2021年07月21日公開
2021年07月21日更新
セミの種類と鳴き声【図鑑】蝉の写真や鳴き方での見分け方や夜鳴く理由は?
セミの種類と鳴き声と写真を図鑑にしてみました。セミは種類によって鳴き声も生息地域も違いますので写真と鳴き方で見分けを付ける必要があります。またセミの図鑑に加えてセミの抜け殻や海外の反応や夜に鳴く理由などにも迫ってみました。
目次
セミの写真や鳴き声や見分け方をご紹介
セミは夏になると至る所に出現して独特の鳴き声を発します。日本では夏が始まると必ずセミの鳴き声が聞こえてくるので昔からセミの鳴き声は夏の風物詩として親しまれてきました。セミはカメムシ目という種類でカメムシやアブラムシと同じ種類の昆虫です。
ん、セミが鳴いてる…? (@ 発寒神社 in 札幌市, 北海道) https://t.co/KAKI56bhmX pic.twitter.com/S9GmyRxxCU
— ぽっさん( ˙◊˙ )abe (@PPY_1978) June 15, 2017
セミは日本国内には約30種類ほど生息していますが、世界には約1600種類ほどのセミが生息しているそうです。今回は日本の有名なセミの写真・鳴き声・見分け方・生息地域などを図鑑にしてまとめてみました。
北海道ではちょっと珍しいセミ兄貴 pic.twitter.com/Ce3Ke4qdtO
— グラブル勢と化したぶさんぼ (@hisyo3) June 16, 2017
セミの種類と鳴き声【図鑑】ニイニイゼミ
ニイニイゼミの写真
ニイニイゼミの生息時期は6月から9月頃までです。ニイニイゼミの体長は30から40ミリ程度なので比較的小柄なセミです。ニイニイゼミの生息地域は北海道から沖縄北部にかけて分布しています。
ニイニイゼミの鳴き声は「チー」「ジー」というという鳴き方です。ニイニイゼミの生息している場所は平地や丘陵地で、都市部の桜の木やケヤキや街灯近くでもよく見かけます。ニイニイゼミがよく鳴く時間帯というのは無いので一日中鳴いています。最近では夜中に街灯近くでニイニイゼミが鳴いていることもあります。
セミの種類と鳴き声【図鑑】ハルゼミ
ハルゼミの写真
ハルゼミの生息時期は4月から6月頃で春頃に鳴く事から「春蝉」と呼ばれています。ハルゼミの体長は35ミリ程度なので比較的小柄なセミです。ハルゼミの生息地域は本州、四国、九州などに分布しています。
ハルゼミの鳴き声は「ジージー」「ゲーキョゲーッキョ」「ムゼームゼー」という鳴き方です。ハルゼミの生息している場所は平地や丘陵地や明るい林でよく見かけます。またアカマツやクロマツに止まっている姿をよく見かけるので「マツゼミ」とも呼ばれています。ただし最近は松の木がマツクイムシの駆除剤を撒かれているためハルゼミの数も少なくなっていると言われています。
セミの種類と鳴き声【図鑑】ツクツクボウシ
ツクツクボウシの写真
ツクツクボウシの生息時期は7月から11月にかけて生息しているので長い間鳴き声を聞くことができます。ツクツクボウシの体長は45ミリ程度なのでセミとしては中くらいの大きさです。ツクツクボウシの生息地域は北海道から奄美大島北部の横当島にかけて分布しています。
ツクツクボウシの鳴き声は「ツクツクボーシ、ツクツクボーシ」というその名の通りの鳴き方です。ツクツクボウシの生息している場所は平地で桜の木や柿の木などの多くの樹木に止まっています。ツクツクボウシが鳴く時間帯は昼過ぎから夕方にかけて鳴きます。
セミの種類と鳴き声【図鑑】ヒグラシ
ヒグラシの写真
ヒグラシはアニメ好きの人達の間では「ひぐらしのなく頃に」で人気があるのでとても親しまれています。ヒグラシの生息時期は7月から9月にかけて生息しています。ヒグラシの体長はオスが30から40ミリ程度でメスが20ミリ程度です。ヒグラシの生息地域は北海道から奄美大島にかけて分布しています。
ヒグラシの鳴き声は「カナカナカナカナ」「キキキキキキキ」という鳴き方です。ヒグラシの生息している場所は東日本は平地ですが、西日本は山間部でよく見かけます。ヒグラシが鳴く時間帯はその名の通り日没の時間帯によく鳴きます。そのためヒグラシの鳴き声は昔から哀愁が漂う存在として知られており、俳句や小説でも夏の日没をヒグラシを使って表現することが多々あります。ただしヒグラシは涼しくなってくると日中でも鳴くこともあります。
二風谷の6月はヒグラシ、ツクツクボーシとカエルの大合唱です。北海道のセミは何だか声が低いね。ココだけ?森は細密画のようです。 pic.twitter.com/O3gZMtBYly
— CHOLOSUNA (@CHOLOSUNA) June 14, 2017
セミの種類と鳴き声【図鑑】アブラゼミ
アブラゼミの写真
アブラゼミの生息時期は7月から10月頃まで長い期間生息しています。アブラゼミの体長は60ミリほどなのでセミの中でも大きい部類に入ります。アブラゼミの生息地域は北海道から九州分布していて、特に日本海側や九州には数多く分布しています。
アブラゼミの鳴き声は「ジリジリジリ」「ジジジジジジ」という鳴き方で、油を熱したときの様な音が特徴的です。アブラゼミの生息している場所は平地から山麓まで広い範囲で生息していて、アブラゼミが鳴く時間帯は昼から夕方にかけて鳴きますが、夜に鳴くこともあります。
アブラゼミは「ジリジリジリ」という暑さを感じさせる鳴き声が特徴なのでセミの中でも「鬱陶しい暑さ」の象徴と呼ばれています。
セミの種類と鳴き声【図鑑】クマゼミ
クマゼミの写真
クマゼミの生息時期は7月から9月にかけて生息しています。クマゼミの体長は60から70ミリなのでかなり大きなサイズのセミと言えます。クマゼミの生息地域は西日本を中心に南関東、東海、北陸などに分布しています。特に大阪市はクマゼミがたくさん分布しています。
クマゼミの鳴き声は「シャシャシャ」「センセンセン」という鳴き方です。クマゼミの生息している場所はセンダン、キンモクセイ、桜の木などがある平地に生息していて公園でもよく見かけます。クマゼミが鳴く時間帯は日の出から昼までの午前中に鳴きます。クマゼミはミンミンゼミと同じ音で鳴くと言われていて、クマゼミの鳴き声を録音してスロー再生するとミンミンゼミと同じ音に聞こえるのだそうです。
セミの種類と鳴き声【図鑑】ミンミンゼミ
ミンミンゼミの写真
ミンミンゼミの生息時期は7月から10月頃まで生息しています。ミンミンゼミの体長は60ミリ程なのでセミの中でもかなり大きな部類に入ります。ミンミンゼミの生息地域は北海道から九州にかけて分布していて、東日本は森林や都市部の公園でよく見かけますが西日本では標高の高い山に生息しています。
ミンミンゼミの鳴き声は「ミーンミンミンミン」というその名の通りの鳴き方です。ミンミンゼミの生息している場所はケヤキや桜の木などでよく見かけます。ミンミンゼミが鳴く時間帯は日の出から昼までの午前中の時間帯です。ミンミンゼミはクマゼミと同じ音で鳴くので同じ時間同じ場所で2種類のセミが生息することは無いのだそうです。
セミの種類と鳴き声【図鑑】エゾゼミ
エゾゼミの写真
エゾゼミの生息時期は7月から9月にかけて生息しています。エゾゼミの体長は40ミリ程度です。エゾゼミの生息地域は北海道から九州にかけて分布していて、北海道や北陸では平地に生息していますが西側では山地に生息しています。
エゾゼミの鳴き声は「ギー」という鳴き方です。エゾゼミの生息している場所はアカマツ、スギ、ヒノキなどで頭を下にして止まっています。エゾゼミは午前中の時間帯によく鳴いています。
セミの種類と鳴き声【図鑑】エゾハルゼミ
エゾハルゼミの写真
エゾハルゼミの生息時期は5月から7月頃にかけて生息しています。エゾハルゼミの体長は40ミリ程なので中くらいのサイズです。エゾハルゼミの生息地域は北海道から九州にかけて分布しています。
出典:エゾハルゼミ/セミ(蝉)
エゾハルゼミの鳴き声は「ミョーキンミョーキンケケケケ」「オーギィーオーギィーギギギギギ」という鳴き方です。エゾハルゼミは蛙に鳴き声が似ているとも言われています。エゾハルゼミの生息している場所はブナ、コナラなどがある平地や低い山地が多いです。
セミの種類と鳴き声【図鑑】イワサキクサゼミ
イワサキクサゼミの写真
イワサキクサゼミの生息時期は4月から7月なので比較的早い段階で発生します。イワサキクサゼミの体長は20ミリ程度なので日本一小さなセミと言われています。イワサキクサゼミの生息地域は沖縄本島や周辺の島だけなので首都圏に住んでいる人には馴染みがないかもしれません。
イワサキクサゼミの鳴き声は「チーー」「ジーー」という鳴き方です。イワサキクサゼミの生息している場所はススキの葉によく止まっていて、沖縄本土ではサトウキビの害虫としても知られています。
セミの種類と鳴き声【図鑑】チッチゼミ
チッチゼミの写真
チッチゼミの生息時期は7月から10月頃まで生息しています。チッチゼミの体長は30ミリ程度なのでかなり小さいセミです。チッチゼミの生息地域は北海道から九州にかけて分布しています。
チッチゼミの鳴き声はその名の通り「チッチッチッチ」という鳴き方です。チッチゼミの生息している場所は山地ですが、西日本では平地に生息しています。チッチゼミは秋になっても鳴き声が聞こえるので「秋の虫」と呼ばれることもあります。
海外のセミへの反応
セミは昔から夏に入る時期、あるいは真夏の時期には必ず鳴き声が聞こえるので日本人にとって「夏の風物詩」として親しまれてきました。アブラゼミなどの鳴き声は夏の暑さを助長してしまうので鬱陶しく思われがちですが、ヒグラシなどの独特の鳴き声を発するセミは季節感を感じさせる存在として古くから親しまれてきました。
日本人にとってセミは昔から当然のごとく見かけた存在ですが、海外の人はそうではないようです。そのため日本人にとって風情のあるセミの鳴き声も海外の人には「ただの雑音」にしか聞こえないようです。その理由は海外にはセミが生息していないからです。
正確には海外にはセミが全くいないわけではありません。冒頭でご紹介した通り海外には1600種類のセミが生息しています。しかしそれは海外のごく一部の地域に限られているのでほとんどの人は海外でセミを見かけることは無いのだそうです。
そのため海外の人は夏に日本に来ると至る所から聞こえてくるセミの鳴き声を不可解に思ってしまうのだそうです。場合によっては木に止まっているセミは目視することが難しいので「木から謎の音が聞こえてくる」という勘違いが生じることもあるそうです。
ちなみにセミは英語で「Cicada(チカーダ)」という単語で表現します。しかしこの単語は海外ではあまり使用されません。その理由は海外の人はセミ(というか昆虫そのもの)に興味が無いので全て「Insect(昆虫)」で済ませています。そのため海外でセミを見かけて現地民に「あの虫は何て名前なの?」と聞いても「うるさい虫だよ」としか答えてくれないこともあります。
さらに海外で日本のアニメが放送されるときはセミの鳴き声が聞こえるシーンでもセミの効果音を消してしまっているのだそうです。理由はお察しの通り海外の人にとってセミの鳴き声は「ただの雑音」でしかないからです。日本の夏の風情をセミの鳴き声で表現しているアニメもたくさんあるのに少し残念ですね。
セミの抜け殻と見分け方
セミや木に止まっている成虫や鳴き声も有名ですが、気に抜け殻が止まっていることでも知られています。子供の頃にセミの抜け殻を取って家に持って帰ったことがある人も多いのではないでしょうか。セミは大きさや鳴き声が種類によって違うように抜け殻の形も種類によって違いがあります。
抜け殻の見分け方
セミの抜け殻の見分け方をいくつかご紹介します。ミンミンゼミとアブラゼミは首都圏でもたくさん生息しているので抜け殻もたくさんありますが、抜け殻だけを見てどちらか見分けるのは難しいです。
アブラゼミとミンミンゼミの見分け方
出典: http://11moonbow11.blog45.fc2.com
しかし抜け殻をよく見ると触角の長さが違います。触角の付け根から3番目の節が2番目の節よりも長いのがアブラゼミの抜け殻で、どちらの節も同じくらいの長さなのがミンミンゼミの触角です。またアブラゼミの抜け殻はミンミンゼミの抜け殻よりも触覚に毛が多く生えています。
ヒグラシとツクツクボウシの見分け方
出典: http://www.geocities.jp
ヒグラシとツクツクボウシの抜け殻は大きさは同じですが見た目はかなり違うので簡単に見分けることができます。ヒグラシの抜け殻は触角の4番目の節が3番目より長く、ツクツクボウシの抜け殻は触角の3番目の節が4番目よりも長いです。ヒグラシの抜け殻が全体的にツヤを帯びているのに対して、ツクツクボウシはツヤがありません。オスとメスの見分け方は尾っぽの部分に縦の割れ目があるのがメスの抜け殻です。
セミが夜に鳴く理由
昔からセミは日中か夕方頃に鳴くものとして知られていましたが最近になって夜間でもセミが鳴くようになりました。専門家によると約10年前から都心部を中心に夜間でもセミが鳴くようになったのだそうです。その理由とは一体何なのでしょうか?
夜に鳴く理由は「気温」
セミが夜間になっても鳴く理由は「夜でも気温が高いから」と「夜でも明るいから」の2つが考えられます。気温に関する理由については、セミが鳴く気温は24から26℃と言われています。しかし最近の夏は夜になっても25℃以下にならないいわゆる熱帯夜が多いのでセミが活動してしまっていると言われています。
夜に鳴く理由は「明るさ」
明るさに関する理由は首都圏の場合、夜になってもネオンや街灯などで常に明るいのでセミが夜になっても日中の時間帯と勘違いしてしまって夜にも鳴いているのではないかと言われいます。特にここ数年間の日本の夏の夜は「暑い」と「明るい」の条件が揃ってしまっているのでニイニイゼミやアブラゼミは昼間と勘違いしやすいと言われています。
しかし同じく都会の大阪では「暑い」「明るい」が揃っているにもかからわず夜にセミの鳴き声が聞こえないのだそうです。その理由は関西地方では夜に鳴くニイニイゼミやアブラゼミはあまりいなくて、夜には鳴かないクマゼミが大半を占めているからなのだそうです。
セミの種類・写真と鳴き声図鑑:まとめ
今回は日本に生息してるセミについて種類別に写真や鳴き声などをまとめてみました。セミは種類によって時期や生息地域が違いますし、鳴き声もそれぞれ個性があります。日本ではセミの鳴き声は古くから夏の風物詩として親しまれていますが、海外の人にとってはただの雑音でしかないというのは少し残念ですね。