「ツングースカ大爆発」の原因が解明される。やっぱり隕石の落下だった?

ツングースカ大爆発という話を聞いたことがありますか。ツングースカ大爆発と100年以上前にロシアで起きた謎の大爆発です。その真相は長い間謎でしたが、最近になって隕石の落下が原因と判明しました。今回はこのツングースカ大爆発の謎と隕石の落下についてご紹介します。

「ツングースカ大爆発」の原因が解明される。やっぱり隕石の落下だった?のイメージ

目次

  1. 1ツングースカ大爆発の謎
  2. 2ツングースカ大爆発はUFOからの核攻撃だったという説も
  3. 3ツングースカ大爆発はニコラ・テスラの実験のせい?
  4. 4隕石の爪痕「ツングースカ・バタフライ」
  5. 5ツングースカ大爆発の真相は隕石の落下?
  6. 6ツングースカ大爆発がモチーフとなった作品『ウルトラマンオーブ』
  7. 7隕石の落下は世界各地で度々起こっている
  8. 8ツングースカ大爆発の前にもあった隕石の落下
  9. 9ツングースカ大爆発の痕で発見された新種の生き物の謎
  10. 10隕石の落下は防げない

ツングースカ大爆発の謎

出典: http://zapzapjp.com


みなさんはツングースカ大爆発という現象をご存知ですか。ツングースカ大爆発とは今から100年以上前の1908年にロシアのポドカメンナヤ・ツングースカ川で起こった謎の大爆発です。これまでその原因については様々な説がありましたが、2013年になってようやくツングースカ大爆発の真相が明らかになりました。

出典: http://nazo108.sblo.jp


1908年は、日本とロシアが戦った日露戦争直後でした。当時のロシアはツングースカ川で起こった爆発であるということと、それに伴う地震や衝撃波は観測できたものの、その真相を突き止めるほどにはまだ科学技術が発達していませんでした。目撃証言は多数あり、火の玉や衝撃音、森林火災などの二次災害があったことは判明していました。
1946年にはSF作家であるロシア人のアレクサンドル・カザンツェフがツングースカ大爆発をモチーフにした小説を発表しました。1960年代から本格的な科学調査が行われるようになり徐々に真相に迫っていきましたが、爆発の規模や風圧などは測定できたものの、肝心の爆発の真相まではたどり着きませんでした。こうして100年以上のあいだ、ツングースカ大爆発の原因は謎に包まれたままでした。

ツングースカ大爆発はUFOからの核攻撃だったという説も

出典: http://japanese.irib.ir


ツングースカ大爆発は宇宙人からの核攻撃だったという説を唱えたのは上記でも述べたロシアのSF作家アレクサンドル・カザンツェフです。彼の著書である『爆発』はその名のとおりツングースカ大爆発のことを描いた小説です。SF小説家というのは科学者でもあります。時には研究者でも発見しえないようなことを彼らは見つけることがあります。アレクサンドル・カザンツェフの唱えた宇宙人からの核攻撃説は、当時のロシアでは信じる人も多かったようで、ロシアで最も古いの大学のひとつとされるトムスク大学の研究員たちによって彼の説は検証されることとなりました。しかし、もしもツングースカ大爆発が核攻撃によるものだとしたら大爆発の跡には微量でも放射線が残っているはずです。研究員たちは何度も残留放射能の測定を行いましたが結局検出されることはなく、アレクサンドル・カザンツェフの核攻撃説は否定されることとなりました。

ツングースカ大爆発はニコラ・テスラの実験のせい?


ツングースカ大爆発は二コラ・テスラによる実験が原因だったのではないかといわれていた時代がありました。
 

出典: https://ja.wikipedia.org


二コラ・テスラはツングースカ大爆発の起きた20世紀中頃のに存命していたオーストリアの発明家です。二コラ・テスラはかの有名なエジソンのライバルともいわれるほどに注目されていた人物でした。彼の研究分野は電気でした。テスラコイルという名前が付いた空中放電するコイルや、「世界システム」と呼ばれる全世界の送電システムを統合するという壮大な構想を練っていました。磁束密度の単位であるテスラも、二コラ・テスラにちなんでつけられた名前です。


二コラ・テスラはツングースカ大爆発が起きる前、ヨーロッパからアメリカへ渡りました。アメリカでテスラはトマス・アルヴァ・エジソンと出会います。テスラはエジソンの下で電気エンジンを改良しますが仲たがいにより決別することになりました。1899年、テスラはコロラドで雷雨の研究所をつくります。この研究所でテスラは電磁波を貯蔵することのできる装置をつくりだしました。テスラは長いあいだ、長距離を結ぶ送電網をつくる実験をしていました。それは当時の科学技術ではまだ未完成の分野で、成功するとは限らない危険な実験だったといわれています。このときのテスラの送電実験がツングースカ大爆発を起こしたのではないかと噂されたのはまだ世界的にもテスラの考えが認められていなかったからなのかもしれません。

隕石の爪痕「ツングースカ・バタフライ」

出典: http://nazo108.sblo.jp


ツングースカ・バタフライとは、ツングースカ大爆発の跡のことを指す言葉です。爆発による衝撃で木々がなぎ倒され、焼け野原のようになった土地が上空から見るとバタフライのようだということでツングースカ・バタフライと呼ばれるようになりました。爆心地の形はバタフライの他にもスースロフの漏斗という名前があったりもします。バタフライに見えるかどうかは人によりますが、当時の人はそれくらいこの爆発のことに興味をもっていたのでしょう。

ツングースカ大爆発の真相は隕石の落下?


2013年になって、ツングースカ大爆発の原因は隕石の落下であったということが判明しました。100年以上のあいだ謎に包まれていた大爆発の真相がついに明かされるときが来たのです。

ツングースカ大爆発が100年以上謎に包まれていたわけ

出典: http://www2s.biglobe.ne.jp


爆風の方向を示す図のようです。
ツングースカ大爆発が100年以上のあいだ謎に包まれていたのは当時の科学技術の未発達というのこともありますが、一番は核心に迫る証拠が見つからなかったからです。それに加え、爆心地がバタフライのような不思議な形をしていたり、目撃証言が心霊現象のように扱われていたことから、迷信や都市伝説が科学よりも先に広まっていしまいました。その結果、2013年になるまで真相がはっきりしなかったのです。
 

隕石の落下が原因とされる根拠

出典: http://www.tokyo-science.co.jp


2000年代に入るまで世界中の研究者がツングースカ大爆発の真相を突き止めようとしてきました。
2007年にはアメリカの研究チームがスーパーコンピューターをによってツングースカ大爆発の原因の分析をしました。その分析では隕石は研究者たちが想定していたよりも小さなもので、バタフライと呼ばれた大きな爆発の跡ができたのは上空で隕石が爆発したことによる衝撃波によるものだと結論付けられました。
2013年、ウクライナ、ドイツ、アメリカの3か国による研究チームが泥炭からなる地層から隕石を構成していたと見られる鉱物を発見しました。このことが決定的な証拠となってツングースカ大爆発は隕石の落下原因だったと断定されました。このとき発見された鉱物はロンズデーライト、トロイリ鉱、テーナイトなどで、これらの鉱物は地球上ではほとんど見られないものであったことからこの鉱物は隕石を構成していたものだと判断されたのです。

ツングースカ大爆発がモチーフとなった作品『ウルトラマンオーブ』

出典: http://blog.m-78.jp


ロシアだけでなく日本でもツングースカ大爆発をモチーフにした作品が登場しました。それが『ウルトラマンオーブ』です。ウルトラマンオーブは2016年の夏から冬にかけて放送されたウルトラマンシリーズのひとつでした。その中で登場する「ルサールカ大爆発」はこのツングースカ大爆発が元ネタとされています。ウルトラマンオーブは子どもも大人もびっくりしてしまうくらいウルトラマンシリーズの中では鬱な展開の多いお話でした。ウルトラマンである主人公と知り合った少女ナターシャは知らず知らずのうちにウルトラマンの起こしたルサールカ大爆発に巻き込まれてしまいます。ウルトラマンがお好きな方、興味を持たれた方はぜひ本編をご覧になってください。


この時の爆風で女の子が死んでしまったのだとか。

隕石の落下は世界各地で度々起こっている

出典: https://www.kahaku.go.jp


ツングースカ大爆発は隕石の落下が原因でしたが、隕石の落下そのものは特段珍しいことではありません。旧約聖書にも隕石の落下があったというような記述が残っています。日本でも『続日本紀』の中で隕石の存在が語られています。隕石と伝承がセットになって現存している日本最古の隕石は861年に福岡県落下した「直方隕石」とされています。隕石は小さいものから大きいものまで様々ですが、規模はともかくとして、毎年一定の確立で落下してきているようです。

ツングースカ大爆発の前にもあった隕石の落下

出典: http://techno.okezone.com


ここでは、ツングースカ大爆発の前にもあった大きな隕石の落下と、最近ロシアで観測された隕石について見ていきましょう。

恐竜を滅ぼした隕石

出典: http://los40.com.mx


ペルム紀に起きたとされる隕石の落下は、恐竜など当時生存いていた生物を大絶滅へと追いやったことで有名です。このときに落下した隕石によってできた跡を「ウィルクスランド・クレーター」と呼ぶそうです。このクレーターは南極大陸にあるといわれています。地質年代区分的にはP-T境界と呼ばれています。高校時代に地学の授業を選択されていた方はご存知かもしれません。恐竜の絶滅自体は隕石以外にも原因があるともいわれているため、はっきりしていませんが、隕石と聞いて一番有名なのはこのペルム紀に落ちたものだと思います。

またもロシアに落ちた?隕石の謎

出典: http://blog.goo.ne.jp


2013年2月にロシアに落ちた隕石の話は記憶に新しいかと思います。この隕石の落下は、人の多く住む場所へ分裂して落下したため、多くの負傷者と環境被害を起こしました。落下から分裂までの過程が映像に収められた貴重な現象でもありましたが、隕石が前触れもなく落ちてくるという恐怖を身近に感じる出来事となりました。

ツングースカ大爆発の痕で発見された新種の生き物の謎


ツングースカ大爆発でできた爆心地では新種の生物が発見されたともいわれています。この時に見つかった新種の生き物がどんなものだったのかは記録にはないようですが、その他にも昆虫や周囲に生息していた動物に異形が見られたといいます。人間を含む動物がどのように地球に誕生したかという謎が今でもありますが、一説では地球に落下した隕石に付着していた新種のタンパク質から生まれたのだともいわれています。新種の生き物というと、宇宙人のようなものや細菌などの恐ろしいものをイメージしがちですが、宇宙にはまだ人間の知らない物質がたくさん存在しているため、新種の生き物が隕石に付着していたとしてもおかしいことではないです。そもそも人間ですら他の動物からは新種と思われているのかもしれません。それにしても、ツングースカ大爆発で発見された新種の生き物とはどのようなものだったのでしょうか。とても気になります。

隕石の落下は防げない


ツングースカ大爆発についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。隕石の落下が原因だったと聞いて、なんだと思われた方もいるかもしれません。しかし、隕石はいつ何時落下してくるのか分かりません。隕石は最近社会現象となった劇場アニメでも扱われていましたが、考えてみたらとても恐ろしい現象です。隕石が人の住む土地に落ちてこないことをいのるばかりです。

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