栃木の方言(栃木弁)22選!可愛い告白フレーズも紹介!
皆さん、栃木弁を知っていますか。南西部と西関東に分類され、隣町に行ったら、方言がわからないなんてことも。私たちが耳にする会話のなかに栃木弁があるんです。今回は日常で使われるような方言から、可愛い告白フレーズ、クスット笑ってしまう面白いフレーズをご紹介します。
目次
栃木の方言(栃木弁)を紹介!
栃木の方言の言い回しはちょっと独特でほかの地方と響きが同じでも、栃木で使うと違う意味になってしまう、ってご存知でしたか?
普段なんとなく日常生活で頻繁に耳にする言葉は、実は栃木県が発祥なんですよ。記事の前半では日常会話で頻繁に使われる栃木弁を、記事の後半では可愛い告白フレーズを紹介します!
そもそも栃木ってどんなところ?
栃木県は、関東地方最大の面積であり、その広大な土地を活かした産業が盛んな県です。飛鳥時代や奈良時代から続く那須温泉郷、塩原温泉郷や世界遺産に登録された 日光の社寺、可愛い動物がたくさんいる那須どうぶつ王国があります。
特産品はいちごとかんぴょうで収穫量は日本一を誇っています。 なかでも宇都宮市の宇都宮餃子が有名です。なんと餃子専門店、中華料理店、土産物店合わせて200店舗以上あるんです。宇都宮餃子というブランド餃子なんですよ。
そんな自然豊かな栃木県の方言は、南西部と西関東に分類され、足利市や佐野市の一部では、足利弁が話されているんです。また、福島弁と多く共通する部分があります。どのようなものなのでしょうか。日常会話でよく使われる言葉を例文とともに、ご紹介します。
栃木の方言の特徴2つ!
栃木の言葉には大きく分けて二つの特徴があります。また、アクセントによる区別がないので、文脈から読み解かなければなりません。尻上がりのイントネーションも特徴的です。ご年配の方と会話する機会があると、「い」と「え」が混同していることもよくあるそうです。
混同しやすい単語の例
「箸(は↑し↓)」や「橋(は↓し↑)」が「は→し→」
「い」と「え」の混同例
「いろえんぴつ」が「いろいんぴつ」
「えび」が「いび」
になります。独特の表現で面白いですよね。
次に、大きな特徴を2つ紹介します。
語尾がのびる
1つ目の大きな特徴は語尾がのびることです。「わかりました」が「わーがりました」「いやだ」が「やーだよ」「仕方ないから」が「しゃーねから」などに変化します。
「やーだよ」は普通に否定しているだけなのに、強く否定されているように聞こえますね。
濁点に変化することが場合が多い
2つ目の特徴は濁点に変化する場合が多いことです。「行く」が「行くべ」、「いかんべ」は「いいでしょう」の意味になります。
栃木でよく使われる方言【名詞編】10選!
①あんぽんたん(あほ、愚か者)
「大馬鹿者」「ろくでなし」という意味になります。
例「このあんぽんたんが!」
直接「ろくでなし!」なんて言われることはあまりないのかもしれませんが。きつい言葉が、子供でもわかるようなかわいらしい響きになっていますよね。なんだかあまり怒られている感覚ではないように聞こえてしまいますね。
②うら(うしろ)
栃木では、「後ろ」のことを「うら」といいます。表裏の裏も「うら」といいます。「うら」に続く言葉でどちらを指しているのかがわかります。県外出身の方は、混乱してしまう表現ですよね。栃木出身の方はどうしてこの言葉が通じないのか、もどかしい思いなのだとか。
例「うら乗っていくかい?」
③おばんです(こんばんは)
「おばんです」は「こんばんは」という意味です。栃木に住んでいれば、頻繁に使われる日常言葉です。ふつうに「こんばんは」といわれるより、「おばんです」なんていわれたら、気持ちが暖かくなりそうですね。ちなみに夕方は「おばんかたです」と使い分けることもあるのだそうですよ。
例「どうも、おばんです~」
④こないだ (この間、この前)
普段何気なく耳にしていたり、会話の中でごく自然に使われている「こないだ」は「この間」「この前」という意味です。実は栃木発祥の方言だったんです。私たちが知らない間に全国へ広まりいつの間にか浸透して、方言と知らずに使っていたなんて、面白いですよね。
例「こないださ旅行に行ってきたんだけども」
⑤ごじゃっぺ(いい加減、うそ)
「こじゃっぺ」は「いい加減」または「うそ」の意味です。なお、この言葉は茨城でも使われることがありますが、茨城ではでたらめ、という意味になります。相手に対して怒るときに使う言葉ですが、迫力が増して怖いこと間違いなしですね。こちらの言葉に関しては、イントネーションが尻上がりになりやすい傾向にあるようです。
例「こじゃっぺいってんじゃねえよ!」
⑥だいじ(大丈夫)
「だいじ」は「大丈夫」という意味になります。老若男女問わず、日常会話で頻繁に使われる言葉です。標準語と思っている人もいるのだとか。県外からの転入者が大事(おおごと)と勘違いするようです。
例「つれてってやっからだーいじだよ!」
⑦だいじけ?(疑問形)
こちらは先ほど紹介した「だいじ」の疑問系になります。「大丈夫?」という意味です。栃木に遊びに行った際にこの言葉をかけてもらったら、心配されている証拠です。困っている場合には助けてもらいましょう。
例「怪我したって?だいじけ?」
⑧てばたき(拍手)
県外の人でもニュアンスはつかめるのではないでしょうか。「てばたき」は「拍手」という意味です。こちらは学校などで先生が生徒に指示をするときによく使われるそうです。「てばたき」の文字だけを見ると県外出身の人は「手を使って羽ばたくの?」勘違いしてしまうでしょう。
例「てばたきやめ。」
⑨めっけ(見つける)
「めっけ」は「見つける」の意味です。とっても可愛い響きですよね。ちなみに「めっけちった」で「見つかっちゃった」という意味なのですが、隠れて遊ぶときに言われてしまったらきゅんとしてしまうかもしれませんね。
⑩まっつぐ(まっすぐ)
「まっつぐ」は「まっすぐ」という意味です。道を説明するときによく使われています。まっつぐ、と声に出したら少し言いにくいかもしれませんが、響きがかわいいですよね。
例「ここまっつぐ行ったら目的地につくべ」
栃木でよく使われる方言【動詞編】10選!
①あるって(歩いて)
「あるって」は「歩いて」の意味です。他県の人が聞くと、その場所にものがあると勘違いしそうですが、栃木では頻繁に使われる方言です。標準語と似ているため、使いやすい方言ですね。
例「このぐらいならあるってった方が早い」
②いきあう(出会う)
「いきあう」は「出会う」、「ばったり会う」という意味です。「だいじ」と同様に、標準語だと思っている方が多いそうですよ。
例「さっき、田中さんとといきあったわ」
③いじやける(イライラする)
「いじやける」は「イライラする」という意味です。
独特の表現で面白いですね。
例「あの態度、すげーいじやけるよ!」
④いってみる(帰る・失礼する)
「いってみる」は「帰る」、「失礼する」という意味です。訪問先から失礼するとき、帰るときに使います。標準語だと反対の「行く」を意味するので、面白いですよね。
例「そろそろいってみます」
⑤うっちゃる(捨てる)
「うっちゃる」は「捨てる」という意味です。実は国語辞典に載っている方言なんですよ。方言に慣れていない方は「打ち明ける」と聞き間違えないようにしたいですね。
例「いらないものはここにうっちゃけてね」
うっちゃ・る
①投げすてる。すてる。「ごみを-・る」
⑥おっかく(折る)
「おっかく」は「折る」という意味です。折るという意味のほかに割るという意味でも使います。諸説ありますが、「折る」と「欠く」が語源なのだそうです。
例「えんぴつおっかいた!」
⑦おんだす(出す)
「外に出す」「追い出す」という意味になります。「おいだす」ではなく「おんだす」になるところが栃木独特の訛りですね。
例「ごじゃっぺやってとおんだすと!」
⑧おっかける(追いかける)
「おっかける」は「追いかける」の意味です。この言葉も「こないだ」同様、日常会話の中で知らずに使っている人もいるのではないでしょうか。「おっかく」だと「折る」という意味で「おっかける」だと「追いかける」になるのは、面白いですね。
例「こどもをおっかける」
⑨おわす(終わらせる)
「おわす」は「終わらせる」という意味です。標準語では「居る」や「来る」の尊敬語になるので、県外出身の人は「誰か来るのか?」と疑問に思ってしまうかもしれません。
例「頑張っておわすから」
⑩かたす(片づける)
「かたす」は「片付ける」という意味です。県外出身の方も使いやすい栃木弁です。「片付ける」と標準語では言うので、独特な栃木弁の中ではわかりやすいフレーズですね。
例「早くかたしなさい」
栃木弁の告白フレーズ2つ!かなり可愛い!
方言で告白、というのはする側もされる側もキュン、としてしまう人が多いのではないでしょうか。アクセントが無く、聞きづらいと思われる栃木弁での告白って、実はものすごく可愛いんです。
すべて栃木弁にしてしまうと可愛さが減ってしまうので、少しだけ標準語のフレーズ交じりに告白するのがより可愛く思いを伝えられるポイントですよ。
とうと好きでしたわ(ずっと好きでした)
「とうと」は「ずっと」や「いつもいつも」という意味です。「とうの昔」って、聞いたことありませんか?これは「だいぶ前」という意味なのですが、似ていますよね。「とうと好きでしたわ」という、告白をしてもらったら「いったいいつから好きだったのだろう」と告白をきっかけに、会話が弾みそうですね。
つきあってくれっけ(付き合ってください)
「つきあってくれっけ」は「付き合ってください」という意味です。こちらは先ほどの言葉よりさっぱりとした印象ですね。前述では、「すべて栃木弁にしてしまうと可愛さが減ってしまう」なんて言ってしまいましたが、「とうと好きでしたわ、つきあってくれっけ」なんていわれたら、キュンキュンしすぎて舞い上がってしまうかもしれません。
栃木の方言を使うであろう栃木出身3人紹介!
独特のイントネーションや特徴がある栃木弁は、テレビなどで見かける機会はあまり無いかもしれませんが、栃木県出身の有名人にはこんな人たちがいるんです。
水泳選手 萩野公介
日本記録保持者でありリオデジャネイロオリンピックでもたくさんのメダルを獲得した水泳の萩野公介選手は、栃木県小山市出身です。萩野選手を出産する前から、母親がマタニティスイミングをしていたので赤ちゃんの頃から水を一切怖がることが無かったのだそうです。
お笑い芸人 U字工事
ツッコミの福田薫さんとボケの益子卓郎さんの漫才コンビです。青いジャケットを羽織っている福田さんは栃木県那須塩原市出身です。白いワイシャツをきている益子さんは栃木県大田原市出身です。
栃木弁で繰り出される漫才と益子さんの「ごめんねごめんね~」は思わず真似したくなるような独特のイントネーションと栃木弁訛りで面白いですよ。
女優 山口智子
俳優、唐沢寿明さんの妻であり、現在はCMを中心に活躍している女優の山口智子さんは栃木県栃木市出身です。実は俳人である松尾芭蕉を経済的に支援していた門弟杉山杉風の子孫なのだそうです。ご実家は栃木市内の老舗旅館 鯉保ですが残念ながら現在は廃業してしまったそうです。
栃木の方言を知って、実際に使ってみよう!
栃木の方言についてご紹介しました。意外に耳にする方言があったのではないでしょうか。語尾が延びたり、濁点がつくなど、独特な表現、イントネーションが特徴的ですが、意外と耳にする言葉も多かったのではないでしょうか。
これをきっかけに栃木へ出かけて地元の方との交流を深めて、栃木のことを知って、栃木のことを好きになってもらえたら嬉しいです。