2021年05月20日公開
2021年05月20日更新
かわいいと話題!『クマバチ』の生態まとめ。巣や飛べない理由、刺されたら?
クマバチは名前は怖いですが、その姿はかわいいと評判で生態は体が大きすぎ飛べない感じですが、実際は飛べない話を否定し見事に飛びます。 また刺された話は余り無いですが、巣に近づき刺されたという話があります。 今回は姿がかわいいクマバチの生態、巣作りなどに迫ります
目次
クマバチの生態! 見た目よりかわいい!
クマバチはその名前が怖く、体も大きくて、羽音も「ブンブン」という強烈な印象で、攻撃的な蜂ではないかとと思われがちですが、実際はその性質は極めて温厚で、めったに人を襲ったり刺したりしません。
また体が大きい割に翅が小さく、昔は飛べない蜂ではと言われていましたが、実際は花の周りをホバリングして見事に飛んでいます。
今回は、そんなクマバチの生態の謎に迫り、説明していきます。
クマバチの生態! その生息地は?
クマバチは体長3cm位、ずんぐりした体形で、全身は黒いですが胸部は細かい黄色の毛で覆われているのでよく目立ちます。 また体の大きいい割には翅が小さく、これを全速で羽ばたいて飛行する為、音が「ブンブン」と大きいのが特徴です。 北海道から九州にかけて広く分布し、地域によっては「クマンバチ」と呼んでいます。
クマバチの生息地や、活動する時期
地域:北海道、本州、四国、九州
場所:低山、平地、雑木林
時期:5月~10月
クマバチは列島の北から南へと全国的に生息しています。
特に活動する時期は、初夏から秋にかけてその飛んでいる姿を見る事が出来ます。
クマバチの生態! 特徴
全体にずんぐり、むっくり!
クマバチは以下の特徴を持っています。
*体色は頭部と腹部が黒色で、胸部が黄色の毛でおおわれている。
*翅は褐色不透明で体と比較して小さい
*体長は3cm位
*蜂の種類の中でも体は全体的に大きく、全身が細かな毛で覆われている
*腹部は球状
*メスのみ針を持ちますが毒性は少ないとされ、オスには針が無い
*全体にずんぐりむっくりしており、触ってみると毛がモコモコしています
*腹部が球状なので、体が大きく見えます。
*メスは顔全体が黒く、複眼は切れ長。額は広く、顎も大きいため、全体に頭が大きい印象です。
*オスは複眼が丸く大き目で、顔の真ん中に白い三角形があります。
やや狭い額に黄白色の毛が密生し、全体に小顔な印象です。
クマバチの生態! スズメバチと間違われる!
スズメバチ
クマバチはよくスズメバチと間違われますが、その生態は極めて違っています。
スズメバチは凶暴かつ好戦的で積極的に刺してくる蜂として知らていますが、見た目もクマバチとは大分違っています。
またスズメバチが襲ってくるのは巣を守る為といわれ、その針には毒性があり毎年多くの人がこの毒の被害に遭っています。
地方によって「クマンバチ」とも呼ばれ、これが「クマバチ」と混同される原因ともなっています。
クマバチの生態! クマバチは毒針を持っているの?
オスには針は無く、メスのみ針を持つ!
クマバチのオスには針が無く、メスのみが毒針を持っています。
この毒針は死に至るような強い毒性はありませんが、刺されると針が太いため強い痛みを感じ、刺された所が腫れます。
温厚な種類の蜂なので、こちらから危害を加えたりしなければクマバチの方から襲ってはきません。
但しクマバチのメスは繁殖期や、巣作りの際に刺してくる事がありますので注意して、巣などにはできるだけ近づかないようにしましょう。
オスは針が無いので当然刺しませんが、手に持ったりすると、懸命に刺す真似をします。
クマバチの生態! クマバチのエサは?
クマバチは藤の花が好き!
クマバチは初夏から秋にかけて、さまざまな花を訪れ花の周りをホバリングして花粉や花の蜜をエサにしています。
頑丈な頸と太い口吻を生かして、花の根元に穴を開けて蜜だけを採る盗蜜もよく行います。
その大柄な体型から他の蜂や他の種類の昆虫を襲っていそうですが、襲う事はなく花粉や蜜を主食としています。
クマバチがよく見られるのはフジの花の周辺をホバリングしている姿ですが、公園や緑地の藤棚などを観察してみましょう。
クマバチの生態! 天敵は?
クマバチは、スズメバチに襲われることも!
クマバチの天敵は大型の種類の昆虫や、鳥の種類です。
そのずんぐりした大型の体格に付いているのは小さな翅で、飛ぶスピードが速くないので、多くの種類の鳥等に捕食されます。
また同じ蜂の種類のスズメバチに襲われることもあります。
クマバチの巣はどうなっているの?
クマバチの巣作りの時期は初夏で、メスが太い枯れ枝や木造家屋の垂木などに丸く細長い巣穴を掘り、中に蜜と花粉を集め団子を作りここに幼虫を1匹分ずつ産卵し、間仕切りをするため、一つの巣穴に一列に複数の幼虫の個室が並びます。
また他のハチへの激しい排斥行動は行わないため、同じ枯れ木に複数が集まって巣を作るることもあります。
クマバチの巣 家の柱
家の柱に穴を掘って巣作り
クマバチの巣 木に穴を掘って巣作り
クマバチの巣作りによって器用に丸い穴があけられ木。
クマバチの巣 仕切られた部屋
木の中の巣作りでは、かじった木くずで部屋が仕切られています
クマバチの巣 一列縦隊
クマバチが一列に巣作り
クマバチの巣 幼虫の孵化
クマバチの幼虫
クマバチに刺されたら、どうするの?
メスのみ針があり、オスにはありません!
クマバチは体が大きく、羽音も強く強烈なために、獰猛な蜂の種類と思われる事が多いですが、性質はきわめて温厚で大人しい蜂です。
普段はひたすら花の花粉や蜜を求めて飛行し、人間にはほとんど関心を示しません。
オスは比較的行動的ですが、針を持っていないため人を刺すことは有りません。
針を持つのはメスで毒針を持っています。人間が巣があることを知らずに巣に近づいたり、脅かしたりすると毒針で刺すことがありますが、その毒性は刺されたとしても重症になることは少ないようです。
クマバチに刺された時の対処!オス、メスの区別は?
クマバチのオスには顔に白い3角形があります。
クマバチに刺された時の対処1! 針を抜く!
手で押さない!
メスの針は楔状になっていて、押すとどんどん中に入って取り除きにくくなりますので、手で押さないようにします!
クマバチに刺された時の対処2! 毛抜きで抜く!
毛抜きを用意する
毛抜きなどで、摘まむように抜きます。
クマバチに刺された時の対処3! 血を搾り、水で流す!
搾って血を出し、水で流す!
針を抜いたら、刺された周りの皮膚を搾って血を出し毒性を排除します。
その後、刺された所を水で流しさらに毒性を流します。
クマバチに刺された時の対処4! 薬を塗る。
抗ヒスタミン系の薬を塗る
クマバチの毒性を緩和するために抗ヒスタミン系の薬を塗ります。
念のため病院などへ行って毒性への処置をしてもらいます。
クマバチは飛べない?
クマバチはずんぐりした大きい体と比較して、それに見合わない小さな翅から、昔はマルハナバチの種類とともに「航空力学的に、飛べるはずのない蜂なのに飛べている」とされ、長年その飛行方法は大きな謎でした。
クマバチは飛べない? その飛行の謎 1
大きなずんぐりした体型と、それに比較して小さな翅で見るからに飛べそうもない!
クマバチは飛べない? その飛行の謎 2
クマバチは「航空力学的に、飛べるはずのない形なのに飛べている」とされ、長年その飛行方法は大きな謎でした。
クマバチは飛べない? その飛行の謎 3
クマバチは何故飛行できるのか? 「彼らは、飛べると信じているから飛べるのだ」というまことしやかな説が、科学者の間で大真面目に論じられていたほどです。
クマバチは飛べない? その飛行の謎、解明された?
クマバチは飛べない? その飛行の謎は解明されたのか?
クマバチは飛べない? その謎は解明されています!
クマバチが何故飛行できるのか、空気の持つ粘度でした!
クマバチが何故飛行できるのか、現在では「レイノルズ数という空気の持つ粘度に関する法則の発見により、またクマバチが翅を全速で動かすホバリングによって飛行できるのだ」と判明しています。
小さな蜂などの生き物にとっては、空気は人間が感じる以上に、粘っこい性質の物質であり、丁度人間が水に対して持つ粘度と同じような性質で浮いていられるように、クマバチも空中を飛行できるのですね!
小さい翅でのホバリングが見事!
クマバチの見事なホバリング!
クマバチが花の蜜を求めて、花の周りを小さな翅でホバリングしている所は見事で、かわいらしいですね。
小さな翅でホバリングしてよくあの大きな体を支えて飛ぶエネルギーには感心させられます。
またオスのクマバチが縄張りを確保するのにホバリングするのをよく見かけますが、オスの前翅の先はメスの翅より光るそうです。
クマバチと、クマンバチは違う!
クマバチは、スズメバチと見た目も違う!
クマバチは正式名称ですが、クマンバチは俗称や方言です。
地域によってスズメバチの事をクマンバチと呼ぶ事もあります。
クマンバチは方言ですので、地方により蜂の呼び名が違ってきます。
ミツバチ科の正式名称のクマバチを、クマンバチと呼ぶ地方もあれば、スズメバチをクマンバチと呼ぶ地方もあります。
クマバチとクマンバチの発音が似ているため、地方によって混同されているようです。
クマバチのかわいい姿!
クマバチ、花の周りで戯れる!
体型が大きくて黒色のハチ、クマバチは、よくクマンバチとも間違われ、見た目の大きさと低く「ブンブン」という大きな羽音のため、怖がられることが多い蜂ですね。
名前も「クマ」と「ハチ」と、どちらも攻撃的なイメージを合体させた生き物の名称ですから、怖れられる原因かもしれません。
むしろ「スズメ」「ハチ」の方が、雀と呼ばれるだけにいくぶんかわいいイメージありますが。実際はスズメバチの方が数段怖いですよね。
クマバチのホバリングの姿がかわいい!
クマバチ、花の周りでホバリング!
クマバチは元来が温厚な性格で、クマバチの方から人間を攻撃することは少ないと言われています。
クマバチが飛んでいるところを見ていても、余り周りの物や人間を意識していなで行動しているように見えます。
クマバチのわき目もふらず飛んでいる姿がかわいい!
クマバチ、黄色い花粉に覆われて!
クマバチの人なつっこい姿がかわいい!
他のミツバチやスズメバチなどが人間を見るとに接近して周りを飛び回ることがあります。
クマバチは元来人間に興味がない様子で、我関せずと言った態度で飛んでいますが、たまに手のひらで休憩がてら遊んだりします。
クマバチのコロッとした重そうな姿がかわいい!
クマバチは体重が重いので、花の茎が支えきれずに曲がってしまい、クマバチが体勢を崩し、必死に立て直そうと花にしがみついている姿が何とも、可愛いらしいですね。
まとめ
いかがでしたか?
クマバチはその名前や姿に似ず、人間を襲ったり刺したりすることが少ない温厚な性質を持つ蜂であることが分りました。
今後は、クマバチをもっと身近な存在として接していけそうですね!