バタフライ効果の意味とは?事例と解説。映画にもなったバタフライ・エフェクト
バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)の意味をわかりやすく解説!歴史上の事例からも読み取れるバタフライ効果。あのヒトラーの誕生や日本のミュージシャン矢沢永吉もバタフライ効果によって生まれた!?さらに映画「バタフライ・エフェクト」も紹介!
目次
カオス理論、バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)の意味とは?
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皆さんはバタフライ効果(バタフライ・エフェクト)と言う言葉を聞いたことがあるだろうか。
カオス理論と呼ばれるものの一つなのだが、あえてわかりやすく一言で解説すると、
「些細な行いが時として一大事に繋がる」
である。
バタフライ効果、カオス理論のわかりやすい解説と、今回はいくつかの実際におきた事例や同名映画の解説をしましょう。
蝶の羽ばたきが地球の裏で竜巻を起こす!?バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)の原義とは
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バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)を説明する時はしばしば、この「蝶の羽ばたきが地球の裏で竜巻を起こすか?」という文言が使われる。
これは気象学者であるエドワード・ローレンツの、蝶の羽ばたき程度の非常に小さな撹乱が遠くの気象に影響を与えるだろうか?と言う問いかけからきている。
観測の誤差を無くさない限り正確な予測は根本的に困難でという数値予報研究からの提言だ。
バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)生みの親、エドワード・ローレンツ
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エドワード・ノートン・ローレンツ(1917−2008)
マサチューセッツ工科大学の気象学者。
彼はコンピュータで気象モデルのシュミレーションの観察をしていたところ、気象のパターンがごく僅かな初期値の違いによって大きく発散することに気づいた。
カオス理論とは
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カオス理論が一つ、ローレンツ方程式の軌道。
カオス理論をわかりやすく解説すると、力学系において一部見られる数値的な誤差で、予測できない複雑な様子を示す現象の理論である。カオス力学とも言われる。
少し詳しく解説
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ある初期状態を与えられれば、後の全ての状態量の変化が決定される。
それを力学系と呼び、特に決定論に従うことを強調し決定論的力学系と呼ぶ。
カオスとも呼べる複雑かつ確率的に見てもランダムな振る舞いをしているように見えることを決定論的カオスと呼ぶ。
カオス理論のカオスの定義は研究者ごとに違っていて統一的な見解は得られていない。
カオスと呼ばれる特性をわかりやすくいうと「世の中のことは決まったパターンや法則に当てはまらない」といったところか。
バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)の事例
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史実では、まさにバタフライ効果(バタフライ・エフェクト)を意識せざるを得ない事例がいくつも起こっている。
歴史上いくつもの重要な場面では選択が行われ、今日に至っている。
「あの時、ああしていれば、あんなことには……」と思える事例はいくつもある。
いくつかの有名な事例をわかりやすく解説を交えながら紹介しよう。
事例1 独裁者ヒトラーの誕生
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イギリス軍人に助けられたヒトラー
ヘンリー・タンディーと呼ばれる英国の兵士がいた。
彼はビクトリア十字勲章を授与されるほどの手柄を立てた人物だ。
戦地で敵兵が怪我をしていると攻撃するのをやめるほど……。
ヒトラーは1938年、ミュンヘン会談で来訪した英国首相のネビル・チェンバレンに「もう少しのところでヘンリー・タンディーに殺されるところだった」と発言したという。
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ヘンリー・タンディー氏
彼が第一次世界大戦で負傷したドイツ兵を撃ちころさなかったことで後のヒトラーが生まれた、のかもしれない。
わかりやすく言えば、もし彼がヒトラーを撃ち殺していたらば、バタフライ・エフェクト的に考えてナチスドイツのホロコーストなどが起こらず、それをはじめとして世界は全く別のものになっていただろうということ。
事例2 一通の手紙によって引き起こされたベトナム戦争
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ホー・チン・ミン(1890−1969)
ホー・チン・ミンはベトナム民主共和国、初代国家主席。
彼は1919年に開催されたパリ講和会議にて当時アメリカ合衆国大統領であったウッドロウ・ウィルソンに一通の手紙を渡した。
それは嘆願書でベトナム市民の市民権拡大を求めたものだった。
だがウッドロウ・ウィルソン大統領はその手紙を読むことはなかった。
その後ホー・チン・ミンはマルクス主義となり、1945年ベトナム独立宣言をした。
そしてベトナム戦争を引き起こすことになる。
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あのとき、ウッドロウ・ウィルソン大統領がホー・チン・ミンの手紙を読み少しでも聞く耳を持っていれば、ベトナム戦争は起こらなかったのかもしれない。
事例3 日本の大物ミュージシャン、矢沢永吉の気まぐれ
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日本ロック界のカリスマ、矢沢永吉は自身の気まぐれによって生まれた。
彼は高校卒業後、ギターと現金5万円を握り、広島から上京を目指した。
だが東京駅に向かう予定を長時間移動で尻が痛いと言ういことで横浜で途中下車した。
チャイナタウンなどでバンド活動に励む。
そこで出会ったメンバーでロックバンド「キャロル」を結成。デビューする。
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ロックバンド「キャロル」
あのとき、矢沢永吉が予定通り東京駅で降りていれば、彼の後の活躍もなかったのかもしれない。
オススメ佳作映画「バタフライ・エフェクト」
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映画バタフライ・エフェクトはまさにカオス理論のバタフライ効果(バタフライ・エフェクト)を題材にした映画だ。
あらすじをわかりやすく簡単に解説すると、
主人公はある日、自分の過去の思い出(日記帳や写真)から過去に少しの間タイムリープ(時間跳躍の意。過去の自分に今の意識を飛ばす)できることに気づいた。
後悔したことや、あの時ああしていれば、ということをタイムリープすることによって過去改変していく。
過去に行き少し経つと現在の時間に主人公の意識は戻るのだが、改変後の世界はカオス理論に基づくバタフライ効果によって以前とまったく違う環境や交友関係に。果ては五体満足すら書き換えられてしまうことも。
主人公はヒロインを不幸にしないために何度もタイムリープを繰り返してバタフライ効果に苦しめられながらも諦めずに進む物語となっている。
映画「バタフライ・エフェクト2」
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バタフライ・エフェクト一作目のヒットを受けて、二作目も生まれた。
物語や主人公は一作目とは全く別のものになっている。
映画「バタフライ・エフェクト3」
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バタフライ・エフェクト最終作。1、2作目とも違う物語で、過去に戻ることで難事件を解決に導いてきた主人公の物語。
「バタフライ・エフェクト」予告
バタフライ・エフェクト一作目はSFではないので小難しいカオス理論の解説などは出てこない。そのタイムリープのトリガーになるのは”思い出の品”である。恋愛要素やサスペンス的な要素もあり、わかりやすい映画になっているので、女性にもオススメの映画である。
ちなみにこの映画(一作目)エンディングが三つもある。
興行的なことを考えて当初予定されていたエンディングはディレクターズカット版となったわけだが、そのせいで劇場版のエンディングに少し矛盾が生まれている。
ただこの矛盾はテーマ的な見方によるものなでそこまで気にしなくてもいい、かもしれない。
興味がある方は全部のエンディングをみて矛盾探しをしても楽しいかもしれない。
まあ少しの矛盾もどうでもよくなるぐらい本編が良い映画なのですが。
バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)は語り継がれる
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昔の桶屋
風が吹けば桶屋が儲かる……なぜか?
風が吹けば桶屋が儲かるをわかりやすく解説すると、
ある原因から影響が巡り巡って意外なことを及ぼすと言う故事のことである。
日本版バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)「風が吹けば桶屋が儲かる」
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風によって砂埃が舞い、目を病む人が多く出てくる。
目を病み失明することになれば、音曲で生計を立てる。そのため三味線に使う猫の皮の需要が増す。
すると猫が多く殺され数は減少し、今度はネズミが増える。ネズミは桶をよく齧るので結果、風が吹けば桶屋が儲かる。と言う因果関係を表した格言だ。
風が吹けば桶屋が儲かる、まあ幾ら何でもその因果関係は矛盾というか無理がある気もしないでもないが。
「クレオ・パトラの鼻が低かったならば、大地の全表面が変わっていた」
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ブレーズ・パスカルによって出版された『パンセ』と呼ばれる本に出てくる格言である。
こちらも、「風が吹けば桶屋が儲かる」「バタフライ効果」と同じ意味であると思われる。
ちなみにパスカルは有名な「人間は考える葦である」と言う格言も同一著書に残している。
「バタフライ効果(バタフライ・エフェクト)」「風が吹けば桶屋が儲かる」と同じような考えが世界各地で昔から語られてきたと言うことでしょうか。
まとめ
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バタフライ・エフェクト。まさかあれが、あんな結果に繋がるなんて……。と思った経験は誰しもがしていると思います。
私も経験があります。
あの時早起きできていれば、あれ以来絶縁になってしまった友人とも仲良くいられたのだろうか。
一見結びつかない因果関係ですが巡り巡って何に繋がるかわからない。
風が吹けば桶屋が儲かる、なんて初めて聞いたときは、あり得ない論理が矛盾している……と思ったものです。第一、砂埃で失明する?という具合に粗探し矛盾探ししていました。
まあ故事だから矛盾とか考えても仕方ないですが……。
バタフライ効果も風が吹けば桶屋が儲かるも自分の行いを見つめ直す良い標語でもあると思います。
閲覧ありがとうございました。