんは作詞のみを担当しています。それでも、この曲のカラオケ印税で3億円以上は稼いだと言われています。

3位はRADWIMPSの『前前前世』です。新海誠監督のアニメ作品『君の名は。』の主題歌としてもおなじみの楽曲です。作詞と作曲を手がけるはボーカルリストの野田洋次郎さんです。ちなみに、『前前前世』自体の推定印税額は5,400万円と言われています。

2位は中島みゆきさんの『糸』です。たくさんのアーティストたちから愛される楽曲でカバーの回数は膨大です。頻繁にカラオケランキングで1位を獲得する楽曲でもあります。そして、2017にはJASRACの2017年JASRAC賞の「金賞」を受賞しています。以上のことから作詞・作曲まで手がける中島みゆきさんの元にはたくさんのカラオケ印税が舞い込んだと予想されます。

1位は星野源さんの『恋』です。主に平成生まれの20代前半の若者から絶大な支持を集める楽曲です。こちらの楽曲はテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌としてもおなじみです。カラオケ年間ランキングで頂点に輝くなどカラオケで多く歌われたことも確かです。作詞と作曲も星野源さん自身で手がけているため、カラオケ印税額も相当なものでしょう。

買い取り型楽曲は通常の楽曲提供とは少し仕組みの異なる楽曲提供です。通常の楽曲提供の場合、レコード会社などに著作権を渡す代わりにカラオケ印税を受け取ります。一方、買い取り型楽曲では楽曲提供時に著作権ごと売り渡します。提供した楽曲がカラオケで歌われるときには著作権はレコード会社などの手元に渡っていることになります。そのため、いくらカラオケで歌われたとしてもカラオケ印税を受け取ることはできません。いわばカラオケ印税の例外とも言える仕組みです。

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お気に入りのアーティストの楽曲をカラオケで歌えばカラオケ印税が支払われます。いくらでも、歌えば歌った分だけアーティストの元にカラオケ印税が舞い込む仕組みです。カラオケではいくらまでなどと際限を設けたりせずにお気に入りのアーティストの歌を思いっ切り歌ってみましょう。もちろんお気に入りのアーティストへの感謝の気持ちを込めてです。