2021年08月31日公開
2021年08月31日更新
アズーロ・エ・マローネとは?イタリア伊達男の定番「青と茶色」の着こなし
イタリアの伊達男達に長年愛されている定番の着こなし「アズーロ・エ・マローネ」とは一体どんな組み合わせなのでしょうか?今回はアズーロ・エ・マローネの具体的なコーディネートの方法からなぜアズーロ・エ・マローネがイタリアの伊達男たちに愛されているかまでご紹介します!
目次
イタリアの伊達男の定番「アズーロ・エ・マローネ」
出典: http://www.mensclub.jp
皆さんはイタリアの伊達男たちに長年愛され続けている着こなし「アズーロ・エ・マローネ」をご存知でしょうか?どんなスタイルにも当てはめられ、おしゃれを演出することのできるアズーロ・エ・マローネとは一体どんな組み合わせなのでしょうか?今回はアズーロ・エ・マローネの具体的なコーディネート方法から、なぜアズーロ・エ・マローネがイタリアの伊達男たちに愛されているのか、その秘密に迫りたいと思います!
アズーロ・エ・マローネとは?
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アズーロ(AZZURRO)とはイタリア語で空色という意味があり、マローネ(MARRONE)とは栗色という意味があります。空色は青、栗色は茶色を表しており、つまり「アズーロ・エ・マローネ」とは青と茶色の組み合わせのコーディネートのことを言います。
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では空色と栗色の組み合わせだけがいいのかというとそうではなく、アズーロ・エ・マローネは、青系、茶色系の色全般の組み合わせを意味しており、幅広くコーディネートが可能になります。イタリアではこのアズーロ・エ・マローネの組み合わせが流行に左右されずに定番として長年愛され続けています。
アズーロ・エ・マローネには上品さとスポーティーさが共存
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ファッションで色の組み合わせとして、正統的でフォーマルな印象を与える組み合わせはタキシードに代表されるような黒×黒、もしくは白×白のような色の組み合わせですが、青×茶色はその正統的な組み合わせから少し崩したような印象があり、上品さとスポーティーさを演出することができます。
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ネイビーのスーツにハット、ネクタイ、靴の茶色がアクセントとなっています。上のタキシードに比べると上品さの中にも自由があります
イタリアは長い間イギリスのスーツの製造を担ってきたため、スーツの形や作りなどはイギリスのスーツに大きく影響を受けているのですが、色などに関しては、イタリア人独特の明るく華やかで、自由な気風が表現されているものやコーディネートが多くあります。そのため、特にイタリアを象徴するような自由で上品なコーディネートであるアズーロ・エ・マローネはイタリアの伊達男たちに長年愛されてきたのです。
アズーロ・エ・マローネの色の科学
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アズーロ・エ・マローネを色彩学に照らし合わせて見てみます。上の図は色相環と言われる色の関係性について表した図なのですが、アズーロ・エ・マローネの組み合わせである青の反対は黄色となっていますが、この黄色の明度(明るさ)を下げていくと茶色になり、青と茶色は反対の位置になることが分かります。
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赤(暖色)と青(寒色)のコーディネート、お互いが綺麗に引き立て合っています
茶色は黄色や橙色の仲間であるため暖色に、青は寒色に分類されています。暖色と寒色はお互いを引き立てる効果があるため、そういった意味でも青と茶色は非常に相性のいい組み合わせなのです。また、色は明度が高い(明るい色)ほどラフやカジュアルな印象を与え、逆に明度が低い(暗い色)ほどフォーマルな印象を与えます。
アズーロ・エ・マローネの色の科学②
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明るいネイビーのスーツジャケットがこげ茶のニットとネクタイで引き締められています
(明るい色のイメージ)
軽やか、ラフ、派手、カジュアル
(暗い色のイメージ)
落ち着いている、ドレッシー、フォーマル、ビジネス
色のイメージは以上の通りです。ただし色を組み合わせる際は必ずしも明るい色、暗い色のみでコーディネートする必要はなく、アズーロ・エ・マローネでも例えばネイビーとベージュのコーディネートでも上品に着こなすことは可能ですし、逆に水色とこげ茶のコーディネートであれば、こげ茶が全体を引き締める効果を出してくれます。
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暖色(明るい色)>寒色(明るい色)>黒(最も暗い色)の順で全く同じ体型でも体の大きさに差があるように見えます
また暗い色は後退色、収縮色とも言われており、他の色と合わせると小さく見えたり、遠く見えたりする効果があります。黒い服は体が引き締まって見える、というのはこの色の特性から来ています。反対に明るい色は進出色、膨張色と言われており、手前に見えたり、膨らんで見える効果があります。
アズーロ・エ・マローネの青と茶色の比率は?
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スーツやネクタイはネイビーに、靴とバッグだけを茶色にする着こなし
アズーロ・エ・マローネに限らず、どのコーディネートでも応用できる法則ですが、二つの色をそれぞれ半分ずつ取り入れるよりは、どちらかの色の比率を少なくするとうまく着こなしができます。例えばネイビーのスーツを着るなら、ネクタイやベルト、靴などの小物を茶色にしたり、逆にスーツが茶色ならば同じようにネクタイや靴をネイビーにしてみましょう。
アズーロ・エ・マローネの小物は同じ色に
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ネクタイと靴をこげ茶の同系色にまとめ、スーツなどを含め全体を暗い色で統一しているので体が引き締まって見える着こなしです
また、アズーロ・エ・マローネをスーツに応用する場合、スーツの着こなしだと靴やベルト、バックなどは皮製品であることが多いと思いますが、これを同系色でそろえて同じ革で作ったものの様に見せることで統一感が出せます。
アズーロ・エ・マローネの初心者は暗い色から
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こげ茶のスーツジャケットに明るい青色のシャツを持ってくる上級者の着こなし、初心者には中々難しい組み合わせです
初心者であるなら、アズーロ・エ・マローネも明るい色よりは暗い色で挑戦した方がうまく行きます。なぜなら明るい色は先ほど紹介したように遊びやラフな印象を与えるので特にスーツなどビジネスの場ではふさわしくない格好になってしまう恐れがあるからです。暗い色であれば、フォーマルな印象を与えるだけでなく体を引き締める効果が期待できるので、相手にきっちりとした印象を与えることができるのです。
アズーロ・エ・マローネのコーディネート
ではアズーロ・エ・マローネの実際のコーディネートについて見ていきましょう。
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ジャケットと靴、ベルトと茶色にし、ネイビーのインナーとデニムを合わせた着こなし、アズーロ・エ・マローネはデニムと合わせたスタイルにもよく合います。
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こういったこげ茶のスーツでは日本人は白いワイシャツなどを合わせてクラシックにしがちですが、ここでイタリア流アズーロ・エ・マローネを活用して明るい青色のシャツにネイビーのネクタイを入れることでメリハリを利かせながらも上品さのなかにスポーティーさが加わり、一気におしゃれ上級者の着こなしとなります。
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ネイビーのスーツに合わせる定番のアズーロ・エ・マローネ、ネイビーのスーツを持っている方にはこげ茶のネクタイや靴をわせるスタイルが一番やりやすくおすすめのコーディネートです。
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こちらのアズーロ・エ・マローネはパンツをベージュにしています。普通ベージュを下半身に持ってくると膨張してみえるのですが、ジャケットをネイビーにすることで全体が引き締まって見えます。
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アズーロ・エ・マローネは柄物のジャケットを取り入れても古臭くなり過ぎず、おしゃれで上品なスタイルに仕上げることができます。古くから親しまれてきた小紋柄を取り入れた現代版アズーロ・エ・マローネの着回し術です。
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こちらのアズーロ・エ・マローネは茶色の比率を多くしたタイプで、ベストとパンツの他に小物であるネクタイと靴も茶色にして統一感を出しながらジャケットを暗めのネイビーにすることで、柔らかく秋冬にぴったりのスーツコーディネートに仕上がっています。
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こちらも秋冬ファッションのアズーロ・エ・マローネ、ジャケットの中が既に青とこげ茶のウィンドウペーンでアズーロ・エ・マローネになっていますが、このジャケットに合わせる形でデニムのシャツとキャメルのコートを合わせています。コートとジャケットだけだと、ビジネスライクに仕上がりますが、デニムのシャツを入れることでカジュアルさも加えられたアズーロ・エ・マローネらしいコーディネートです。
アズーロ・エ・マローネまとめ
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アズーロ・エ・マローネはイタリアの伊達男なら誰もが知っており、ファッションに取り入れている組み合わせで、華やかでありながらも上品さを忘れないイタリア人ならではの黄金のコーディネートです。イタリア人男性がみなおしゃれに見えるのは顔がかっこいいからでも、スタイルがいいからでもなく、こういったおしゃれの法則を熟知しているからなのかもしれません。みなさんも普段着からスーツまで取り入れられるこの黄金の組み合わせアズーロ・エ・マローネで、おしゃれの幅を広げてみてはいかがでしょうか?