2021年07月01日公開
2021年07月01日更新
「金子千尋獲得へ、広島5億年20円提示」とは？話題になった年俸の誤植
2014年、1人のプロ野球選手に提示された契約内容が衝撃的と話題となりました。そこに書かれた「5億年20円提示」の数字に野球ファンは大爆笑！NPB史上最も長期で最も安い年俸の「5億年20円騒動」とその周辺について調べてみました。
目次
早速見てみよう！話題を呼んだ「広島5億年20円提示」の画像
論より証拠、百聞は一見に如かずと言いますし、早速話題となった誤植を見てみましょう。時間は2014年11月。プロ野球がストーブリーグで賑わう頃のお話です。
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左の画像が問題の「5億年20円」を取り上げたツイート。うん、何度見直しても「5億年20円提示」と書かれていますね…。
5億年20円で話題を呼んだ金子千尋の2014年
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2014年のシーズン、30歳の金子投手はパ・リーグの最多勝利（16勝）と最優秀防御率（1.98）で投手部門二冠王に輝く大活躍でファンを魅了しました。
さらにMVP・ベストナイン・沢村賞・ゴールデングラブ賞・最優秀バッテリー賞も受賞し、パ・リーグナンバー1ピッチャーとなり、シーズンオフにはメジャー移籍も噂されるほどでした。
「5億年20円」をマジメに検証！本当はどう書きたかったの？
2014年のシーズンナンバー1だった金子千尋投手は国内FA宣言をし、オリックスだけでなく他球団からも注目を集めました。
そこで広島が「5億年20円」という数字を提示したらしいのですが、果たしてこの誤植からどう読み替えるのが正解だったのでしょうか。
誰もが笑った5億年・20円
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多くの人がこの「5億年・20円」として笑いにかえたようです。「5億年の間、毎年20円ずつ」と解釈したり、「5億年の総額が20円」だと考えたり…。
誤植をそのまま捉えればその通りですね。
まさか…5億・年20円
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次に「総額は5億年だけど、毎年20円ずつね」という発想。金子千尋選手は2億5千年に渡って広島で投げ続けるわけですか…。
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1本10円で親しまれている「うまい棒」。しかし2本買うと消費税で21円になってしまうので、金子投手は1本ずつ2回に分けて買わないといけません…。
ひょっとして！？50億円・20年
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次に考えられるのが「50億円20年」というケース。
「君の才能に惚れた！ぜひずっとウチで投げて欲しい。20年は投げれるだろう？金額は5億…いや、50億円！50億円でどうだ？」
50億円も20で割れば1年あたり2.5億円。そう考えれば無難…？
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野球で５０億円稼いだ男・清原和博氏
50億円？そんなの無理に決まってるだろ！と思ってはいけません。左の画像は野球に興味がない人でも名前くらいは知っているだろう清原和博氏の若いころ。
清原さんの生涯年俸がおよそ50億円だったと言われています。
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現役32年・50歳まで投げた山本昌氏
20年なんて無理だろ！と思ってはいけません。あの山本昌さんは50歳まで32年間も現役として投げていたのですよ…。
これが正解？5年・20億円
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一番妥当なのが「5年・20億円」の線です。これだと面白味も何もあったものではないですが、普通に考えればここに落ち着きますよね…。
結果：金子千尋投手は4年20億円＋出来高でオリックスと契約
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結局金子千尋投手は移籍せず、オリックスと4年20億円に出来高をプラスという形で契約しました。オフに右ひじの手術をしたことも影響したようですが、5億年20円よりも破格の待遇に落ち着きましたね。
「5億年20円」はネタだった！？なぜ金子投手がターゲットに？
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どこがこのような誤植をしてしまったのかということを調べてみたのですが、どうやらTVのニュースや新聞などではなく、ネットの世界で創作されたネタの可能性が高いようです。
では、なぜネタとして金子千尋投手がターゲットになったのでしょうか。2014年のシーズンオフにFA宣言した大物選手は金子投手以外にも大勢いました。
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阪神・能見篤史投手
阪神きってのイケメンピッチャー・能見篤史選手。FA権を行使したものの阪神に残留しています。
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阪神・鳥谷敬内野手
こちらも阪神で一・二を争うイケメン、鳥谷敬選手。阪神一筋として有名ですが、FA権は行使していたんですね。
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日本ハム→オリックス・小谷野栄一内野手
能見・鳥谷の阪神残留組とは異なり、FAを行使して日本ハムからオリックスに移籍したのが小谷野栄一選手。
現在もそうですが、日本ハムは主力選手でも自由に移籍させる印象が強くありませんか？
そんな面々を抑えて金子投手をネタに選んだのは、選手側ではなく提示したチームが「広島」だったからなのかもしれません。
キーワードは「広島」？本当にあったニュースの誤植事件
金子投手に条件提示したのが広島だったから…。では広島がなぜネタになるのかを見ていきましょう。
2014年シーズンオフに起きた「5億年20円」の前年には、こんな事件がありました。
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広島・菊池涼介内野手
今や広島の顔と言っても過言ではない菊池涼介選手。広い守備範囲と華麗なプレーはNPBトップクラスでしょう。また、俊足・巧打で走攻守三拍子揃った名選手でもあります。
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そんな菊池選手に関して、2013年12月のとあるスポーツニュース番組が「2400万円UPの年俸3900億円」という誤植報道をしていました。
本当の年俸は「3900万円」。先に仮説で書いた50億円を遥かに凌ぐ億万長者爆誕の瞬間でした。
菊池選手の場合は莫大な契約額になる「夢のある誤植」ですね。金子投手も「5億年20円」ではなく「50億円2年」だったらウハウハな誤植だったのでしょうが…。
もっと前にも広島がらみでニュースが誤植！
さらに遡ると、またも広島がらみのオモシロ誤植が見つかりました。金子千尋投手の件より10年も前に起こったニュースの誤植をどうぞ。
5億年20円よりはマシ！？トライアウトで決まった新たな年俸は…
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2004年のオフに巨人から戦力外通告を受けた福井敬冶内野手（当時）。現役続行を希望して12球団合同トライアウトを受験して見事広島からお声がかかります。
それを報じたとあるスポーツニュースが「年俸1000円」と誤植…。
本当の福井選手の年俸は「1000万円」でした。
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福井選手は広島に2年在籍した後、現役を引退。その後「欽ちゃん球団」として知られた茨城ゴールデンゴールズでプレーをし、お笑いの世界へ進んだそうです。
また、野球教室を立ち上げたりもしており、野球人生もまだまだ続いています。
「5億年20円」騒動の後にも広島がらみで…
2014年オフに起きた「5億年20円」騒動は、菊池選手や福井氏のように広島の契約更改ニュースで誤植の多いことから起こったのではと推察しました。
しかし、その後も広島がらみで誤植の報道が…。ひょっとしたら意図的なネタなのかもと勘ぐってしまいそうになりますね。
1万ドル？1億2000万円？正解はどっち？な誤植ニュース
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2015年のシーズンオフ、中日を自由契約となったドミニカ出身のエクトル・ルナ内野手が広島と契約した時のニュース映像です。
一瞬どこが誤植かわからないかもしれませんが、「1万ドル＝1億2000万円」が間違っています。
この計算だと「1ドル＝1万2000円」で、アメリカ旅行など夢のまた夢な世界になってしまうんですね。
為替相場もビックリな誤植事件でした。
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エクトル・ルナ氏（元中日、広島）
パワーのある長距離ヒッターではなく、高打率をキープする中距離砲という印象の強いルナ選手。上の画像にもあるように、中日時代の3年で打率.316は素晴らしいですね。
広島でのルナ選手は故障や外国人登録枠の関係から出場機会も少なく終わり退団。現在はドミニカで現役を続けています。
金子千尋投手の所属するオリックスでも誤植報道が！
ここまで広島がらみの誤植報道を見てきましたが、他球団に関しても誤植記事はあります。金子投手の所属しているオリックスも例外ではありませんでした。
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金子投手の同僚・鈴木優投手
2014年オフのドラフト会議でオリックスに9位指名された鈴木投手。野球の名門校ではなく都立高校からプロ入りしたことでも話題になりました。
せめて最低時給は…夢のプロ野球で手にした年俸はなんと！？
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契約金1000万円、年俸480円！？
左の画像は鈴木投手の入団会見を報じた新聞記事ですが、そこに書かれた年俸はなんと480円！
実際は480万円ですが、夢と希望に溢れるプロ入団の記事でこれは笑うしかないですね。でも、この記事を切り抜いて宝物にしておけば、将来いいネタになるかも！？
おまけ：5億年前の地球はどんな状態だったのか
折角なので5億年についても軽く触れておきましょう。もはや地球規模で語らなければいけない世界ですが、今から5億年前はどんな状態だったのでしょう？
三葉虫やアンモナイトが誕生した時期
地球の歴史分類上5億年前は「古生代」と言われ、化石で有名な三葉虫やアンモナイトが誕生した時期と言われています。
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日本橋三越本店のアンモナイト
アンモナイトが地球に誕生したのは4億年ほど前と言われています。さらに遡ると三葉虫が誕生しますが、画像は虫が苦手な方を配慮しておきます…。
地球の気体も今と全然違っていた！
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現在の地球は窒素（78％）、酸素（20％）、二酸化炭素（0.03％）が気体の成分比ですが、5億年前は二酸化炭素の濃度が今より20倍だったと言われています。
動物はおろか植物すら陸に上がっていなかったといいますから、まったく想像のできない世界だったわけですね。
まとめ
金子千尋投手の年俸「5億年20円」騒動と関連した誤植についてまとめてみましたがいかがでしたか？
新聞・雑誌・TVやインターネット、様々な媒体で日々起きる誤植には笑えるものから「これはいかんだろ」というものまで数多く存在します。
金子千尋というスター選手を通して盛り上がった誤植ネタも、多くのプロ野球ファンが笑って楽しめるもので良かったですね。