2021年10月05日公開
2021年10月05日更新
アイヌ料理とは?東京で食べられるお店とアイヌの食文化まとめ
アイヌの人たちの食文化。いわゆるアイヌ料理がどんなものかご存知でしょうか。普段、なかなか口にする機会のないアイヌ料理。今回はそんなアイヌ料理やアイヌの食文化についてご紹介。気になるアイヌ料理は東京で食べることもできるのだとか。アイヌ料理を食べれるお店もご紹介。
目次
アイヌとはどんな民族?
アイヌ民族とは
アイヌ民族とは北海道の先住民族のことを言います。
アイヌという名前だけは聞いたことがあるけれど、実際どういう民族なのか知らない人も多いことでしょう。
実はアイヌ民族は、差別されることも少なくなかった民族でもあるのです。
今回は、そんなアイヌ民族の食文化、そして料理についてご紹介していきます。
北海道という土地で暮らすアイヌ民族。
純血のアイヌ民族はいなくなったのでは、とも言われているアイヌ民族ですが、そんなアイヌ民族の料理を食べる機会。アイヌの食文化を知る機会は北海道にいなくてもあるのです。
アイヌ料理というのは、どういった料理なのでしょうか。
食文化の違いとは?
そして、アイヌ料理を北海道ではなく、東京で食べることのできるお店があるというのは、事実なのでしょうか。
気になるアイヌ料理
アイヌ料理の特徴
アイヌ料理の多くは、汁物の食事が多いようです。
やはり北海道という土地柄温かい食事のほうが好まれているのでしょうか。
ごはんも、普段我々の食事で食べている白飯というよりも、お粥にして食べる食事が多いようです。
やはり、ごはんも温かい食事のほうがいいのかもしれませんね。
北海道はとても寒い地域ですから、少しでも暖を取れる食事が好まれるのかもしれません。
北海道は、魚介類がとてもおいしくて有名な土地ですが、アイヌの料理ではあまり生で食べるということがなかったようです。
魚の刺身も、ルイベという凍った鮭の刺身を食べていたようです。
北海道なので、生でおいておくと食事も凍ってしまうのかもしれませんね。
このように、北海道という土地のせいもあり、アイヌの食事は独特なものがあるようです。
アイヌ料理で使われる主な調味料
アイヌ料理の調味料
アイヌ料理で主に使われている調味料は、塩が多いようです。
シンプルな味の食文化だったのかもしれません。
あっさりとした味を好んでいたのでしょうか。
動物の脂肪も
塩だけではありません。
エゾシカやタラなどの脂肪も料理に使っていたようです。
脂肪を使うことで、コクが出るのでしょうか。
イワシやニシン、サメなどの脂肪も使うということなので、アイヌの食文化に脂肪は欠かせないものだったのかもしれませんね。
近世では味噌も
塩と脂肪だけで味付けされていることが多いアイヌ料理ですが、近世になってくると味噌なども使われるようになってきたのだそうです。
あっさりシンプルな味付けの料理が多いようですが、香辛料も使われていたようです。
その使われていた香辛料は、ギョウジャニンニクなど。
確かにギョウジャニンニクは北海道などで有名なニンニクですよね。
しかし、塩と脂肪だけのあっさりしたイメージがあったアイヌ料理にギョウジャニンニクが使用されていたなんて。
なんだか味の想像がつきませんね。
あっさりとした味付けにギョウジャニンニクの香りがプラスされるのでしょうか。
アイヌ料理の食材の調達方法 ~狩猟編~
アイヌ料理に狩猟は欠かせない
アイヌ料理を作る上で欠かせないのは、やはり狩猟。
アイヌ民族は自分たちで狩猟をしていました。
狩っていたのは、エゾシカやクマ、ウサギ、タヌキ、キジバトやスズメといった獣や鳥類と幅広い動物を狩っていたようです。
もちろん、その当時は猟銃などではなく弓矢で狩っていたようです。
実は北海道には、シカが信じられないほど生息していたのだそうです。
そのため、狩りをするのもとっても簡単だったのだとか。
「鍋を火にかけて狩りに行く」なんて言葉まであるほど!
そんなにすぐに狩ることができるなんて驚きですね。
いったい、どれほどの数のシカが生息していたのでしょうか。
アイヌ料理の食材の調達方法 ~漁編~
大物を釣ることも
漁と言っても、一般的に考えられる小さな魚ばかりではなかったようです。
なんと、イルカやトド、アザラシといった大型の生物も採っていたようです。
さすがに釣りで採れるものではないでしょうが、海からそれらの生物を持って帰ってきたのかと思うと、恐ろしいものがありますね。
しかし、もちろん私たちが普段からスーパーや魚屋などで目にするイワシなどの魚も取っていたようです。
クジラは大変なごちそうだったようですが、当時のアイヌ民族たちの力でクジラを取りにいくことはさすがにできません。
それほど大きいものですからね。
ごくまれにクジラのほうから近づいてきてくれるときは、アイヌ民族みんなで喜ぶほどの大ごちそうだったのだとか。
主なアイヌ料理
アイヌ料理
郷土料理というのは、その土地その土地で大きく違いがあるものです。
その土地の文化や気候などが大きく関係してきます。
同じ民族の中でも違いが出てくる郷土料理ですので、民族が違えばその食文化の違いも大きくなってくるでしょう。
ここで、主なアイヌ料理についてご紹介していきます。
アイヌの食事 ~オハウ (煮込み汁)~
肉は煮込むことが多い
アイヌ料理で肉などは、煮込んで食べることが多かったようです。
野菜などと一緒に肉を煮込み、塩で味付けをした汁物はシンプルな味付けながら、体を心から温めてくれる料理だったのではないでしょうか。
近世では味噌を使うようになってきたと言われていますから、この汁物に味噌が入ることもあったのではないでしょうか。
ますます体が温まりそうですね。
アイヌの食事 ~サヨ(粥)~
お粥
いくらなどを入れて作ることもあったというお粥。
お粥と言うと病気のときに食べるイメージもあるお粥ですが、アイヌ料理でお粥はお茶のようなもの。
口直しとして飲むというイメージのほうが強いのだとか。
さまざまな種類のお粥があったようです。
同じような汁もの料理であっても、お粥はお茶扱いですから鍋も別、お粥をすくう、お玉やレードルのようなものもキッチリと分けられていたのだそうです。
本当に腹持ちのいいお茶として飲まれていたのかもしれませんね。
アイヌの食事 ~シト(団子)~
晴れの日の料理
団子と聞けば、みたらし団子やアンコの入った団子ですが、アイヌ料理の団子はおやつとして食べられていたものではないようです。
ハレの日の料理として食べられていたのだそう。
なぜなら、団子を作るための粉なども、自分たちの手で丁寧に製粉していたのだとか。
その恐ろしいほどの手間を考えると、確かに日常的に食べるのは無理ですよね。
アイヌの食事 ~ラタシケプ(煮物、和え物)~
煮込み料理
汁けがなくなるまで煮込んだ料理なのだそう。
普段から食卓にあがる料理でもあったようですが、ハレの日にも欠かせない料理だったようです。
アイヌ料理のラタシケプというのは、我々にとっての野菜の煮物などと同じ感覚なのかもしれませんね。
アイヌの食事 ~チタタプ(肉や魚のたたき)~
魚料理
魚のたたき料理だそうです。
さすが北海道という料理ですね。
ごはんのおともにおいしそうな料理でもあります。
アイヌ料理や食文化を知ることのできる本がある?
ゴールデンカムイ
ゴールデンカムイは、明治末期の北海道を舞台にした漫画です。
アイヌの少女などが出てくるストーリー。
ゴールデンカムイが連載されているのは、『週刊ヤングジャンプ』です。
現在でもゴールデンカムイは連載中のようですよ!
ゴールデンカムイではアイヌ料理も多く登場します。
アイヌ料理がもっと知りたいという人は、ゴールデンカムイを読んでみてくださいね。
ゴールデンカムイ
作者:野田サトル
出版社:集英社
既刊:既刊11巻(2017年8月現在)
ハルコロ
ハルコロ
ハルコロは、アイヌ文化をテーマにしている漫画です。
アイヌ文化に焦点を当てた漫画はかなり少ないので、アイヌについて知りたい人はぜひ読んでみてください。
ハルコロ
作者:石坂 啓
出版社:潮出版社
既刊:2巻
東京でアイヌ料理を食べることができる店
ハルコロ
東京でも食べれます
アイヌ料理を東京で食べることができます。
アイヌ料理を出すお店というのは少ないのですが、その数少ないお店が東京にあるんです。
その東京のお店が「ハルコロ」。
ハルコロというのは、アイヌの言葉で食べ物というような意味があるのだそう。
東京で唯一のお店
東京で唯一アイヌ料理が食べれるお店だそうです。
エゾシカ料理なども食べることができるようです。
アイヌ語で使われているます。
異国情緒あふれるお店ですね。
最寄り駅は新大久保
ハルコロ
住所:東京都新宿区百人町1-10-1
アクセス:JR大久保駅南口より徒歩1分
電話:03-3368-4677
営業時間:[月〜金]
11:30〜14:00 17:00〜24:00(L.O.23:00)
[土・日・祝]
17:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日:木曜他
芸能人にも?アイヌの血を引く人たち
宇梶剛士
宇梶剛士
宇梶剛士は、母親がアイヌ人のようです。
詩人・古布絵作家として母親は活躍しているのだとか。
深月ユリア
深月ユリア
占い師やモデルとしても活躍している深月ユリアは、父親がアイヌ人なのだそうです。
【まとめ】気になるアイヌ料理について
いかがでしたか?
今回はアイヌ料理についてご紹介していきました。
珍しいアイヌ料理ですが、東京で食べることもできるので、興味がある人はぜひ、アイヌ料理を食べてみてくださいね。