2021年08月31日公開
2021年08月31日更新
世界最大のムカデ「ペルビアンジャイアントオオムカデ」の危険!毒性や大きさ
世界最大のオオムカデが何なのか、ご存知でしょうか。南米に生息するペルビアンジャイアントオオムカデです。こちらではペルビアンジャイアントオオムカデの毒性や、世界最大のムカデと呼ばれるその大きさ、飼育方法などについてまとめました。
目次
ペルビアンジャイアントオオムカデとは
ペルビアンジャイアントオオムカデは、ペルーなどの南米の熱帯雨林に生息するオオムカデの1種です。
ペルーオオムカデや、ダイオウムカデといった呼び名もあるようです。
出典: http://remix-net.co.jp
画像のように、赤い体と黄色い脚という派手な外見をしています。
これには警戒色と呼ばれており、毒を持っていることを他の生き物に示す働きがあると考えられています。
出典: http://r-candle.jp
世界最大!ペルビアンジャイアントオオムカデの大きさは?
成熟しきったペルビアンジャイアントオオムカデの体長は、約20~30cmです。
生育条件がよければ40cmを超えることもあり、そのことから世界最大のムカデと呼ばれています。
出典: https://flic.kr
全長25cmのペルビアンジャイアントオオムカデ
出典: http://roomzoo.blog.fc2.com
ライターとの比較画像
ムカデの大きさ、どこからどこまで?
ムカデや昆虫などの、節足動物の大きさの測り方にはいくつかの種類があります。
頭部の先から腹部の終わりまでで、触角や脚を長さに含めないのが体長、触角や脚まで含むのが全長です。
生きているムカデは体をまっすぐにした状態で静止することがなかなかないので体長や全長の測定は非常に難しいようです。
出典: http://labo-the-earth.kir.jp
ペルビアンジャイアントオオムカデの天敵とは?
世界一の大きさを誇るペルビアンジャイアントオオムカデですが、天敵はいるのでしょうか。
南米の熱帯雨林にはタランチュラがいますが、タランチュラでも大きい個体には勝てないようです。
ムカデとサソリは生態が似ている(夜行性、肉食、基本的に湿った場所を好む、など)ため、行動範囲が重なっており、出会うと戦いになります。
ムカデの長い体はサソリの毒針の標的になりやすく、ムカデの方が不利なようですが、サソリも毒針のついた尾を押さえられてしまうと勝ち目が無く、天敵とまでは言えないようです。
世界最大のオオムカデ、天敵はダニ!?
一見、これといった天敵が見当たらないペルビアンジャイアントオオムカデですが、実はダニに弱いです。
脱皮以外ではムカデはダニを振り払うことができず、寄生されるがままの状態になってしまいます。
特に弱点である頭部に寄生されると、死んでしまうこともあるようです。
出典: http://chu.momo.punyu.jp
ダニに寄生されたムカデ
ムカデの背に泥か砂がついているように見えますが、これはすべてダニです。
ペルビアンジャイアントオオムカデの毒性は?
ペルビアンジャイアントオオムカデの毒性については、あまり研究がされていないようでよくわかっていません。
毒性自体が強力というよりは、体と顎肢(キバのような形ですが、脚が変化したものです)が大きいので大量の毒を打ち込むことができる、という面が大きいようです。
出典: http://white.ap.teacup.com
ムカデの顎肢
鋭く尖っています。
一般的にムカデの毒には、セロトニンやヒスタミン、たんぱく質分解酵素といった成分が含まれています。
セロトニンやヒスタミンはスズメバチの毒にも含まれており、痛みの原因となる成分です。
これらの成分がたんぱく質分解酵素で消化された体組織に広がり、噛まれた対象に痛みを与える仕組みです。
出典: http://suzumebachi.etc64.com
ペルビアンジャイアントオオムカデに噛まれたら?
もし噛まれた場合は、
・43~46℃のお湯で洗う
・ステロイド系や抗ヒスタミン材の入った薬を塗る
などの処置をして、医療機関へ行きましょう。
特に注意すべきなのは、絶対に冷やさないということです(痛みが増すため)。
なお、セロトニンやヒスタミンは元々人体にも微量に含まれる物質ですので、ムカデに打ち込まれたものだけを取り除く有効な方法は無く、医療機関でも痛みへの対症療法がメインになります。
大人であれば重篤な症状になることはあまりないようですが、ベネズエラではペルビアンジャイアントオオムカデに噛まれた4歳の子供が死亡したケースもあります。
子供や、抵抗力の落ちた年配の方は要注意だと言えます。
世界最大のオオムカデは価格も世界一?ペルビアンジャイアントオオムカデの販売価格
ムカデは一般的に害虫扱いですが、ペットとして飼育する方もいます。
ペルビアンジャイアントオオムカデは世界一の大きさという強力なセールスポイントもあり、人気がある種類のようです。
ペット用のムカデはどこで売っている?
ペルビアンジャイアントオオムカデを含むペット用のムカデは、一部のペットショップで販売されています。
例外もありますが、基本的にヘビなどの爬虫類を扱っているペットショップであれば、クモ(タランチュラ)やサソリと一緒にムカデも販売されていることが多いです。
出典: http://www.nettai.co.jp
ムカデを販売しているペットショップ
ペルビアンジャイアントオオムカデは数が少ないため、このような形では販売されないようです。
ムカデ類はタランチュラなどと比べるとブリーダーが少なく、採集に依存する部分が大きいので安定して入荷してくるわけではないようです。
ペルビアンジャイアントオオムカデのペルビアンは英語で「ペルーの」という意味ですが、ペルー以外の国で採集されたものが輸入されてくることもあります。
価格は小さい個体で数万円程度、40cmを超えるような個体だと数十万円にもなるようです。
ペットとして販売されるムカデの価格としては高い方で、人気以外にも南米からの輸送コストや採集が困難であることなどが理由となります。
出典: http://dokumushi.pw
世界最大だけど飼いやすい?ペルビアンジャイアントオオムカデの飼育に必要なもの【準備】
ペルビアンジャイアントオオムカデの飼育方法について紹介します。
基本的な飼育方法は、砂漠棲の種類を除くほとんどのムカデと変わりません。
まずは必要な道具から紹介します。
必要なもの1:飼育用のケース
ムカデの体長の1.5倍くらいのサイズが良いと言われているようです。
ペルビアンジャイアントオオムカデは力が強いので、プラスチック製の蓋だと通気用の隙間を噛み砕いて逃げ出すことがあります。
ですので、それとは別に金網などを掛けるほうが良いようです。
出典: http://www.kingss.com
飼育ケース
上の部分の隙間が危険です。
必要なもの2:床材
ケースに敷く土のことです。
ムカデは土を食べるわけではないので、爬虫類用のヤシガラや、昆虫マット(カブトムシやクワガタの飼育に使われる、木を砕いたチップ)を使用すればよいようです。
ただ、園芸用の土はムカデにとって害になる成分が含まれる場合もあるので避けるのが無難です。
ムカデのふんなどで汚れるので、定期的な交換が必要です。
出典: http://hachuarium.com
爬虫類用のヤシガラマット
必要なもの3:水やり用の皿
他の虫ではあまり必要ではありませんが、ムカデは多くの水分を必要とするので水を飲むための皿が必須になります。
万が一ムカデが落ちてしまっても溺れないような、底が浅いものが良いです。
出典: https://www.amazon.co.jp
爬虫類向けの水やり用皿
ペルビアンジャイアントオオムカデは大きいので、爬虫類用の皿が流用できます。
必要なもの4:ヒーター
ペルビアンジャイアントオオムカデは南米原産ですので、寒さに非常に弱いです。
ヒーターを使用して、常に飼育ケースを28℃前後に保つ必要があります。
ヒーターに温度表示が無い場合は温度計もあると良いです。
出典: http://www.w-monster.com
パネルヒーター
ケースの下に設置するタイプです。
必要なもの5:ピンセット
床材の交換などを行う際に、ムカデを別の場所に移すのに必要です。
ペルビアンジャイアントオオムカデのような大型種を飼育する場合、できるだけ大きいものの方が、落としてしまったり、噛まれたりといった事故が起きにくいです。
出典: https://www.monotaro.com
大型ピンセット
その他、あると良いもの
ペルビアンジャイアントオオムカデは夜行性なので、昼間休むための隠れ家(植木鉢のかけらなど)があると良いです。
床材を厚く敷けば、その中に潜って休んだりもするので、必須ではないようです。
このあたりはカブトムシとも似ていますね。
ペルビアンジャイアントオオムカデの飼育方法
続いて、飼育方法について解説いたします。
湿度の管理
飼育の際に重要なのは、湿度の管理です。
ムカデは基本的に高温多湿な環境に生息するため、常に80~90%の湿度を維持する必要があります。
ペルビアンジャイアントオオムカデは体が大きく、多少の環境の悪化には耐えられる種類のようですが、長生きさせるためにはなるべくストレスの少ない環境が必要です。
出典: https://www.kenko.com
霧吹きなどで定期的に湿気を与える必要があります。
餌のやり方
餌としては、コオロギや冷凍マウスなどがあります。
また、カブトムシやクワガタ用の昆虫ゼリーも食べるようです。
餌の量については、個体差がありますが、2~3日おきにコオロギを1~2匹で十分だということです。
ムカデは餌の少なさには耐えますが、食べすぎは良くないようなので注意が必要です。
脱皮
ムカデは脱皮を繰り返して成長します。
世界一の大きさに育つペルビアンジャイアントオオムカデも、数年間で何度もの脱皮を行って大きくなります。
ムカデは、脱皮前には餌を食べなくなります。
脱皮の際に、湿度が足りないと脱皮不全を起こして死んでしまうこともありますので、水と湿度は普段よりも注意して管理する必要があります。
また、脱皮の際の足がかりとして、木のかけらや植木鉢の破片を入れると良いようです。
脱皮後、大型個体で5日以上、小さな個体であれば3日以上置いてから給餌を再開してください。 脱皮後初めてのエサには、弱らせるか頭をつぶしたコオロギ、もしくは死んでるコオロギなんかでも良いです。 体が柔らかいので、反撃されないような無抵抗なエサを与えてください。 脱皮後10日もたてば、もう通常のエサを与えてOKな場合が多いです。
脱皮後の餌のやり方にも注意が必要です。
ペルビアンジャイアントオオムカデは温度の管理が必要なので日本産のムカデと比べると飼育が難しいですが、体が大きく、丈夫なので他の外国産のムカデと比べると飼育しやすいようです。
難易度はクワガタ以上熱帯魚未満、といったところでしょうか。
ムカデは全体的に長生きですが、ペルビアンジャイアントオオムカデは環境がよければ10年以上生きることもあるようです。
まとめ
ペルビアンジャイアントオオムカデはタランチュラやコウモリを捕食するような凶暴な面が目立ちますが、一方で世界最大種としてのロマンや格好良さもあります。
興味が湧いたらペットショップなどで一度ご覧になってみてください。
出典: http://roomzoo.blog.fc2.com